JPH05181322A - 静電潜像現像剤用キャリア - Google Patents

静電潜像現像剤用キャリア

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JPH05181322A
JPH05181322A JP3346738A JP34673891A JPH05181322A JP H05181322 A JPH05181322 A JP H05181322A JP 3346738 A JP3346738 A JP 3346738A JP 34673891 A JP34673891 A JP 34673891A JP H05181322 A JPH05181322 A JP H05181322A
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博幸 吉川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像剤の帯電量の経時安定性および製造安定
性の優れた乾式現像剤用キャリアを提供すること。 【構成】 カーボンブラックを含有するシリコン樹脂で
表面を被覆した静電潜像現像剤用キャリアにおいて、平
均粒径の異なる2種類のカーボンブラックを被覆層中に
含有する静電潜像現像剤用キャリア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は静電潜像現像剤用キャ
リアに関し、より詳細には、電子写真、静電記録などの
静電潜像を現像するための乾式2成分現像剤に使用され
る改良されたキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーを用いて静電潜像を現像す
る方法としては、カスケード現像法(米国特許第261
8552号参照)や磁気ブラシ現像法(米国特許第28
74063号参照)が知られている。このいずれの方法
においても二成分系乾式現像剤が用いられている。
【0003】この二成分系乾式現像剤は、比較的大きな
キャリア粒子表面上に微小なトナー粒子が両粒子の摩擦
により発生した電気力により保持されており、静電潜像
に接近すると静電潜像が形成する電界によるトナー粒子
に対する該潜像方向への吸引力がトナー粒子とキャリア
粒子間の結合力に打ち勝ってトナー粒子は静電潜像上に
吸引付着されて静電潜像が可視化されるものである。そ
して、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充
しながら反復使用される。
【0004】この場合トナー粒子は必ず光導電体上の所
望の像領域へ優先的に引きつけられるような正確な帯電
性および電荷の大きさを有していなければならない。ま
たキャリアは長期間の使用中、常にトナー粒子を所望と
する極性でかつ充分な帯電量に摩擦帯電しなければなら
ない。しかしながら従来の現像剤は、粒子間の衝突又は
粒子と現像機構との衝突等の機械的衝突または、これら
による発熱によって、トナー粒子の一部はキャリア粒子
の表面に物理的に付着して膜を形成する性質がある。こ
のような事態になると、キャリア粒子表面上にトナーが
しだいに蓄積され、キャリア粒子とトナー粒子との間の
摩擦帯電がトナー同士の摩擦帯電に置換されてしまい、
現像剤全体の摩擦帯電特性が劣化し、ひいてはコピー画
像の地肌部にトナーが多数付着するといういわゆる地汚
れの現象が生じ、コピー品質が低下することとなる。ま
た、キャリア表面に対するトナー膜の形成がひどくなる
と現像剤全体を交換しなければならなくなり、コスト増
につながる欠点となっている。
【0005】このようなスペントを防止するため、従来
よりキャリア表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案さ
れているがいまだ満足のいくものは得られていない。例
えば、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重
合体等の樹脂で被覆されたキャリアは、帯電特性は優れ
ているが、表面の臨界表面張力が比較的高く、繰り返し
複写するうちにやはりスペント化が起こるため、現像剤
