JP3363990B2 - プラスチックレンズ成形用組成物及びそれを用いたプラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ成形用組成物及びそれを用いたプラスチックレンズ

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JP3363990B2
JP3363990B2 JP05923194A JP5923194A JP3363990B2 JP 3363990 B2 JP3363990 B2 JP 3363990B2 JP 05923194 A JP05923194 A JP 05923194A JP 5923194 A JP5923194 A JP 5923194A JP 3363990 B2 JP3363990 B2 JP 3363990B2
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meth
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洋 福島
彰 元永
司 溝渕
孝典 三好
寛 園部
進 杉谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性エネルギー線硬化
型高屈折率レンズ成形用組成物、及びこの組成物を金型
中に注入し活性エネルギー線を照射し硬化して得た屈折
率1.55以上のプラスチックレンズ、特に、透明性、
耐衝撃性、耐熱性、表面硬度、耐薬品性、及び染色性
優れた高屈折率プラスチックレンズ成形用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チックレンズは、その成形が容易であり、軽量であるこ
と等の特徴を生かし、各種の光学製品に広く用いられて
いる。なかでも、眼鏡レンズとして用いられる透明プラ
スチックレンズは、耐熱性、耐薬品性が要求されるた
め、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の熱可
塑性プラスチックよりも、ポリジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート(PPG社商標CR−39:屈折
率=1.499)等の熱硬化性プラスチックが使用され
てきた。
【0003】しかし、近年、CR−39より作られたプ
ラスチックレンズは屈折率が低く、薄肉軽量化したレン
ズとすることが難しいことから、その用途が限定される
ため、用途制限を受けにくい高屈折率の新規な透明プラ
スチックレンズを開発する試みが多数なされている。
【0004】高屈折率のプラスチックレンズを得るに
は、分子構造中にフッ素を除くハロゲン原子を導入した
ポリマーを用いたもの(特開昭59−8709号公報、
特開昭59−45312号公報など)、分子構造中にイ
オウ原子を導入したポリマーを用いたもの(特開昭60
−199016号公報、特開昭63−130614号公
報、特開昭64−26622号公報など)、または分子
構造中に芳香族基の導入したポリマーを用いたものが一
般に知られている。また、芳香族系アリル化合物と多官
能チオール化合物からなる組成物を金型に注入し、紫外
線照射により硬化してプラスチックレンズを得る方法
も、特開昭59−87123号公報、特開昭59−87
126号公報などに示されている。
【0005】しかしながら、前者の分子構造中にイオウ
原子を導入したポリマーを用いる方法では、高屈折率、
低分散性で耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを得る
ことはできるものの、ポリマーの架橋構造がチオカルバ
ミン酸結合で構成されるためレンズの耐熱性が不足して
おり、さらに上記モノマー組成物よりプラスチックレン
ズを製造するのに10〜20時間を要し、生産性に劣る
といった欠点がある。また、後者の分子構造中に芳香族
基とイオウ原子を導入した重合性化合物を用い紫外線照
射架橋法によりプラスチックレンズを製造する方法で
は、その生産性はよいが、原料として多官能チオール化
合物を用いるため、耐熱性の優れたプラスチックレンズ
を得ることが難しい。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討をした結果、特定の含イオ
ウジ(メタ)アクリレートと特定の含イオウモノ(メ
タ)アクリレートを特定の割合に配合したプラスチック
レンズ成形用組成物を金型に注入し、これに活性エネル
ギー線を照射して共重合させることにより、高屈折率で
表面硬度が高く、透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品
、及び染色性を備えたプラスチックレンズを高生産性
のもとに製造しうることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、(A)成分として下
記一般式(I)で示される化合物30〜90重量部、
【化4】 (式中、R1,R2は水素又はメチル基を、Xはメチル
基、塩素、臭素又はヨウ素を、tは0〜2の整数を、
m,nはそれぞれ0〜3の整数を示す。)(B)成分と
して下記一般式(II)又は一般式(III)で示される化
合物10〜70重量部、
【化5】 (式中、R3は水素又はメチル基を、Yは塩素,臭素又
はヨウ素を、R4は−O−CH2CH2−、
【化6】 pは0〜5の整数、qは0〜4の整数、rは0〜3の整
数を示す。)(C)成分として上記(A)成分及び
(B)成分と共重合可能なビニル系モノマー0〜30重
量部、(D)成分として活性エネルギー線感応開始剤
0.005〜5重量部(但し、(A)成分,(B)成
分,(C)成分及び(D)成分の合計量を100重量部
とする。)を混合してなるプラスチックレンズ成形用組
成物、及び、該プラスチックレンズ成形用組成物を金型
に注入し、活性エネルギー線の照射により架橋重合させ
た後、離型して得た屈折率1.55以上の高屈折率プラ
スチックレンズにある。
【0008】以下、本発明のプラスチックレンズ成形用
組成物の各成分について説明する。
【0009】[(A)成分について](A)成分であ
る、一般式(I)で示される化合物は、ビスチオフェノ
ールスルフィドのアルキレンオキシド変性ジ(メタ)ア
