JPH0518537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、流体圧、真空圧利用の産業機械に使
用する電磁弁に関するものである。

［従来の技術］ 従来、電磁弁において、弁本体と電磁操作部と
をボルト或いはねじによつて着脱可能に結合した
ものは、例えば実公昭54−37058号公報、米国特
許第3362037号公報などによつて、既に知られて
いる。

しかしながら、上記従来の電磁弁は、ボルト等
の螺着作業が煩雑であるばかりでなく、弁本体及
び電磁操作部にボルト等を設置するスペースを必
要とするので、電磁弁が大型になり、特に電磁弁
に停電等の事故に対応するための手動操作部の設
置が要求される場合には、電磁弁を小型化するこ
とが一層困難になる。

この問題を解決するために、弁本体の相互に対
向する一方の面に入出力ポートを、他方の面に手
動操作釦を設けるとともに、該弁本体の電磁操作
部側に係合溝を設け、上記弁本体に取付けた電磁
操作部を覆う蓋部材の弁本体側先端部分に、上記
係合溝に係合する係合突部を設け、これらの係合
溝と係合突部との係合によつて弁本体と蓋部材と
を結合した電磁弁が、実開昭59−96474号公報に
おいて提案されている。

しかしながら、この電磁弁は、弁本体に設けた
ポートへの配管の接続と手動操作釦の操作のため
に、上記係合溝を、ポート及び手動操作釦より蓋
部材側に設けているために、弁本体に、係合溝を
設けるためのスペースが必要であり、これによつ
て弁本体の小型化が制限されるので、超小型の電
磁弁を構成することが困難である。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、弁本体と電
磁操作部との係合が容易で、かつ超小型化できる
電磁弁を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、相互に背
向する一方の面に入出力ポートを他方の面に手動
操作釦を設けた弁本体と、これと別体に構成した
電磁操作部とを備え、これらを軸方向に当接させ
て結合することにより組立てる電磁弁において、
上記弁本体に設けた入出力ポート及び手動操作釦
の両側に、それぞれ係止突起を形設し、上記電磁
操作部の磁気枠または該磁気枠を覆う保護カバー
よりなる外郭部材の弁本体側先端部分に、該外郭
部材と弁本体との結合によつて上記入出力ポート
及び電磁操作釦を跨ぐ２個の切欠凹部と、これら
の切欠凹部両側の係止窓とをそれぞれ設け、上記
弁本体と外郭部材相互の押圧による上記係止突起
と係止窓との係止によつて、弁本体と電磁操作部
とを結合したことを特徴としている。

［作用］ 弁本体の係止突起と外郭部材の係止窓とを対向
させて、これらの部材を相互に押圧すると、切欠
部とその両側の係止窓とにより係止窓の周囲部分
が容易に弾性変形するので、係止窓と係止突起と
が係止し、切欠凹部がポートと手動操作釦を跨い
だ状態で弁本体と電磁操作部とが結合される。

したがつて、入出力ポート及び手動操作釦弁本
体の電磁操作部側に、該電磁操作部を結合するた
めのスペースを設ける必要がないので、電磁弁を
超小型化することができ、しかも上記切欠凹部に
よつて、ポートへの配管や手動操作釦の操作に支
障がない。

［実施例］ 第１図ないし第４図は本考案の第１実施例を示
し、互いに別体に構成した弁本体１及び電磁操作
部２１は、後述の着脱可能な係止機構により、軸
方向に分離可能に結合される。

上記弁本体１は、一側面に入力ポート２及び出
力ポート３を備えるとともに、電磁操作部２１と
の対向面に弁室４が凹設されており、ポート２，
３を連通させる通路に形成された弁座５が上記弁
室４に開口している。弁本体１のポート２，３を
備えた面と反対側の側面には、手動操作釦挿入用
の孔６が、その内端側面が上記弁室４に開口する
ようにして開設されており、これらの二つの側面
には、上記出力ポート３及び孔６の両側に、電磁
操作部２１側が低い傾斜面７ａを付設した係止突
起７，…が設けられている。

上記孔６には、外端面に回動具挿入用の溝８ａ
が、他端の側面に後述の可動鉄心に当接するカム
８ｂがそれぞれ形成されている手動操作釦８が、
その外周に嵌着されているＯリングによつて、気
密に挿入されている。

また、弁本体１の上述の側面間には、弁本体１
を所要の取付部材に取付けるための取付孔９が貫
通形成されており、側面の電磁操作部側には、後
述の磁気枠が嵌着される段部１０が設けられてい
る。

一方、電磁操作部２１は、電磁コイル２２を巻
いたボビン２３を備え、該ボビン２３の軸心部分
の通孔には、その一端に固定鉄心２４を嵌着固定
するとともに、電磁コイル２２への通電時にばね
２５の付勢力に抗して固定鉄心２４に吸着される
可動鉄心２６が摺動可能に挿嵌されており、該可
動鉄心２６の端部に弁座５を開閉する弁部材２７
が取付けられている。さらに、上記ボビン２３、
電磁コイル２２の外側は、磁気板２８及び外郭部
材を構成する磁気枠２９で囲繞されている。