としての寿命がそれほど長くない。また、四フッ化エチ
レン重合体を被覆したキャリアは表面張力が低いためト
ナーのスペント化は起きにくいが四フッ化エチレン重合
体が摩擦帯電系列において最も負側に位置していること
からトナーを負極性に帯電しようとする場合には用いる
ことができない。また低表面張力を持つものとしてシリ
コン樹脂含有の被覆層でコートしたキャリアが提案され
ている。例えば、不飽和シリコン樹脂とオルガノシリコ
ン、シラノール等をスチレン・アクリル樹脂と混合して
キャリア表面を被覆したもの(米国特許第356253
3号)、ポリフェニレン樹脂とオルガノシリコンターポ
リマー樹脂とで表面を被覆されたキャリア(米国特許第
3847127号)、シリコン樹脂と正帯電特性を有す
る窒素含有樹脂とを含有するコート層で被覆されたキャ
リア(特開昭55−127567号)および樹脂変性シ
リコン樹脂で表面を被覆されたキャリア(特開昭55−
157751号)等が挙げられる。
【0006】以上のように、樹脂被覆キャリアにするこ
とによって耐スペント性は向上するが、キャリアが高抵
抗となるのでエッジ効果が生じやすく広い黒領域、中間
調領域の再現性が悪いという欠点がある。また、トナー
脱離時のカウンターチャージも過大となるので静電現像
による非画像部へのキャリア付着が発生し易くなる。特
にこの現象は高バイアス時に顕著に発生する。
【0007】この欠点を解決するために被覆層中にカー
ボンブラック等の導電性を有する物質を混在させること
が提案されている。例えば、多孔性カーボンブラックと
樹脂とを主成分とする材料で被覆したもの(特開昭56
−75659号)およびカップリング処理したカーボン
ブラックを含有したシリコン樹脂で被覆したもの(特開
昭62−182759号)等が挙げられる。
【0008】このように、キャリア表面にカーボンブラ
ックを含有するシリコン樹脂を被覆するとキャリアの抵
抗を容易に調整でき、エッジ効果およびキャリア付着の
改良が可能である。しかし、低抵抗化すると逆に画像部
へのキャリア付着が発生するという問題がある。さらに
キャリアの低抵抗化のためにカーボンブラックを添加し
すぎるとコート膜が弱くなり膜削れが起き、現像剤の反
復使用によりキャリアの抵抗が変動してしまい安定した
画像が得られなくなるという問題も発生する。また、キ
ャリアの抵抗を下げすぎると現像剤の帯電量が経時保存
により著しく低下する。例えば、製造後、長時間経た
(たとえば一ヶ月)現像剤を複写機にて使用すると帯電
量が低下しており、その結果、トナー付着量の増加によ
る細線のつぶれ、地汚れ、トナー飛散が発生する。ま
た、複写機内に入っている現像剤が高温高湿下に置かれ
ると帯電量が急激に低下して安定な画像が得られなくな
る。更に、現像剤の製造時における環境条件により帯電
量が大きくばらついてしまい安定した現像剤が得られな
い等の不具合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(1)本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その
目的はキャリアの被覆層の電気抵抗を低く抑え、エッジ
効果およびキャリア付着に対する強い防止作用を何ら損
ねることなく現像剤の帯電量の経時安定性および製造安
定性の優れた乾式現像剤用キャリアを提供するものであ
る。
【0010】(2)本発明は、キャリアの被覆層の電気
抵抗が低いにもかかわらず、画像部へのキャリア付着に
対して優れた乾式現像剤用キャリアを提供するものであ
る。 (3)更に、本発明はカーボンブラックの添加量をでき
るだけ少量に抑えることによりコート被膜の削れに対し
て強い長寿命の乾式現像剤用キャリアを提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、特許請求の
範囲に記載したとおり平均粒径の異なる2種類のカーボ
ンブラックを含有するシリコン樹脂で芯材表面を被覆し
てなることを特徴とする静電潜像現像用キャリアおよび
その製造方法である。本発明で使用するカーボンブラッ
クは、従来から知られているものでよい。
【0012】アセチレンブラックは、従来から知られて
