JPH05184513A - 予備洗い装置における蓋取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器の蓋取り作業を自動的に行え、しか
も容器と蓋を一緒に洗浄できる、予備洗い装置における
蓋取り装置を提供すること。 【構成】 蓋付きの容器を載置して移送するコンベ
アの終端に湾曲したガイドを設け、湾曲ガイドに沿わせ
て容器を反転させ、容器内に洗浄液を吹き付けて洗浄す
る予備洗い装置において、コンベアの上方に蓋付き容器
を仮置きする載置床を設け、載置床の片側に、載置床上
に仮置きした容器群をコンベアの上面へ押し出す押出板
を進退自在に配備し、コンベア上面側に、コンベアの移
送方向に向けて傾斜する板体を設けると共に、前記傾斜
する板体の前方であって、コンベアの横断方向に向けて
アームを揺動自在に取り付け、アームの途上に、アーム
の揺動が最上位置に達したときにのみ負圧が切れる負圧
吸引式の吸盤を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、弁当箱等の容器内に付
着した残菜を除去する予備洗い装置における蓋取り装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】大量の弁当箱を機械的に洗浄する洗浄機
は種々存在する。この種の洗浄機においては容器内に大
量の残菜が残っていると洗浄効果が低下するために、洗
浄機で洗浄する前に残菜の大半を取り除く、いわゆる予
備洗いを行う必要がある。現在、予備洗いの方法として
は、回収してきた弁当箱等の蓋を取り、容器本体を逆さ
まに向けてポリバケツ等の回収箱の角に幾度か叩き付け
て衝撃を与えて大きな残菜を除去した後、洗浄液の入っ
た槽に漬けて回収する手洗い方法が一般的に行われてい
る。また、最近は網製のコンベアとシャワーを組み合わ
せた機械式の洗浄方法も提案されている。この方法はコ
ンベア上面の下方に噴射ノズルを上向きに配備し、蓋を
取り除いた容器の開口部をコンベア上面に向けて多数並
べて、洗浄ノズルの上位を通過する容器に洗浄液を吹き
付けて洗浄する方法である。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】従来の技術において
は、以下のような問題点がある。 ＜イ＞手洗い方法にあっては、蓋の除去工程、容器本体
の反転工程、漬け洗い工程、回収工程のすべての工程を
手作業で行っているため、作業効率が低いだけでなく、
多大の労力を必要とする。 ＜ロ＞また手洗い方法の場合、容器に繰り返し衝撃を加
えるために容器の損傷が激しい。 ＜ハ＞機械式の方法にあっても、蓋を作業員が予め取り
外しておく必要があり、多くの手数がかかる。 また蓋は予備洗いの対象としていないから、蓋に残菜が
付着していても予備洗いできない不都合がある。

【０００４】

【本発明の目的】本発明は以上の問題を解決するために
成されたもので、その目的とするところは、容器の蓋取
り作業を自動的に行え、しかも容器と蓋を一緒に洗浄で
きる、予備洗い装置における蓋取り装置を提供すること
にある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】すなわち本発明は、蓋
付きの容器を載置して移送するコンベアの終端に湾曲し
たガイドを設け、湾曲ガイドに沿わせて容器を反転さ
せ、容器内に洗浄液を吹き付けて洗浄する予備洗い装置
において、コンベアの上方に蓋付き容器を仮置きする載
置床を設け、載置床の片側に、載置床上に仮置きした容
器群をコンベアの上面へ押し出す押出板を進退自在に配
備し、コンベア上面側に、コンベアの移送方向に向けて
傾斜する板体を設けると共に、前記傾斜する板体の前方
であって、コンベアの横断方向に向けてアームを揺動自
在に取り付け、アームの途上に、アームの揺動が最上位
置に達したときにのみ負圧が切れる負圧吸引式の吸盤を
設けたことを特徴とする、予備洗い装置における蓋取り
装置である。

【０００６】

【本発明の構成】以下図面を参照しながら本発明につい
て説明する。

【０００７】＜イ＞全体の説明 図２に予備洗い装置の側面図を示し、図３に平面図を示
す。予備洗い装置は容器１０の蓋１１を取り、容器１０
と一緒にを並べる工程と、容器１０及び蓋１１に注水し
て反転させる工程と、容器１０及び蓋１１内に向けて洗
浄する工程とを連続して行う装置である。以下各部につ
いて詳述する。

【０００８】＜ロ＞搬入ベルト 図２、３において２０は搬入ベルトで、公知のエンドレ
ス形のベルトコンベアで構成され、後述する搬送コンベ
ア４０と直交方向に向けて配設されている。

