JPH05185496A - 多層薄肉容器用プリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた多層薄肉容器の製造方法 - Google Patents

多層薄肉容器用プリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた多層薄肉容器の製造方法

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JPH05185496A
JPH05185496A JP14217292A JP14217292A JPH05185496A JP H05185496 A JPH05185496 A JP H05185496A JP 14217292 A JP14217292 A JP 14217292A JP 14217292 A JP14217292 A JP 14217292A JP H05185496 A JPH05185496 A JP H05185496A
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preform
sheet
container
molds
resin
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JP14217292A
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Kiyoshi Wada
潔 和田
Masayuki Kageyama
公志 影山
Tetsuo Watada
哲雄 綿田
Yasutoshi Murata
泰敏 村田
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Toppan Printing Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層構造のプリフォーム及び薄肉容器を、そ
の層構成を崩すことなく、しかもスクラップの発生を極
力削減して経済的に製造できるようにすること及び製造
のための作業性をより一層向上すること。 【構成】 フイルム状のシート素材37を上型3と下型
4との間に挿入し、上型3と下型4とを相互に接触させ
て型締めを行ない、その型締めの際に上型3と下型4と
によってフイルム状シート素材37から1枚のシート素
片を打ち抜き、そのシート素片を上型3と下型4との間
に形成される射出空間内に位置させ、その射出空間内に
樹脂を射出してプリフォームを形成する。そして、形成
されたプリフォームに成形加工を施して製品容器を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の樹脂層を有する
薄肉容器を作成する際にその原料素材として用いられる
プリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた
多層薄肉容器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食料品等を包装するための容器には、次
のような各性質、すなわち、機械強度性、ガスバリヤ
性、防湿性、耐熱性、そして保香性等のうちのいくつか
又は全てが要求される。これらの各性質は、それぞれ特
定の樹脂材料によって達成されることが知られている。
必要に応じて希望する性質が複数ある場合には、それら
の性質を達成する個々の樹脂材料を積層することによっ
て1つの容器を形成する。
【0003】このような多層構造の容器及びその容器の
原材料となるプリフォームを製造するための方法とし
て、以下に述べるような種々の方法が既に提案されてい
る。
【0004】第1の方法は、真空成形、圧空成形、プラ
グアシスト成形等の、いわゆるシ−ト成形法である。こ
のシ−ト成形法は、図9に示すように、多層構造の1枚
の帯状シ−ト51を矢印A方向へ所定の送りピッチで搬
送しながらそれをヒータ52によって加熱し、その後、
互いに対向して配置された金型53,54によって容器
55を形成するものである。もちろん、この方法により
プリフォームを製造することもできる。
【0005】このシート成形法においては、シートの送
りピッチに応じて個々の容器55の間に大きな余白部分
ができ、また金型53,54の構造上、シートの送り方
向Aと直角方向において個々の容器55の間に大きな余
