JPH05185717A - 多色感熱記録材料 - Google Patents

多色感熱記録材料

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JPH05185717A
JPH05185717A JP4020735A JP2073592A JPH05185717A JP H05185717 A JPH05185717 A JP H05185717A JP 4020735 A JP4020735 A JP 4020735A JP 2073592 A JP2073592 A JP 2073592A JP H05185717 A JPH05185717 A JP H05185717A
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heat
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JP4020735A
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English (en)
Inventor
Yutaka Fujita
裕 藤田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルヘッドの金属部を腐食することが無
い上、製造適性や色分離性に優れた多色感熱記録材料を
提供すること。 【構成】 支持体上に、少なくとも、加熱により発色す
る無色或いは淡色の発色成分及びバインダーを含有する
感熱記録層を2層以上設けた感熱記録材料であって、前
記バインダーが、Na+ 、K+ 及びCl- の含有量が各
々100ppm未満のゼラチン及び/又はゼラチン誘導
体を主成分としてなることを特徴とする多色感熱記録材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多色感熱記録材料に関
し、特に製造適性に優れると共に、サーマルヘッド適性
を改善した多色感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】感熱記録方法は、使用する記録装置が簡便
であるにもかかわらず信頼性が高い上メインテナンスも
不要であることから、近年目覚ましい発展を遂げ様々な
用途に応用されている。そこで最近、熱記録によって多
色画像やフルカラーの画像を記録する提案もなされてい
る。
【0003】一般に、感熱記録によって多色記録を行う
場合には、異なる熱エネルギーによる加熱により、各々
異なる色相に発色する電子供与性染料前駆体(発色剤)
と酸性物質(電子受容性化合物(顕色剤))の組み合わ
せ又はジアゾ化合物(発色剤)とカップリング成分(顕
色剤)の組み合わせが用いられる。
【0004】又、一般に、多色感熱記録材料は、支持体
上に異なる発色色相の感熱記録層を多層に積層すること
によって製造される。この場合、支持体上に感熱記録層
を多層重層塗布法によって効率よく設けることにより感
熱記録材料の製造適性を向上させる観点、又、感熱記録
層各層の層間の混合を防止して色分離性を向上させる観
点から、感熱記録層のバインダーとして特にゼラチンを
使用することが望まれる。
【0005】所で、サーマルヘッドは主として金属質の
発熱体からなっており、該表面が、薄い酸化金属(例え
ば酸化アルミニウム、酸化ルテニウム等)の保護被膜で
覆われており、この保護被膜は記録時における400〜
700℃の温度に耐えながら、感熱記録層中に存在する
ナトリウムイオン(Na+ )、カリウムイオン(K+
或いは塩素イオン(Cl- )による金属腐食からサーマ
ルヘッドを保護するものと考えられている。従って、こ
れらのイオンからサーマルヘッドの金属部分の腐食を防
止するために、感熱記録層に含有されるナトリウムイオ
ン、カリウムイオン或いは塩素イオンを所定量まで低減
させることが行われている(特公昭59−25672
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
ゼラチンはNa+ 、K+ 及びCl- の各イオンを多量に
含んでいるので、このようなゼラチンをバインダーとし
て使用した感熱記録材料を用いて画像を記録した場合に
は、これらのイオンによりサーマルヘッドの金属部分が
腐食されて破壊され易いという欠点があった。
【0007】本発明者等は上記の欠点を解決するため
に、鋭意検討した結果、Na+ 、K+ 及びCl- の各イ
オンの含有量を少なくしたゼラチンをバインダーの主成
分として使用することにより良好な結果が得られること
を見出し本発明に到達した。従って、本発明の目的は、
サーマルヘッドの金属部の腐食が起こりにくい上、製造
適性や色分離性に優れた多色感熱記録材料を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、少なくとも、加熱により発色する無色或い
は淡色の発色成分及びバインダーを含有する感熱記録層
を2層以上設けた感熱記録材料であって、前記バインダ
ーが、Na+ 、K+ 及びCl- の含有量が各々100p
pm未満のゼラチン及び/又はゼラチン誘導体を主成分
としてなることを特徴とする多色感熱記録材料によって
達成された。
【0009】次に、本発明の多色感熱記録材料を使用し
て容易に良好な多色画像を得るための方法を説明する。
本発明においては、支持体の一方の面に、支持体側から
順次シアン発色層、マゼンタ発色層及びイエロー発色層
となるように、各層を重層に設けることにより、フルカ
ラーの多色感熱記録材料を得ることができる。
【0010】この場合、各層の発色を独立に行い、記録
する多色画像を自然色に近づけるために、少なくとも上
二層の発色層には、特開昭61─40192号に開示さ
れているようなジアゾ化合物のカップリング発色反応
と、光定着反応の系を採用することが好ましい。
【0011】即ち、まず初めに低熱エネルギーの熱記録
で一方の面の最上層のイエロー発色層を独立に発色させ
る。その後、イエローのジアゾ化合物のみを選択的に光
分解する特定波長の光源を用いて光定着する。次に相対
的に前回より高熱エネルギーで内側にある熱感度の低い
マゼンタ発色層を熱記録してマゼンタ発色層を独立に発
色させ、次いでマゼンタのジアゾのみを選択的に光分解
する特定波長の光源を用いて光定着する。更に、前回よ
り高熱エネルギーでマゼンタ層より内側にあるシアン発
色層を熱記録し独立に発色させる。この場合、三層の一
番下側にあるシアン発色層は必ずしも光定着を必要とし
ない。
【0012】上記の場合においてはシアン、マゼンタ及
びイエローを各々独立に支持体の一方の面に発色させる
ことができるのでシアン、マゼンタ、イエロー、シアン
+マゼンタ(ブルー)、マゼンタ+イエロー(レッ
ド)、シアン+イエロー(グリーン)、シアン+マゼン
タ+イエロー(ブラック)の計7色が色分離良く実現さ
れる。一般に多層の多色記録材料の場合には、最内層を
除く他の層を透明感熱記録層とすることが、各発色が鮮
やかになるので好ましい。
【0013】本発明においては、支持体として透明な支
持体を用い、上記3層の内何れか一層を透明な支持体の
裏面に塗布することにより、上記同様の多色画像を得る
こともできる。この場合には、画像を見る側と反対側の
