JPH1090288A - Afmカンチレバー及びその製造方法 - Google Patents

Afmカンチレバー及びその製造方法

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JPH1090288A
JPH1090288A JP26116596A JP26116596A JPH1090288A JP H1090288 A JPH1090288 A JP H1090288A JP 26116596 A JP26116596 A JP 26116596A JP 26116596 A JP26116596 A JP 26116596A JP H1090288 A JPH1090288 A JP H1090288A
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cantilever
probe
afm
silicon
silicon nitride
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JP26116596A
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Michio Takayama
美知雄 高山
Kenji Sato
健志 佐藤
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が外側に拡がっている探針部をもつ、ト
レンチホール側壁評価に適したAFMカンチレバーにお
いて、側壁観察精度の向上を図る。 【解決手段】 膜厚が数百nm〜数μmの窒化シリコン
膜からなるカンチレバー部13の自由端近傍に、該カンチ
レバー部13と一体的に形成された窒化シリコン膜製の探
針部11を設け、該探針部11には外側に拡がった先端部12
が形成されており、カンチレバー部13の背面には支持部
14を固着してAFMカンチレバーを構成する。このよう
にカンチレバー部13を窒化シリコン膜で形成しているた
め、薄いカンチレバー部を容易に形成することができ、
側壁観察精度を向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原子間力顕微鏡
(AFM: Atomic Force Microscope)に用いるAFM
センサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性試料を原子サイズオーダー
の分解能で観察できる装置として走査トンネル顕微鏡
(STM: Scanning Tunneling Microscope)が Binni
ngと Rohrer らにより発明されてから、原子オーダーの
表面凹凸を観察できる顕微鏡として各方面での利用が進
んでいる。しかしSTMでは、観察できる試料は導電性
のものに限られている。
【0003】そこで、STMにおけるサーボ技術を始め
とする要素技術を利用しながら、STMでは測定し難か
った絶縁性の試料を原子サイズオーダーの精度で観察す
ることのできる顕微鏡として、原子間力顕微鏡(AF
M)が提案された。このAFMは、例えば特開昭62−
130302号(IBM,G.ビニッヒ、サンプル表面
の像を形成する方法及び装置)に開示されている。
【0004】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられている。
AFMでは、自由端に鋭い突起部分(探針部)を持つ片
持ち梁(カンチレバー)を、試料に対向して近接させ、
探針部の先端の原子と試料原子との間に働く相互作用力
により変位する片持ち梁の動きを、電気的あるいは光学
的にとらえて測定しつつ、試料をXY方向に走査し、片
持ち梁の探針部との位置関係を相対的に変化させること
によって、試料の凹凸情報などを原子サイズオーダーで
三次元的にとらえることができるようになっている。
【0005】このような構成のAFM等の走査型プロー
ブ顕微鏡用のカンチレバーチップとしては、T.R.A
lbrecht らが半導体IC製造プロセスを応用して作製す
ることのできる酸化シリコン膜製のカンチレバーを提案
して以来〔 Thomas R. Albrecht and Calvin F. Quate
: Atomic resolution imaging of a nonconductor Ato
mforce Microscopy J. Appl. Phy. 62 (1987)2599〕、
