JPH0518603B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は工業用水、工業廃液、原油、セメント
ミルクなどの液体、液状物質中から、ゴミ、土砂
などの異物を取り除くために使用する自動フイル
タ装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の自動フイルタ装置としてはつぎのような
ものが一般である。

すなわち、円筒形の濾過槽と、濾過槽内に固定
状態に立設され、且つ側周面に濾過スクリーンを
備えた円筒形のエメレント筒と、濾過槽に接続さ
れ原液を濾過槽内に流入させる原液流入管と、エ
レメント筒に接続されると共に濾過槽を貫通して
外部に延出し、且つエレメント筒内の瀘液を流出
させる濾過流出管と、エレメント筒の外方に回転
可能に配された前記濾過スクリーンに接触する掻
取り部材と、この掻取り部材をエレメント筒の周
囲に回転させる駆動装置とを備えた自動フイルタ
装置が知られている。

この自動フイルタ装置は原液流入管から濾過槽
内に原液が流入すると、濾過スクリーンによつて
ゴミなどの異物が濾過除去され、エレメント筒内
に入つて濾過となる一方、濾過スクリーンに付着
した異物が掻取り部材の回転によつて自動的に掻
取られて濾過機能が維持されるようになつてい
る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記の自動フイルタ装置には処
理すべき原液の種類によつては原液中の異物が濾
過スクリーン内に喰い込んで掻取り部材によつて
充分に掻取り除去されず、濾過スクリーンが目詰
まりすることがある。

このような場合、自動フイルタ装置の運転を停
止して濾過スクリーンの徹底的な洗浄を余儀なく
され、稼働コスト上、好ましくない。

なお、原液流入管が前記エレメント筒に接続さ
れ、濾過流出管が前記濾過槽に接続されて上記自
動フイルタ装置とは流れが逆になるタイプの自動
フイルタ装置があるが、この場合にもエレメント
筒内部に掻取り部材を配するだけでは前記と同様
の理由から濾過スクリーンが目詰まりしがちとな
るという問題があつた。

本発明は上述の問題に鑑み発明されたものであ
つて、濾過機能が長期間低下することなく、した
がつて、稼働コスト上有利であると共に構造の複
雑化を最小限に抑えた自動フイルタ装置を提供す
ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 請求項１の発明は上記目的を達成するため、濾
過槽内に固定状態に立設され、且つ側周面に濾過
スクリーンを備えた円筒形のエレメント筒と、濾
過槽に接続され原液を濾過槽内に流入させる原液
流入管と、エレメント筒に接続されると共に濾過
槽を貫通して外部に延出し、且つエレメント筒内
の瀘液を流出させる瀘液流出管とを備えた自動フ
イルタ装置において、エレメント筒の外方に回転
可能し配されて前記濾過スクリーンに接触する掻
取り部材と、エレメント筒の内方に回転可能に配
されて前記濾過スクリーンを逆洗する逆洗ノズル
装置と、前記掻取り部材と前記逆洗ノズル装置と
を同期させて回転駆動する単一の駆動装置とを備
え、同期回転時に、逆洗ノズル装置の噴射位置が
常に掻取り部材の掻取り位置の前に位置するよう
に構成されることを特徴とする。

請求項(2)の発明は上記目的を達成するため、濾
過槽内に固定状態に立設され、且つ側周面に濾過
スクリーンを備えた円筒形のエレメント筒と、濾
過槽に接続され濾過槽内の瀘液を流出させる瀘液
流出管と、エレメント筒に接続されると共に濾過
槽を貫通して外部に延出し、且つ原液をエレメン
ト筒内に流入させる原液流入管とを備えた自動フ
イルタ装置において、エレメント筒の内方に回転
可能に配されて前記濾過スクリーンに接触する掻
取り部材と、エレメント筒の外方に回転可能に配
されて前記濾過スクリーンを逆洗する逆洗ノズル
装置と、前記掻取り部材と前記逆洗ノズル装置と
を同期させて回転駆動する単一の駆動装置とを備
え、同期回転時に、逆洗ノズル装置の噴射位置が
常に掻取り部材の掻取り位置の前に位置するよう
に構成されたことを特徴とする。