面の最上層の感熱記録層は透明である必要はない。又、
シアン発色層、マゼンタ発色層若しくはイエロー発色層
の中から何れか2層を適宜選択して支持体上に順次設
け、2色又は3色の多色画像を熱記録することができる
ことは当然である。
【0014】尚、印加熱エネルギーを適度に加減して各
ユニットの発色をコントロールすることにより中間色を
適宜再現することができることは、当業者であれば容易
に理解することができる。以上、本発明の多色感熱記録
材料の画像形成方法を概略的に示したが、次に本発明で
使用する素材について説明する。
【0015】本発明に係る感熱記録に用いる発色成分
は、加熱による物質の接触に基づく発色反応を生ずる物
質であり、具体的には電子供与性染料前駆体(発色剤)
と電子受容性化合物(顕色剤)の組み合わせ又はジアゾ
化合物(発色剤)とカプラー(顕色剤)の組み合わせで
ある。
【0016】電子供与性染料前駆体としてはトリアリー
ルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジ
ン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合
物等が挙げられるが、特にトリアリールメタン系化合物
及びキサンテン系化合物が、発色濃度が高いので有用で
ある。
【0017】これらの具体例としては、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメ
チルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−
3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フタリド;
【0018】4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズ
ヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオ
ーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコ
オーラミン;ローダミン−B−アニリノラクタム、ロー
ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−
B−(p−クロロアニリノ)ラクタム;
【0019】2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘ
キシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン;
【0020】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンジルロイコメチレンブルー;3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、
3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−ス
ピロ−ジベンゾピラン等がある。
【0021】電子受容性化合物としてはフェノール誘導
体、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等
が挙げられる。これらの中でも特に、ビスフェノール
類、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。これら
の一部を例示すれば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、2,2
−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−
ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)
プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキ
サン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及
びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サ
リチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメチルベ
ンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ
安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p
−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェ
ニルフェノール、p−クミルフェノール等が挙げられ
る。
【0022】電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物
からなる感熱記録層には、その反応を促進するための増
感剤を添加することが好ましい。増感剤としては、分子
内に芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有
機化合物が好ましく、その具体例としてはp−ベンジル
オキシ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテ
ル、β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フ
ェニルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェ
ニルエステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジ
ル)エーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテ
ル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエー
テル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニル
エーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)
エタン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキ
シ)エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノ
キシ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられ
る。
【0023】一方、ジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と熱
時反応して発色するカプラーを含有する感熱発色層に用
いられる化合物は、公知の光分解性のジアゾ化合物、該
ジアゾ化合物と反応して色素を形成しうるカプラー及び
ジアゾ化合物とカプラーとの反応を促進する塩基性物質
等である。
【0024】本発明で言う光分解性のジアゾ化合物は主
