JPH0518089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、鋸刃チエーンへ潤滑用のオイルを供
給するためのプランジヤ形のオイルポンプと、該
オイルポンプから吐出されたオイルを鋸刃チエー
ンの摺走案内バーのチエーン案内溝へ供給するオ
イル流路とを有する種類のチエーンソーに関す
る。

従来の技術 従来のこのような種類のチエーンソー、例え
ば、実開昭58−92004−号公報や実開昭61−
158401−号公報に記載のものでは、オイルポンプ
のシリンダはケーシング内に一体に形成されてお
り、このためケーシングに外部から穿孔し、かつ
精密穴加工してシリンダを形成し、外部へ開いた
シリンダの端部を閉塞部材で閉塞して構成され、
更に前記オイル流路はチエーンソーの本体部分内
に穿孔することによつて形成され、この穴の一端
をオイルポンプの出口通路に整合させて連結し、
かつ穴の他端を案内バーのオイル供給口に整合さ
せて連結するか、又は金属パイプ等で連結して構
成されていた。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、ケーシング及びチ
エーンソー本体に精密穴加工を施さねばならず、
このためチエーンソーの製作に多大の手間と費用
がかかり、またオイルポンプの出口通路及び案内
バーのオイル供給口と本体部分の穴との間の連結
面等からのオイルの漏洩防止に充分意を払わねば
ならず、かつこれらの部品の配置及び取付けが限
定されるなどの問題があつた。

そこで、本考案はこのような従来のチエーンソ
ーの問題点を解決すると共に簡単で便利な形のチ
エーンソーを提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案によれば、この種類のチエーンソーは、
内部にプランジヤを往復させ一端を該プランジヤ
の駆動部を収納したケーシングに嵌入固定した管
状部材で形成したシリンダと、該シリンダの他端
を閉塞してポンプ室を形成する弾性材よりなる栓
部材とを備え、該栓部材に鋸刃チエーンの摺走案
内バーを隣接すると共に前記ポンプ室から吐出さ
れたオイルを前記摺走案内バーのチエーンソー案
内溝へ供給するオイル流路を前記栓部材に形成し
た構成を特徴とする。

作 用 従つて本考案の構成によれば、オイルポンプの
シリンダを管状部材を予め加工して形成し、次に
シリンダをケーシングに嵌入取着し、弾性材より
なる栓部材を装着することによつてオイルポンプ
及びオイル流路を容易に製作及び組立てることが
できる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

本実施例のチエーンソーは、鋸刃チエーン（図
示せず）へ潤滑用のオイルを供給するためのオイ
ルポンプ１を有しており、該オイルポンプ１は、
そのケーシング２をチエーンソーの本体の潤滑オ
イル用タンク（図示せず）に隣接した部位に固着
せしめて配設されている。ケーシング２内にウオ
ーム歯車３が回転可能に配置されており、該ウオ
ーム歯車３は駆動軸４の一端に回転可能に取付け
られている。該駆動軸４の他端はチエーンソーの
本体に装着された内燃機関の出力軸（図示せず）
へ駆動上連結されている。

ウオーム歯車３に噛合うウオームホイール部分
５を有するプランジヤ６の一端がケーシング２の
内空部７内に回転可能にかつ軸線方向へ摺動可能
に設けられている。該内空部７は外部へ開いた開
口端部において内径が大きく形成され、その内周
面に段部８を形成している。ウオームホイール部
分５は合成樹脂材料等で作られており、かつ金属
材料で高精度に加工された丸棒鋼材よりなるプラ
ンジヤ６に同軸状に一体にモールド成形されてい
る。内空部７の開口端部側から、円筒鋼材よりな
る管状部材で形成されたシリンダ９がその内方端
部２７が内空部７の段部８に当接するまで嵌入さ
れている。該シリンダ９内にはプランジヤ６が回
転及び摺動可能に挿通されて、その端部でオイル
ポンプ１のポンプ室１０を画成している。プラン
ジヤ６がウオームホイール部分５から一端を軸線
方向へ突出してシリンダ９内へ嵌入し、オイルポ
ンプ１のポンプ部を構成する。プランジヤ６はポ
ンプ本体側端部に端面カム部１１を形成してい
る。一方、ケーシング２には内空部７内へ突出す
るピン１２が植設されており、ピン１２の内方端
はプランジヤ６のカム部１１に当接係合してい
る。更に、シリンダ９の内方端部２７とウオーム
ホイール部分５の間に圧縮コイルばね１３が介装
されており、該圧縮コイルばね１３はプランジヤ
６のカム部１１をピン１２に押圧するごとく付勢
している。