（作用） 請求項１の発明について説明すれば、圧送ポン
プ（図示省略）によつて圧送された原液は原液流
入管より濾過槽内に流入し、濾過スクリーンを通
過してエレメント筒内に流入する。このとき、原
液中の異物は濾過スクリーンによつて捕獲され、
エレメント筒内に流入した液は異物が取り除かれ
た瀘液となる。この瀘液は瀘液流出管を通じて外
部に取り出される。他方、濾過スクリーンに捕獲
され、これに付着した異物の大部分は回転する掻
取り部材によつて容易に掻取られて濾過スクリー
ンから除去される。しかし、濾過スクリーンに喰
い込んでいる異物は掻取り部材によつて簡単には
取り除かれないが、逆洗ノズル装置の逆洗ノズル
から噴出される逆洗液などによつて濾過スクリー
ン外周側に浮き上がらせられて喰い込み程度が軽
減される。この際、同期回転時に、逆洗ノズル装
置の噴射位置が常に掻取り部材の掻取り位置の前
に位置するように構成されているので、逆洗液の
噴射が掻取り部材によて邪魔されることがなく、
濾過スクリーンに喰い込んでいる異物を勢いよく
濾過スクリーンの外周側に押し出すことができ、
前記喰い込み程度の軽減を効果的に行うことがで
きる。その後において前記異物は掻取り部材によ
つて掻き落とされることになつて異物が完全に除
去される。また、単一の駆動装置によつて掻取り
部材と逆洗ノズル装置が回転駆動する構成を採用
しているので、装置自体の構造が複雑化すること
もない。

一方、請求項２の発明では原液が請求項１の発
明とは逆の方向から流入し、瀘液が逆の方向から
流出する点で請求項１の発明と相違するのみで、
濾過スクリーンに喰い込んでいる異物は逆洗ノズ
ルから噴出する逆洗液などによつて濾過スクリー
ン内周側に浮き上がらせられ、掻取り部材によつ
て掻き落とされる。

（実施例） つぎに、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図ないし第４図は本発明の第１実施例を示
す。

図面において、２は円筒形で金属製の濾過槽で
あつて、これは天板３、側周壁４及び底板５から
なる密閉容器である。また、側周壁４の上部接線
方向には工業用水などの原液を内部に流入させる
ための原液流入管６が接続され、所定の圧力を加
えられて濾過槽２内に流入した原液が旋回流とな
つて下方に向かうようになつている。前記底板５
は濾過槽２の側周壁の下端に斜め状態で楕円形状
の中央に貫通口５６が設けられている。また、７
は異物排出管であつて、前記側周壁４の下端部で
底板５の低い部分に対応する箇所にて側周壁４の
接線方向に接続されている。この異物排出管７は
通常は開閉弁（図示省略）によつて閉じられてい
るが、開閉弁が開くと、濾過槽２の底部に溜まつ
た異物が原液と共に外部に排出される。異物排出
管７が底板５の低い部分に連通する位置に接続さ
れることによつて、異物の排出は容易になる。

また、８は瀘液流出管１２上に立設固定されて
いる円筒形のエレメント筒であつて、濾過槽の内
部に濾過槽２と同芯状態に配置されている。この
エレメント筒８は頂板９を備えると共に濾過スク
リーン１０で主構成される側周部１１を備えてお
り、底部は開放状態に形成されている。濾過スク
リーン１０としては、たとえば、ウエツジワイヤ
を円筒形に巻回したもの、パンチングプレートを
円筒形に形成したもの等を用いることができる。
そして、上記の瀘液流出管１２はＬ形に屈曲し、
その鉛直部１３の上部が前記貫通口５６より底板
５上に突入し、濾過槽２内に位置するように構成
されている。なお、底板５と瀘液流出管１２とは
前記貫通口５６の部分で水密状態に溶接されてい
る。そして、瀘液流出管１２の上端１４上に前記
エレメント筒８の下端１５が載置され、濾過流出
管１２の上端部内面に突設した係合ピン１６とエ
レメント筒８の下端部内面に設けたＬ形フツク１
７とが係合することにより、エレメント筒８は瀘
液流出管１２上に立設固定されている。この瀘液
流出管１２はエレメント筒８の濾過スクリーン１
０上で濾過された瀘液をエレメント筒８の底部よ
り取り出し、その鉛直部１３によつて下方に導
き、次いでその水平部１８で側方に導いている。

