JPH07276752A - 多色感熱記録材料及びそれを用いた熱記録方法 - Google Patents

多色感熱記録材料及びそれを用いた熱記録方法

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JPH07276752A
JPH07276752A JP10081294A JP10081294A JPH07276752A JP H07276752 A JPH07276752 A JP H07276752A JP 10081294 A JP10081294 A JP 10081294A JP 10081294 A JP10081294 A JP 10081294A JP H07276752 A JPH07276752 A JP H07276752A
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heat
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diazo compound
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JP10081294A
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English (en)
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Tomomasa Usami
智正 宇佐美
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画像が鮮明である上、安価で、消費エネルギー
の少ない、多色感熱記録材料、及び簡便に、低エネルギ
ーで黒色を記録することのできる、色分離に優れた多色
記録を行う方法を提供すること。 【構成】支持体上に、実質的に無色又は淡色の電子供与
性染料前駆体及び顕色剤の組合せを発色成分として含有
する感熱記録層、及び該感熱記録層に必要な熱エネルギ
ーよりも小さい熱エネルギーを付与したときに発色する
ジアゾ化合物とカプラーの組合せを発色成分として含有
する感熱記録層を、順次有する多色感熱記録材料であっ
て、前記ジアゾ化合物とカプラーの組合せが、互いに相
異なる色相に発色すると共に、各々の最大吸収波長が異
なる2種類のジアゾ化合物を用いて構成されていること
を特徴とする多色感熱記録材料及びそれを用いた熱記録
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に記録時の消費エネルギーが少ない、安価な多色感熱記
録材料及びそれを用いた熱記録方法に関する。
【0002】
【従来技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3)取扱が容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単であり安価である、(6)記録時
の騒音がない等の利点があるため、白黒のファクシミリ
やプリンターの分野で近年急速に普及している。これら
の感熱記録材料は、紙、合成紙等の支持体上に発色剤及
び顕色剤を含有する感熱記録層を設けたものであり、サ
ーマルヘッドを用いて、原稿に対応した電気信号に基づ
き加熱するプロセスにより記録される。このような記録
分野においても、情報産業の急激な発展に伴い、計算
機、ファクシミリ等の情報機器の端末からカラーハード
コピーを得たいという要求が強まっている。
【0003】このような要求に応える多色感熱記録材料
として、異なった発色温度で異なった色調に発色する2
種類の発色成分を同一の感熱発色層中で混合使用した記
録材料(特公昭49─69号公報)、発色温度の高い感
熱発色層及び発色温度の低い感熱発色層を支持体上に順
次積層した記録材料(特公昭51─19989号、特開
昭54─88135号、同55─133991号、同5
5─133992号、同48─15540号の各公
報)、発色温度の高い感熱発色層及び発色温度の低い感
熱発色層を支持体上に順次積層すると共に、低温感熱発
色層中に発色成分を消色する効果を有する消色剤を含有
させた記録材料(特公昭50─17866号、同51─
5791号、特開昭55─161688号の各公報)等
が、既に開発されている。
【0004】しかしながら、これらのいずれの記録材料
も、画像に混色や色ニジミが生じ、鮮明で安定した色調
の記録画像を得ることができないという欠点があった。
本出願人は、上記の問題点を解決する記録材料として、
既に、支持体上に、ジアゾ化合物及びカップリング成分
からなる、異なる色に発色する熱発色要素を設けた感熱
記録材料を開発し、良好な結果を得ている(特開昭61
─40193号公報)。しかしながら、上記の感熱記録
材料は、異なる色相毎に発色成分を各記録層に含有させ
ているので、記録材料の製造コストを上昇させるのみな
らず、最も良く使用される黒色を発色させるためには、
各記録層を発色させ、混色させる必要があるので、消費
エネルギーを増加させるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、上記の欠点を解決するために鋭意検討した結果、互
いに相異なる色相に発色すると共に、各々の最大吸収波
長が異なる2種類のジアゾ化合物を上層の感熱記録層に
含有させ、下層の感熱記録層には、発色成分として電子
供与性染料前駆体及び顕色剤を含有させた場合には、記
録画像が鮮明である上、低エネルギーで混色の記録をさ
せることができるということを見いだし本発明に到達し
た。従って、本発明の第1の目的は、画像が鮮明である
上、安価で、消費エネルギーの少ない、多色感熱記録材
料を提供することにある。本発明の第2の目的は、簡便
に、低エネルギーで黒色を記録することのできる、色分
離に優れた多色記録を行う方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、支持体上に、実質的に無色又は淡色の電子供与性染
料前駆体及び顕色剤の組合せを発色成分として含有する
感熱記録層、及び該感熱記録層に必要な熱エネルギーよ
りも小さい熱エネルギーを付与したときに発色するジア
ゾ化合物とカプラーの組合せを発色成分として含有する
感熱記録層を、順次有する多色感熱記録材料であって、
前記ジアゾ化合物とカプラーの組合せが、互いに相異な
る色相に発色すると共に、各々の最大吸収波長が異なる
2種類のジアゾ化合物を用いて構成されていることを特
徴とする多色感熱記録材料及びそれを用いた熱記録方法
によって達成された。
【0007】本発明で使用する無色又は淡色の電子供与
性染料前駆体(発色剤)は、加熱される前は実質的に無
色であり、加熱によって電子受容性化合物(顕色剤)と