クリレートであり、該化合物は活性エネルギー線照射に
より重合した場合、その架橋構造中にチオカルバミン酸
結合が生成されることはなく、本発明のプラスチックレ
ンズに、高屈折率、耐衝撃性、染色性及び耐熱性を付与
する成分である。
【0010】一般式(I)において、mとnが共に0で
ある化合物は結晶化しやすいので、m,nは1〜3の整
数である化合物が好ましい。m,nが4以上である一般
式(I)に類似の化合物を用いて作成したプラスチック
レンズは、その耐衝撃性及び染色性は上がるものの、耐
熱性及び屈折率が低下するため好ましくない。
【0011】一般式(I)で示される化合物の具体例と
しては、ビス(4−メタクリロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アクリロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルフ
ィド、ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)
スルフィド、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−メタクリロキシトリエトキ
シフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリロキシトリ
エトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリロキ
シトリエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−メタ
クリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェ
ニル)スルフィド、ビス(4−メタクリロキシエトキシ
ジエトキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス
(4−アクリロキシジエトキシ−3−メチルフェニル)
スルフィド、ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3−
クロロフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリロキシ
エトキシ−3−クロロフェニル)スルフィド、ビス(4
−メタクリロキシエトキシジエトキシ−3−クロロフェ
ニル)スルフィド、ビス(4−アクリロキシジエトキシ
−3−クロロフェニル)スルフィド、ビス(4−メタク
リロキシエトキシ−3−ブロモフェニル)スルフィド、
ビス(4−アクリロキシエトキシ−3−ブロモフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−メタクリロキシジエトキシ
−3−ブロモフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリ
ロキシジエトキシ−3−ブロモフェニル)スルフィド等
が挙げられる。
【0012】これらのうち、ビス(4−メタクリロキシ
エトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリロキ
シエトキシフェニル)スルフィド、ビス(4−メタクリ
ロキシエトキシジエトキシフェニル)スルフィド、ビス
(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルフィド、
ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3−メチルフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3
−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−メタクリロ
キシジエトキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−アクリロキシジエトキシ−3−メチルフェニ
ル)スルフィドがより好ましい。
【0013】(A)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部に対し、30〜90重量部、
より好ましくは35〜80重量部の割合とするのがよ
い。(A)成分の使用量が30重量部より少ない組成物
より製造したプラスチックレンズは、十分な高屈折率を
有しかつ耐熱性を有するものとすることができず、一方
(A)成分量が90重量部を越えた組成物より製造した
プラスチックレンズはその耐衝撃性、染色性が低下す
る。
【0014】[(B)成分について](B)成分である
一般式(II)又は一般式(III)で示される化合物は、
分子内に少なくとも1個の置換又は非置換のチオフェニ
ル基、又は置換又は非置換のチオビフェニル基を有する
アルキレンオキシド変性物のモノ(メタ)アクリレート
であり、該化合物も活性エネルギー線の照射により得ら
れる重合体の架橋構造中にチオカルバミン酸結合を生成
することなく、本発明のプラスチックレンズに、高屈折
率、耐衝撃性、及び染色性を付与する成分である。
【0015】一般式(II)又は一般式(III)の類似化
合物である、rが0の化合物、すなわちフェニルチオ
(メタ)アクリレート及びその類似化合物は、活性エネ
ルギー線の照射により共重合させたとき、チオエステル
結合が切断され、該化合物を含む組成物を架橋硬化させ
て得たプラスチックレンズが黄変するので好ましくな
い。rが4以上の類似化合物を含む組成物を架橋重合さ
せて得たプラスチックレンズは、耐熱性及び屈折率を高
めることができないため好ましくない。
【0016】(B)成分を構成する一般式(II)で示さ
れる化合物の具体例としては、フェニルチオエチル(メ
タ)アクリレート、フェニルチオエトキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニルチオジエトキシエチルチオ
(メタ)アクリレート、フェニルチオ−1−メチルエチ
ル(メタ)アクリレート、フェニルチオ−1−メチルエ
トキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、3−
フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−クロロフェニルチオエチル(メタ)アクリ
レート、2−ブロモフェニルチオエチル(メタ)アクリ
レート、2,4−ジブロモフェニルチオエチル(メタ)
アクリレート、3−(2−ブロモフェニルチオ)−2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(2,
4−ジブロモフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−フェニルフェニルチオエチ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】また、一般式(III)で示される化合物の
具体例としては、4−フェニルフェニルチオエチル(メ
タ)アクリレート、2−フェニルフェニルチオ−1−メ
チルエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェニ
ルチオ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、3−
(2−フェニルフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−(4−フェニルフェニル
チオ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、等が挙げられる。
【0018】これらのうち、フェニルチオエチル(メ
タ)アクリレート、フェニルチオエトキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェニルチオ−1−メチルエチル
(メタ)アクリレート、フェニルチオ−1−メチルエト
キシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、3−フ
ェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−フェニルフェニルチオエチル(メタ)アクリ
レート、2−フェニルフェニルチオ−1−メチルエチル
(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニルチ
オ)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが
より好ましい。
【0019】(B)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部に対して10〜70重量部、
より好ましくは20〜60重量部の割合で用いるのがよ
い。(B)成分の量が10重量部より少ない組成物を用
いて得られるプラスチックレンズには、屈折率が十分に
高く、耐衝撃性、及び染色性を付与することができず、
一方該化合物の量が70重量部を越えた組成物を用いて
得られるプラスチックレンズに十分な耐熱性を与えるこ
とができない。また、該組成物の活性エネルギー線照射
による重合速度は遅いため、該組成物を用いてプラスチ
ックレンズを製造するとその生産性が低下する。
【0020】[(C)成分について](C)成分であ
る、(A)成分及び(B)成分と共重合可能なビニル系
モノマーは、(A)成分及び(B)成分のみよりなる組
成物でつくったプラスチックレンズでは不足する耐熱
性、表面硬度、染色性及び耐薬品性を、更に改善せしめ
る成分である。
【0021】(C)成分としては、脂肪族、脂環族また
は芳香族モノ又はポリアルコールのモノ又はポリ(メ
タ)アクリレートや、脂肪族、脂環族または芳香族のウ
レタンポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メ
タ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0022】(C)成分の具体例としては、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、オルトビフェニル(メタ)アクリレ
ート、3−(2,4−ジブロモフェニル)−2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリ
ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位:2〜1
5)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト(繰り返し単位:2〜15)、ポリブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート(繰り返し単位:2〜1
5)、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエ
トキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビスフ
ェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸を反応さ
せたエポキシジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビ
スフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸を反
応させたエポキシジ(メタ)アクリレート、トリレンジ
イソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレートを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートと2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートを反応させたウレタン
ジ(メタ)アクリレート、キシリレンジイソシアネート
と2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを反応
させたウレタンジ(メタ)アクリレート、スチレン、ク
ロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジ
ビニルベンゼン、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート、ジアリルフタレート、ジアリルビフェニレー
ト等が挙げられる。
【0023】これらの単量体は、1種を単独で用いても
よいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】(C)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部に対して0〜30重量部、よ
り好ましくは5〜20重量部の範囲である。(C)成分
の含有量が30重量部を越える組成物を用いて作ったプ
ラスチックレンズは十分な高屈折率とその他の性能との
バランスがとれなくなる。
【0025】[(D)成分について](D)成分である
活性エネルギー線感応開始剤は、主に波長200〜40
0nmの紫外線に感応してラジカル源を発生させるもの
が好ましい。
【0026】(D)成分の具体例としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキ
シアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチル
フェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化
合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメ
チルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイドなどのアシルフォスフィンオキサイト等を挙げる
ことができる。
【0027】これらは1種または2種以上の混合系で使
用される。
【0028】これらのうち、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、メチルフェニルグリオキシレ
ート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドがより好ま
しい。
【0029】(D)成分の使用割合は、(A)〜(D)
成分の合計量100重量部に対して、0.005〜5重
量部、より好ましくは0.02〜2重量部の範囲であ
る。(D)成分が0.005重量部より少ない組成物は
活性エネルギー線照射時の硬化性が不十分であり、5重
量部を越えた組成物はプラスチックレンズ製造時に要求
される深部硬化性が低下するだけでなく、得られるプラ
スチックレンズの着色を招くので好ましくない。
【0030】また、プラスチックレンズ成形用組成物の
重合を完結させる目的で、過酸化ベンゾイル、ジイソプ
ロピルパーオキシパーカーボネート、t−ブチルパーオ
キシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート等の有機過酸化物や、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)等アゾ系開始剤を、(A)
〜(D)成分の合計量100重量部に対して、0.01
〜2重量部の範囲で加えてもよい。
【0031】本発明のプラスチックレンズ成形用組成物
には、必要に応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線
吸収剤、ブルーイング剤、顔料、沈降防止剤、消泡剤、
帯電防止剤、防曇剤、各種の添加剤が含まれていてもよ
い。
【0032】本発明のプラスチックレンズを得るには、
所望に応じて(A)〜(D)成分を混合したプラスチッ
クレンズ成形用組成物を少なくとも片面が透明である鏡
面研磨した金型に注入し、活性エネルギー線を照射して
硬化させ、離型することにより得ることができる。
【0033】ここでいう金型とは、ガラス、プラスチッ
ク、あるいはこれらを組み合わせた2枚の鏡面研磨した
モールド型と、可塑化塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体など熱可塑性樹脂製のガスケットの他、2枚
のモールド型を型締め具等とを組み合わせて構成された
ものを用いればよい。
【0034】プラスチックレンズ成形用組成物を硬化さ
せるには、金型の片面もしくは両面から、活性エネルギ
ー線の照射、又は活性エネルギー線の照射と加熱とを組
み合わせて行えばよい。
【0035】ここでいう活性エネルギー線とは、高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ等公知のものを用いれ
ばよい。例えば、100〜400nmの紫外線を5〜5
0J/cm2となるように照射し硬化させればよい。ま
た、活性エネルギー線を照射する雰囲気は、空気中でも
よいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下でもよ
い。
【0036】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を
更に詳しく説明する。
【0037】なお、単量体の略号は次の通りである。 DPSM:ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニ
ル)スルフィド MDPS:ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3−メ
チルフェニル)スルフィド PTM1:フェニルチオエチルメタクリレート PTM2:フェニルチオエトキシエチルアクリレート 9EDA:ノナエチレングリコールジアクリレート TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキサイド MPG:メチルフェニルグリオキシレート CR39:ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト POM:フェノキシエチルメタクリレート
【0038】また、得られたプラスチック平板及びプラ
スチックレンズの評価方法は以下の通りである。 屈折率:厚さ2mmのプラスチック平板を、アッベ屈折
計により、589.3nmのD線で測定した。 可視光線透過率(%):厚さ2mmのプラスチック平板
を、ASTM D−1003に従って測定した。 黄色度:厚さ5mmの平板を、JIS K7103に従