に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には芳香族ジ
アゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾアミ
ノ化合物等を意味する。これらの中でも、熱感度の点か
ら、特にジアゾニウム塩を使用することが好ましい。
【0025】ジアゾニウム塩とは一般式 Ar−N2 + - (式中Arは芳香族部分を表し、N2 + はジアゾニウム
塩、X -は酸アニオンを表す)で表される化合物であ
る。これらはAr部分の置換基の位置や種類によって様
々な最大吸収波長を持つ。
【0026】本発明で用いられるジアゾ化合物の具体例
としては、4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−
アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジ
アゾニウム、4−ジオクチルアミノベンゼンジアゾニウ
ム、4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジ
ノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘキシルアミノ−2
−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−N−エチ
ル−N−ヘキサデシルアミノ−2−エトキシベンゼンジ
アゾニウム、3−クロロ−4−ジオクチルアミノ−2−
オクチルオキシベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブト
キシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,5−
オクトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、
2,5−ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキサノ
イル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジ
エトキシ−4−(N−(2−(2,4−ジ−tert−
アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼンジ
アゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−トリルチオベン
ゼンジアゾニウム、3−(2−オクチルオキシエトキ
シ)−4−モロホリノベンゼンジアゾニウム、等が挙げ
られる。本発明においては、特にこれらのヘキサフルオ
ロフォスフェート塩、テトラフルオロボレート塩、1,
5−ナフタレンスルホネート塩が、水に対する溶解性が
小さく、有機溶剤に可溶であるので有用である。
【0027】本発明に用いられるジアゾ化合物と熱時反
応して発色するカプラーとしてはレゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホ
ン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モル
ホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシ−6−スルファニルナフタレン、2−ヒドロキシ
−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−
ナフトエ酸−N−ドデシルオキシプロピルアミド、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸テトラデシルアミド;
【0028】アセトアニリド、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフ
トエ酸アニリド、2−クロロ−5−オクチルアセトアセ
トアニリド、1−(2−テトラデカノキシフェニル)−
2−カルボキシメチルシクロヘキサン−3,5−ジオ
ン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)
−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1−(2’,
4’,6’−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−5
−ピラゾロン、1−フェニル−3−フェニルアセトアミ
ド−5−ピラゾロン等が挙げられる。これらのカプラー
は2種以上併用しても良い。
【0029】ジアゾニウム塩とカプラーの反応を促進す
る塩基性物質としては、無機あるいは有機の塩基性化合
物の他、加熱時に分解してアルカリ物質を放出するよう
な化合物も含まれる。代表的なものには、有機アンモニ
ウム塩、有機アミン、アミド、尿素及びチオ尿素、それ
らの誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン
類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミ
ダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホ
リン類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン
類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
【0030】これらの具体例としてはトリシクロヘキシ
ルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジル
アミン、ステアリルアミン、アリル尿素、チオ尿素、メ
チルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、2
−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシ
ルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダ
ゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−
イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,
2,3−トリフェニルグアニジン、1,2−ジシクロヘ
キシルグアニジン、1,2,3−トリシクロヘキシルグ
アニジン、グアニジントリクロロ酢酸塩、N,N’−ジ
ベンジルピペラジン、4,4’−ジチオモルホリン、モ
ルホリニウムトリクロロ酢酸塩、2−アミノベンゾチア
ゾール、2−ベンゾイルヒドラジノベンゾチアゾール等
がある。これらは、2種以上併用することもできる。
【0031】本発明において使用する発色剤は、固体分
散剤として用いることもできるが、常温で発色剤と顕色
剤の接触を防止するといった感熱記録層の生保存性の観
点(カブリ防止)、及び希望の熱エネルギーで発色させ
るというような発色感度の制御の観点等から発色剤をカ
プセル化して用いることが好ましい。
