JPH05181001A - 屈折率分布型光学材料の製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光学材料の製造方法

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JPH05181001A
JPH05181001A JP34591791A JP34591791A JPH05181001A JP H05181001 A JPH05181001 A JP H05181001A JP 34591791 A JP34591791 A JP 34591791A JP 34591791 A JP34591791 A JP 34591791A JP H05181001 A JPH05181001 A JP H05181001A
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Japan
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methacrylate
refractive index
optical material
monomer
polymn
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JP34591791A
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Michio Kimura
道男 木村
Koichiro Oka
紘一郎 岡
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ラジカル重合性単量体Aと、ラジカル重合以外
の反応様式で重合する単量体Bを混合する工程、該混合
物に局所的な重合条件を付与しながら、あるいは付与し
た後、重合あるいは硬化させる工程からなることを特徴
とする屈折率分布型光学材料の製造方法。 【効果】表面硬度が高く、耐熱性の優れた屈折率分布型
光学材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屈折率が位置によって変
化する屈折率分布型光学材料の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】屈折率分布型光学材料は周知のように、
光軸と直交する方向に中心から周辺に向けて屈折率が次
第に変化する分布をもつ透明体から成る場合、ロッド状
のレンズあるいは光伝送ファイバ等として、また、光軸
方向に屈折率が次第に変化する分布をもつ透明体から成
る場合、平面レンズ等として広く使用されている。
【0003】たとえば、光軸と直交する方向に中心から
周辺に向けて屈折率が次第に変化する分布をもつ透明体
から成る上記屈折率分布型光学材料は、中心軸上の屈折
率をn0 、Aを定数として中心軸からrの距離における
屈折率nが n=n0 (1−A×r2 ×1/2) の式で表わされる分布をもつ。ここで、定数Aが正のと
き上記伝送体はとつレンズ作用を有し、Aが負の場合に
はおうレンズ作用を有する。定数Aの絶対値が大きい程
光学特性に優れる。
【0004】このような表面から内部に向かって連続的
な屈折率分布を有する屈折率分布型光学材料は、すで
に、特公昭47−816号公報などにおいてガラス製の
ものが提案されており、ロッド状のレンズ、光伝送ファ
イバーなどに広く使用されている。しかしながら、上記
ガラス製の屈折率分布型光学材料は製造工程に長時間を
要するため、生産性が低く、高価なものであった。ま
た、ガラス製であるため、屈曲性が乏しいという欠点が
あった。
【0005】上記欠点を解決する目的でプラスチック製
の屈折率分布型光学材料を製造する方法がいくつか提案
されている。例えば、特公昭47−26913号公報に
はイオン架橋重合体よりなる合成樹脂体をイオン交換す
ることにより該樹脂体の中心軸から表面に向かって金属
イオン濃度を連続的に変化させたもの、特公昭47−2
8059号公報には屈折率の異なる2種以上の透明重合
体を混合し成形した後、特定の溶剤で抽出することによ
り樹脂体の中心軸から表面に向かって濃度分布を形成し
たもの、特公昭52−5857号公報および特公昭56
−37521号公報には不完全に重合した架橋重合体の
表面から屈折率の異なるモノマーを拡散させて連続的な
濃度分布を形成した後、共重合したもの、および、特公
昭57−29682号公報には反応性を有する重合体の
表面から屈折率の異なる低分子化合物を拡散、反応させ
て連続的な屈折率分布を形成したものなどが開示されて
いる。
【0006】しかしながら、これらの従来法では、屈折
率分布を形成するのに複数の工程を経なければならない
ため、工程に長時間を要し、制御が難しく、工業化する
には多くの問題点を有していた。
【0007】これらの問題点を解決するため、特公昭5
4−30301号公報には、2種類以上のラジカル重合
性単量体を用い、ラジカル共重合反応における単量体の
反応性比の違いを利用して重合と同時に屈折率分布を形
成させる方法が開示されている。すなわち、この方法は
透明な管状ガラス容器に屈折率とラジカル共重合反応に
おける反応性比の互いに異なる2種類以上の単量体およ
び光重合開始触媒を混合した溶液を満たし、管壁より光
照射することにより管壁部分から重合を開始させ、周辺
部から中心部に向かって組成分布を形成し、それによっ