の接触に基づいて発色反応を起こす化合物である。ま
た、これらが加熱時に反応することを助ける低融点の有
機化合物等が、増感剤として用いられる。電子供与性染
料前駆体としては、トリアリールメタン系化合物、ジフ
ェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、キサンテン
系化合物、スピロピラン系化合物等が挙げられるが、特
にトリアリールメタン系化合物及びキサンテン系化合物
が、発色濃度が高いので有用である。
【0008】これらの具体例としては、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメ
チルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−
3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フタリド;
【0009】4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズ
ヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオ
ーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコ
オーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ロー
ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−
B−(p−クロロアニリノ)ラクタム;
【0010】2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘ
キシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン;
【0011】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、
3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピル−ス
ピロ−ジベンゾピラン等がある。本発明に使用する電子
供与性染料前駆体は、加熱によって発色する色相が、青
となるもの(青発色染料前駆体という)であることが好
ましい。発色して青となる電子供与性染料前駆体は、上
記のものの中から適宜選択して用いることができる。
【0012】電子受容性化合物としてはフェノール系化
合物、サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル
等が挙げられる。これらの中でも特に、フェノール系化
合物、ヒドロキシ安息香酸エステル類が好ましく、フェ
ノール系化合物が最も好ましい。これらの一部を例示す
れば、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(即ち、ビスフェノールA)、2,2−ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−(p−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−ヒドロ
キシフェニル)−2−エチルヘキサン;
【0013】3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−ブチ
ル)サリチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−ジメ
チルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−ヒド
ロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル、p
−フェニルフェノール、p−クミルフェノール等が挙げ
られる。
【0014】電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物
からなる発色系には、その反応を促進するための増感剤
を添加することが好ましい。増感剤としては、分子内に
芳香族性の基と極性基を適度に有している低融点有機化
合物が好ましく、その具体例としてはp−ベンジルオキ
シ安息香酸ベンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、
β−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニ
ルエステル、α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニル
エステル、β−ナフトール−(p−クロロベンジル)エ
ーテル、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、
1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテ
ル、1,4−ブタンジオール−p−エチルフェニルエー
テル、1,4−ブタンジオール−m−メチルフェニルエ
ーテル、1−フェノキシ−2−(p−トリルオキシ)エ
タン、1−フェノキシ−2−(p−エチルフェノキシ)
エタン、1−フェノキシ−2−(p−クロロフェノキ
シ)エタン、p−ベンジルビフェニル等が挙げられる。
【0015】本発明で使用するジアゾ化合物(発色剤)
は、加熱によるカプラー(顕色剤)との接触に基づいて
発色反応を起こす化合物であり、ジアゾ化合とカプラー
の組合せを決定する際に、互いに相異なる色相に発色す
ると共に、各々の最大吸収波長が異なる2種類のジアゾ
化合物を選択する。ジアゾ化合物及び加熱によって該ジ
アゾ化合物と反応して発色するカプラーは、公知の光分
解性のジアゾ化合物及び該ジアゾ化合物と反応して色素
を形成しうるカプラーである。又、必要に応じて、ジア
ゾ化合物とカプラーの反応を促進させるために、塩基性
物質等が用いられる。
【0016】本発明でいう光分解性のジアゾ化合物とは
主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には芳香族
ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾア
ミノ化合物等を意味する。これらの中でも、熱感度の点
から、特にジアゾニウム塩を使用することが好ましい。
ジアゾニウム塩とは、一般式Ar−N2 + ・X- (式
中、Arは芳香族部分を表し、N2 + はジアゾニウム
塩、X -は酸アニオンを表す)で表される化合物であ
る。これらはAr部分の置換基の位置や種類によって様
々な最大吸収波長を持つ。
【0017】上記ジアゾニウム塩を形成する酸の具体例