白部分が形成される。これらの余白部分は、製品として
寄与しない、いわゆるスクラップとなるので非常に不経
済である。
【0006】このようなスクラップを回収し、シート5
1の層構成の一部に再利用してシート51を再生し、そ
の再生シートから容器55を製作するということも行な
われている。しかしながらこの方法においては、シート
51を形成する樹脂が、再生時の粉砕やシート押し出し
時の熱等により次第に劣化し、着色、異臭、強度劣化等
といった問題が発生する。すなわち、スクラップを再生
しようとする場合、シート51の層の一部をスクラップ
層またはスクラップ混在層により構成することになる。
このような樹脂を再利用したシート51は、再生のたび
にスクラップの組成が変化するため、シート51の全体
としての特性が変化し、成形される容器ごとの性能にバ
ラツキが生じる恐れがある。
【0007】また、シート51を均一の厚さに製造する
ことはきわめて困難であり、どうしても厚さが不均一と
なる。すなわち、一般にフィルムはインフレーション
法、押し出し法、共押し出し法等により製膜されるが、
その厚みはある程度のバラツキを有しており、これらを
多層に積層したシートの厚みを均一化することはきわめ
て困難である。シート51の厚さが不均一であると、金
型53,54によって成形される容器55に関し、1つ
の容器55において肉厚分布が不均一となり、また各容
器55間においても肉厚が不均一となる。さらに、シー
ト成形にあたってはシート51を加熱、軟化させて容器
を成形するが、ヒータの加熱温度がシート51の幅方向
で不均一であったり、金型の冷却条件が各キャビティご
とに不均一であったりすると、同様に容器内、容器間で
の厚さが不均一になる。このような肉厚のバラツキ、特
に容器に所定寸法よりも薄肉の部分が形成された場合、
容器の機械的強度(例えば座屈強度)が十分に得られな
かったり、内容物充填後の加熱殺菌時に容器が変形する
といった不良が発生する。
【0008】プリフォーム及び多層構造容器の製造方法
の第2の例として、特公昭57−1415号公報に開示
された方法がある。この方法は、四角形状の多層シート
素材を加熱し、さらにプレス成形して円盤状のプリフォ
ームを製造し、さらにその円盤状プリフォームを真空成
形等により成形して製品容器を製造するというものであ
る。
【0009】この方法によれば、上述したシート成形に
比べてスクラップをかなり減少させることができる。し
かしながら、多層シート素材をプレス成形してプリフォ
ームを作成するときにシート素材を高温に加熱してその
粘度を下げる必要がある。このようにすると、多層シー
ト素材の層構成が崩れ易い。すなわち、部分的に層が薄
くなったり、あるいは分断し易い。層構成が崩れた多層
シート素材から形成された製品容器については、ガスバ
リヤ性等目標とする特定機能が得られない。
【0010】また、プリフォームを成形するための金型
に接する樹脂として、流動性のよい樹脂を用いないと良
好なプリフォームが得られない。すなわち、多層シート
素材として用いることのできる樹脂が狭い範囲に限定さ
れる。
【0011】プリフォームを利用した容器の製造方法と
して、特開昭60−178020号、同60−2445
18号、同63−130330号及び同63−2969
21号の各公報に開示された、いわゆるインジェクショ
ンブロー法がある。このインジェクションブロー法は、
円盤状のプリフォームを射出成形によって成形し、その
プリフォームにプラグアシスト成形等といった成形加工
を施すことにより、容器を成形するものである。
【0012】このインジェクションブロー法において
は、プリフォームを成形する工程でインジェクション成
形法、すなわち射出成形法を用いているので、プリフォ
ームを多層構造にすることがきわめて困難であり、通常
は、単層のプリフォームが作られるだけである。従っ
て、ガスバリヤ性等といった特定機能を持った容器を製
造することができないという問題があった。
【0013】インジェクション成形を利用してプリフォ
ームを成形する場合、例えば特開平3−176126号
公報に示されるように、複数の射出装置および多層成形
射出ノズルを用いて成形すれば、多層構造のプリフォー
ムを製造することができる。この場合、層構成は対称形
となり、例えばガスバリヤ性樹脂を中間層として有する
カップ状容器やボトルなどの実用化へ向けての研究が進
められている。しかしながら、この技術による場合、各