上記の濾過槽２の内部の約2/3に当たる上部空
間はエレメント筒８が配置された濾過スペースと
なつており、約1/3に当たる下部空間は異物貯溜
スペースとなつている。そして濾過スペースにお
いて、エレメント筒８と濾過槽２の間の空間に
は、掻取り部材１９を備えた枠状部材２０が配設
されている。この枠状部材２０は、図示する例に
おいて、１対の鉛直ロツド２１，２１を上端にお
いて固着する水平杆２２の中央に位置して上方に
突設するボス２３から主構成されている。両鉛直
ロツド２１，２１は対称位置にあり、夫々の下端
にエレメント筒８の側周部１１の下端外周に当接
して転動するローラ２４を備えている。また、上
記鉛直ロツド２１，２１には、アーム部材２５を
介して掻取り部材１９が取付けられている。掻取
り部材１９としては、図示する例のようにブラシ
を用いると好適であるが、この他フツ素系樹脂か
らなるブレード状のスクレーパなどを用いること
も可能である。そして前記掻取り部材１９はスプ
リング２６によつて濾過スクリーン１０面に圧接
するように付勢されている。前記ボス２３は濾過
槽２の内部上端近傍に配設した支持部材２７によ
つて回転自在に吊持されている。すなわち、支持
部材２７の中央には軸受筒部２８が形成され、そ
の内面に鍔付ブツシユ２９が嵌合される一方、前
記ボス２３の上部内面は角孔３１となつていて鍔
付ブツシユ２９に嵌挿され、鍔付ブツシユ２９よ
り上方に突出する部分においてこのボス２３にナ
ツト３０が締結されている。これにより、枠状部
材２０の重量はナツト３０、鍔付ブツシユ２９の
鍔部を介して支持部材２７の軸受筒部２８によつ
て支承される。なお、前記ボス２３の軸心は濾過
槽２の中心と一致している。

そして、濾過槽２の中心線上に、エレメント筒
８及び瀘液流出管１２の鉛直部１３を貫通するよ
うに逆洗ノズル装置１が配設されている。この逆
洗ノズル装置１はその上端がエレメント筒８の頂
板９に回転自在に支承されると共に、その下端が
瀘液流出管１２の屈曲部底面で濾過槽で中心線上
に位置する部分にネジ孔４３が設けられており、
その孔４３に逆洗用パイプ３７が回転自在に支持
されている。この逆洗用パイプ３７の上端部は前
記頂板９の孔３８に乾燥された鍔付ブツシユ４６
によつて回転自在に軸支されている。また、逆洗
用パイプ３７の上端部で鍔付ブツシユ４６より上
方に突出する部分にはスナツプリング４７が嵌着
され、このスナツプリング４７が鍔付ブツシユ４
６の鍔部上に着座することによつて逆洗用パイプ
３７の重量が前記鍔付ブツシユ４６によつて支え
られる。４８は水密構造を得るためのガスケツト
である。また、前記水平杆２２のボス２３近傍下
面には下方に突出する１対の動力伝達ピン３２，
３２が設けられており、逆洗用パイプ３７上端部
には枠状部材２０の動力伝達ピン３２，３２に遊
離可能に係合する動力伝受ピン４９，４９が設け
られている。

そして、濾過槽２の天板３上には前記枠状部材
２０を回転駆動するための駆動装置である電動モ
ータ３３が配置されている。したがつて、電動モ
ータ３３の回転によつて、枠状部材２０が回転す
ると、同時に逆洗用パイプ３７も同期して回転す
るようになつている。

さらに、逆洗用パイプ３７の下端は開放され、
供給パイプ５０に接続されている。この供給パイ
プ５０は逆洗液、逆洗用スチーム等を逆洗用パイ
プ３７に送り込むもので、Ｌ形に形成され、その
上端が逆洗用パイプ３７の下端に連通している。

逆洗用パイプ３７の下端部は第４図に示すよう
に鍔付コネクタ５１によつて回転自在に支持され
ている。この鍔付コネクタ５１の瀘液流出管１２
のネジ孔４３に螺締され、その上部のブツシユ５
２を備えた円孔部に逆洗用パイプ３７の下端部を
収容し、その下部のテーパネジ孔５３に送出パイ
プ５０の上端テーパネジ部５４を螺着するもので
ある。

一方、瀘液排出管１２の屈曲部底面で、濾過槽
２の中心線上に位置する部分にも、逆洗用パイプ
３７を貫通支持するためのネジ孔４３が設けられ
ている。なお、前記電動モータ３３は正逆回転可
能に構成されていると好ましいが、一方向回転で
あつてもよい。又減速機が組込まれているもの
や、別に減速機が設けられているものを用いると
好適である。この電動モータ３３の出力軸３４は
天板３の中心に設けた孔３５を貫通して下方に伸
び、その先端側に位置する角軸部３６が前記ボス
２３の角孔３１に係合している。従つて電動モー
タ３３を回転させると、枠状部材２０が回転し、
これに伴い掻取り部材１９，１９がエレメント筒
８の周囲をその濾過スクリーン１０に圧接しなが
ら回転することによつて、濾過スクリーン１０に
付着したり喰い込んでいる異物を自動的に除去す
ることができる。