て屈折率分布型光学材料を製造するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
54−30301号公報で得られる屈折率分布型光学材
料は、表面硬度、耐熱性に劣り、複写機用レンズなど耐
熱性や寸法安定性を要求される用途に対しては使用する
ことが難しく、その他用途においてもレンズ表面が傷つ
き易いといった不都合が生じていた。
【0009】本発明の目的は上記従来の問題点を解消せ
んとするものであり、表面硬度、耐熱性に優れた屈折率
分布型光学材料を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的を
達成するために、本発明は、次の構成を有する。
【0011】「ラジカル重合性単量体Aと、ラジカル重
合以外の反応様式で重合する単量体Bを混合する工程、
該混合物に局所的な重合条件を付与しながら、あるいは
付与した後、重合あるいは硬化させる工程からなること
を特徴とする屈折率分布型光学材料の製造方法。」 以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に従った方法では、まず、ラジカル
重合性単量体組成物Aとラジカル重合以外の反応様式で
重合する単量体組成物Bを混合し、均一溶液とする。
【0013】本発明に用いるラジカル重合性単量体とし
ては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メタク
リル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ア
リルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、α−o
−クロロフェニルエチルメタクリレート、ベンヅヒドリ
ルメタクリレート、o−クロロベンヅヒドリルメタクリ
レート、p−シクロヘキシルフェニルメタクリレート、
α−p−ジフェニルエチルメタクリレート、メンチルメ
タクリレート、m−ニトロベンヅイルメタクリレート、
2−ニトロ−2−メチル−プロピルメタクリレート、α
−フェニル−アリルメタクリレート、α−フェニル−n
−アミルメタクリレート、α−フェニルエチルメタクリ
レート、β−フェニルエチルメタクリレート、テトラハ
イドロフルフリルメタクリレート、ビニルメタクリレー
ト、フェニルセルソルブメタクリレート、p−メトキシ
ベンヅイルメタクリレート、エチレンクロロヒドリンメ
タクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、
フェニルメタクリレート、オイゲノイルメタクリレー
ト、m−クレジルメタクリレート、ジアセチレンメタク
リレート、エチレングリコールベンゾエートメタクリレ
ート、エチルグリコレートメタクリレート、ボルニルメ
タクリレート、トリエチルカ ルビニルメタクリレー
ト、ブチルメルカブチルメタクリレート、o−クロロベ
ンジルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレー
ト、α−メタリルメタクリレート、β−メタリルメタク
リレート、α−ナフチルメタクリレート、シンナミルメ
タクリレート、o−クレジルメタクリレート、フルフリ
ルメタクリレート、β−アミノエチルメタクリレート、
メチル−α−ブロモアクリレート、リードメタクリレー
ト、2−クロロシクロヘキシルメタクリレート、1−フ
ェニルシクロヘキシルメタクリレート、トリエトキシシ
リコルメタクリレート、p−ブロモフェニルメタクリレ
ート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、1−
メチルシクロヘキシルメタクリレート、n−ヘキシルメ
タクリレート、β−ブロモエチルメタクリレート、メチ
ル−α−クロロアクリレート、β−ナフチルメタクリレ
ート、N−n−ブチルメタクリルアミド、メタクリルメ
チルサリシレート、エチレングリコールモノメタクリレ
ート、N−ベンジルメタクリルアミド、β−フェニルス
ルフォンエチルメタクリレート、N−メチルメタクリル
アミド、N−アリルメタクリルアミド、メタクリルフェ
ニルサリシレート、N−α−メトキシエチルメタクリル
アミド、N−β−メトキシエチルメタクリルアミド、シ
クロヘキシル−α−エトキシアクリレート、1,3−ジ
クロロプロピル−2−メタクリレート、2−メチルシク
ロヘキシルメタクリレート、3−メチルシクロヘキシル
メタクリレート、4−メチルシクロヘキシルメタクリレ
ート、トリメチル−3,3,5−シクロヘキシルメタク
リレート、フルオレニルメタクリレート、α−ナフチル
カルビニルメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコール#200ジメタクリレート、ヘキサメチレ
ングリコールジメタクリレート、デカメチレングリコー
ルジメタクリレート、エチルスルフィドジメタクリレー
ト、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレー
ト、エチリデンジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、1,1,3−トリヒドロペル
フルオロプロピルメタクリレート、1,1,5−トリヒ
ドロペルフルオロペンチルメタクリレート、トリフルオ
ロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートなどの(メタ)アクリレート類、スチレン、o