ミクロンオーダーの高精度で優れた再現性をもって作製
することが可能になっている。また、このようなカンチ
レバーチップは、バッチプロセスによって作製すること
ができ、低コスト化が実現されている。したがって、現
在では、半導体IC製造プロセスを応用して作製される
カンチレバーチップが主流となっている。
【0006】一方、近年半導体集積回路をより集積化す
るため、シリコン基板にトレンチホールを形成し、その
内部にキャパシタやトランジスタを形成する試みがなさ
れている。その際、トレンチホール形状やその側壁表面
の荒れが、前記キャパシタあるいはトランジスタの特性
を左右することから、トレンチホール形成後、その形状
や表面荒れを簡便に評価する手法が望まれている。そし
て、このような評価をAFMによって行うために有効な
探針の形成方法を、トマス.バイエルらが提案している
(特開平3−104136号,IBM,トマス.バイエ
ル他、超微細シリコン・テイップを形成する方法)。
【0007】次に、この探針の形成方法を図8を参照し
ながら説明する。まず図8の(A)に示すように、スタ
ート基板として酸化シリコン膜102 を表面に形成したシ
リコン基板101 を用い、探針を形成するための一般に円
形のパターンを酸化シリコン膜102 に転写し、この酸化
シリコン膜102 をマスクとしてシリコン基板101 を異方
性RIE処理することにより、柱状突起軸103 を形成す
る。次に図8の(B)に示すように、前記柱状突起軸10
3 の側壁を浅く等方性エッチング処理することにより、
突起軸径を小さくすると共に、突起軸下部に円錐形の基
部103aを形成し、突起軸103 の機械的安定性を向上させ
る。次に図8の(C)に示すように、異方性湿式エッチ
ングを施すことにより、酸化シリコン膜102 からなるマ
スクの真下の負の断面形状を形成する。最後に酸化シリ
コン膜102 からなるマスクを除去することにより、図8
の(D)に示すように、先端が外側に拡がった形状の探
針104 が形成される。
【0008】このように先端が外側に拡がった形状の探
針を用いることにより、負の勾配角をもつトレンチホー
ル形状や、その側壁荒れが測定可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したトマス.バイ
エルらが提案したAFMセンサの探針は、前記作製方法
からわかるように、探針、レバー共にシリコン製であ
る。試料側壁のAFM測定においては、探針を試料側壁
に接触させて測定する方式がとられるため、レバー特性
としては柔らかい方が測定感度を高くできる。しかし、
シリコン製のカンチレバーにおいては、レバー膜厚を1
μm以下に薄く安定して作製することは極めて困難であ
り、したがって、レバー特性を柔らかくするこことは難
しいので測定感度が低下してしまうという問題点があっ
た。またシリコン製の探針は、接触式の測定では磨耗が
激しいため、測定再現性が得られないという問題点もあ
る。更にまた、探針が静電気等により帯電するために、
測定再現性が得られないという問題点もある。
【0010】本発明は、従来のAFMカンチレバーにお
ける上記問題点を解消するためになされたもので、請求
項1記載の発明は、トレンチホール側壁評価に適した先
端が外側に拡がっている探針部を持つAFMカンチレバ
ーにおいて、側壁観察感度を向上させることを目的とす
る。請求項2及び3記載の発明は、探針部の耐磨耗性を
増大させ、あるいは探針部の電位を固定できるようにし
て、測定再現性の高いAFMカンチレバーを実現するこ
とを目的とする。請求項4記載の発明は、測定中の探針
部の反りや折れを防ぎ、安定した測定の可能なAFMカ
ンチレバーを提供することを目的とする。請求項5及び
6記載の発明は、請求項1〜4記載のAFMカンチレバ
ーを簡便に製造することができる製造方法を提供するこ
とを目的とする。請求項7記載の発明は、請求項4記載
のAFMカンチレバーを簡便に製造することの可能な製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解消するた
め、請求項1記載の発明は、支持部より伸びた窒化シリ
コン膜製カンチレバー部の自由端近傍に、該カンチレバ
ー部と一体的に窒化シリコン膜製探針部を前記支持部配
設側の反対側へ突出形成し、該窒化シリコン膜製探針部
の先端部を外側に拡がった形状に形成してAFMカンチ
レバーを構成するものである。このようにカンチレバー
部を窒化シリコン膜で形成することにより、薄い膜厚の