【０００９】＜ハ＞押出手段 搬入ベルト２０の前方の搬送コンベア４０の片側には、
複数の容器１０群を仮置きする載置床３０が配設されて
いる。載置床３０の側方には周期的に進退する押出板３
１が配置されている。押出板３１の進退手段としては、
例えばエアで伸縮するシリンダ３２の他に公知の各種の
往復動機構を採用できる。押出板３１の上端とシリンダ
３２の連結構造は、シリンダ３２の伸長時において押出
板３１の鉛直性を維持し、シリンダ３２の収縮時におい
てのみ押出板３１の回転を許容するように、一定範囲の
回転を許容した状態で連結されている。これは押出板３
１の後退時に容器１０を載置床３０から突き落とさない
ためである。押出板３１の押し出し時期は、後述する搬
送コンベア４０の移送爪４３で区画される空間の１つお
きに蓋付き容器１０を供給できるように設定されてい
る。

【００１０】＜ニ＞搬送コンベア 搬送コンベア４０は一部が駆動源と接続する複数のスプ
ロケット４１ａ〜４１ｃと、各スプロケット４１ａ〜４
１ｃ間に回転自在に巻回した一対のエンドレス形のチェ
ーン４２、４２と、このチェーン４２、４２の間にチェ
ーンの移動方向と直行する方向に向け、一定の間隔で接
続した複数の移送爪４３と、載置床３０からスプロケッ
ト４１ａのほぼ真下の位置まで容器１０及び蓋１１の落
下を阻止して支持する固定床８０とにより構成される。
移送爪４３は、図５に示すようにアーム４３ａに鋼製の
帯板４３ｂを一体に取り付けた容器１０及び蓋１１の移
送機能と容器１０及び蓋１１を反転させる際の受撃部材
としての機能を具備する剛性部材で、アーム４３ａの両
端が各チェーン４２に連結している。帯板４３ｂの板面
には多数の切欠４３ｃが開設してある。この移送爪４３
は、容器１０や蓋１１の全長よりやや広い間隔で配設さ
れている。固定床８０は直線床８１とスプロケット４１
ａとほぼ等しい極率で屈曲した湾曲部８２とを一体に形
成した床で、一枚ものの板体、或いは容器１０等の移送
方向と直行する方向に向けて配列したローラ群、或いは
容器１０等の移送方向に向けて配列した棒状体等で構成
されている。

【００１１】＜ホ＞容器の移送経路 本発明では一台の搬送コンベア４０の上下の空間を利用
して、容器１０と蓋１１を移送する。すなわち、搬送コ
ンベア４０の終端側には、固定床８０の湾曲部８２より
大きい極率の湾曲ガイド４４が外装してあり、さらにこ
の湾曲ガイド４４の延長方向で搬送コンベア４０の下面
側には、第１ダクト床４５、洗浄床４６、第２ダクト床
４７が連続して形成されている。湾曲ガイド４４は内側
から外向きに力が作用した場合に揺動するようにその上
部が軸支されている。湾曲ガイド４４を揺動式に構成し
たのは、湾曲ガイド４４と搬送コンベア４０の間に異物
（箸やスプーンなど）が混入した時に搬送コンベア４０
の回転を阻止しないためと保守点検のためである。尚、
図中４８は残菜槽、４９は第２ダクト床４７から搬出コ
ンベア５１へ容器１０及び蓋１１を滑走させて移送する
滑り床、１３は湾曲ガイド４４を覆うカバーである。