いる導電性カーボンブラックでありアセチレンの熱分解
により得られるカーボンブラックであり、カーボンブラ
ック中の不純物が少なく炭素含有量高いカーボンブラッ
クである。炭素含有量は、99%以上であり好ましくは
99.3%以上である。このようなアセチレンブラック
の市販品としては、電気化学工業社のデンカブラック粒
状、デンカブラック粉状、ポストマン社のAnacar
bonがある。
【0013】ファーネスブラックも、従来から知られて
いる導電性の高いカーボンブラックであり、一般に原油
の残査を高温下で不完全燃焼し炭化したカーボンブラッ
クであり、窒素吸着法による表面積(カーボンブラック
便覧:カーボンブラック協会、昭和47年5月25日、
2版発行の試験法比表面積測定法P513〜P514)
が50〜500m2/gであり、かつDBP吸油量が5
0〜250ml/100gであり、さらに好ましくは表
面積が100〜400m2/g、DBP吸油量が100
〜250ml/100gである。このようなファーネス
ブラックの市販品としては、キャボット社のMONAR
CH700,800,880,900,1000,RE
GAL330,660,BLACK PEARLS70
0,800,880,1000,三菱化成工業社の#4
0,44,45,デグサ社のCorax P,Prin
tex60,Printex L,PrintexL−
6等がある。
【0014】一般にコート樹脂中に分散混合することに
より樹脂の抵抗を下げ導電性を付与するために使用する
カーボンブラックとしては、アセチレンブラックの他に
ファーネスブラックとしては表面積800m2/g以
上、DBP吸油量が300ml/100g以上のものが
好ましい。市販品としては、キャボット社のBlack
Pearls 2000,Carbolac l,ライ
オンアグゾ社のケッチェンブラックEC−DJ500,
600がある。
【0015】シリコン樹脂についても、ファーネスブラ
ック,アセチレンブラックそれぞれ単独もしくはブレン
ドして添加することにより、シリコン樹脂の抵抗を低下
させ導電性を付与することができる。しかし、ファーネ
スブラックを単独で添加するとシリコン樹脂の架橋反応
を阻害するため、シリコン被膜の強度を低下させる。し
たがって、ファーネスブラックを帯電性付与材として用
いるシリコンコートキャリアでは、カーボンブラックを
大量に添加できずそのため十分抵抗を下げることが難し
い。
【0016】一方、アセチレンブラックを単独で添加し
た場合は、シリコン樹脂の架橋反応を阻害しない。した
がってファーネスブラックを単独で添加した場合とは逆
にシリコン樹脂だけで表面を被覆したキャリアに比べて
被覆層の磨耗が少なくシリコン樹脂にアセチレンブラッ
クを添加することにより被覆の補強効果が見られる。し
かし、アセチレンブラックを単独でシリコン樹脂に添加
した樹脂溶液で表面被覆したキャリアは、トナーと混合
して作製した現像剤の帯電量がシリコン樹脂の変動(主
に粘度)及び製造条件及び製造環境により大きく変動し
てしまう。
【0017】そこで、アセチレンブラックとファーネス
ブラックの混合物を添加したシリコン樹脂で表面被覆し
たキャリアが提案された(特開昭61−260254
号)。このキャリアは、ファーネスブラックを単独添加
したシリコン樹脂被覆キャリアに比べて被覆層の強度が
あり、現像剤を繰り返し使用した場合の被覆層の磨耗が
少なく耐久性に優れたものとなる。またアセチレンブラ
ック単独添加したシリコン樹脂被覆キャリアに比べても
現像剤の帯電量の製造時の変動が少なく安定している。
しかし、この考案だとカーボンブラックをシリコン樹脂
100重量部(固形分換算)に対して5〜10重量部添
加しなければシリコン被覆層が適正な抵抗とならない。
その理由としてアセチレンブラックもファーネスブラッ
ク(表面積800m2/g以上、DBP吸油量が300
ml/100g以上)も粉砕粒径が非常に細かく分散安
定性に優れているが粒径が細かいために大量のカーボン
ブラックを添加しないと低抵抗化が計れない。また、カ
ーボンブラックを比較的多く含有するキャリアは、現像
剤の帯電量の保存時の経時劣化が激しい。そこで製造時
