JPH05180327A - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

自動変速機のロックアップ制御装置

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JPH05180327A
JPH05180327A JP34591091A JP34591091A JPH05180327A JP H05180327 A JPH05180327 A JP H05180327A JP 34591091 A JP34591091 A JP 34591091A JP 34591091 A JP34591091 A JP 34591091A JP H05180327 A JPH05180327 A JP H05180327A
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engagement
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JP34591091A
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Matsuo Amano
松男 天野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流体伝動装置のロックアップ制御の円滑化,時
間短縮を図り、クラッチ摩耗が生じても良好な応答性を
保ちショック低減を図る。 【構成】ロックアップの締結制御は、制御信号値Dを、
下限値から締結始点又はその直前a点の第1の所定値D
t1までステップ状に立ち上げ、その後b点の第2の所
定値(完全締結点T1より大きく完全締結上限値pより
小さい)Dt2まで徐々に増やし、b点からpまでステ
ップ状に立ち上げる。解除制御の場合は、pからc点の
第2の所定値Dt2´までステップ状に立ち下げ、c点
から完全開放点dの第1の所定値Dt1´まで徐々に制
御信号を減らし、d点から下限値までステップ状に立ち
下げる。完全締結点T1,開放始点K1がT2,K2に
移動すると、制御の勾配ラインをその制御値の変化分だ
けシフトさせる学習を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトルクコンバータ等の流
体伝動装置を有して、変速比が有段又は無段に変わる自
動変速機に係り、更に詳細には、車両用自動変速機に好
適なロックアップ制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータ等の流体伝動装置を備
えた自動変速機は、ポンプ羽根車,タービン羽根車,ス
テータ羽根車を介してのトルク増大作用を利用した流体
伝動のほかに、ロックアップ機構を備えて、駆動側(入
力軸)と被動側(出力軸)との直結を可能としている。
このロックアップクラッチの締結(係合)は、燃費向上
を図るため、予め設定した制御パターンに基づいて、低
速段,低スロット開度から高速段,高スロット開度領域
に至るまで所定の運転領域において頻繁に行われてい
る。
【0003】なお、ロックアップ制御に関する従来技術
としては、例えば、特開平2−120564号,特開平
2−176265号,特開平2−279160号,特開
平2−288662号公報等に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロックアップ制御技術
においては、ロックアップクラッチの締結(係合),解
除(開放)をスムーズに行うことが運転性向上のために
望まれる。すなわち、締結の場合には急に完全締結を行
うとショックが生じてしまい、また、解除の場合にも急
に行うとショックが生じてしまう。
【0005】図7に従来のロックアップ制御パターンの
一例を示す。横軸が時間、縦軸がロックアップ制御信号
値(デューティ)である。制御信号が下限値にある場合
は、流体伝動のためロックアップクラッチが所定の開放
位置にあり、a点が締結始点(接し始め)又はその直
前、T1が完全締結点(被動側と駆動側との回転速度比
が1となる状態)、T2はクラッチ摩耗等により経時的
に変化した完全締結点、pが完全締結点の上限値(完全
締結の最大値で大きなスリップ防止力を保持するため設
定される)、dが完全開放点(ロックアップクラッチが
完全に切り離された時点)である。従来は、締結の場
合、ショック防止のためa点から完全締結点の上限値p
に至るまで制御信号を徐々に増やして、締結力を適度の
勾配をかけて増やしている。また、解除の場合には、逆
に完全締結の上限値pから完全開放点dまで締結制御信
号(締結力)を徐々に減らしている。