【００１２】＜ヘ＞蓋取り装置 本発明の蓋取り装置は蓋１１のみを自動的に取り外し、
取り外した蓋１１を上向き状態で搬送コンベア４０の上
面に供給する装置である。すなわち、図１〜３に示すよ
うに搬送コンベア４０の上面側には、コンベア４０を跨
いで揺動式の揺動アーム６０と固定式の傾斜板６１が配
設されている。揺動アーム６０は両端が搬送コンベア６
０の両側で揺動自在に軸支されていると共に、揺動アー
ム６０の水平部に複数の吸盤６２が取り付けられてい
る。各吸盤６２はバキュームポンプ６３に接続して常時
負圧を発生し、揺動アーム６０の揺動が最上位置に達し
たときに負圧が一時的に切れるように構成されている。
負圧の遮断方法としては、例えば揺動アーム６０の揺動
軌跡の途上に揺動アーム６０の最上位置を感知するセン
サを配置すると共に、吸盤６２とバキュームポンプ６３
とを結ぶ配管６８の途上に常開式の電磁弁６９を介在
し、センサの感知信号に基づいて電磁弁６９が短時間に
亘って流路を閉じるようにする。揺動アーム６０の揺動
範囲は、各吸盤６２が搬送コンベア４５上の蓋１１に当
接する位置から、吸着した蓋１１が傾斜板６１とほぼ平
行になる位置までの範囲に設定されている。図６にカム
とリンクを組み合わせた揺動アーム６０の揺動機構の一
例を示す。６４ａは図示しない搬送コンベア４０の駆動
軸から回転を受けて駆動する原軸で、原軸６４ａにカム
板６４ｂが一体に固着されている。原軸６４ａの回転力
を搬送コンベア４０の駆動軸に求めるのは、揺動アーム
６０の揺動のタイミングを搬送コンベア４０の回転に同
期させるためである。揺動アーム６０の基端の支軸６５
ａには円板６５ｂが一体に固着されている。、 ６６は
揺動板で、その一部が支軸６６ａを介して回転自在に軸
支され、またその一部に設けた空転ローラ６６ｂがばる
ね６６ｃを介してカム板６４ｂの周面に圧接され、揺動
板６６の端部に設けた長穴６４ｄと円板６５ａの間がリ
ンク６７で連結されている。そして、原軸６４ａの等速
回転を受けてカム板６４ｂに接する揺動板６６が支軸６
６ａを支点に揺動を開始し、揺動板６６の揺動運動がリ
ンク６７を介して揺動アーム６０の往復動に変換され
る。揺動アーム６０の揺動角度θは、カム板６４ｂの形
状により求められる。

【００１３】＜ト＞洗浄液の供給手段 本発明では搬送コンベア４０の上下面で容器１０及び蓋
１１に対し洗浄液を噴射して洗浄するものである。すな
わち、図２に示すように揺動アーム６０と湾曲ガイド４
４の間の搬送コンベア４０の上方には、コンベアの横断
方向に向けて下向ノズル７０が配設されている。また、
図３に示すように洗浄床４６の下面には複数列の上向ノ
ズル７１が配設されている。これらの両ノズル７０、７
１はパイプの周面に穴を開けたものや、単体ノズルを多
数配列したものでもよい。各ノズル７０、７１から噴射
される洗浄液は例えば温水や洗剤の混入した液等を使用
できる。

【００１４】＜チ＞容器等の押さえ手段 図２及び図５に示すように洗浄床４６の上方には、複数
組の押さえ具９０が配備されている。押さえ具９０は複
数の棒体、或いは鎖等からなり、棒体の自重で容器１０
や蓋１１の持ち上がりを拘束する部材で、容器１０や蓋
１１の移送方向に向けて傾き、その上部が回転自在に支
持されている。

【００１５】

【作用】つぎに予備洗い装置の作動について説明する。

【００１６】＜イ＞蓋付容器の移送 図２に示すように搬入コンベア２０は蓋付の容器１０を
載置床３０へ向け移送し、蓋付の容器１０は載置床３０
上に仮置きされる。

【００１７】＜ロ＞容器の押出 載置床３０上に所定の容器１０がストックすると、押出
板３１が前進して載置床３０上の容器１０を一斉に搬送
コンベア４０へ押し出した後、元の位置に後退する。押
出板３１が後退する際、載置床３０上に連続して供給さ
れた容器１０に衝突するが、押出板３１が回動して載置
床３０にストックされる容器１０の転落を回避できる。
蓋付きの容器１０は移送爪４３で区画される固定床８０
の直線床８１上に押し出されて一旦静置される。直線床
８１上に静置された蓋付きの容器１０は、移送爪４３が
当接するまでの間に以下の要領で蓋１１が取り外され
る。

【００１８】＜ハ＞蓋の取り外し 押出板３１による蓋付きの容器１０の押出しが図示しな
いセンサなどにより感知されると、この感知信号を受け
て待機していた揺動アーム６０が降下を開始する。吸盤
６２は、負圧を生じながら容器１０の蓋１１と出会って
圧着する。揺動アーム６０の揺動が最下位に達すると上
昇に切り替わる。揺動アーム６０の上昇に伴い吸盤６２
が上昇して蓋１１のみを持ち上げ、持ち上げられた蓋１
１の開口部は徐々に上向に転じていく。この間、移送爪
４３が容器１０の背面に押し当たり、容器１０の移送を
開始する。そして揺動アーム６０の揺動が最上位置に達
すると、吸盤６２の負圧が一瞬切れる。すると蓋１１は
吸盤６２から脱落して傾斜板６１に沿って滑り落ち、先
行する容器１０の後方側の直線床８１の上面に上向き状
態で載置され、その後蓋１１の背面に移送爪４３が当接
して蓋１１の移送を開始する。以上の動作を繰り返すこ
とで、固定床８０の上面に容器１０列と蓋部１１列を交
互に載置し、載置した容器１０列と蓋１１列が移送爪４
３で移送力を受けながら固定床８０上を滑走する。