としては、例えば、HPF6 、HBF4 、HB(C6
5 4 、Cn 2n+1COOH(nは3〜9の整数)、C
m 2m+1SO3 H(mは2〜8の整数)を挙げることが
できる。本発明において使用するジアゾ化合物は、混色
を黒色とする観点から、加熱によって発色する色相が、
赤又は青となるものが好ましい。このように、ジアゾ化
合物として赤発色及び青発色の化合物を選択することに
より、最も必要とされる黒色の記録を低エネルギーで行
うことができる。
【0018】赤に発色するジアゾ化合物(以下、赤発色
ジアゾ化合物という)としては、単独で赤に発色するジ
アゾ化合物ばかりでなく、イエローに発色するジアゾ化
合物(以下、イエロー発色ジアゾ化合物という)とマゼ
ンタに発色するジアゾ化合物(以下、マゼンタ発色ジア
ゾ化合物という)とを用い、混色し赤に発色するもので
あっても良い。赤発色のジアゾ化合物としては、最大吸
収波長が340〜380mμであるジアゾニウム塩を挙
げることができる。
【0019】最大吸収波長が340〜380mμで赤発
色のジアゾニウム塩の具体例としては、1−ジアゾ−4
−(N,N−ジオクチルカルバモイル)ベンゼン、1−
ジアゾ−2−オクタデシルオキシベンゼン、1−ジアゾ
−4−(4−ターシャリ−オクチルフェノキシ)ベンゼ
ン、1 −ジアゾ−4−(2,4−ジターシャリ−アミル
フェノキシ)ベンゼン、1−ジアゾ−2−(4−ターシ
ャリ−オクチルフェノキシ)ベンゼン、1−ジアゾ−5
−クロロ−2−(4−ターシャリ−オクチルフェノキ
シ)ベンゼン、1−ジアゾ−2,5−ビス−オクタデシ
ルオキシベンゼン、11−ジアゾ−4 −(N−オクチルテ
ウロイルアミノ)ベンゼン等を挙げることができる。
【0020】イエロー又はマゼンタ発色ジアゾ化合物の
具体例としては、4−(N−(2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベン
ゼンジアゾニウム、4−ジオクチルアミノベンゼンジア
ゾニウム、4−(N−(2−エチルヘキサノイル)ピペ
ラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジヘキシルアミノ
−2−ヘキシルオキシベンゼンジアゾニウム、4−N−
エチル−N−ヘキサデシルアミノ−2−エトキシベンゼ
ンジアゾニウム、3−クロロ−4−ジオクチルアミノ−
2−オクチルオキシベンゼンジアゾニウム、2,5−ジ
ブトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム、2,
5−オクトキシ−4−モルホリノベンゼンジアゾニウ
ム、2,5−ジブトキシ−4−(N−(2−エチルヘキ
サノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5
−ジエトキシ−4−(N−(2−(2,4−ジ−ter
t−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペラジノ)ベンゼ
ンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−トリルチオ
ベンゼンジアゾニウム、3−(2−オクチルオキシエト
キシ)−4−モルホリノベンゼンジアゾニウム等が挙げ
られる。
【0021】本発明においては、特にこれらのヘキサフ
ルオロフォスフェート塩、テトラフルオロボレート塩、
及び1,5−ナフタレンスルホネート塩が、水に対する
溶解性が小さく、有機溶剤に可溶であるので有用であ
る。本発明で用いられる青発色のジアゾ化合物として
は、最大吸収波長が390〜430mμのジアゾニウム
塩を挙げることができる。
【0022】光分解波長が390〜430mμで青発色
のジアゾニウム塩の具体例としては、4 ─ジアゾ─1─
メチルベンジルアミノベンゼン、4 ─ジアゾ─1─ジベ
ンジルアミノ−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジア
ゾ−1−クロロフェニルメルカプト−2,5−ジブトキ
シベンゼン、4 ─ジアゾ─1─ベンゾイルアミノ─2,
5─ジエトキシベンゼン、4─ジアゾ─1─モルホリノ
─2,5─ジエトキシベンゼン、4─ジアゾ─1─モル
ホリノ─2,5─ジブトキシベンゼン、4─ジアゾ─1
─トルイルメルカプト─2,5─ジエトキシベンゼン、
4─ジアゾ─1,4─メトキシベンンゾイルアミノ─
2,5─ジエトキシベンゼン等を挙げることができる。
【0023】本発明に用いられるジアゾ化合物と加熱時
に反応して発色するカプラーとしては、レゾルシン、フ
ロログルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−
スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸モルホリノプロピルアミド、1,5−ジヒドロキシナ
フタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−
ジヒドロキシ−6−スルファニルナフタレン、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、2−ヒドロキシ−3
−ナフトエ酸エタノールアミド、2−ヒドロキシ−3−
ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフ
トエ酸−N−ドデシルオキシプロピルアミド、2−ヒド
ロキシ−3−ナフトエ酸テトラデシルアミド;
【0024】アセトアニリド、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、2−クロロ−5−オクチル
アセトアセトアニリド;1−(2−テトラデカノキシフ
ェニル)−2−カルボキシメチルシクロヘキサン−3,
5−ジオン、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロ
ン、1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5
−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフ
ェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、1−
(2’,4’,6’−トリクロロフェニル)−3−アニ
リノ−5−ピラゾロン、1−フェニル−3−フェニルア
セトアミド−5−ピラゾロン等が挙げられる。これらの
カプラーは2種以上併用しても良い。
【0025】ジアゾ化合物とカプラーの反応を促進する
塩基性物質としては、無機あるいは有機の塩基性化合物
の他、加熱時に分解してアルカリ物質を放出するような
化合物も含まれる。代表的なものには、有機アンモニウ