最適な帯電量を与えても実際に複写機内にて使用される
までに帯電量が低下してしまい細線のつぶれ、地汚れ、
トナー飛散が発生してしまう。さらに使用するカーボン
ブラックの表面積が大きく空気中の水分を吸収しやすい
ため、コーティング時の製造安定性に問題がある。その
ため、シリコン樹脂被膜に添加するカーボンブラックの
量には限界があり、画像品質と現像剤の製造安定性およ
び経時安定性を完全に両立できるキャリアはない。
【0018】そこで発明者は、添加するカーボンブラッ
クの量を少なくして、いかに抵抗を下げさらに帯電量の
保存時の経時低下を抑えるか検討を加え結果、以下のよ
うな方法を発明した。
【0019】まず、シリコン被覆層の抵抗全体を目標ま
で下げるのではなく被覆層と同等もしくは被覆層より粒
径の大きいカーボンブラックを添加して部分的に抵抗を
下げる方法を考えた。しかし、今まで主として使われて
いる多孔性カーボンブラックでは、細かい粒径になりや
すいためファーネスブラック中でも比較的表面積が小さ
くDBP吸油量の小さいものを使用する。好ましくは窒
素吸着法による表面積が50〜500m2/gでありD
BP吸油量が50〜200ml/100gであることが
良い。さらに平均粒径としては、コート膜厚の1.0〜
1.5倍になるように調整すると一層効果が大きい。本
手段を用いることによってカーボンブラックの使用量を
少なく抑えてもキャリアの低抵抗化が計れ、エッジ効果
の改良および画像部へのキャリア付着が防止できる。し
かし、高バイアス側のキャリア付着はほとんど改善され
ない。そこで高バイアスキャリア付着の改良のために、
細かく粉砕したアセチレンブラックをファーネスブラッ
クとともにシリコン樹脂中に分散させた樹脂溶液を芯材
にコートする。このとき添加したアセチレンブラックの
平均粒径は、0.1〜0.5μmに調整されたものを使
用する。一般に粒径の細かいカーボンブラックは比較的
大量に添加しなければ低抵抗化の効果が現れない。しか
し本発明の場合、抵抗は上記方法により目標まで下がっ
ておりアセチレンブラックの添加により下げる必要がな
いため少量の添加で十分効果が上げられる。従来法では
3〜10重量部(シリコン樹脂100重量部に対して)
の添加が必要であるが、本方法では0.5〜5.0重量
部の添加で良い。さらに最適な画像品質を得るために
は、ファーネスブラック(B)と被覆層の膜厚(C)と
の比B/Cとコート層の樹脂分100重量部に対するア
セチレンブラック(A)とファーネスブラック(B)の
合計A+Bとの積(B/C)*(A+B)が0.75〜
5.0の範囲であることが好ましい。
【0020】以上、平均粒径の異なる2種類のカーボン
ブラックをシリコン被膜中に添加することによって目的
を達成できた。また従来よりカーボンブラックをコート
液中に分散させる方法としては、一般に湿式粉砕法が用
いられていた。しかし湿式粉砕法を用いる場合、粒径分
布が二山分布になりやすく、また液の粘度、温度により
平均粒径がばらつき易いので抵抗の安定化が難しい。ま
た本特許のように2種類のカーボンブラックを用いる場
合においては、湿式法において粒径を任意に変えること
は不可能に近い。また乾式法においては、粗粉分級によ
り粗大粒子の混入を防止することも容易である。
【0021】なお、カーボンブラックの粒径は一般の沈
降式粒度分布測定器にて測定した。この発明で用いられ
るシリコン樹脂としては、従来知られているいずれのシ
リコン樹脂であってもよく、オルガノシロキサン結合の
みからなるストレートシリコンおよびアルキド、ポリエ
ステル、エポキシ、エレタンなどで変性したシリコン樹
脂が挙げられる。例えば、市販品としてストレートシリ
コン樹脂は、信越化学社のKR271,KR255,K
R152,東レダウコーニングシリコーン社のSR24
00,SR2406等があり、変性シリコン樹脂は、信
越化学社のKR206(アルキッド変性),KR520
8(アクリル変性),ES1001N(エポキシ変
性),KR305(ウレタン変性),東レダウコーニン
グシリコーン社のSR2115(エポキシ変性),SR
2110(アルキッド変性)などがある。
【0022】この発明で、シリコン樹脂で被覆するキャ