って測定した。但し、プラスチックレンズとしての許容
範囲は2.0以下とした。 表面硬度:厚さ5mmのプラスチック平板のロックウエ
ル硬度(L)をJISK7202に従って測定した。 耐熱性:TMA測定により、厚さ2mmのプラスチック
平板の荷重10gでのTgを示した。 耐衝撃性:厚み1.5mmのプラスチックレンズを、F
DA規格に従って落球試験を行った。ただし、鋼球を1
27cmの高さから落下させた際、プラスチックレンズ
が破壊しない鋼球の最大重量を示した。 耐薬品性:アセトン及びトルエンを含ませたガーゼで厚
み1.5mmのプラスチックレンズの表面を拭き、変化
を調べた。 ○…変化なし;×…表面が白化 染色性:セイコープラックスダイヤコート染色剤アンバ
ーD(商品名;(株)服部セイコー社製)2gを1リッ
トルの水に分散させた液を用いて、厚さ2mmのプラス
チック平板を90℃で3分間染色し、目視観察した。 ◎…非常によく染まる ○…よく染まる ×…染まらない
【0039】[実施例1]DPSM 65g、PTM1
35g、TPO 0.05g、t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート 0.1gを混合し、室温でよく攪拌した
後、50mmHgに減圧して10分間脱気し、プラスチ
ックレンズ成形用組成物を製造した。そしてこの組成物
を鏡面仕上げした径70mmの2枚のガラスモールド型
で周囲をポリ塩化ビニル製ガスケットで挟んだ内厚2m
m、及び5mmの2つのプラスチック平板成形用金型、
及びプラスチックレンズ成形用金型(径70mmのレン
ズ成型用ガラス金型2枚でポリ塩化ビニル製ガスケット
で挟んだ中心内厚1.5mm、度数マイナス2.0とし
たもの)にそれぞれ該組成物を注入した。次いで、該各
金型に両面から2kwの高圧水銀灯により30J/cm
2の紫外線照射をした後、該各金型からプラスチック平
板及びプラスチックレンズを脱型し、120℃で1時間
加熱してアニール処理をそれぞれ行った。
【0040】このようにして、得られたプラスチックレ
ンズで耐衝撃性及び耐薬品性の評価を行い、その他の性
能の評価は得られたプラスチック平板で行った評価結果
を表2に示す。
【0041】[実施例2〜5]表1に示した割合でモノ
マーを用いる以外は、実施例1と同様にしてプラスチッ
ク平板及びプラスチックレンズを得た。これらの評価結
果は表2に示す。
【0042】[比較例1]CR39 100g、ジイソ
プロピルパーオキシカーボネート 3gを混合し、よく
攪拌した後、実施例1と同様のプラスチック平板及びプ
ラスチックレンズの各金型に注入した。その後45℃で
10時間、60℃で3時間、80℃で3時間、95℃で
6時間保持して成形した後、該各金型よりプラスチック
平板及びプラスチックレンズを脱型し、120℃で1時
間加熱してアニール処理した。このようにして得られた
プラスチック平板及びプラスチックレンズの評価結果は
表2に示す。
【0043】[比較例2〜5]表1に示した割合でモノ
マーを用いる以外は、実施例1と同様にしてプラスチッ
ク平板及びプラスチックレンズを得た。これらの評価結
果は表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズ成形用組成
物を金型中に注型し、活性エネルギー線を照射すること
により、透明性、耐衝撃性、耐熱性、表面硬度、耐薬品
、及び染色性に優れた高屈折率プラスチックレンズを
容易に短時間で成形することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 孝典 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (72)発明者 園部 寛 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (72)発明者 杉谷 進 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−16754(JP,A) 特開 平3−287101(JP,A) 特開 平7−206944(JP,A) 特開 平6−122735(JP,A) 特開 平7−196751(JP,A) 特開 平4−202308(JP,A) 特開 平4−202309(JP,A) 特開 平7−238120(JP,A) 特開 平3−231908(JP,A) 特開 昭61−123615(JP,A) 特開 昭61−123614(JP,A) 特開 平4−292609(JP,A) 特表 平6−500811(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 20/00 - 20/70 C08F 220/00 - 220/70 C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分として下記一般式(I)で示さ
    れる化合物30〜90重量部、 【化1】 (式中、R1,R2は水素又はメチル基を、Xはメチル
    基、塩素、臭素又はヨウ素を、tは0〜2の整数を、
    m,nはそれぞれ0〜3の整数を示す。)(B)成分と
    して下記一般式(II)又は一般式(III)で示される化
    合物10〜70重量部、 【化2】 (式中、R3は水素又はメチル基を、Yは塩素,臭素又
    はヨウ素を、R4は−O−CH2CH2−、 【化3】 pは0〜5の整数、qは0〜4の整数、rは0〜3の整
    数を示す。)(C)成分として上記(A)成分及び
    (B)成分と共重合可能なビニル系モノマー0〜30重
    量部、(D)成分として活性エネルギー線感応開始剤
    0.005〜5重量部(但し、(A)成分,(B)成
    分,(C)成分及び(D)成分の合計量を100重量部
    とする。)を混合してなるプラスチックレンズ成形用組
    成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラスチックレンズ成形用
    組成物を金型に注入し、活性エネルギー線の照射により
    共重合させた後、離型して得た屈折率1.55以上の高
    屈折率プラスチックレンズ。
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