樹脂層の層厚を均一にすることがきわめて困難であるば
かりでなく、流動した樹脂が最後に到達するキャビティ
端付近では、多層構造そのものが成り立たなくなること
が多い。従って、プリフォーム全体に渡って均一な多層
構造を与えることは不可能である。さらに、本発明のよ
うに多数の樹脂を非対称形の層構成に積層する必要があ
る場合には、この方法は適用できない。
【0014】多層構造容器の製造方法の別の方法とし
て、特開平2−45352号及び実開平2−80519
号の各公報に開示された方法がある。この方法は、シー
ト成形によってカップ状容器をプレ成形し、その外周に
射出成形によって外層を形成して容器を製造するという
ものである。
【0015】射出成形は、金型の隙間内に樹脂を流し込
むものであり、その隙間が一定以上の厚さを有していな
いと、十分な成形ができない。従って、上記従来方法に
おいては、完成した容器の容器壁の厚さが厚くなり過ぎ
るという問題が有った。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した各
種の問題点を解消するためになされたものであって、多
層構造であって、しかも薄肉の容器を、その層構成を崩
すことなく、しかもスクラップの発生を極力削減して経
済的に製造できるようにすることを目的とする。
【0017】また、その目的を確実に達成できるプリフ
ォームを製造するための製造方法を提供することを目的
とする。
【0018】さらに本発明の別の目的は、シート素片の
形成工程と射出成形工程とを同時に行うことにより、作
業性をより一層向上させることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る多層薄肉容器用プリフォームの製造方
法は、シート素片準備工程及び射出成形工程の2つの工
程を有している。シート素片準備工程は、特定機能を持
った樹脂層を含むフイルム状のシート素材を対向する一
対の型の間に挿入し、双方の型を相互に接触させて型締
めを行ない、その型締めの際に双方の型によってフイル
ム状のシート素材から1枚のシート素片を打ち抜き、そ
のシート素片を双方の型の間に形成される射出空間内に
位置させる工程である。そして射出成形工程は、シート
素片が配置された射出空間内に樹脂を射出する工程であ
る。
【0020】また、本発明に係る多層薄肉容器の製造方
法は、シート素片準備工程、射出成形工程、そして容器
成形工程の3つの工程を有している。シート素片準備工
程及び射出成形工程は、上記のプリフォーム製造方法に
おける同一名称の工程と同じである。そして容器成形工
程は、射出成形工程によって形成されたプリフォームに
成形加工を施して製品容器を製造する工程である。
【0021】上記のプリフォーム製造方法及び容器製造
方法において、特定機能を持った樹脂層とは、ガスバリ
ヤ性、防湿性、耐熱性、保香性(非吸着性)等の各機能
をもった樹脂層のことをいう。接着性の悪い樹脂同志を
積層する際にそれら各層の間に設けられて接着剤として
働く接着剤層も特定機能を持った樹脂層として考えられ
る。これらの各機能を達成するための樹脂層としては、
それぞれ次のような樹脂層を適用することができる。
【0022】ガスバリヤ性:エチレンー酢酸ビニル共重
合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PV
DC)、ポリビニルアルコール(PVA) 防湿性:ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン(P
P)、乾燥剤練り込みポリオレフィン 耐熱性:ポリエステル(PET)、ポリカーボネート
(PC)、PP 保香性:PET、EVOH、ポリアクリロニトリル(P
AN) 接着剤層:アイオノマー、エチレンー酢酸ビニル共重合
体(EVA)
【0023】シート素材は、目標とする特定機能、例え
ばガスバリヤ性、防湿性、耐熱性、保香性(非吸着性)
等を得るために特定の単層構造又は多層構造に形成され
る。例えば2層構造として、容器の内側に相当する方向
からPET/EVOH、PET/PVDC等、3層構造
として、PET/EVOH/PP、PP/PVDC/P
P等が考えられる。
【0024】また、シート素材の各層間には、必要に応
じて接着剤ないしは接着性樹脂が存在する。
【0025】フイルム状のシート素材を製造する方法は
特別の方法に限定されず、任意の方法を用いることがで