【0006】しかし、上記のように勾配をもたせる場合
にはロックアップの締結,解除にそれだけ時間を要し応
答性低下につながる。この対策のため勾配をより急にす
ると結局はショックが生じてしまうので限界がある。
【0007】また、ロックアップクラッチの使用頻度が
高まるにつれ、その摩耗により完全締結点が、例えば図
7のT1からT2点に移動すると、完全締結点に要する
制御信号値が大きくなり、その分時間がかかる。その結
果、ロックアップ締結の場合には制御の応答遅れが生
じ、解除の場合には切り離しが早すぎてショックが生じ
易くなるが、従来はこの点についての対処がなされてい
なかった。
【0008】なお、従来技術には、例えば特開平2−1
76265号公報に記載の発明のように、ロックアップ
制御用ソレノイドの作動信号と、変速機入力回転数とエ
ンジン回転数との差からロックアップクラッチ系統の正
常,異常を判別する技術があるが、上記のような正常動
作におけるロックアップクラッチの摩耗に対する策につ
いては配慮されていない。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、第1には自動変速機におけるロックアップ制御を
円滑にしてその応答性を向上させ、第2には、ロックア
ップクラッチに摩耗が生じても良好なロックアップ制御
を保証することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ポンプ羽根車,タービン羽根車を有する流
体伝動装置と、該流体伝動装置の駆動側と被動側との締
結及びその解除機能を有するロックアップ機構と、前記
ロックアップ機構のクラッチ要素(ロックアップクラッ
チ)の締結及び解除を締結力を制御しつつ実行するロッ
クアップ制御手段とを備えた自動変速機において、基本
的には次のような課題解決手段を提案する。なお、理解
を容易にするため、図1の実施例に係るロックアップ制
御パターンの符号を引用して説明する。
【0011】第1の目的を達成するために、前記ロック
アップ制御手段には、その締結の制御パターンとして、
例えば、図1に示すように、制御信号の下限値から締結
始点又はその直前の点aに要する第1の所定値Dt1ま
では制御信号をステップ状に立上げ、第1の所定値Dt
1からb点(b点は被動側と駆動側との回転速度比が1
となる完全締結状態を得るに必要な締結力よりも大き
く、完全締結の上限値より小さい)に要する第2の所定
値Dt2までは徐々に増大させ、第2の所定値Dt2か
ら締結力が最大となる制御信号の上限値pに至るまでは
該制御信号をステップ状に急増させるパターンを実行す
る機能と、その解除の制御パターンとして、制御信号の
上限値から下限値に至るまで前記締結制御パターンと逆
の制御信号減少パターン(p−c−d−下限値のライ
ン)を実行する機能とを設定した(これを第1の課題解
決手段とする)。
【0012】また第2の目的を達成するために、前記ロ
ックアップ制御手段に次のような機能を与えた。
【0013】すなわち、ロックアップ制御手段は、その
ロックアップクラッチの締結制御の場合には、少なくと
も締結始点又はその直前のa点から完全締結点T1まで
は(図1の例ではa点からb点の範囲)ロックアップ制
御信号値を徐々に増やす勾配を持たせ、解除制御の場合
には、少なくとも完全締結点T4から完全開放点d(図
1の例ではc点からd点の範囲)までは制御信号値を徐
々に減らす勾配を持たせたロックアップ制御パターンを
実行する機能を有し、これを前提として、流体伝動装置
の被動側たるタービン回転数と駆動側たるエンジン回転
数の比である回転速度比,エンジン回転数とタービン回
転数の差,タービン回転数とエンジン回転数のスリップ
率のうち任意に定めた値(これをロックアップ状態値と
する)と、前記ロックアップ制御信号とにより、前記ロ
ックアップ状態値におけるロックアップ制御信号値の経
時変化(この変化はロックアップクラッチ摩耗等により
経時的に生じる)とらえ、この制御値の経時変化分だけ
変化前の前記ロックアップ制御パターンの勾配ラインを
シフトさせる学習機能を備えた。
【0014】
【作用】第1の課題解決手段の作用…下限値から締結始
点又はその直前のa点に要する制御信号値(第1の所定
値)Dt1までをステップ的に立ち上げた後、そのa点
(第1の所定値Dt1)からは完全締結点T1を超える
b点の第2の所定値Dt2までは適度の勾配により制御
信号値を徐々に増大させているので、その際にショック
が発生せず、しかも、b点(Dt2)から上限値pまで
はステップ状に立ち上げているので、締結制御に要する
時間tを短縮できる。
【0015】また、b点(Dt2)から上限値pまで制
御信号値をステップ的に立ち上げても、このb点はすで