上記磁気枠２９の側面は、磁気板２８よりも延
出している延長部が設けられており、相対向する
二つの側面の延長部には、端部の中央に切欠凹部
３０，３０が、また該切欠凹部３０，３０の両側
に係止窓３１，３１がそれぞれ形成されている。

また、弁本体１の入力ポート２及び出力ポート
３の周囲には、その一部が磁気枠２９の切欠凹部
３０内に位置しているパツキング嵌合溝１１が形
成されており、該溝１１にポート２，３を囲む二
つの孔が設けられたパツキング１２が嵌入されて
いる。

上記第１実施例において、弁本体１と電磁操作
部２１とを結合させるには、電磁操作部２１の磁
気枠２９を弁本体１に載置して、軸方向（可動鉄
心２６の移動方向）に押圧する。磁気枠２９の延
長部における係止窓３１，…の開設部は、係止窓
３１，…と切欠凹部３０によつて細幅に形成され
ているので、第４図に示すように傾斜面７ａによ
つて容易に弾性変形して、係止突起７，…に嵌合
係止される。この結合状態において、切欠凹部３
０，３０は、ポート及び手動操作釦８を跨いでい
るので、結合のための余分なスペースを必要とし
ないことにより電磁弁を超小型化できるものであ
りながら、磁気枠２９の延長部とポート周囲のパ
ツキング１２及び手動操作釦８との干渉が防止さ
れる。

また、弁本体１の側面の電磁操作部側に設けら
れている段部１０によつて、弁本体１と磁気枠２
９の各面は、略同一平面上にある。

上記第１実施例において、停電等の事故によつ
て弁部材２７が弁座５を閉鎖した場合は、溝８ａ
にドライバ等の回動具を挿入して手動操作釦８を
回動させると、カム８ｂが可動鉄心２６をばね２
５の付勢力に抗して固定鉄心２４方向に摺動させ
るので、弁座５を開放することができる。

電磁操作部２１と結合された弁本体１は、取付
孔９，９を利用して所望の機械等に取付けられる
が、上述の実施例では、ポート２，３が弁本体１
の一側面に設けられているので、ポート２，３と
機械等に形成されている孔との接続が容易であ
り、一方、手動操作釦８はこれと反対側の面に設
けられているので、弁本体１の取付けによつて操
作に支障をきたすことがない。

第５図は、本考案の第２実施例における外郭部
材を示し、この外郭部材は、磁気枠２９と相似形
状で該磁気枠に被冠される保護カバー３４として
構成され、保護カバー３４に形成した切欠凹部３
０，３０への係止窓３１，…の係止によつて、弁
本体１と電磁操作部２１とが結合される。

また、これらの実施例はいずれも２ポート弁で
あるが、本考案は２ポート弁に限定されるもので
はない。

［考案の効果］ 本考案の電磁弁は、弁本体に設けた入出力ポー
トと手動操作釦の両側に、それぞれ係止突起を形
設するとともに、該弁本体に結合される外郭部材
の弁本体側先端部分に、上記ポートと手動操作釦
とを跨ぐ切欠凹部と、その両側の係合窓とを設け
て、これらの係止突起と係止窓の係止により弁本
体と電磁操作部とを軸方向に結合したことによつ
て、弁本体の電磁操作部との結合側に、結合のた
めのスペースを設ける必要がないため、これによ
つて弁本体と電磁操作部とを接近させて結合でき
るので、電磁弁を超小型化することができ、かつ
切欠凹部によつてポートへの配管及び手動操作釦
の操作に支障がない。

また、これらの係合の際に、係止窓の周囲部分
が、切欠凹部と係止窓により細幅になつて容易に
弾性変形するので、結合が簡単であり、しかも４
個所で係止するために結合が強固である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の縦断正面図、第
２図は同じく平面図、第３図は同じく裏面図、第
４図は係止機構の拡大断面図、第５図は第２実施
例における保護カバーの斜視図である。 １……弁本体、２……入力ポート、３……出力
ポート、７……係止突起、８……手動操作釦、２
１……電磁操作部、２９……磁気枠、３０……切
欠凹部、３１……係止窓、３４……保護カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相互に背向する一方の面に入出力ポートを他方
   の面に手動操作釦を設けた弁本体と、これと別体
   に構成した電磁操作部とを備え、これらを軸方向
   に当接させて結合することにより組立てる電磁弁
   において、 上記弁本体に設けた入出力ポート及び手動操作
   釦の両側に、それぞれ係止突起を形設し、 上記電磁操作部の磁気枠または該磁気枠を覆う
   保護カバーよりなる外郭部材の弁本体側先端部分
   に、該外郭部材と弁本体との結合によつて上記入
   出力ポート及び電磁操作釦を跨ぐ２個の切欠凹部
   と、これらの切欠凹部両側の係止窓とをそれぞれ
   設け、 上記弁本体と外郭部材相互の押圧による上記係
   止突起と係止窓との係止によつて、弁本体と電磁
   操作とを結合した、 ことを特徴とする電磁弁。