シリンダ９はその直径方向に対向した周壁部分
にポンプ室１０中へ開いた入口開口１４及び出口
開口１５を形成している。シリンダ９の外方端部
２８の開口は、ゴムなどの弾性材料で作られた栓
部材１６をそれに液封状態に嵌込むことによつて
閉じられている。栓部材１６はそれを取囲むチエ
ーンソー本体に形成された枠部分１７によつて保
持されており、該枠部分１７は鋸刃チエーン（図
示せず）の走行を案内する摺走案内バー１８の取
付座面１９と一体に形成されている。更に、枠部
分１７とシリンダ９側の壁面には可撓管２０を配
設しており、該可撓管２０は一端においてシリン
ダ９の入口開口１４に整合してシリンダ９の外周
面と枠部分１７の壁面に液封状態に挾持密着され
ており、かつ可撓管２０の他端はチエーンソー本
体の潤滑オイル用タンク内に連通されており、オ
イルを該タンクからシリンダ９内のポンプ室１０
へ供給するようになつている。栓部材１６はシリ
ンダ９の出口開口１５の周りの外周面部分に液封
状態で圧着する延長部分２１を一体に形成してお
り、該延長部分２１は一端において出口開口１５
に整合されたオイル流路２２を形成している。オ
イル流路２２の他端は栓部材１６に形成されて取
付座面１９に開いた横に細長い開口２３に開いて
いる。取付座面１９に開いた開口２３は案内バー
１８に形成されたオイル供給口２４に連通されて
おり、案内バー１８のチエーン案内溝２５に沿つ
て摺走する鋸刃チエーンに潤滑オイルを供給する
ようになつている。

本実施例の構成により、チエーンソーの内燃機
関からの駆動力によりウオーム歯車３が回転され
ると、それと噛合つているウオームホイール部分
５は回転しながらプランジヤ６と一緒に軸線方向
へ往復動される。この往復動はカム部１１及びピ
ン１２によつて設定された範囲内で行われ、それ
によるプランジヤ６の先端部２９の往復動によつ
てシリンダ９内のポンプ室１０はその容積を増減
させる。このポンプ作動中、ポンプ室１０の容積
が増大する吸込行程時には、出口開口１５がプラ
ンジヤ６の先端部２９によつて閉じられるが、入
口開口１４はプランジヤ６の先端部に形成された
切欠部分２６によつてポンプ室１０内に連通し、
このため潤滑オイルがタンクから可撓管２０及び
入口開口１４を通つてポンプ室１０内へ吸引され
る。また、ポンプ室１０の容積が減少する吐出行
程時には、逆に、入口開口１４が回転によつて位
置を変えたプランジヤ６の先端部２９によつて閉
じられるが、出口開口１５は切欠部分２６によつ
てポンプ室１０に連通し、このためポンプ室１０
内のオイルは出口開口１５、オイル流路２２、開
口２３及びオイル供給口２４を通つてチエーン案
内溝２５へ吐出され、鋸刃チエーンを潤滑する。

考案の効果 以上説明した本考案の構成によれば、オイルポ
ンプのシリンダを管状部材に予め精密加工して形
成し、このシリンダをケーシングに外部より装着
するので、オイルポンプの製作及び組立を容易に
かつ安価に行うことができ、シリンダの先端部を
弾性材よりなる栓部材で簡単に閉鎖できると共
に、栓部材にオイル流路を一体に形成することに
よつて部品点数を減らし、かつ構造の小型化及び
簡素化をはかることができ、更にオイルの漏洩を
確実に防止することができるなどのすぐれた効果
を奏する。

【考案の詳細な説明】 第１図は本考案によるチエーンソーのポンプ部
横断面図あり、第２図は第１図の要部縦断側面図
である。

１……オイルポンプ、２……ケーシング、６…
…プランジヤ、９……シリンダ、１０……ポンプ
室、１６……栓部材、１８……案内バー、２２…
…オイル流路、２５……チエーン案内溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にプランジヤ６を往復動させ一端を該プラ
   ンジヤ６の駆動部を収納したケーシング２に嵌入
   固定した管状部材で形成したシリンダ９と、該シ
   リンダの他端を閉塞してポンプ室１０を形成する
   弾性材よりなる栓部材１６とを備え、該栓部材１
   ６に鋸刃チエーンの摺走案内バー１８を隣接する
   と共に前記ポンプ室１０から吐出されたオイルを
   前記摺走案内バー１８のチエーン案内溝２５へ供
   給するオイル流路２２を前記栓部材１６に形成し
   たことを特徴とするチエーンソー。