に完全締結点(回転速度比1)を超えた時点であるの
で、ショックが発生しない。なお、以上の見地からすれ
ば、完全締結点T1から制御信号を上限値pまでステッ
プ状に立ち上げるのが理想であるが、完全締結点がクラ
ッチ摩耗等により変化することを考慮し、ある程度の余
裕度をもたせ、b点を設定した。
【0016】ロックアップクラッチの解除も、上限値p
からc点(第2の所定値Dt2´)までステップ状に立
ち下げる分だけ、解除制御に要する時間の短縮が図れ
る。また、このように、上限値pからc点までをステッ
プ変化させても、c点がb点同様に完全締結点を超える
制御信号値Dt2´に設定してあるので、ショックがな
い。c点から完全開放点d点(第1の所定値Dt1´)
まではロックアップ制御信号を徐々に減少させ、d点か
ら下限値までステップ的に立ち下げる。なお、図1で
は、締結制御時の第1の所定値dt1,第2の所定値d
t2に対し、油圧の流れが切換わること、ロックアップ
機構などを考慮して、解除制御時の第1の所定値dt1
´,第2の所定値dt2´にそれぞれヒステリシスをも
たせてある。
【0017】すなわち、本課題解決手段によれば、締
結,解除の制御時にショックの生じやすい必要最小限の
領域に限定して制御信号値の勾配領域を設定すること
で、ロックアップ制御の円滑性と応答性の両立を図れ
る。
【0018】第2の課題解決手段の作用…例えば学習制
御を行う場合の目安となるロックアップ状態値を、締結
制御時には回転速度比1になった点(完全締結点)とす
る。締結制御時に完全締結点T1がT2に移行したこと
をとらえると、T2に要した制御信号値DT2とT1に
要した制御信号値DT1との差dt分だけ、ロックアッ
プ制御パターンの勾配ラインが実線から点線の勾配ライ
ンにシフトする。
【0019】その結果、完全締結点T2に要したロック
アップ制御信号値DT2も矢印に示すように点線ライン
のT1と同一の時点にシフトされることで、クラッチ摩
耗があっても同一の勾配ラインを保ちつつその勾配始点
aから完全締結点までに要する時間t1を一定に保つこ
とができ、ロックアップ制御の応答性を保証する。
【0020】また、解除制御時に上記同様の学習を行う
場合には、例えば、ロックアップクラッチの開放始点
(完全締結から半締結状態に移る点)K1を学習制御の
目安となるロックアップ状態値とする。解除制御時に開
放始点K1がK2に移行したことをとらえると、K2に
要した制御信号値DK2とK1に要した制御信号値DK
1との差dk分だけ、ロックアップ制御パターンの勾配
ラインが実線から点線の勾配ラインにシフトする。
【0021】その結果、開放始点K2に要したロックア
ップ制御信号値DK2も矢印に示すように点線ラインの
K1と同一時点にシフトされることで、クラッチ摩耗が
あっても同一の勾配ラインを保ちつつその勾配始点cか
ら開放始点までに要する時間t2を一定に保つことがで
き、クラッチ開放が早まることなく、そのショックをな
くすことができる。
【0022】なお、このロックアップ制御の勾配ライン
のシフトは、その勾配率を保ちつつ、前記ロックアップ
状態値(上記の例では完全締結点の相当の回転速度比)
に対するロックアップ制御信号値の変化後と変化前の差
(経時変化分)dt,dkだけ変化前の勾配始点a,c
のロックアップ制御信号値に加算して実行すればよい。
【0023】また、上記の学習機能の目安となるロック
アップ状態値は、完全締結点,開放始点以外であって
も、その流体伝動装置の駆動側と被動側の回転速度比、
回転数差、スリップ率のいずれかの或る値を任意に特定
すればよく、これとロックアップ制御信号値との関係か
ら上記同様の学習機能がなされる。また、学習制御は、
締結制御時、解除制御時の一方の時に実行するようにし
てもよい。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明する。
【0025】図3は本発明の実施例が適用された自動車
の一例で、図において、エンジン10はトルクコンバー
タ(流体伝動装置)12,変速機14等を介して自動車
の駆動輪などの被駆動部16と接続される。
【0026】トルクコンバータ12は、例えばロックア
ップクラッチ付き3要素1段型トルクコンバータを用い
る。このトルクコンバータ12は、エンジン10側(駆
動側)に直結されたポンプ羽根車18,被動側のタービ
ン羽根車20及び一方向クラッチ22を介して固定され
ているステータ羽根車24と、ロックアップクラッチを
内蔵するロックアップ機構26より構成される。
【0027】ロックアップクラッチ開放時には、ポンプ
羽根車18が運動エネルギーを作動流体に与え、タービ
ン羽根車20で機械的エネルギーとして取り出すことに