−クロロスチレン、ビニルナフタレン、o−メチル−p
−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、o−メチ
ルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−メトキシ
スチレン、2,6−ジクロロスチレン、ジビニルベンゼ
ンなどのスチレン類、ジアリルフタレート、イソジアリ
ルフタレート、アリルアセテート、ジエチレングリコー
ルビスアリルカルボナートなどのアリル類などが挙げら
れる。
【0014】これらのラジカル重合性単量体を単独ある
いは複数用い単量体Aとする。
【0015】ここで、単量体Aの粘度調節や成形体の重
合収縮を防止する点で、上記ラジカル重合性単量体を予
備重合したシラップ状のものを使用してもよいし、熱可
塑性高分子を上記ラジカル重合性単量体に混合溶解させ
たものを使用してもよい。
【0016】また、この単量体Aに重合開始剤を加えて
もよく、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイ
ド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール
類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサ
イド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエス
テル類など通常のラジカル開始剤や従来公知の光重合開
始剤を用いることができる。さらに、これら重合開始剤
に加えて、促進剤、増感剤を併用することは有効な手段
である。
【0017】さらに、重合調製剤としては、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメル
カプタン類、四塩化炭素などの連鎖移動剤を用いること
ができる。
【0018】次に、本発明で言うラジカル重合以外の反
応様式とは重縮合反応、開環付加反応、重付加反応など
種々の反応様式が挙げられ、二重結合を持つ単量体の付
加重合以外の反応様式であれば、いかなるものでも本発
明に用いることができるが、重合あるいは硬化中に低分
子化合物が生じることがなく、反応の制御が比較的容易
であるという点で、エポキシ化合物の開環付加反応が好
ましく用いられる。
【0019】本発明に用いることができるエポキシ化合
物としては、ビスフェノールA系液状あるいは固形エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F系エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAなど
から誘導される臭素化エポキシ樹脂、シクロヘキセンオ
キサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロペ
ンテンオキサイド基などの官能基を有する環式脂肪族エ
ポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安
息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジ
ルエステル系樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、テ
トラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシ
ジルp−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系樹
脂およびヒンダトイン型エポキシ樹脂、トリグリシジル
イソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などオキ
シラン環を有する化合物が挙げられる。
【0020】これらのラジカル重合以外の反応様式をと
ることができる単量体を単独あるいは複数用い単量体B
とする。
【0021】また、この単量体Bに重合硬化触媒を添加
してもよく、エポキシ化合物を用いるのであれば、脂肪
族あるいは芳香族アミン類触媒、芳香族酸無水物、環状
脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物などの酸無水物類硬化
剤、ポリアミド樹脂系触媒、イミダゾール類触媒、潜在
性硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤などの硬化触媒が挙
げられる。
【0022】これら単量体Aと単量体Bは、両者の相溶
性や屈折率分布を考慮してその組み合わせを選択すれば
よい。単量体Aと単量体Bの混合比率は任意であるが、
エポキシ化合物の量が組成物全体に対して5重量%以上
含むものが好ましく用いられる。
【0023】次に、単量体Aと単量体Bを混合した均一
溶液をガラスや樹脂製の容器に充填し、これに局所的な
重合条件を付与してラジカル重合する。
【0024】ここでいう局所的な重合条件としては、容
器を回転させながら紫外線、電子線などの活性光線を照
射する方法、容器に重合触媒を含有させ、光や熱などに
より容器壁から重合を進める方法および樹脂製の容器に
入れ、ビニルモノマーを容器に含浸させたおり、ゲル硬
化を利用して容器壁から重合を進める方法などが挙げら
れる。