カンチレバー部を容易に形成することができ、トレンチ
ホールの側壁観察感度を向上させることが可能となる。
【0012】また請求項2記載の発明は、支持部より伸
びた窒化シリコン膜製カンチレバー部の自由端近傍に、
該カンチレバー部とは別部材から成る探針部を前記支持
部配設側の反対側へ突出固設し、該探針部の先端部を外
側に拡がった形状に形成してAFMカンチレバーを構成
するものであり、また請求項3記載の発明は、請求項2
記載のAFMカンチレバーにおいて、探針部をSi3 4
の組成を持つ窒化シリコン,DLC,SiC,W,Ti ,
Mo ,Ni ,アモルファス合金のいずれかの膜により形
成するものである。このように探針部を、窒化シリコン
膜製のカンチレバー部とは別部材の硬質材で形成するこ
とにより、試料表面に接する探針先端部の耐磨耗性が向
上し、測定再現性を高めることができ、また探針部を導
電性部材で形成することにより、探針部の電位を固定接
地できるので、探針部が静電気等により帯電することが
なくなり、測定再現性を保持することが可能となる。
【0013】また請求項4記載の発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載のAFMカンチレバーにおいて、
前記探針部が、前記カンチレバー部と接する付け根部分
において他の部分より径が太く形成されていることを特
徴とするものである。このように探針部を形成すること
により、測定中における探針部の折れや反りをなくし、
測定安定性を高めることが可能となる。
【0014】また請求項5記載の発明は、請求項1〜4
のいずれか1項に記載のAFMカンチレバーの製造方法
において、シリコン基板に形成されたレプリカ穴に探針
部を形成する母材料を堆積し、その後シリコン基板を溶
解除去することにより探針部を形成する工程を備えてい
ることを特徴とするものである。これにより、窒化シリ
コン膜製のカンチレバー部を有するAFMカンチレバー
の探針部を容易に作製可能となる。
【0015】また請求項6記載の発明は、請求項5記載
のAFMカンチレバーの製造方法において、前記レプリ
カ穴を形成するシリコン基板として、シリコン/シリコ
ン酸化膜/シリコンの構造を持つSOI基板を用い、レ
プリカ穴の形成にドライエッチングを用いることを特徴
とするものである。このようにして探針部形成用レプリ
カ穴を形成することにより、先端部が外側に拡がった探
針部を容易に安定して製造することができる。
【0016】また請求項7記載の発明は、請求項5記載
のAFMカンチレバーの製造方法において、等方性エッ
チングを施した後、異方性ドライエッチングを行うこと
により、前記レプリカ穴を形成することを特徴とするも
のである。このようにして探針形成用レプリカ穴を形成
することにより、カンチレバー部側の付け根部の径の太
い折れや反りのない探針部を容易に製造することが可能
となる。
【0017】
【発明の実施の形態】 (第1の実施の形態)次に、実施の形態について説明す
る。図1は、本発明に係るAFMカンチレバーの第1の
実施の形態の構成を示す横断面図である。図1におい
て、11は窒化シリコン膜製の探針部であり、その長さは
3〜15μm程度である。12は外側に拡がった探針先端部
であり、このように探針部11の先端部12が外側に拡がっ
て構成されていることにより、トレンチホール側壁等の
表面凹凸が測定可能となる。13は窒化シリコン膜製のカ
ンチレバー部で、前記探針部11と一体的に形成されてお
り、その厚さは数百nmから数μmである。14は前記カ
ンチレバー部13の支持部であり、例えばガラス,シリコ
ン等で形成されている。また図には示していないが、カ
ンチレバー部13の背面、すなわち支持部14の固着されて
いる側の表面には、AFM測定時におけるカンチレバー
変位量検出のための光反射膜を形成してもよい。
【0018】次に、上記実施の形態に係るAFMカンチ
レバーの製造方法について、図2の(A)〜(D)を参
照しながら説明する。まず図2の(A)に示すように、
シリコン基板20に、探針部を形成するためのレプリカ穴
21を形成する。この時レプリカ穴21の底部22が裾拡がり
状態になるように形成する。次に、前記レプリカ穴21を
設けたシリコン基板20上に、カンチレバーを形成するた
めの膜として、例えば窒化シリコン膜を成膜する。この
とき使用する窒化シリコン膜の組成は、通常の集積回路
製造に用いている、シリコン:窒素が3:4のものより
もシリコン含有率の高い、低応力化したものを使用す