リア粒子としては、平均粒径が10〜1000μm好ま
しくは30〜500μmの砂、コバルト、鉄、銅、ニッ
ケル、亜鉛、アルミニウム、黄銅、ガラス等の非金属や
金属、金属合金等従来使用されている材料が広く用いら
れ、シリコン樹脂被膜層の形成法としては、被覆層組成
物を前記該粒子表面に流動化ベット法、浸漬法等の従来
公知の手段で塗布すればよい。
【0023】この発明のキャリアとともに使用するトナ
ーは、従来から公知の方法で得られたものが用いられ、
具体的には、樹脂成分、通常可視像の形成に必要なカー
ボンブラック等の着色剤をよく混合し、熱ロールミルで
混練した後、冷却、個化後粉砕、分級して得られる。
【0024】キャリアならびにトナーの使用量として
は、トナー粒子がキャリア粒子のシリコン樹脂表面に付
着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒
子を混合するのが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例と比較例によってキャリアを製
造し、その性質を比較することによって、この発明を説
明する。
【0026】下記表1に示す各組成になるように各成分
を混合し、被覆層形成液を調整した。また、カーボンブ
ラックは乾式粉砕法にて任意の粒径に調整した。次にこ
の溶液を平均粒径100μmの球状フェライト5000
重量部の表面上に流動床型コーティング装置を用いて被
覆し、次に同表1に示す温度で2時間加熱後、解砕して
樹脂被覆キャリアを得た。
【0027】比較例1〜6については、実施例同様乾式
粉砕法を用いたが、比較例7は、湿式法を用いた。具体
的には、各成分をホモミキサーにて30分分散して液を
調整した。
【0028】表1に記載するシリコン樹脂のうち、 KR206:信越化学社製のアルキッド変性シリコン樹
脂である。
【0029】SR2400:東レダウコーニングシリコ
ーン社製のストレートシリコン樹脂である。
【0030】表1に記載するカーボンブラックのうち Printex L−6:デグサ社製ファーネスブラッ
クで窒素吸着法による表面積が265m2/g、DBP
吸油量が123ml/100gである。
【0031】Black Pearls 700:キャ
ボット社製ファーネスブラックで窒素吸着法による表面
積が200m2/g、DBP吸油量が117ml/10
0gでである。
【0032】Black Pearls 2000:キ
ャボット社製ファーネスブラックで窒素吸着法による表
面積が1050m2/g、DBP吸油量が330ml/
100gである。
【0033】デンカブラック粒状:電気化学工業社製ア
セチレンブラックで、カーボンブラックの炭素含有量が
99.5%である。
【0034】一方トナーの組成は、 スチレンとn−ブチルメタクリレートとの共重合体 80部 カーボンブラック 10部 モノアゾ染料の2:1型クロム錯塩染料 3部 上記組成を有し、平均粒径11μmのトナーを調製し
た。そして、下記表1に示した各キャリア100部に対
して、このトナー2.5部を混合して現像剤をつくっ
た。
【0035】
【表1】
【0036】これらの現像剤を30℃,90%の環境下
へ放置し帯電量の経時による変化を調べた。また、リコ
ー製FT−4820を用いて製造直後および7日間放置
後の初期画像を出した。その結果を下記表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】この表2から明らかなように、カーボンブ
ラック添加量の多いキャリア(比較例1,3,5,7)
は帯電量が低い傾向にある。さらに経時による帯電量の
低下も著しい。それに対して実施例はカーボンブラック
の添加量が少なく、帯電量が高くて経時による低下も少
ない。
【0039】一方画像品質については、比較例1,3,
5,7は帯電量の低下による細線の太りが発生する。そ
れに対して実施例および比較例2,4,6は帯電量の低
下が少なく細線の太りについては問題ない。
【0040】また、非画像部のキャリア付着についてみ
ると、実施例では全て良好であるのに対して比較例2,
4,6にてキャリア付着が発生している。これは、帯電
量の経時低下を少なくするために添加するカーボンブラ