【0032】本発明で使用することのできるマイクロカ
プセルの製造には界面重合法、内部重合法、外部重合法
の何れの方法をも採用することができるが、特に、発色
剤を含有した芯物質を水溶性高分子を溶解した水溶液中
で乳化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成
させる界面重合法を採用することが好ましい。高分子物
質を形成するリアクタントは油滴の内部及び/又は油滴
の外部に添加される。
【0033】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ま
しい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ま
しくはポリウレタン及びポリウレアである。高分子物質
は2種以上併用することもできる。前記水溶性高分子の
具体例としては、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール等が挙げられる。
【0034】例えばポリウレアをカプセル壁材として用
いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又は
ポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって反
応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成さ
せることができる。
【0035】又、例えばポリウレアとポリアミドからな
る複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複
合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライド若し
くはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化
媒体のpHを調整した後加温することにより調製するこ
とができる。これらのポリウレアとポリアミドとからな
る複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58─6
6948号公報に記載されている。
【0036】更に、加熱時にマイクロカプセル壁を膨潤
させるために固体増感剤を添加することもできる。固体
増感剤はマイクロカプセル壁として用いるポリマーの可
塑剤と言われるものの中から、融点が50℃以上、好ま
しくは120℃以下で常温では固体であるものを選択し
て用いることができる。例えば、壁材がポリウレア、ポ
リウレタンから成る場合には、ヒドロキシ化合物、カル
バミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化合物、有
機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、アリー
ルアミド化合物等が好適に用いられる。
【0037】本発明においては、発色助剤を用いること
もできる。本発明で用いることのできる発色助剤とは、
加熱記録時の発色濃度を高くする、もしくは最低発色温
度を低くする物質であり、カップリング成分、塩基性物
質、もしくはジアゾ化合物等の融解点を下げたり、カプ
セル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾ、塩
基性物質、カップリング成分等が反応し易い状況を作る
ためのものである。
【0038】発色助剤としては、フェノール化合物、ア
ルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合
物等があり、具体例としては、p−tert−オクチルフェ
ノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安
息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸
フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテ
ル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタ
ンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸
アミド等の化合物を挙げることができる。これらは、芯
物質中に含有させてもよいし、乳化分散物としてマイク
ロカプセル外に添加してもよい。
【0039】本発明においては、実質的に透明な感熱発
色層を設けて多色画像の画像品質を向上させることもで
きる。この場合には、発色剤である電子供与性染料前駆
体若しくはジアゾ化合物に対する顕色剤を固体分散させ
るのではなく、水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶解
せしめた後、これを界面活性剤及び/又は水溶性高分子
を保護コロイドとして有する水相と混合し、乳化分散し
た分散物の形で使用する。乳化分散を容易にする観点か
ら、界面活性剤を用いることが好ましい。
【0040】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの中
でもエステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安
定性の観点から好ましく、中でも、燐酸トリクレジルを
単独又は混合して使用した場合には顕色剤の乳化分散安
定性が特に良好であり好ましい。上記のオイル同士、又
は他のオイルとの併用も可能である。
【0041】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等
を特に好ましいものとして挙げることができる。場合に
より、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用
いることもできる。
【0042】これ等の成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好まし
い。
【0043】又水相に含有せしめる界面活性剤は、アニ
オン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護
コロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜
選択して使用することができる。好ましい界面活性剤と
しては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキル
硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム
塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができ
る。
【0044】乳化分散物は、上記成分を含有した油相と
保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹
拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる手段