る。これは、下地シリコン基板20を溶解して前記窒化シ
リコン膜製カンチレバー部を形成したときに、カンチレ
バー部が反ってしまうのを避けるためである。この後、
図2の(B)に示すように、前記窒化シリコン膜をカン
チレバー状のパターンに加工し、外側に拡がった先端部
23を有する探針部24を一体的に備えたカンチレバー部25
を形成する。次に、図2の(C)に示すように、ガラス
板あるいはシリコン基板等からなる支持部26を、前記窒
化シリコン膜製のカンチレバー部25上の所定の位置に接
合する。この後、図2の(D)に示すように、下地シリ
コン基板20をエッチング除去することにより、図1に示
した第1の実施の形態に係るAFMカンチレバーが完成
する。
【0019】なお、この後、必要に応じてカンチレバー
部25の背面、すなわち支持部26の固着されている面に、
AFM測定時におけるカンチレバー変位量検出のための
光反射膜27を形成してもよい。またレプリカ穴21の形成
後、レプリカ穴21の内部を熱酸化処理してから、カンチ
レバー部及び探針部を形成する窒化シリコン膜を成膜し
てもよい。この処理により探針部24の先端部23を、より
尖鋭化することが可能となる。
【0020】次に、上記図1に示した第1の実施の形態
に係るAFMカンチレバーの他の製造方法について、図
3の(A),(B)を用いて説明する。この製造方法に
おいては、スタート基板として図3の(A)に示すよう
に、シリコン基板31を酸化シリコン膜32を介して別のシ
リコン基板33と貼り合わせた基板、すなわち貼り合わせ
SOI( Silicon On Insulator )基板を使用する。こ
こで、貼り合わせた2枚のシリコン基板の一方31の厚さ
は、例えば3〜15μm程度であり、この厚さは探針部の
所望の長さに設定される。以下の工程は、図2に示した
製造方法とほぼ同等の工程で形成されるが、探針部形成
用レプリカ穴の形成工程においては、少なくともその最
終段階では、RIE( Reactive Ion Etching )等の異
方性ドライエッチングを使用する。これにより図3の
(B)に示すように、SOI基板の中間層の酸化シリコ
ン膜32で反応性イオン34が反跳し、この反跳イオン35が
シリコン基板側の壁部をエッチングするため、底部36が
裾拡がり形状のレプリカ穴を容易に形成することが可能
となる。以下、図2に示した製造方法と同様の手法によ
り、第1の実施の形態に係るAFMカンチレバーが完成
する。但し、下地SOI基板のエッチング除去において
は、途中で貼り合わせSOI基板の中間酸化シリコン膜
32が露出し、エッチングが停止するため、この酸化シリ
コン膜32をいったん除去した後、再度シリコン基板31を
エッチング除去する必要がある。
【0021】(第2の実施の形態)次に、本発明に係る
AFMカンチレバーの第2の実施の形態について、図4
及び図5に示す製造工程図に基づいて説明する。本実施
の形態の製造においては、スタート基板としては通常の
シリコン基板を用いても、あるいは貼り合わせSOI基
板を用いても構わないが、ここでは通常のシリコン基板
を用いた場合を例にとって説明する。まず図4の(A)
に示すように、シリコン基板40にカンチレバー部を形成
する低応力化した窒化シリコン膜を成膜し、これをカン
チレバーパターンに加工して、カンチレバー部41を形成
する。次に、図4の(B)に示すように、探針形成用レ
プリカ穴を形成するためのエッチングマスク用に、例え
ば酸化シリコン膜42を減圧気相成長法等により堆積し、
この酸化シリコン膜42及びカンチレバー部41を加工して
レプリカ穴形成部43を形成し、下地シリコン基板40を露
出させる。この後、シリコン基板40をエッチングし、図
4の(C)に示すように、底部45が裾拡がり形状のレプ
リカ穴44を形成する。
【0022】次に図5の(A)に示すように、探針部形
成用部材として、例えばSi3 4 膜46を減圧気相成長法
等により堆積し、次いでレプリカ穴周辺にフォトレジス
ト47を形成し、これをマスクとして前記Si3 4 膜46を
エッチング除去することにより、探針形成部の周辺にの
み前記Si3 4 膜46を残す。この後、図5の(B)に示
すように、前記レプリカ穴形成用エッチングマスクとな
っている酸化シリコン膜42を除去し、ガラスからなる支
持部48を所定の位置に接合する。最後に下地シリコン基
板40をエッチング除去することにより、図5の(C)に
示すように、本実施の形態に係る、カンチレバー部41の
形成部材とは異なる部材からなる、先端部49が外側に拡