【0025】このような局所的なラジカル重合条件を付
与して、容器壁などからビニルモノマーを次々と重合
し、堆積させて組成分布を形成する。
【0026】次に、ラジカル重合以外の反応様式で重合
あるいは硬化を完結させ、組成分布を固定化する。ラジ
カル重合以外の反応様式がエポキシ化合物の開環付加反
応であれば、たんに、容器全体を硬化温度以上に加熱す
ればよい。このとき上記ビニルモノマーの局所的重合の
工程において残った未反応のビニルモノマーも重合を完
結できる。
【0027】本発明においては、特に、屈折率分布が連
続的に変化しているものが好ましく、その屈折率差とし
ては、0.002以上であることが好ましい。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の物性は次のようにして評価し
た。
【0029】A.屈折率分布の状態 屈折率分布を形成した成形体を厚さ1mmに切断し、両
面を研磨した後、干渉顕微鏡(インターファコ カール
ツァイス社製)を用いて、差分干渉法にて屈折率分布を
測定し、表面部と中心部あるいは表面と裏面の屈折率差
Δnを求めた。 B.表面硬度 JIS K5401に従い、成形体の表面部分の硬度を
鉛筆硬度により決定した。
【0030】C.耐熱性 屈折率分布を形成した成形体を厚さ3mmに切断し、両
面を研磨した後、JIS K7206に従い、中心部分
のビカット軟化点(1kgf)を測定した。
【0031】実施例1 メチルメタクリレート100重量部に、グリシジルメタ
クリレート5重量部、光増感剤(ダロキュア1173
メルク社製)0.3重量部、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(“エピコート”828 油化シェルエポキシ
(株)製)50重量部およびブレンステッド酸脂肪族ス
ルホニウム塩触媒(“アデカオプトン”CP−66 旭
電化工業(株)製)0.15重量部を加え、真空脱泡し
ながら均一に混合し組成物を得た。内径6mm、長さ3
00mmの肉薄ガラス管に満たし、ガラス管を管の中心
軸のまわりに120回/分の速度で回転しながら、35
〜45℃で横方向150mmの距離から理化学用水銀ラ
ンプ(東芝製)の光を3分間照射した。次に、これを空
気浴式重合炉に入れ、120℃、4時間重合,硬化させ
た。ガラス管より取り出した棒状体は無色透明で、常法
により切削、研磨したところとつレンズとして作用する
ものが得られた。干渉顕微鏡により、中心部から周辺部
に向かって連続的に屈折率が変化していることが確認で
き、その屈折率差Δnは0.062であった。また、表
面硬度は4Hと非常に硬く、ビカット軟化点は133℃
であった。
【0032】実施例2 実施例1で、エポキシ化合物にビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を用いた代わりに、臭素化エポキシ樹脂(“エ
ピクロン”152 大日本インキ(株)製)を用いたほ
かは実施例1とまったく同様な方法で無色透明な棒状体
を得た。干渉顕微鏡により、中心部から周辺部に向かっ
て連続的に屈折率が変化していることが確認でき、その
屈折率差Δnは0.105であった。また、表面硬度は
4Hと非常に硬く、ビカット軟化点は135℃であっ
た。
【0033】比較例1 メチルメタクリレート100重量部に安息香酸ビニル3
0重量部および実施例1と同じ光増感剤0.35重量部
を加え、真空脱泡しながら均一に混合した。これを実施
例1と同様にガラス管に入れ、回転させながら側面から
3分間光照射した。次に、これを空気浴式重合炉に入
れ、120℃、4時間重合,硬化させた。ガラス管より
取り出した棒状体は無色透明で、常法により切削、研磨
したところとつレンズとして作用するものが得られた。
干渉顕微鏡により、中心部から周辺部に向かって連続的
に屈折率が変化していることが確認でき、その屈折率差
Δnは0.015であった。また、表面硬度は1Hと本
発明の実施例1と比較して低く、ビカット軟化点は95
℃と耐熱性が低いものであった。
【0034】比較例2 水200重量部にスチレン40重量部、メチルメタクリ
レート60重量部、ポリビニルアルコール2%水溶液1
0重量部を加え懸濁させ、2重量部の過酸化ベンゾイル
を開始剤として、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させ
てスチレン−メチルメタクリレート共重合体を得た。ス
チレン50重量部にスチレン−メチルメタクリレート共
重合体50重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン0.1重量部、ハイドロキノン0.1重量部
を加え非常に粘性のある均一溶液とした。次に、この溶
液を図2の装置のシリンダーに仕込み40℃で径が4m
mのノズルより押し出した。続いて押し出したファイバ
ーを80℃に加熱しながら窒素ガスが10リットル/分
の速度で流れる揮発部を15分で通過せしめ、光照射し
て重合させた。中心部と周辺部の屈折率差Δnは0.0
18であった。また、表面硬度は1Hと本発明の実施例
1と比較して低く、ビカット軟化点は98℃と耐熱性が
低いものであった。
【0035】実施例3 メタクリル酸メチルに2,2−アゾビスイソブチロニト
リルを0.01%加え、予備重合釜で80℃に加熱し
て、重合率10%の粘稠なメタクリル樹脂シラップを得
た。該シラップ100重量部に、グリシジルメタクリレ