ム塩、有機アミン、アミド、尿素及びチオ尿素、それら
の誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、
ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾ
ール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン
類、ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピ
リジン類等の含窒素化合物が挙げられる。
【0026】これらの具体例としてはトリシクロヘキシ
ルアミン、トリベンジルアミン、オクタデシルベンジル
アミン、ステアリルアミン;アリル尿素、チオ尿素、メ
チルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素;2
−ベンジルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシ
ルイミダゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダ
ゾリン、1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−
イミダゾリン、2−フェニル−2−イミダゾリン;
【0027】1,2,3−トリフェニルグアニジン、
1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3−ト
リシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロロ酢
酸塩;N,N’−ジベンジルピペラジン;4,4’−ジ
チオモルホリン、モルホリニウムトリクロロ酢酸塩;2
−アミノベンゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラジノ
ベンゾチアゾール等がある。これらは、2種以上併用す
ることもできる。
【0028】本発明において使用する発色成分は水溶性
高分子水溶液中で分散し、塗布乾燥して得られる固体分
散の状態で使用することもできるが、常温で発色剤と顕
色剤の接触を防止するといった感熱記録層の生保存性の
観点(カブリ防止)、及び希望の熱エネルギーで発色さ
せるような発色感度の制御の観点等から、発色剤をマイ
クロカプセル化して用いることが好ましい。
【0029】本発明で用いることのできるマイクロカプ
セルの製造には界面重合法、内部重合法、外部重合法の
何れの方法をも採用することができるが、特に、発色剤
を非水溶媒に溶解又は分散せしめた芯物質を、水溶性高
分子を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲
に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用するこ
とが好ましい。高分子物質を形成するリアクタントは油
滴の内部及び/又は油滴の外部に添加される。
【0030】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ま
しい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ま
しくはポリウレタン及びポリウレアである。高分子物質
は2種以上併用することもできる。前記水溶性高分子の
具体例としては、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール等が挙げられる。
【0031】例えばポリウレアをカプセル壁材として用
いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体又は
ポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって反
応させることにより、容易にマイクロカプセル壁を形成
させることができる。
【0032】又、例えばポリウレアとポリアミドからな
る複合壁若しくはポリウレタンとポリアミドからなる複
合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライド若し
くはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳化
媒体のpHを調整した後加温することにより調製するこ
とができる。これらのポリウレアとポリアミドとからな
る複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58─6
6948号公報に記載されている。
【0033】更に、加熱時にマイクロカプセル壁を膨潤
させるために増感剤を乳化分散又は固体分散状態で添加
することもできる。増感剤は、マイクロカプセル壁とし
て用いるポリマーの可塑剤と言われるものの中から、融
点が50℃以上、好ましくは120℃以下で常温では固
体であるものを選択して用いることができる。例えば、
壁材がポリウレア、ポリウレタンから成る場合には、ヒ
ドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族
アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族
アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いら
れる。
【0034】本発明においては、発色助剤を用いること
もできる。本発明で用いることのできる発色助剤とは、
加熱記録時の発色濃度を高くする、もしくは最低発色温
度を低くする物質であり、カップリング成分、塩基性物
質、もしくはジアゾ化合物等の融解点を下げたり、カプ
セル壁の軟化点を低下せしめる作用により、ジアゾ化合
物、塩基性物質、カップリング成分等が反応し易い状況
を作るためのものである。
【0035】発色助剤としては、フェノール化合物、ア
ルコール性化合物、アミド化合物、スルホンアミド化合
物等があり、具体例としては、p−tert−オクチルフェ
ノール、p−ベンジルオキシフェノール、p−オキシ安
息香酸フェニル、カルバニル酸ベンジル、カルバニル酸
フェネチル、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテ
ル、キシリレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタ
ンスルホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸
アミド等の化合物を挙げることができる。これらは、芯
物質中に含有させてもよいし、乳化分散物としてマイク
ロカプセル外に添加してもよい。