きる。例えば、接着剤積層法、共押出し法等といったシ
ート成形方法を用いることができる。
【0026】射出成形工程においてシート素片の上に積
層される樹脂は、容器に希望の形状を付与可能な機械的
強度を持った熱可塑性樹脂、例えばPP、ポリスチレン
(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、PC等が用いら
れる。
【0027】容器成形工程における成形加工とは、プリ
フォームを引き延ばして希望の形状、例えばカップ状に
成形加工する加工方法のことである。例えば、真空成
形、圧空成形、プラグアシスト成形等を採用することが
できる。真空成形とは、キャビテイ内を真空引きしてシ
ート材を金型に密着するように変形させて成形する成形
方法である。圧空成形とは、シート材を空気によって押
圧して金型に密着させて該シート材を成形する成形方法
である。プラグアシスト成形とは、上記真空成形あるい
は圧空成形において、シート材をプラグによって補助的
に押圧して該シート材を成形する成形方法である。
【0028】
【作用】シート素片準備工程において1枚のシート素片
を作成し、それを金型内の射出空間内に位置させた状態
で射出成形を行なう。その射出成形により、シート素片
層及び射出樹脂層から成る層状のプリフォームが製造さ
れる。次いで、プリフォームに成形加工が施されること
によって多層構造の製品容器が製造される。
【0029】プリフォームを成形するに際してプレス成
形を用いていないので、シート素片の層構造、すなわち
プリフォームの層構造が崩れることがない。また、予め
形成されたシート素片と射出成形の組合せによりプリフ
ォームが形成されるので、シート素片、すなわちフイル
ム状シート素材に多少の肉厚のバラツキがあっても、射
出工程によりそのバラツキが吸収され、プリフォーム全
体としての厚さはきわめて精度良く均一化することがで
きる。従って、肉厚の均一な容器を製造することができ
る。その場合にも、容器壁内部の層構造は崩れない。
【0030】さらに、1枚1枚プリフォームを作成して
それを製品容器に成形するので、従来のシート成形法の
ように多量のスクラップが発生せず、従って、非常に経
済的である。
【0031】
【実施例】以下、図面に基づいて多層薄肉容器用プリフ
ォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた多層薄
肉容器の製造方法について説明する。なお、以下に説明
するプリフォーム及び容器の製造方法は、図7に示すよ
うな巻締め用カップ容器1を製造するものである。この
容器1は、密封用の金属製蓋(図示せず)を巻締めする
ための巻締め用フランジ2を有しており、このフランジ
2に上記金属製蓋が巻締められて容器内部が密封され
る。この巻締めに際しては、容器フランジの厚さが所定
の薄さにないと十分な密封状態が得られないことが知ら
れている。フランジの好ましい厚さは、0.4〜0.6
mm、より好ましくは0.4〜0.5mmである。従来
のシート成形により製造されたフランジ付き容器を巻締
めする場合、その多くはフランジが厚すぎるため、フラ
ンジ部を熱プレスしたり、あるいはフランジ部を削るな
どの二次加工を行なって、所定の厚さにしている。
【0032】図1はシート素片準備工程及び射出成形工
程を実施するための射出成形装置を示している。この射
出成形装置24は大きく分けて対向する一対の型、すな
わち上型3及び下型4を有している。上型3は、最上部
に固定板8を有していて、その固定板8の下面にコア9
が固定されている。コア9の内部には、冷却液通路10
及びエア吸引路22が設けられている。コア9の下部周
囲にはリップキャビテイ11及びリップ板12が配設さ
れている。下型4は、保持板14に保持されたキャビテ
イ13を有しており、そのキャビテイ13の内部にホッ
トランナ15の先端が臨出してゲート16に接触してい
る。
【0033】リップキャビテイ11の下端内周縁11a
とキャビテイ13の突出部上端外周縁13aは、両者の
間に存在するシート素材37を剪断するためのパンチ部
38を構成している。リップキャビテイ11の内周縁1
1aとキャビテイ13の外周縁13aは、上型3と下型
4が型締めされるとき、互いに隙間なく嵌合し、その嵌
合の際、両者の間に存在するシート素材37に剪断力が
作用してそのシート素材37がパンチ部38の所で剪断
される。