等を使用して混合分散せしめ、容易に得ることができ
る。又、油相の水相に対する比(油相重量/水相重量)
は、0.02〜0.6が好ましく、特に0.1〜0.4
であることが好ましい。0.02以下では水相が多すぎ
て希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以上では
逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さや塗液安定
性の低下をもたらす。
【0045】本発明においては、感熱記録層に、発色素
材等の各種の素材を支持体上又は、既に塗布された感熱
記録層や中間層の上に固着させるためのバインダーとし
て、多層重層塗布に好適なゼラチンを使用する。この場
合、サーマルヘッドの腐食による破壊を防止する観点か
ら、特にNa+ 、K+ 及びCl- の含有量が、各々10
0ppm未満であるゼラチン及び/又はゼラチン誘導体
を使用する。
【0046】本発明に使用するゼラチンは、特に限定さ
れるものではなく、アルカリ処理ゼラチン或いは酸処理
ゼラチン等、又ゼラチン誘導体としては、ゼラチンの官
能基の一部を変性した変性ゼラチン(例えば、フタル化
ゼラチン等)等を使用することができる。
【0047】ゼラチン又はゼランチン誘導体中のN
+ 、K+ 及びCl- の含有量を各々100ppm以上
とすると感熱記録層中のこれらのイオン含有量が多くな
り過ぎてサーマルヘッドの金属部の腐食を有効に防止す
ることができない。ゼラチン又はゼラチン誘導体中から
Na+ 、K+ 及びCl- を取り除くことは、ゼラチン水
溶液を公知のアニオン交換性樹脂(例えば弱酸性陽イオ
ン交換樹脂)やノニオン交換性樹脂(例えば弱塩基性陰
イオン交換樹脂)中に通すことにより容易に行うことが
できる。
【0048】本発明においては、上記バインダーとし
て、ゼラチンと共に他のバインダーを併用することもで
きる。この場合、バインダー中のゼラチンの量は50重
量%以上であることが好ましく、65重量%以上とする
ことが特に好ましい。本発明で使用することのできる他
のバインダーとしてはポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アラビヤゴム、ポリビニルピロリド
ン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、アク
リロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等の各種エマルジョン等をあげることができる。
【0049】バインダーの使用量は固形分に換算して
0.5〜5g/m2 であることが好ましい。本発明で
は、以上の素材の他に酸安定剤としてクエン酸、酒石
酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加す
ることができる。
【0050】感熱記録層を透明にする必要がない場合に
は、顕色剤等をサンドミル等により固体分散して用いれ
ばよい。この場合、発色剤がマイクロカプセル化されて
いない場合には、発色剤と顕色剤はそれぞれ別々に水溶
性高分子溶液中で分散される。好ましい水溶性高分子と
しては、マイクロカプセルを作る時に用いられる水溶性
高分子が挙げられる。分散された粒子のサイズは10μ
m以下となることが好ましい。
【0051】本発明においては、感熱記録層の上部に保
護層を設けることが好ましい。保護層に透明性が要求さ
れる場合には少なくともケイ素変性ポリビニルアルコー
ル及びコロイダルシリカからなるものとすることが好ま
しい。保護層を感熱記録層の最上層に設けた場合には、
感熱記録層表面の機械的強度を向上させることができ
る。
【0052】保護層中には熱記録時のサーマルヘッドと
のマッチング性の向上、保護層の耐水性の向上等の目的
で、顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤等が添加され
る。これらの顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤等の詳
細については、例えば、特開平2−141279号公報
に記載されている。
【0053】又、感熱記録層上に均一に保護層を形成さ
せるために、保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加
される。界面活性剤にはスルホコハク酸系のアルカリ金
属塩、弗素含有界面活性剤等があり、具体的にはジ−
(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−(n−ヘ
キシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩又はアンモニ
ウム塩等がある。
【0054】又、保護層中には、感熱記録材料の帯電を
防止するための界面活性剤、高分子電解質等を添加して
も良い。保護層の固形分塗布量は通常0.2〜5g/m
2 が好ましく、更に好ましくは1g〜3g/m2 であ
る。保護層に透明性が要求されない場合には、公知の保
護層を適宜設ければ良い。
【0055】本発明には、各層の熱分画を更に良好なも
のとするために発色層の間に中間層を設けてもよい。用
いられる中間層の素材としては、水溶性高分子若しくは
疎水性高分子のエマルジョン又はラテックス等が好まし
い。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポ
リビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合
体及びそのエステル、ブタジエン−無水マレイン酸共重
合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポ
リスチレンスルホン酸、ポリビニルピロリドン、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重
合体、酸化デンプン、燐酸化デンプン、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン
酸ナトリウム、硫酸化セルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等が挙げられる。
【0056】疎水性高分子のエマルジョン又はラテック
スとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、カルボキ
シ変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。中間層として
ゼラチンを主成分とする層を設ける場合には、該ゼラチ
ン中のNa+ 、K+ 及びCl- の各イオンの含有量が前
記同様各々100ppmのものを使用することが好まし
い。
【0057】本発明で用いる支持体は不透明であっても
透明であっても良い。不透明な支持体としては紙、合成
紙、アルミ蒸着ベース、後記する透明な支持体に白色顔
料をコートしたもの等を挙げることができる。支持体に
用いられる紙としてはアルキルケテンダイマー等の中性
サイズ剤によりサイジングされた熱抽出pH6〜9の中
性紙(例えば、特開昭55−14281号)を用いる