【0036】本発明においては、実質的に透明な感熱記
録層を設けて多色画像の品質を向上させたり、OHP用
の感熱記録材料とすることもできる。この場合には、発
色剤であるジアゾ化合物に対するカプラー及び電子供与
性染料前駆体に対する顕色剤のうち、少なくとも前記カ
プラーを、固体分散させるのではなく、水に難溶性又は
不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを水溶性高分
子を保護コロイドとして及び必要に応じて更に界面活性
剤を含有する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で
使用する。
【0037】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。これらの高
沸点オイルの中でもエステル類を使用することが、乳化
分散物の乳化安定性の観点から好ましく、中でも、燐酸
トリクレジルを単独又は混合して使用した場合には、カ
プラーの乳化分散安定性が特に良好である。上記のオイ
ル同士、又は他のオイルとの併用も可能である。
【0038】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチル及びメチレンクロライド等
を特に好ましいものとして挙げることができる。場合に
より、高沸点オイルを含まず、低沸点補助溶剤のみを用
いることもできる。
【0039】これ等の成分を含有する油相と混合する水
相に保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子は、
公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分
子の中から適宜選択することができるが、ポリビニルア
ルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好ましい。
【0040】また、水相に含有せしめる界面活性剤は、
アニオン性又はノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを
適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性
剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アル
キル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリ
ウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることが
できる。
【0041】本発明における乳化分散物は、成分を含有
した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する水相
を、高速撹拌、超音波分散等、通常の微粒子乳化に用い
られる手段等を使用して混合分散せしめ、容易に得るこ
とができる。また、油相の水相に対する比(油相重量/
水相重量)は、0.02〜0.6であることが好まし
く、特に0.1〜0.4であることが好ましい。0.0
2以下では水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得
られず、0.6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り
扱いの不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0042】本発明においては、発色素材等を支持体上
に固着させるためのバインダーとして、ポリビニルアル
コール、ゼラチン及び/又はゼラチン誘導体(例えば、
フタル化ゼラチン等)を使用することができる。上記バ
インダーとして、他のバインダーを併用することもでき
る。他のバインダーとしてはメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、アラビヤゴム、ポリビニルピロリドン、カゼイン、
スチレン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル
酸エステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エ
マルジョン等を挙げることができる。バインダーの使用
量は、固形分に換算して0.5〜5g/m2 であること
が好ましい。
【0043】以上の素材の他に酸安定剤としてクエン
酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等
を添加することもできる。感熱記録層を透明にする必要
がない場合には、カプラー等をサンドミル等により固体
分散して用いればよい。本発明においては、感熱記録層
の上部に保護層を設けることもできる。保護層を感熱記
録層の最上層に設けた場合には、感熱記録層表面の機械
的強度を向上させることができる。
【0044】保護層中には熱記録時のサーマルヘッドと
のマッチング性の向上、保護層の耐水性の向上等の目的
で、顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤等が添加され
る。これらの顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤等の詳
細については、例えば、特開平2−141279号公報
に記載されている。また、感熱記録層上に均一に保護層
を形成させるために、保護層形成用塗布液には界面活性
剤が添加される。界面活性剤にはスルホコハク酸系のア
ルカリ金属塩、弗素含有界面活性剤等があり、具体的に
はジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸、ジ−
(n−ヘキシル)スルホコハク酸等のナトリウム塩又は
アンモニウム塩等がある。
【0045】また、保護層中には、感熱記録材料の帯電
を防止するための界面活性剤、高分子電解質等を添加し
ても良い。保護層の固形分塗布量は通常0.2〜5g/
2であることが好ましく、更に好ましくは1g〜3g
/m2 である。支持体が透明で支持体側から記録画像を
観察する記録材料のように、保護層に透明性が要求され
ない場合には、公知の保護層を適宜設ければ良い。
【0046】本発明においては、保存性及び熱分画性を
向上させる観点から、記録層の間に中間層を設けても良
い。本発明における中間層は、高温多湿下の生保存性及
び製造適性を向上させる観点から、少なくとも、ゼラチ
ン及び/又はゼラチン誘導体、並びにポリエチレングリ
コール及び/又はポリエチレングリコール誘導体からな
るものであることが好ましい。
【0047】本発明で使用する支持体は透明であっても