【0034】上型3は矢印A−A’のように上下方向に
移動可能であり、下型4から離れる図示の位置(開放位
置)と、図2に示すように互いに接触する位置(型締め
位置)をとることができる。型締め位置というのは、コ
ア9とキャビテイ13との間に所望のプリフォーム形状
に相当する射出空間Gが形成される位置である。
【0035】図1に戻って、射出成形装置24の左側に
はシート素材供給装置35が設けられ、その右側にはシ
ート素材巻き取り装置36が設けられている。シート素
材供給装置35から送り出されるフイルム状のシート素
材37は、矢印B方向へ搬送されて上型3と下型4との
間を通過してシート素材巻き取り装置36に巻き取られ
る。
【0036】図3は、シート素片5及び射出樹脂層6か
ら成るプリフォーム7を加熱するための加熱装置を示し
ている。このプリフォーム加熱装置25は、前工程であ
る射出成形工程によって形成されたプリフォーム7の上
方に臨出可能なヒータ17を有している。また、プリフ
ォーム7の下方には、射出樹脂層6を加熱するためのヒ
ータ30を有している。このヒータ30は、射出樹脂層
を積層した後、直ちに容器の成形工程に移る場合には省
略が可能である。
【0037】図4は、容器成形工程を実施するための装
置の一例であるプラグアシスト成形装置26を示してい
る。この装置は、リップキャビテイ11の下に連結され
る下型18と、上下方向へ移動可能なコア19と、コア
19を貫通していて上下方向へ移動可能なプラグ20と
を有している。コア19にはエア導入穴23が開けられ
ている。また、下型18には製品容器1(図7)の形状
に合致した内壁面を有する凹部21が設けられている。
【0038】以下、上記各装置によって実施されるプリ
フォーム及び容器の製造工程について説明する。
【0039】(シート素片準備工程及び射出成形工程)
図1に示すように、上型3が下型4に対して開放位置に
置かれている状態で、シート素材供給装置35によって
フイルム状のシート素材37が両型3,4の間に挿入さ
れる。その後、上型3が下方へ降ろされて、図2に示す
ように両型3,4が型締め位置にセットされる。このと
き、パンチ部38の嵌合、すなわちキャビテイ13の突
出部上端外周縁13aとリップキャビテイ11の下端内
周縁11aとの嵌合によりシート素材37が剪断され、
図5に示すような円盤状のシート素片5へと切断され
る。図2において、切断されたシート素片5はエア吸引
路22を流れるエアによって吸引されてコア9の下端に
吸着固定される。装着されたシート素片5は、その上面
すなわちコア9に接触する面が容器内周面になる。
【0040】シート素片5がコア9の下端に装着される
と、ホットランナ15を介して樹脂が射出空間G内へ流
し込まれ、これにより、シート素片5の表面上に射出樹
脂層が積層されて、図6に示すようなプリフォーム7が
形成される。図中、符号6がシート素片5の表面上に積
層された射出樹脂層を示している。
【0041】射出成形が終了してプリフォーム7が製造
されると、プリフォーム7がリップキャビテイ11に保
持されたまま、図3に示す加熱ステージへ送り込まれ
る。この加熱ステージにおいて、ヒータ17がプリフォ
ームの直上位置まで送り出され、該ヒータ17及び必要
に応じて配置されるヒータ30から発散される熱によ
り、プリフォーム7が加熱される。この熱により、シー
ト素片5と射出樹脂層6との融着が促進され、さらに次
の工程である容器成形工程のための予備加熱が行なわれ
る。なお、このプリフォーム加熱工程は場合によっては
省略することも可能である。
【0042】加熱されたプリフォーム7は、次いで、リ
ップキャビテイ11に保持されたまま図4の容器成形ス
テージに送られる。この容器成形ステージにおいて、プ
ラグ20を備えたコア19がプリフォーム7の上方から
図示の成形位置にセットされ、容器成形加工が実施され
る。すなわち、プラグ20の下方移動によりプリフォー
ム7が下方へ押圧され、同時にエア導入穴23を通って
送り込まれるエアによりプリフォーム7が延ばされる。
こうして延ばされるプリフォーム7は、下型18の凹部
21の壁面形状、すなわちカップ形状に成形され、図7
に示すような多層薄肉構造の製品容器1が出来上がる。
【0043】以上、好ましい実施例をあげて本発明を説
明したが、本発明はその実施例に限定されるものではな
い。
【0044】例えば、製品容器の形状は、図7に示した
巻締め用カップ形状以外の任意の形状、例えば方形のト