と、経時保存性の点で有利である。
【0058】一方、透明な支持体としては、例えばポリ
エチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート
等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム
等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等
のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポ
リアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙
げられ、これらを単独或いは貼り合わせて用いることが
できるが、特にポリエステルフィルムに耐熱処理、帯電
防止処理を施したものが好ましい。透明支持体の厚みと
しては20〜200μmのものが用いられ、特に50〜
100μmのものが好ましい。
【0059】本発明において、高分子フィルムの支持体
を用いる場合には、支持体と感熱記録層の接着性を高め
るためにこれらの間に下塗層を設けることが好ましい。
下塗層の素材としては、ゼラチンや合成高分子ラテック
ス、ニトロセルロース等が用いられる。下塗層の塗布量
は0.1g/m2 〜2.0g/m2 の範囲にあることが
好ましく、特に0.2g/m2 〜1.0g/m2 の範囲
が好ましい。
【0060】下塗層は、感熱記録層がその上に塗布され
た時に、感熱記録層中に含まれる水により膨潤して感熱
記録層の画質を悪化させることがあるので、硬膜剤を用
いて硬化させることが望ましい。硬膜剤としては、例え
ば特開平2−141279号公報に記載されるているも
のを挙げることができる。
【0061】これらの硬膜剤の添加量は、下塗素材の重
量に対して、0.20重量%から3.0重量%の範囲
で、塗布方法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を
選ぶことができる。用いる硬化剤によっては、必要なら
ば、更に苛性ソーダを加えて、液のpHをアルカリ側に
する事も、或いはクエン酸等により液のpHを酸性側に
する事もできる。
【0062】又、塗布時に発生する泡を消すために、消
泡剤を添加する事も、或いは、液のレベリングを良くし
て塗布筋の発生を防止するために、活性剤を添加する事
も可能である。更に、下塗層を塗布する前には、支持体
の表面を公知の方法により活性化処理する事が望まし
い。活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処
理、ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロナ処理、
グロー放電処理等が用いられるが、コストの面或いは簡
便さの点から、米国特許第2,715,075号、同第
2,846,727号、同第3,549,406号、同
第3,590,107号等に記載されたコロナ放電処理
が最も好んで用いられる。
【0063】本発明の感熱記録材料は、電子供与性染料
前駆体或いはジアゾ化合物を内包したマイクロカプセル
及び少なくとも顕色剤を乳化分散した分散物、バインダ
ー、その他の添加物を含有した塗布液を作り、上質紙或
いは前記フイルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード
塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティ
ング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等の塗布法によ
り塗布乾燥して、固形分が2.5〜25g/m2 の感熱
記録層を設けることによって製造される。
【0064】発色成分の塗布量は、各感熱記録層中の発
色成分(電子供与性染料前駆体及び顕色剤の和又はジア
ゾニウム化合物とカプラーの和)として0.5〜3.0
g/m2 とすることが好ましく、特に0.8〜2.0g
/m2 とすることが好ましい。必要に応じて、米国特許
第2,761,791号、同第3,508,947号、
同第2,941,898号、及び同第3,526,52
8号明細書、原崎勇次著「コーティング工学」253頁
(1973年朝倉書店発行)等に記載された方法等によ
り2層以上に分けて、同時に塗布することも可能であ
り、塗布量、塗布速度等に応じて適切な方法を選ぶこと
ができる。
【0065】本発明に用いる塗布液に、顔料分散剤、増
粘剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤及び着色剤
等を必要に応じて適宜配合することは、特性を損なわな
い限り何ら差し支えない。本発明においては、サーマル
ヘッドの金属部分の腐食を更に効果的に防止する観点か
ら、ゼラチン以外のNa+ 、K+ 又はCl- を含む素材
又はそれらを放出し易い素材の使用量をできるだけ低減
することが好ましい。
【0066】また、塗布液等の調製時に通常使用する水
道水等にはCl- 等が特に含まれているので、これらの
イオンをイオン交換処理によってとり除いたイオン交換
水を使用することが好ましい。尚、塗布層中に含まれて
いるこれらのイオンは、感熱記録材料を4時間熱水抽出
処理をした後、抽出液をミクロフィルターで濾過し、濾
液をイオンクロマトグラフィー又は原子吸光法によって
測定することにより定量することができる。
【0067】本発明の多色感熱記録材料は、高速記録の
要求されるファクシミリや電子計算機のプリンター用多
色感熱記録材料として用いることができる。発色剤とし
てジアゾ化合物を用い、光定着をさせる場合は、特に光
分解用の露光ゾーンを持たせる。
【0068】記録ヘッドと露光ゾーンの配列には、大別
して2種の方法がある。一つは一度記録した後、光分解
用の光照射を行ない、この光照射に前後して、記録材料
の送り機構により、一度記録した所にもう一度記録でき
るように記録材料が記録待期の状態に戻り、次に又、記
録し、又光照射を行ない、記録材料がもとに戻る動作を
くり返す、いわゆる1ヘッド多スキャン方式であり、も
う一つは、記録したい色の数だけ記録ヘッドを持ってお
り、その間に光照射ゾーンを有しているいわゆる多ヘッ
ド1スキャン方式であり、必要に応じて両方式を組合わ
せてもよく、又必要に応じてヘッドにかける熱エネルギ
ーを変化させてもよい。
【0069】光分解用の光源としては、希望する波長の
光を発する種々の光源を用いることができ、例えば種々
の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフラッシュラン
プ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシュ、ストロボ等
種々の光源を用いることができる。又、光定着ゾーンを
コンパクトにするため、光源部と露光部とを光ファイバ
ーを用いて分離してもよい。又、場合によっては、一度
記録した記録材料を太陽光もしくは螢光灯等のもとにお
き、主に可視光領域の光で定着した後もう一度記録し
て、多色サンプルを得ることもできる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の多色感熱記