不透明であっても良い。不透明な支持体としては紙、合
成紙、紙に高分子フイルムをラミネートしたもの、アル
ミ蒸着ベース、高分子フィルムに白色顔料をコートした
もの、等を挙げることができる。支持体に用いられる紙
としてはアルキルケテンダイマー等の中性サイズ剤によ
りサイジングされた、熱抽出pHが6〜9の中性紙(例
えば、特開昭55−14281号)を用いると経時保存
性の点で有利である。
【0048】透明な支持体としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセ
ルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオ
レフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリ
ル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等が
挙げられ、これらを単独或いは貼り合わせて用いること
ができるが、特にポリエステルフィルムに耐熱処理、帯
電防止処理を施したものが好ましい。支持体の厚みとし
ては20〜200μmのものが用いられ、特に50〜1
00μmのものが好ましい。
【0049】本発明において、高分子フィルム又はこれ
をラミネートした紙を支持体として用いる場合、或い
は、透明な支持体を使用する場合には、支持体と感熱記
録層の接着性を高めるために、これらの間に下塗層を設
けることが好ましい。下塗層の素材としては、ゼラチン
や合成高分子ラテックス、ニトロセルロース等が用いら
れる。下塗層の塗布量は0.1g/m2 〜2.0g/m
2 の範囲にあることが好ましく、特に0.2g/m2
1.0g/m2 の範囲が好ましい。
【0050】下塗層は、感熱記録層がその上に塗布され
た時に、感熱記録層中に含まれる水により膨潤して感熱
記録層の画質を悪化させることがあるので、硬膜剤を用
いて硬化させることが望ましい。硬膜剤としては、例え
ば特開平2−141279号公報に記載されるているも
のを挙げることができる。
【0051】これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量
に対して0.20重量%から3.0重量%となる範囲
で、塗布方法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を
選ぶことができる。用いる硬膜剤によっては、必要なら
ば、更に苛性ソーダを加えて液のpHをアルカリ側にす
る事も、或いはクエン酸等により液のpHを酸性側にす
る事もできる。又、塗布時に発生する泡を消すために消
泡剤を添加する事も、或いは、液のレベリングを良くし
て塗布筋の発生を防止するために活性剤を添加する事も
可能である。
【0052】更に、下塗層を塗布する前には、支持体の
表面を公知の方法により活性化処理する事が望ましい。
活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処理、
ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロナ放電処理、
グロー放電処理等が用いられるが、コストの面或いは簡
便さの点から、米国特許第2,715,075号、同第
2,846,727号、同第3,549,406号、同
第3,590,107号等に記載されたコロナ放電処理
が最も好んで用いられる。
【0053】本発明の多色感熱記録材料は、例えば、ジ
アゾ化合物或いは電子供与性染料前駆体を内包したマイ
クロカプセル、カプラー及び電子受容性化合物を固体分
散又は乳化分散した分散物、バインダー、その他の添加
物を含有した塗布液を作り、支持体の上に、バー塗布、
ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロール
コーティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等の塗
布法により塗布乾燥して、固形分が2.5〜25g/m
2 の感熱記録層を設けることによって製造されるが、製
造適性を向上させる観点から、ビード塗布或いはカーテ
ン塗布方法による多重重層塗布方法を用いることが好ま
しい。
【0054】発色成分の塗布量は、感熱記録層中の発色
成分(ジアゾ化合物とカプラー又は電子供与性染料前駆
体と電子受容性化合物の和)として0.5〜3.0g/
2とすることが好ましく、特に0.8〜2.0g/m
2 とすることが好ましい。本発明に用いる塗布液に、顔
料分散剤、増粘剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤及び着色剤等を必要に応じて適宜配合することは、特
性を損なわない限り何ら差し支えない。
【0055】本発明の、多色感熱記録材料は、高速記録
の要求されるファクシミリや電子計算機のプリンター用
多色感熱記録材料として用いることができる。本発明の
多色感熱記録材料は、発色剤としてジアゾ化合物を併用
しているので、光定着をさせるために、特に光分解用の
露光ゾーンを持たせる。記録ヘッドと露光ゾーンの配列
には、大別して2種の方法がある。
【0056】一つは一度記録した後、光分解用の光照射
を行ない、この光照射に前後して、記録材料の送り機構
により、一度記録した所にもう一度記録できるように記
録材料が記録待機の状態に戻り、次に又、記録し、又光
照射を行ない、記録材料がもとに戻る動作をくり返す、
いわゆる1ヘッド多スキャン方式であり、もう一つは、
記録したい色の数だけ記録ヘッドを持っており、その間
に光照射ゾーンを有している、いわゆる多ヘッド1スキ
ャン方式である。本発明においては、必要に応じて両方
式を組合わせてもよく、又必要に応じてヘッドにかける
熱エネルギーを変化させてもよい。
【0057】光分解用の光源としては、希望する波長の
光を発する種々の光源を用いることができ、例えば種々
の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフラッシュラン
プ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシュ、ストロボ等
種々の光源を用いることができる。また、光定着ゾーン
をコンパクトにするため、光源部と露光部とを光ファイ
バーを用いて分離してもよい。次に、本発明の多色感熱
記録材料を使用し、良好な多色画像を得るための方法を
説明する。
【0058】本発明においては、例えば、順次、青発色
染料前駆体を内包したマイクロカプセル(ロイコカプセ
ルという)等を含有したロイコ系感熱記録層、及び赤発
色ジアゾ化合物を内包したマイクロカプセル(赤発色カ
プセルという)及び青発色ジアゾ化合物を内包したマイ