ックを減らしたためである。同様に画像部のキャリア付
着については、比較例1,3,5,7にて発生してい
る。これは、帯電量が経時により低下したためである。
【0041】以上のように、比較例では帯電量の安定性
と画像品質の両立ができない。これに対して実施例のよ
うに平均粒径の異なる2種類のカーボンブラックを添加
したシリコン樹脂で表面を被覆したキャリアは、帯電量
の安定性と画像品質の両立が可能である。
【0042】次にこれらの現像剤を用いてそれにトナー
を補給しながら、OPC感光体上の潜像を現像、転写す
る工程を12万回繰り返した。その結果を下記表3に示
す。
【0043】
【表3】
【0044】表3から明らかなように本発明の実施例
は、ファーネスブラックだけを添加したシリコン樹脂で
表面を被覆した比較例1,2のキャリアに比べて現像剤
の繰り返し使用によるキャリアの被覆層の削れが少なく
繰り返し使用前後での現像剤の帯電量変化が少なく安定
しており画像品質もよい。
【0045】また、アセチレンブラックだけを添加した
シリコン樹脂で表面を被覆した比較例3,4のキャリア
は、現像剤の繰り返し使用によるキャリアの被覆層の削
れが少なく、この発明の実施例のキャリアと同等の耐久
性を有する。また、比較例5についてはファーネスブラ
ックと一緒にアセチレンブラックも添加しているために
比較例1,2よりは膜の削れる程度がよい。しかし、抵
抗を下げるために多量のカーボンブラックを添加してい
るために実施例と比べると耐久性が劣っている。
【0046】次にコーティング時の製造安定性(環境変
動)についての結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】(注)帯電量の測定は、キャリアを100
mlのボールミル撹拌機に50g投入し、前記トナーを
1.5g入れ、1分間に300回転する架台に載せて1
0分間撹拌し現像剤を取り出しその帯電量を測定した。
【0049】抵抗は、体積固有抵抗(Ωcm)の対数変
換した値で表わした。たとえば、1×1011Ωcmは1
1.0(logΩcm)となる。
【0050】環境変動率は、30℃,80%の環境下で
シリコン樹脂を被覆したキャリアと15℃,30%の環
境下で被覆したキャリア物性の変動率である。(下式参
照)
【0051】
【数1】
【0052】表4から明らかなように本発明の実施例
は、比較例と比べて帯電量,抵抗コート時の環境による
変動が少なく一年を通して安定した物性のキャリアを得
ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、この発
明の平均粒径の異なる2種類のカーボンブラックを被覆
層中に含有する本発明のキャリアは、現像剤にした場
合、帯電量の経時低下が少なく、さらに高品質のコピー
を提供できる。加えてキャリアの耐久性にも優れてい
る。また、年間を通して常に安定した品質のキャリアが
得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラックを含有するシリコン樹
    脂で表面を被覆した静電潜像現像剤用キャリアにおい
    て、平均粒径の異なる2種類のカーボンブラックを被覆
    層中に含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャ
    リア。
  2. 【請求項2】 カーボンブラックがアセチレンブラック
    (A)とファーネスブラック(B)であり、ファーネス
    ブラックの窒素吸着法による表面積が50〜500m2
    /gであり、かつDBP吸油量が50〜200ml/1
    00gであることを特徴とする請求項1記載のキャリ
    ア。
  3. 【請求項3】 カーボンブラック(A)の平均粒径が
    0.1〜0.5μm、(B)の平均粒径が0.5〜2.
    0μmであり、カーボンブラック(A)と(B)の平均
    粒径の比が 0.1≦(A/B)≦0.5 であることを特徴とする請求項2記載のキャリア。
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