録材料は、感熱記録層にバインダーの主成分として、N
+ 、K+ 及びCl- の含有量が各々100ppm未満
のゼラチン及び/又はゼラチン誘導体を使用しているの
で、製造適性や色分離性に優れる上、サーマルヘドの金
属部分の腐食が起こりにくい。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量を示す「部」は「重量部」を示す。
【0072】実施例1.以下に、イエロー、マゼンタ及
びシアンの3色を独立に熱記録することのできるフルカ
ラーの感熱記録材料の作製例を示す。
【0073】(1)シアン感熱記録層液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有するカプセル液の調製) 1.A液 3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3
−(1’−エチル−2’−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド(電子供与性染料前駆体)を酢酸エチル2
0部に溶解させた後これにアルキルナフタレン(高沸点
溶媒)を20部添加し、得られた溶液を加熱して均一に
混合した。得られた溶液に、キシリレンジイソシアナー
ト/トリメチロールプロパンの3/1付加物20部を添
加して均一に攪拌し、A液を調製した。
【0074】2.B液 フタル化ゼラチン水溶液を弱酸性陽イオン交換樹脂(I
RC−50(水素イオン型):オルガノ株式会社製の商
品名)及び弱塩基製陰イオン交換樹脂(IRA−68
(遊離塩基型):オルガノ株式会社製の商品名)を通す
ことにより(イオン交換処理という)、Na+ 、K+
びCl- の含有量を各々100ppm未満としたフタル
化ゼラチン6重量%水溶液54部中に、ドデシルスルホ
ン酸ナトリウム2重量%水溶液2部を添加してB液を調
製した。
【0075】次に、B液にA液を加え、ホモジナイザー
を用い、乳化分散して乳化分散液を得た。得られた乳化
分散液に水68部を加え、混合して均一にした後、該混
合液を攪拌しながら50℃に加熱し、マイクロカプセル
の平均粒子径が1.2μmとなるようにカプセル化反応
を3時間行わせてカプセル液を得た。
【0076】(顕色剤乳化分散液の調製)1,1−(p
−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン(顕色
剤)5部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレ
イン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解さ
せた。得られた溶液を、イオン交換処理を行ってN
+ 、K+ 及びCl- の含有量を各々100ppm未満
としたゼラチンの6重量%水溶液50g、及び2重量%
ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2gを混合した溶
液に投入した。得られた溶液を、ホモジナイザーによっ
て10分間乳化し、乳化分散液を得た。
【0077】(塗布液の調製)電子供与性染料前駆体を
含有するカプセル液/顕色剤乳化分散液を重量比で1/
4の比率となるように混合して塗布液を得た。
【0078】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)4−N−
(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート(ジアゾ化合物:365nmの波長の
光りで分解)2.0部を酢酸エチル20部に溶解した後
これにアルキルナフタレン20部を添加した。得られた
溶液を加熱して均一に混合し、次いでこれにキシリレジ
ンイソシアナート/トリメチロールプロパンの3/1付
加物(カプセル壁剤)15部を添加し、均一に混合して
ジアゾ化合物の溶液を得た。
【0079】得られたジアゾ化合物の溶液を、イオン交
換処理を行ってNa+ 、K+ 及びCl- の含有量を各々
100ppm未満としたフタル化ゼラチンの6重量%水
溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液2部
を混合した溶液に添加した後、該溶液を、ホモジナイザ
ーを使用して乳化分散した。得られた乳化分散液に水6
8部を加え、均一に混合した後更に得られた溶液を攪拌
しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.
2μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカ
プセル溶液を得た。
【0080】(カプラー乳化分散液の調製)1−(2’
−オクチルフェニル)−3−メチル−5ピラゾロン(カ
プラー)2部、1,2,3−トリフェニルグアニジン2
部、トリクレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸
ジエチル0.1部を酢酸エチル10部中に溶解した。得
られた溶液を、イオン交換処理を行ってNa+ 、K+
びCl- の含有量を各々100ppm未満としたゼラチ
ンの6重量%水溶液50gとドデシルスルホン酸ナトリ
ウム2重量%水溶液2gを混合した水溶液中に投入し
た。得られた溶液をホモジナイザーを用いて10分間乳
化し、乳化分散液を得た。
【0081】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液/カプラー乳化液を重量比で2/3の比率と
なるように混合して、塗布液を得た。
【0082】(3)イエロー感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2,5−
ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキ
サフルオロフォスフェート(ジアゾ合物:420nmの
波長の光りで分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解
した後、これに高沸点溶媒としてアルキルナフタレン2
0部を添加し、得られた溶液を加熱して均一に混合し
た。得られた溶液にカプセル壁剤としてキシリレンジイ
ソシアナート/トリメチロールプロパンの3/1付加物
を15部添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を
得た。
【0083】得られたジアゾ化合物の溶液を、イオン交
換処理を行ってNa+ 、K+ 及びCl- の含有量を各々
100ppm未満としたフタル化ゼラチンの6重量%水
溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリウムの2重量%
水溶液2部を混合した溶液に添加した後、該溶液を、ホ
モジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分
散液に水68部を加え、均一に混合した溶液を更に攪拌
しながら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.
3μmとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカ
プセル溶液を得た。
【0084】(カプラー乳化分散液の調製)2−クロロ
−5−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェ
ノキシプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部、
1,2,3−トリフェニルグアニジン1部、トリクレジ
ルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル0.1
部を酢酸エチル10部中に溶解した。得られた溶液を、
イオン交換処理を行ってNa+ 、K+ 及びCl- の含有
量を各々100ppm未満としたゼラチンの6重量%水
溶液50gとドデシルスルホン酸ナトリウムの2重量%
水溶液2gを混合した水溶液中に投入した。得られた溶
液を、ホモジナイザーを使用して10分間乳化し、乳化
分散液を得た。
【0085】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有すカ
プセル液/カプラー乳化分散液を重量比で2/3の比率
となるように混合して、塗布液を得た。(4)中間層液の調製 ゼラチンの6重量%水溶液を中間層液とした。
【0086】(5)保護層液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:
クラレ株式会社製の商品名)の6重量%水溶液100g
とエポキシ変性ポリアミド(FL−71:東邦化学株式
会社製の商品名)の30重量%分散液10gとを混合し
た液に、ステアリン酸亜鉛40重量%分散液(ハイドリ
ンZ:中京油脂株式会社製の商品名)15gを添加して
保護層液を得た。
【0087】(6)感熱記録材料の作製 厚み75μmのポリエチレンテレフタレートの片面上
に、スライドタイプホッパー式ビード塗布装置を使用し
て、スライド上で、支持体から順にシアン感熱記録層
液、中間層液、マゼンタ感熱記録層液、中間層液、イエ
ロー感熱記録層液及び保護層液となるように多層重層塗
布し、乾燥して多色感熱記録材料を得た。塗布量は、乾
燥後の固形分換算で、支持体側から順次シアン感熱記録
層が8.0g/m2 、中間層が3.0g/m2 、マゼン
タ感熱記録層が7.5g/m2 、中間層が3.0g/m
2 、イエロー感熱記録層が8.5g/m2 及び保護層が
1.0g/m2 となるように各塗布液を塗布した。
【0088】(7)熱記録 サーマルヘッドL−34B型(TDK株式会社製の商品
名)を用いて、単位面積当たりの記録エネルギーが34
mJ/mm2 となるように印加電力及びパルス幅を調節
して、得られた記録材料にイエローの画像を記録した。
次いで、発光中心波長420nm及び出力40Wの紫外
線ランプ下に10秒間曝してイエロー感熱記録層を光定
着した後、サーマルヘッドの記録エネルギーを68mJ
/mm2 となるように印加電力及びパルス幅を調節して
更にマゼンタの画像を記録した。
【0089】更に、発光中心波長365nm及び出力4
0Wの紫外線ランプ下に15秒間曝してマゼンタ感熱記
録層を光定着した後、サーマルヘッドの記録エネルギー
が102mJ/mm2 となるように印加電力及びパルス
幅を調節してシアン画像を記録した。
【0090】この結果、イエロー、マゼンタ及びシアン
の各発色画像の他に、イエローとマゼンタの記録が重複
した画像部分は赤色に、マゼンタとシアンの記録が重複
した画像部分は青色に、イエローとシアンの記録が重複
した部分は緑色に、及びイエロー、マゼンタ並びにシア
ンの記録が重複した画像部分は黒色に発色した。
【0091】得られた記録画像は白濁が無く、光透過性
の高い鮮明な画像であった。上記のようにして、サーマ
ルヘッド(L−34B)の常用定格で、画像(印字)長
2,000mまで記録したところ、サーマルヘッドの金
属部の腐食は全く起こらなかった。
【0092】比較例1.実施例1における感熱記録層で
使用したゼラチン及びフタル化ゼラチンをイオン交換処
理をしなかった他は、実施例1と全く同様にして記録材
料を作製し、全く同様にしてサーマルヘッド(KST−
85)の常用定格で画像(印字)を記録したところ、9
00mでサーマルヘッドの金属部の腐食が原因で起こる
ヘッド切れが生じていた。
【0093】尚、実施例1及び比較例1で得た各々の感
熱記録材料中のゼラチンに起因するNa+ 、K+ 及びC
- の総含有量を原子吸光分析機を用いて測定したとこ
ろ、実施例1の記録材料では100ppm、比較例1の
ものでは1,500ppmであった。これにより、実施
例1の場合のものは比較例1の場合のものよりゼラチン
に起因するNa+ 、K+ 及びCl- の総量が1400p
pm少ないことが判明した。以上の結果をまとめて表1
に示した。
【0094】
【表1】 以上の結果は、本発明の感熱記録材料がサーマルヘッド
の金属部の腐食が少ない感熱記録材料であることを実証
するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも、加熱により発色
    する無色或いは淡色の発色成分及びバインダーを含有す
    る感熱記録層を2層以上設けた感熱記録材料であって、
    前記バインダーが、Na+ 、K+ 及びCl- の含有量が
    各々100ppm未満のゼラチン及び/又はゼラチン誘
    導体を主成分としてなることを特徴とする多色感熱記録
    材料。
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