がった探針部50を持つAFMカンチレバーが完成する。
【0023】このように構成することにより、トレンチ
ホール側壁等を接触しながら、そのプロファイルを測定
しようとする際、探針部がSi3 4 膜で形成されてい
て、第1の実施の形態に示したカンチレバー部の形成材
と同じSiNで構成されている探針部より硬質なため、探
針部の磨耗が少なく、測定再現性が向上する。また本実
施の形態では、探針部の形成部材としてSi3 4 を用い
たものを示したが、本実施の形態によれば、DLC( D
iamond Like Carbon)膜,SiC膜,W,Ti ,Mo ,N
i ,アモルファス合金等、様々な材料で探針部を形成す
ることが可能となる。したがって、探針部をより硬質に
したり、探針部に導電性を持たせることが可能となる。
そして、探針部形成部材として導電性を持つ材料を用い
れば、カンチレバー部表面に形成する光反射膜を通じ
て、支持部から探針部先端まで電気的に導通できるた
め、AFM測定のみならずSTM測定も可能となるし、
また接地しておくことにより探針電位を固定できるの
で、静電気等による帯電からの測定不安定性を取り除く
ことが可能となる。
【0024】(第3の実施の形態)次に、本発明に係る
AFMカンチレバーの第3の発明の実施の形態について
説明する。本実施の形態では、図6に示すように、AF
Mカンチレバーの探針部51がカンチレバー部53と接する
付け根部52において、その径が太くなるように構成され
ている。このように構成することにより、測定中の探針
部の折れや反りが無くなり、測定安定性を高めることが
可能となる。なお本実施の形態に示す探針部の形状は、
前記第1及び第2の実施の形態において述べたAFMカ
ンチレバー全てに適用できるものである。
【0025】次に、このような形状の探針部を形成する
ための、探針部形成用レプリカ穴の作製方法を図7に基
づいて説明する。まず図7の(A)に示すように、シリ
コン基板60上に探針部形成用開口62を有するエッチング
マスク61を、例えば酸化シリコン膜等で形成する。この
後、シリコン基板60に等方性エッチングを施すことによ
り、図7の(B)に示すように、前記エッチングマスク
61に施した開口62の径よりも大きな径の穴63をシリコン
基板60に形成する。このような等方性エッチングは、例
えばHF,HNO3 ,CH3 COOHの混合液を用いた
湿式エッチングや、CF4 ,O2 の混合ガスを用いたド
ライエッチングを施すことにより可能となる。次に、引
き続いて異方性ドライエッチングを行うことにより、図
7の(C)に示すように、付け根部の径が太い、探針部
形成用レプリカ穴64を作製することができる。
【0026】なお、レプリカ穴底部65を裾拡がり形状に
するためには、前記異方性ドライエッチングの最終段階
で、エッチング条件を例えば等方性の成分を加える等の
変更をすることで可能となるし、あるいは第1の実施の
形態の製造方法に関して述べたように、基板としてSO
I基板を用いてRIE処理をすればよい。
【0027】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、薄い膜厚のカンチレ
バー部を容易に形成することができ、側壁観察感度を向
上させたAFMカンチレバーを実現することができる。
また請求項2及び3記載の発明によれば、探針部を窒化
シリコン膜製のカンチレバー部とは別部材の硬質部材で
形成することにより、耐磨耗性を向上させ測定再現性を
高めることができ、また探針部を導電性部材で形成する
ことにより、探針部を接地して帯電を防止することがで
き、測定再現性を保持することが可能となる。また請求
項4記載の発明によれば、探針部の折れや反りをなく
し、測定安定性を向上させることができる。また請求項
5記載の発明によれば、窒化シリコン膜製のカンチレバ
ー部を有するAFMカンチレバーを容易に製造すること
ができる。また請求項6記載の発明によれば、先端部が
外側に拡がった探針部を容易に安定して製造することが
できる。また請求項7記載の発明によれば、折れや反り
のない探針部を備えたAFMカンチレバーを容易に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAFMカンチレバーの第1の実施
の形態を示す横断面図である。
【図2】図1に示した第1の実施の形態の製造方法を説
明するための製造工程図である。
【図3】図1に示した第1の実施の形態の他の製造方法
を説明するための製造工程図である。