【００１９】＜ニ＞注水 上向き状態の容器１０及び蓋１１群が洗浄液を連続して
噴射している下向ノズル７０の直下を通過する際、各容
器１０及び蓋１１内に洗浄液が注水される。

【００２０】＜ホ＞反転 容器１０及び蓋部１１が搬送コンベア４０の終端に達す
ると、洗浄液で満たされた容器１０や蓋部１１は湾曲ガ
イド４４に支えられて、開口部が下向きになるように反
転する。例えば容器１０が反転する際、搬送コンベア４
０の湾曲部８２の周面上を滑走し、前方の移送爪４３に
衝突し、洗浄液の注入で剥離し易くなった残菜がこの衝
撃を受けて一挙に残菜槽４８へ向けて落下する。蓋１１
の場合も同様である。尚、容器１０や蓋１１の落下距離
は容器１０や蓋１１が損傷しない短い距離に設定されて
いる。

【００２１】＜ヘ＞洗浄 容器１０と蓋部１１は下向きのまま搬送コンベア４０の
移送爪４３に押されながら移送を続ける。容器１０と蓋
部１１が洗浄床４６に進入すると、容器１０と蓋部１１
の上面に押さえ具９０が当接する。容器１０や蓋１１
は、押さえ具９０の自重を受けて積極的に洗浄床４６に
押し付けられた状態で移送を続け、上向ノズル７１を通
過する際、上向ノズル７１から洗浄液が吹き付けられ
る。洗浄液は容器１０や蓋１１の全内面面と洗浄床４６
で包囲された密封空間で乱流となり、洗浄液の噴射方向
と直行する面だけでなくあらゆる方向の面に衝突し、す
べての残菜をきれいに洗い落とす。特に洗浄液の噴射に
より上昇した容器１０や蓋１１の内圧が、第２ダクト床
４７に至って一挙に減圧されるため、洗浄液と残菜は一
挙に第２ダクト床４７を経て残菜槽４８へ排出されるか
ら、より高い洗浄効果を期待できる。さらに容器１０や
蓋１１は搬出コンベア５１を経て洗浄機５０へ供給され
る。

【００２２】

【その他の実施例】揺動アーム６０に多数の吸盤接続用
管を狭いピッチで多数設けておき、吸盤６２を着脱自在
に構成することで、容器１０や蓋１１の横幅が異なる場
合や、固定床８０上に一回に押出す容器１０の数が変化
した場合に対応して、吸盤６２の設置間隔を任意に設定
できる。この場合、吸盤６２をセットしない吸盤接続用
管はテープやキャップで閉鎖しておく必要がある。この
ように構成することで、一回に搬送コンベア４０に供給
される蓋付き容器１０の供給数が変更したり、或いは横
幅の異なる容器１０に容易に対応することができる。ま
た、搬送コンベア４０は周面に一定間隔で突起体を突設
した公知のエンドレス形のベルトコンベアで代用する場
合もある。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。

【００２４】＜イ＞蓋の取り外し作業と、蓋を裏返して
コンベアに並べる作業を自動的に連続して行えるから、
大幅な省力化と予備洗いコストの低減が図れる。

【００２５】＜ロ＞容器だけでなく蓋も一緒に洗浄でき
て衛生的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 蓋取部の一部を省略した斜視図

【図２】 予備洗い装置の縦断面図

【図３】 その平面図

【図４】 図１のIV−IVの断面図

【図５】 図１の V−V の断面図

【図６】 揺動アームの駆動機構の説明図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓋付きの容器を載置して移送するコ
   ンベアの終端に湾曲したガイドを設け、湾曲ガイドに沿
   わせて容器を反転させ、容器内に洗浄液を吹き付けて洗
   浄する予備洗い装置において、 コンベアの上方に蓋付き容器を仮置きする載置床を設
   け、 載置床の片側に、載置床上に仮置きした容器群をコンベ
   アの上面へ押し出す押出板を進退自在に配備し、 コンベア上面側に、コンベアの移送方向に向けて傾斜す
   る板体を設けると共に、 前記傾斜する板体の前方であ
   って、コンベアの横断方向に向けてアームを揺動自在に
   取り付け、 アームの途上に、アームの揺動が最上位置に達したとき
   にのみ負圧が切れる負圧吸引式の吸盤を設けたことを特
   徴とする、 予備洗い装置における蓋取り装置。