レー状とすることもできる。この場合、シート素片5の
形状は、その製品容器の形状に見合った形状に準備され
ることは自明である。
【0045】また、図8に示すようなヒートシール用カ
ップ形状とすることもできる。このヒートシール用カッ
プ容器31は、密封用の薄板状蓋材(図示せず)を熱溶
着するためのヒートシール用フランジ32を有してお
り、このフランジ32に上記蓋材が熱溶着されて内部が
密封されるものである。この場合、ヒートシール用フラ
ンジ32は蓋材のヒートシール作業時の熱及び圧力に耐
えるだけの厚さを有することが必要であり、上記実施例
では、射出樹脂層6の材質としてPP等のヒートシール
性を有するものを用いれば、シート素片5及び射出樹脂
層6の大きさ及び厚さを考慮することで、目的に合った
ヒートシール用フランジを得ることができる。
【0046】必要であれば、射出成形工程を複数回繰り
返して、射出樹脂層6を2層以上に形成することも可能
である。また、上記実施例では、プリフォーム7のシー
ト素片5側が製品容器1の内面となるように成形した
が、射出樹脂層6側が製品容器1の内面となるようにし
てもよい。
【0047】上記実施例では、シート素片5を容器の内
面側としているが、このようにすることには次のような
利点がある。すなわち、シート素片5に好適に使用でき
る材料は、ガスバリヤ性樹脂であるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物や非吸着性樹脂であるポリエステル
系樹脂のような、特定の機能を有する材料である。他
方、射出樹脂層の樹脂は、ポリプロピレンのごとき容器
の主たる構造材料となる樹脂である。この場合、一般に
射出樹脂層の樹脂の方が、シート成形のような容器形状
への成形適性が高い。従って、シート成形に際して、シ
ート素片5を容器の内面側に配置することにより、シー
ト素片5の成形不良(シート成形時における伸び不足に
よる厚みのバラツキ、割れ等)を防ぐことができる。特
に、プラグアシスト成形法を用いた場合、加熱温度の関
係から上記成形不良が発生しやすいので、シート素片5
を容器の内面側に配置することが有利である。
【0048】また、シート素片5に非吸着性樹脂を使用
する場合、この樹脂は内容物に接する位置に配置されて
初めてその目的を達成できるので、上記実施例のように
シート素片5を容器内面側とする位置関係で製造される
ことが好ましい。
【0049】上記実施例では、図2に示したように、シ
ート素片5をエアによってコア9の下端に吸着させてい
る。しかしながら、射出樹脂はゲート16を通ってシー
ト素片5の下方から送り込まれるので、シート素片5は
流し込まれた射出樹脂によって自動的に上方へ持ち上げ
られると考えられる。従って、エアによるシート素片の
吸着手段を用いない場合でも、目的とするプリフォーム
を製造することができる。
【0050】また、上記実施例では上下に開閉する型を
用いているが、左右に開閉する型とすることも可能であ
る。この場合、シート素材の供給は型の上下方向とする
ことも可能である。
【0051】また、シート素片の供給は1枚に限定され
るものではなく、例えば、シート素片の打ち抜きを2度
行なったり、あるいはシート素材を2枚重ねて供給する
ことによってシート素片を2枚作成するなどして、1枚
目を上型に保持し、2枚目を下型に保持し、この間に樹
脂を射出成形するようにしてもよい。この場合、ゲート
の位置、形状の考慮が必要となる。
【0052】図10は、シート素片準備工程及び射出成
形工程を実施するための射出成形装置の他の実施例を示
している。ここに示した射出成形装置44は、円盤状の
固定側プレート41と、それに対向して配置された円筒
状の可動側プレート42とを有している。可動側プレー
ト42は、図示しない駆動機構によって駆動されて矢印
A−A’のように上下方向へ往復移動する。可動側プレ
ート42の下端には、バネ43,43によって下方へ付
勢される円筒状の中間プレート45が設けられている。
また、可動側プレート42の内部に、突出しピストン4
6によって駆動されて矢印A−A’のように、上下方向
へ直線往復移動する円柱状の打抜きパンチ47が設けら
れている。打抜きパンチ47の内部には、上下方向に延
びる2つの細径の貫通穴である空気吸引穴48,48が
設けられている。これらの空気吸引穴48は、図示しな
い空気吸引ポンプに接続されていて、これらの空気吸引