【図4】本発明に係るAFMカンチレバーの第2の実施
の形態を説明するための製造工程図である。
【図5】図4に示す製造工程に続く工程を示す製造工程
図である。
【図6】本発明に係るAFMカンチレバーの第3の実施
の形態を示す横断面図である。
【図7】図6に示した第3の実施の形態の製造方法を説
明するための製造工程図である。
【図8】従来のAFMカンチレバーの探針部の製造方法
を説明するための製造工程図である。
【符号の説明】
11 探針部 12 探針先端部 13 カンチレバー部 14 支持部 20 シリコン基板 21 レプリカ穴 22 レプリカ穴底部 23 探針先端部 24 探針部 25 カンチレバー部 26 支持部 27 光反射膜 31,33 シリコン基板 32 酸化シリコン膜 34 反応性イオン 35 反跳イオン 36 レプリカ穴底部 40 シリコン基板 41 カンチレバー部 42 酸化シリコン膜 43 レプリカ穴形成部 44 レプリカ穴 45 レプリカ穴底部 46 Si3 4 膜 47 フォトレジスト 48 支持部 49 先端部 50 探針部 51 探針部 52 付け根部 53 カンチレバー部 60 シリコン基板 61 エッチングマスク 62 開口 63 大径穴 64 レプリカ穴 65 底部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部より伸びた窒化シリコン膜製カン
    チレバー部の自由端近傍に、該カンチレバー部と一体的
    に窒化シリコン膜製探針部が前記支持部配設側の反対側
    へ突出形成され、該窒化シリコン膜製探針部の先端部が
    外側に拡がった形状に構成されていることを特徴とする
    AFMカンチレバー。
  2. 【請求項2】 支持部より伸びた窒化シリコン膜製カン
    チレバー部の自由端近傍に、該カンチレバー部とは別部
    材から成る探針部が前記支持部配設側の反対側へ突出固
    設され、該探針部の先端部が外側に拡がった形状に構成
    されていることを特徴とするAFMカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記探針部が、Si3 4 の組成を持つ窒
    化シリコン,DLC,SiC,W,Ti ,Mo ,Ni ,ア
    モルファス合金のいずれかの膜により形成されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のAFMカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記探針部が、前記カンチレバー部と接
    する付け根部分において他の部分より径が太く形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のAFMカンチレバー。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載
    のAFMカンチレバーの製造方法において、シリコン基
    板に形成されたレプリカ穴に探針部を形成する母材料を
    堆積し、その後シリコン基板を溶解除去することにより
    探針部を形成する工程を備えていることを特徴とするA
    FMカンチレバーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記レプリカ穴を形成するシリコン基板
    が、シリコン/シリコン酸化膜/シリコンの構造を持つ
    SOI基板であり、レプリカ穴の形成にドライエッチン
    グを用いることを特徴とする請求項5記載のAFMカン
    チレバーの製造方法。
  7. 【請求項7】 等方性エッチングを施した後、異方性ド
    ライエッチングを行うことにより、前記レプリカ穴を形
    成することを特徴とする請求項5記載のAFMカンチレ
    バーの製造方法。
JP26116596A 1996-09-11 1996-09-11 Afmカンチレバー及びその製造方法 Withdrawn JPH1090288A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003240700A (ja) * 2001-12-04 2003-08-27 Seiko Instruments Inc 走査型プローブ顕微鏡用探針
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