クロカプセル(青発色カプセルという)等を含有するジ
アゾ系感熱記録層を順次設けた多色感熱記録材料に対し
て、以下のようにして熱記録を行う。
【0059】低熱エネルギーでジアゾ感熱記録層に黒色
(青と赤の混色)の画像を形成させた後、青発色ジアゾ
化合物のみを分解する波長の光を照射して光定着し、更
に、同一熱エネルギーで残存した赤発色ジアゾ化合物を
発色させて赤色の画像を熱記録し、赤発色ジアゾ化合物
を分解する波長の光を照射して光定着する。次いで、ジ
アゾ感熱記録層の記録時よりも大きな熱エネルギーを与
えて下層のロイコ系感熱記録層を熱記録して青色の画像
を形成させる。
【0060】上記の場合においては、黒(赤+青)、赤
及び青の3色が色分離良く実現されるのみならず、最も
必要とされる黒色の記録を低エネルギーで行うことがで
きる。尚、印加熱エネルギーを適度に加減して発色濃度
をコントロールすることにより、中間色を適宜再現する
ことができること、及び、電子供与性染料前駆体の発色
色相をジアゾ化合物の発色色相と異なったものとしても
良いことは、当然である。
【0061】
【発明の効果】本発明の多色感熱記録材料は、順次、ロ
イコ系感熱記録層、及び該感熱記録層より低エネルギー
で発色する、互いに相異なる色相に発色すると共に、各
々の光分解波長が異なる2種類のジアゾ化合物を用いて
構成されているジアゾ系感熱記録層を設けているので、
最も使用される黒色の記録を低エネルギーで行うことが
でき、サーマルヘッドの耐久性が向上する。また、発色
剤として光定着することができるジアゾ化合物を併用し
ているので、各色相を鮮やかに発色させることができ
る。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量を示す「部」は「重量部」を示す。 実施例1. (1)ジアゾ系感熱記録用塗布液の調製 (赤発色ジアゾ化合物を含有するカプセル液(赤発色カ
プセル液)の調製)下記化1で表されるジアゾ化合物
(ジアゾ化合物:365mμの波長の光で分解)3.4
部を、アルキルナフタレン3部とトリクレジルホスフェ
ート3部及び塩化メチレン12部との混合液に溶解した
後、キシリレンジイソシアナートとトリメチロールプロ
パンの1対3の付加物(カプセル壁剤)24部を添加
し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【化1】
【0063】得られたジアゾ化合物の溶液を、ポリビニ
ルアルコール(重合度1700でケンカ度88%のも
の)8重量%の水溶液63部と水100部を混合した溶
液に添加し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。
得られた乳化分散液を攪拌しながら40℃に加熱し、カ
プセルの平均粒子径が2μmとなるように3時間カプセ
ル化反応を行わせた後、20℃に冷却した。次いで、ア
ンバーライトIR─120B(ロームアンドハース社製
イオン交換樹脂の商品名)100mlを添加し、1時間
攪拌した後、濾過して赤発色カプセル液を得た。
【0064】(青発色ジアゾ化合物を含有するカプセル
液(青発色カプセル液)の調製)下記化2で表されるジ
アゾ化合物(ジアゾ化合物:430mμの波長の光で分
解)3.4部を、アルキルナフタレン5部とトリクレジ
ルホスフェート5部及び塩化メチレン24部との混合液
に溶解した後、キシリレンジイソシアナートとトリメチ
ロールプロパンの1対3の付加物(カプセル壁剤)24
部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得
た。得られたジアゾ化合物の溶液を用いて、前記赤発色
カプセル液の場合と同様にして、青発色カプセル液を得
た。
【化2】
【0065】(カプラー乳化分散液の調製)下記化3で
表される化合物(カプラー)3部、1,2,3−トリフ
ェニルグアニジン1部、ビスフェノールA3部、トリク
レジルフォスフェート0.3部及びマイレン酸ジエチル
0.1部を酢酸エチル10部中に溶解し、ポリビニルア
ルコール(6重量%)50gとドデシルスルホン酸ナト
リウム(2重量%)の水溶液2gを混合した水溶液に投
入した後、ホモジナイザーを用いて10分間乳化し、乳
化分散液を得た。
【化3】
【0066】(塗布液の調製)赤発色カプセル液1.2
部、青発色カプセル液1.6部、ハイドロキノン5重量
%水溶液0.2部、カプラー分散液4.2部及び発色助
剤分散液3.7部を混合して、塗布液を得た。
【0067】(2)ロイコ系感熱記録層用塗布液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有する青発色カプセル液
(ロイコ青発色カプセル液)の調製)クリスタルバイオ
レットラクトン(電子供与性染料前駆体)3.0部を酢
酸エチル20部に溶解した後高沸点溶媒であるアルキル
ナフタレン10部を添加し、加熱して均一に混合した。
次いでこの混合液にカプセル壁剤として、キシリレンジ
イソシアナートとトリメチロールプロパンの1対3の付
加物20部を添加し、均一に攪拌した。
【0068】次に、別途用意したポリビニルアルコール
(重合度1700、ケン化度88%)6重量%の水溶液
54部中に先の電子供与性染料前駆体溶液を添加し、ホ
モジナイザーを用いて乳化分散した。得られた乳化液に
水68部を加えて均一化した後、攪拌しながら50℃に
昇温し、3時間カプセル化反応を行わせてロイコ青発色
カプセル液を得た。カプセルの平均粒子径は1.6μm
であった。
【0069】(電子受容性化合物の分散液の調製)ビス
フェノールA(電子受容性化合物)30部をポリビニル
アルコ−ル4重量%水溶液150部中に加え、ボールミ
ルを用いて24時間分散し、分散液を作製した。分散液
中の電子受容性化合物の平均粒径は1.2μmであっ
た。 (塗布液の調製)ロイコ青発色カプセル液1.6部、及
び、電子受容性化合物の分散液2.0部を混合して、塗
布液を得た。
【0070】(3)保護層用塗布液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:
クラレ株式会社製の商品名)6重量%の水溶液100g
と、エポキシ変性ポリアミド(FL−71:東邦化学株
式会社製の商品名)30重量%の分散液10gとを混合
した液に、ステアリン酸亜鉛40重量%の分散液(ハイ
ドリンZ:中京油脂株式会社製の商品名)15gを添加
して保護層液を得た。
【0071】(4)感熱記録材料の作製 支持体として、平滑な上質紙(坪量50g/m2 )の片
面上に、ロイコ系感熱記録層塗布液、ジアゾ系感熱記録
層塗布液及び保護層塗布液を支持体側から順次塗布し、
乾燥して多色感熱記録材料を得た。塗布量は、乾燥後の
固形分換算で、ロイコ系感熱記録層が6.1g/m2
ジアアゾ系感熱記録層が10g/m2 及び保護層が2.