穴を通して矢印Dのように空気が吸引されるようになっ
ている。
【0053】固定側プレート41の中央にはゲート16
が形成されており、そのゲート16に樹脂射出装置のホ
ットランナ15の先端が接続されている。
【0054】図の左右方向へ延びる長さの長いシート素
材37は、可動側プレート42と中間プレート45との
間に挿入される。打抜き作業が開始されると、可動側プ
レート42が下方(矢印A’方向)へ移動して、中間プ
レート45の底面が固定側プレート41の上面に当接す
る。そして、可動側プレート42がさらに下方へ付勢さ
れると、可動側プレート42と中間プレート45とによ
ってシート素材37が圧力下で挟持される。
【0055】その後、打抜きパンチ47が突出しピスト
ン46によって駆動されて下方(矢印A’方向)へ移動
し、中間プレート45内の貫通穴45a内に入り込んで
その穴45aに嵌合する。打抜きパンチ47のこの移動
により、その打抜きパンチ47の断面形状に一致した形
状、すなわち円形状のシート素片がシート素材37から
打ち抜かれる。打ち抜かれたシート素片は、矢印D方向
に作用する真空吸引により打抜きパンチ47の底面に吸
着される。
【0056】次いで、打抜きパンチ47と固定側プレー
ト41との間に形成された空間、すなわち射出空間内
に、ホットランナ15を通って送られた樹脂が射出さ
れ、その射出空間に一致した形状のプリフォームが形成
される。プリフォームが形成された後、真空吸引Dによ
ってプリフォームを吸着したまま、打抜きパンチ47が
上方(矢印A方向)へ持ち上げられ、そしてそのプリフ
ォームが次のステージ、すなわち成形加工ステージへ運
ばれる。成形加工ステージにおいてプリフォームに成形
加工、例えば延伸ブロー成形が施されることにより、所
望形状の多層薄肉容器が製造される。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、シート素片を金型内に
装着した状態で射出成形を行なうことによりプリフォー
ムを形成するようにしたので、射出成形を利用したにも
かかわらず、安定した品質の多層構造のプリフォームを
得ることができる。
【0058】射出成形によって1枚1枚プリフォームを
形成し、そのプリフォームから製品容器を形成するの
で、スクラップ等の不要成分が殆ど発生しない。従っ
て、非常に経済的である。
【0059】プレス成形でなく射出成形によってプリフ
ォームを作るので、プリフォーム内の層構成が崩れるこ
とがない。従って、ガスバリヤ性等の特定機能を確実に
得ることができる。
【0060】射出成形を利用したのでプリフォームはき
わめて厚みの精度がよく、この均一な厚さのプリフォー
ムを容器形状に成形することによって製品容器を作るの
で、薄肉でしかも容器内および容器間でバラツキがな
い、安定した厚さの精度を有する容器を作ることができ
る。
【0061】プリフォームを製造するための射出成形を
行なう際に、対向する一対の型を型締めすると、自動的
にフイルム状シート素材から単体のシート素片が作られ
る。従って、シート素片を打ち抜くための前工程が不要
となり、作業性が向上する。また、予めシート素片を製
造しておいて、後にそれを金型内に装着するような場合
には、装着専用のロボットが必要となり、経費が高くな
る。これに対し本発明では、そのような専用のロボット
が不要であるので経済的である。さらに、予めシート素
片を製造しておいて、後にそれを金型内に装着するよう
な場合には、シート素片の表裏を間違えないようにする
ために、特別な機構を設ける必要がある。これに対し本
発明では、一旦フイルム状のシート素材の表裏を決めて
しまえば、それから打ち抜かれるシート素片の表裏が自
動的に決定されて誤りが発生する余地がない。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】多層薄肉容器の製造方法を構成する一工程であ
るシート素片準備工程及び射出成形工程を実施するため
の射出成形装置の一例を示す正面断面図である。
【図2】上記射出成形装置が型締め状態にある場合を示
す正面断面図である。
【図3】多層薄肉容器の製造方法を構成する一工程であ
るシート加熱工程を実施するためのシート加熱装置を示
す正面断面図である。
【図4】多層薄肉容器の製造工程を構成する一工程であ
る容器成形工程を実施するためのプラグアシスト成形装
置を示す正面断面図である。
【図5】シート素片の一例を示す斜視図である。