そして、逆洗用パイプ３７には、第１図及び第
２図に示すように複数の逆洗ノズル５７、……が
接続されている。図示する例では、６本の逆洗ノ
ズル５７、……を備え、一方の掻取り部材１９に
対向する箇所に上下３段の逆洗ノズル５７、……
が、他方の掻取り部材１９に対向する箇所にも同
様に上下３段の逆洗ノズル５７、……が、夫々逆
洗用パイプ３７に取付けられている。逆洗ノズル
５７と掻取り部材１９とは同期して回転するの
で、その関係位置は常に一定であるが、濾過スク
リーンに喰い込んでいる異物に対する掻取り作業
がより能率的に行われるように濾過スクリーンに
対する異物の喰い込み程度を軽減させるべく第２
図に示すように、回転方向の前方位置に逆洗ノズ
ル５７を、後方位置に掻取り部材１９を配する。
なお、５５はＯリング、５９はガスケツトであつ
て、いずれも水密構造とするのである。

つぎに、本発明の第２実施例について説明する
と、これは濾過槽２を貫通して外部に延出し、且
つ原液をエレメント筒８内に流入させる原液流入
管６がエレメント筒８に接続され、濾過槽２内の
瀘液を流出される瀘液流出管１２が濾過槽２に接
続された自動フイルタ装置であつて、第５図に示
すように、エレメント筒８の内方に濾過スクリー
ンに接触回転するように掻取り部材１９が配設さ
れ、また、エレメント筒８の外方に回転可能に濾
過スクリーンを逆洗する逆洗ノズル５７が配設さ
れた構成となつている。この第２実施例のものは
第１実施例のものとは原液の流入と濾過の流出と
が逆になるタイプである。このタイプのものによ
れば、原液流入管６からエレメント筒８内に流入
した原液は濾過スクリーン１０によつて濾過さ
れ、この濾過スクリーン１０に喰い込んでいる異
物は逆洗ノズル５７からの逆洗液などの噴出によ
つて濾過スクリーン１０内周面から浮き上がらせ
られ、逆洗ノズル装置の回転に少し遅れて回転し
ている掻取り部材１９によつて掻き落とされる。

（発明の効果） 本発明は以上のように構成され作用するもので
あるので、濾過機能が長期間低下することなく、
したがつて、稼働コスト上有利であると共に単一
の駆動装置によつて掻取り部材と逆洗ノズル装置
とが駆動されるようにしたのでその構造も複雑化
することなく簡単な構造となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は逆洗ノズル装置を備えた
自動フイルタ装置に関する本発明の実施例を示
し、第１図はその全体の一部切欠正面図、第２図
は横断平面図、第３図及び第４図は夫々主要部分
の拡大断面図、第５図は本発明の別の実施例の第
１図に対応する横断平面図である。 １……逆洗ノズル装置、２……濾過槽、４……
側周壁、５……底板、６……原液流入管、７……
異物排出管、８……エレメント筒、１０……濾過
スクリーン、１２……瀘液流出管、１９……掻取
り部材、２０……枠状部材、３３……駆動装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 濾過槽内に固定状態に立設され、且つ側周面
   に濾過スクリーンを備えた円筒形のエレメント筒
   と、濾過槽に接続され原液を濾過槽内に流入させ
   る原液流入管と、エレメント筒に接続されると共
   に濾過槽を貫通して外部に延出し、且つエレメン
   ト筒内の瀘液を流出される瀘液流出管とを備えた
   自動フイルタ装置において、エレメント筒の外方
   に回転可能に配されて前記濾過スクリーンに接触
   する掻取り部材と、エレメント筒の内方に回転可
   能に配されて前記濾過スクリーンを逆洗する逆洗
   ノズル装置と、前記掻取り部材と前記逆洗ノズル
   装置とを同期させて回転駆動する単一の駆動装置
   とを備え、同期回転時に、逆洗ノズル装置の噴射
   位置が常に掻取り部材の掻取り位置の前に位置す
   るように構成された自動フイルタ装置。 ２ 濾過槽内に固定状態に立設され、且つ側周面
   に濾過スクリーンを備えた円筒形のエレメント筒
   と、濾過槽に接続され濾過槽内の瀘液を流出され
   る瀘液流出管と、エメメント筒に接続されると共
   に濾過槽を貫通して外部に延出し、且つ原液をエ
   レメント筒内に流入させる原液流入管とを備えた
   自動フイルタ装置において、エレメント筒の内方
   に回転可能に配されて前記濾過スクリーンに接触
   する掻取り部材と、エレメント筒の外方に回転可
   能に配されて前記濾過スクリーンを逆洗する逆洗
   ノズル装置と、前記掻取り部材と前記逆洗ノズル
   装置とを同期させて回転駆動する単一の駆動装置
   とを備え、同期回転時に、逆洗ノズル装置の噴射
   位置が常に掻取り部材の掻取り位置の前に位置す
   るように構成された自動フイルタ装置。