−ト5重量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂
(エピコート827 油化シェルエポキシ(株)製)5
0重量部、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)0.5重量部およびブレンス
テッド酸脂肪族スルホニウム塩触媒(アデカオプトンC
P−66 旭電化工業(株)製)0.15重量部を加
え、真空脱泡しながら均一に混合し組成物を得た。
【0036】次に、2枚のガラス板、2mm厚透明アク
リル板、柔軟性のあるガスケットおよびクランプからな
る内寸が300×200×5mmtのセル(図3)に該
組成物を注入し、密封した後、空気浴式重合炉で50〜
120℃、48時間重合,硬化させ、離型後透明板を得
た。得られた透明板の厚みは6.0mmであり、表面と
裏面の屈折率差は0.025で、連続的に屈折率が変化
するものであった。また、表面硬度は4Hと非常に硬
く、ビカット軟化点は135℃であった。
【0037】実施例4 実施例3とまったく同様の操作をして組成物を得た。次
に、2枚のガラス板、2枚の2mm厚透明アクリル板、
柔軟性のあるガスケットおよびクランプからなる内寸が
300×200×5mmtのセル(図4)に該組成物を
注入し、密封した後、空気浴式重合炉で50〜120
℃、48時間重合,硬化させ、離型後透明板を得た。得
られた透明板の厚みは7.0mmであり、表面と中央の
屈折率差は0.022で、連続的に屈折率が変化するも
のであった。また、表面硬度は3Hで、ビカット軟化点
は130℃であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の屈折率分布型光学材料の製造方
法は、次の効果を奏する。
【0039】(1) 成形体の表面硬度が高く、耐熱性の優
れた屈折率分布型光学材料が得られる。 (2) 表面部と中心部あるいは表面と裏面の屈折率差が大
きく、光学的に優れた屈折率分布型光学材料が得られ
る。
【0040】従って、本発明の製造方法により製造した
屈折率分布型光学材料はロッドレンズであれば複写機用
レンズやファクシミリ用レンズなどとして、屈折率分布
平板であれば面光源装置の導光体などとして好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】屈折率が透明板の厚み方向に変化する屈折率分
布を有する屈折率分布型光学材料の断面図である。
【図2】比較例2の屈折率分布型光学材料を得るために
用いた装置を示す模式図である。
【図3】実施例3の屈折率分布光学材料を作製するため
に用いたセルの断面図である。
【図4】実施例4の屈折率分布光学材料を作製するため
に用いたセルの断面図である。
【符号の説明】
1:屈折率分布透明板 2:端縁部 3:高屈折率面 4:平行光 5:低屈折率面 6:シリンダー 7:ピストン 8:ヒーター 9:ノズル 10:ファイバー 11:揮発部 12:光照射部 13:ガス導入口 14:ガラス板 15:透明アクリル板 16:ガスケット 17:クランプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合性単量体Aと、ラジカル重合
    以外の反応様式で重合する単量体Bを混合する工程、該
    混合物に局所的な重合条件を付与しながら、あるいは付
    与した後、重合あるいは硬化させる工程からなることを
    特徴とする屈折率分布型光学材料の製造方法。
  2. 【請求項2】ラジカル重合性単量体Aと、ラジカル重合
    以外の反応様式で重合する単量体Bの屈折率差が0.0
    02以上であることを特徴とする請求項1記載の屈折率
    分布型光学材料の製造方法。
  3. 【請求項3】ラジカル重合性単量体Aと、ラジカル重合
    以外の反応様式で重合する単量体Bを混合する工程、該
    混合物に局所的な重合条件を付与しながら、あるいは付
    与した後、ラジカル重合させる工程、および、ラジカル
    重合以外の反応様式で重合あるいは硬化させる工程から
    なることを特徴とする請求項1記載の屈折率分布型光学
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】ラジカル重合以外の反応様式が、エポキシ
    化合物の開環付加反応であることを特徴とする請求項1
    記載の屈折率分布型光学材料の製造方法。
  5. 【請求項5】ラジカル重合性単量体Aが、(メタ)アク
    リレート類、スチレン類およびアリル類から選ばれるこ
    とを特徴とする請求項1記載の屈折率分布型光学材料の
    製造方法。
  6. 【請求項6】エポキシ化合物が、エポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の屈折率分布型光学材料の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11378084B2 (en) 2013-09-12 2022-07-05 Ebara Corporation Apparatus and method for alleviating and preventing cavitation surge of water supply conduit system

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