【図6】プリフォームの一例を示す側面断面図である。
【図7】製品容器としての多層薄肉容器の一例を示す斜
視図である。
【図8】製品容器としての多層薄肉容器の別の一例を示
す斜視図である。
【図9】従来の容器製造方法の一例の概略を示す斜視図
である。
【図10】射出成形装置の他の一例を示す正面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 巻締め用カップ容器 3 上型 4 下型 5 シート素片 24 射出成形装置 26 プラグシスト成形装置 31 ヒートシール用カップ容器 37 シート素材 G 射出空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 69/02 8115−4F // B29L 9:00 4F 22:00 4F (72)発明者 村田 泰敏 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形加工が施されて延びることにより多
    層薄肉容器へと成形されるプリフォームの製造方法であ
    って、 特定機能を持った樹脂層を含むフイルム状のシート素材
    を対向する一対の型の間に挿入し、双方の型を相互に接
    触させて型締めを行ない、その型締めの際に双方の型に
    よってフイルム状のシート素材から1枚のシート素片を
    打ち抜き、そのシート素片を双方の型の間に形成される
    射出空間内に位置させるシート素片準備工程と、 シート素片が配置された射出空間内に樹脂を射出する射
    出成形工程とを有することを特徴とする多層薄肉容器用
    プリフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の樹脂層を有する樹脂材料によって
    形成される多層薄肉容器の製造方法において、 特定機能を持った樹脂層を含むフイルム状のシート素材
    を対向する一対の型の間に挿入し、双方の型を相互に接
    触させて型締めを行ない、その型締めの際に双方の型に
    よってフイルム状のシート素材から1枚のシート素片を
    打ち抜き、そのシート素片を双方の型の間に形成される
    射出空間内に位置させるシート素片準備工程と、 シート素片が配置された射出空間内に樹脂を射出してプ
    リフォームを形成する射出成形工程と、 形成されたプリフォームに成形加工を施して製品容器を
    製造する容器成形工程とを有することを特徴とする多層
    薄肉容器の製造方法。
  3. 【請求項3】 シート素片準備工程において、打ち抜か
    れたシート素片をエアによって上記双方の型のうちの一
    方に吸着させることを特徴とする請求項2記載の多層薄
    肉容器の製造方法。
JP14217292A 1991-09-19 1992-05-07 多層薄肉容器用プリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた多層薄肉容器の製造方法 Pending JPH05185496A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14217292A JPH05185496A (ja) 1991-11-12 1992-05-07 多層薄肉容器用プリフォームの製造方法及びそのプリフォームを用いた多層薄肉容器の製造方法
EP19920308390 EP0533437A3 (en) 1991-09-19 1992-09-15 Method for producing a multilayered thin wall container and a multilayered thin wall container

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-323659 1991-11-12
JP32365991 1991-11-12
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012101374A (ja) * 2010-11-05 2012-05-31 Universal Seikan Kk キャップ用ライナーの製造装置および製造方法並びにキャップ用ライナー

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