0g/m2 となるように各塗布液を塗布した。
【0072】(5)熱記録 得られた記録材料を用い、下記のようにして熱記録し
た。記録材料の記録面に、サーマルヘッドKST(京セ
ラ株式会社製)を用いて、34mJ/mm2 の熱エネル
ギーを印加したところ黒色(赤色+青色)に発色した。
次に、リコピースーパードライ100型を用い、390
〜430mμの光を照射した後、再度熱エネルギー34
mJ/mm2 を印加すると赤色の発色が得られた。次い
で、340〜370mμの光を用いて光照射した後、熱
エネルギー70mJ/mm2 を印加したところ青色の発
色が得られた。以上のようにして、黒、青、及び赤の三
色の画像を明瞭に記録することができた。
【0073】実施例2.実施例1中の赤発色カプセル液
で使用したジアゾ化合物3.4部に代えて、4−(N−
(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート 2.0部及び2,5−ジブトキシ−
4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート2.0部を用いた他は、実施例1と全く同
様にして、記録材料を作製し、実施例1と全く同様にし
て画像を記録したところ、黒、青及び赤の三色の画像を
明瞭に記録することができた。
【0074】比較例1 実施例1で使用したジアゾ系感熱記録層用塗布液におい
て、青発色カプセル液を使用しなかった他は、実施例1
と全く同様にして感熱記録材料を調製し、実施例1と全
く同様にして熱記録を行ったところ、80℃で赤色、1
00℃で青色のみが発色した。ジアゾ化合物の光定着を
行わなければ100℃で黒色の画像を得ることができ
た。以上の結果は、本発明の多色感熱記録材料が、最も
良く使用される黒色の画像を、低エネルギーで記録する
ことができることを立証するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、実質的に無色又は淡色の電子
    供与性染料前駆体及び顕色剤の組合せを発色成分として
    含有する感熱記録層、及び該感熱記録層に必要な熱エネ
    ルギーよりも小さい熱エネルギーを付与したときに発色
    するジアゾ化合物とカプラーの組合せを発色成分として
    含有する感熱記録層を順次有する多色感熱記録材料であ
    って、前記ジアゾ化合物とカプラーの組合せが、互いに
    相異なる色相に発色すると共に、各々の最大吸収波長が
    異なる2種類のジアゾ化合物を用いて構成されているこ
    とを特徴とする多色感熱記録材料。
  2. 【請求項2】ジアゾ化合物がマイクロカプセルに内包さ
    れている、請求項1に記載の多色感熱記録材料。
  3. 【請求項3】電子供与性染料前駆体がマイクロカプセル
    に内包されている請求項1又は2に記載の多色感熱記録
    材料。
  4. 【請求項4】ジアゾ化合物による2種類の発色色相が、
    青と赤である請求項1〜3の何れかに記載の多色感熱記
    録材料。
  5. 【請求項5】低熱エネルギーでジアゾ感熱記録層に混色
    の画像を形成させる工程、一方のジアゾ化合物のみを分
    解する波長の光を照射する工程、残存した他方のジアゾ
    化合物の発色を利用した熱記録工程、該他方のジアゾ化
    合物を分解する波長の光を照射する工程、及び、ジアゾ
    感熱記録層の記録時よりも大きな熱エネルギーを与えて
    下層の感熱記録層に熱記録する工程からなることを特徴
    とする、請求項1〜4の何れかに記載された多色感熱記
    録材料に熱記録する方法。
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