よりトルクを伝達する。トルクコンバータ12と変速機
14との間には、タービン羽根車20の回転数を検出す
るタービンセンサ28が、変速機14の出力側には車速
センサ30がそれぞれ配置されている。
【0028】制御部32は、タービンセンサ28,車速
センサ30の検出信号や、エンジン10の回転数Ne,
スロットル開度θ,空気量Qa等の入力信号を取り込
み、シフトスケジュール,ロックアップスケジュール等
を演算し、シフト制御信号36,38やロックアップ制
御信号40等を出力する。
【0029】図4は制御部32の内部ブロック概略構成
の一例を示す。
【0030】制御部32は、中央処理ユニット(以下、
CPUと略す)50、制御プログラムと各種データを記
憶する読み取り専用の記憶装置(以下、ROMと略す)
52、読み書き記憶装置(以下、RAMと略す)54、
入力ポート56及び出力ポート58で構成される。
【0031】CPU50、ROM52、RAM54、入
力ポート56及び出力ポート58は、アドレスバス、デ
ータバス59が共通につながれている。入力ポート56
には、エンジンや変速機の入力情報であるタービンセン
サ28、車速センサ30、スロットル開度センサ60、
空気量センサ62及びエンジン回転数検出手段64等の
検出信号が取り込まれる。
【0032】これらの入力情報から制御部32で必要な
演算を行い、例えば、自動変速を行う場合には、出力ポ
ート58からシフト制御信号36,38を介して、シフ
ト制御バルブ66,68やロックアップ制御信号(D)
40でデューティソレノイド70を操作し、ロックアッ
プ制御バルブ72を制御する。
【0033】図1に本実施例におけるロックアップ制御
パターンを、ロックアップ制御信号Dと、タービン回転
数とエンジン回転数との比である回転速度比との関係で
示す。
【0034】ロックアップ制御信号Dはデューティソレ
ノイドを操作するのでデューティ値で示す。制御信号D
のパターンは太線で示す。まず、ロックアップ機構の締
結制御では、下限値から締結始点直前のa点の第1の所
定値Dt1までステップ的に変化させるよう設定してあ
る。ここで、下限値は流体伝動動作を行う場合のロック
アップクラッチの開放定位置である。下限値からa点ま
では締結開始前であるので、できるだけロックアップク
ラッチを急接近させるために、デューティをDt1まで
ステップ的に立ち上げた。
【0035】b点は完全締結状態(被動側のタービン回
転数と駆動側のポンプ回転数との回転速度比が1となる
状態で、xの点がこれに相当)を得るに必要な締結力よ
りも大きく、完全締結の上限値pより小さい点である。
a点に相当の第1の所定値Dt1からb点に相当の第2
の所定値Dt2まではロックアップクラッチの締結にシ
ョックがかからないよう徐々にデューティを増加させて
適度な勾配を持たせてある。なお、a点とb点との勾配
直線上に完全締結点(回転速度比が1になった点)T1
に要する制御値DT1が在る。a点からT1点の間が半
締結領域である。
【0036】p点は完全締結の上限値であり、デューテ
ィ100%としてある。完全締結点T1から上限値pま
では、回転速度比が1の状態となるが、上限値pを設定
するのは、自動車が一定走行中に何らかの理由で急に駆
動側と被動側との力の差が大きくなるような場合にはロ
ックアップクラッチがスリップするため、これを防止す
るに必要な締結力を確保するためである。
【0037】そして、b点に相当の制御信号(第2の所
定値Dt2)から上限値pまではステップ状にデューテ
ィを急増させている。このように、b点からp点まで制
御信号(締結力)を急増させても、この領域は既に完全
締結状態にあるので、ショックが発生しない。なお、以
上の見地からすれば、完全締結点T1からp点までデュ
ーティをステップ状に立ち上げるのが理想であるが、完
全締結点がクラッチ摩耗等により変化することを考慮
し、ある程度の余裕度をもたせてb点を設定した。すな
わち、完全締結点が当初T1にありその後T2の点に移
動した場合に、T1より上限値までデューティをステッ
プ的に立ち上げる設定にしておくと、T2に点の移動し
た時には、T1点は半締結状態にあるので、この場合に
上記のようなステップ的立ち上げを実行するとショック
が大きくなってしまうためである。
【0038】次に締結を解除する場合の制御パターンに
ついて説明する。この場合には、制御信号の上限値から
下限値に至るまで前記締結制御パターンと逆の制御信号
減少パターンが設定してある。
【0039】すなわち、c点がb点と同様に完全締結点
(この場合は開放始点K1)より大きく完全締結の上限
値pより小さく、d点が完全開放点となる。なお、解除
制御時には、c点の制御値を第2の所定値Dt2´、d
点の制御値を第1の所定値Dt1´とし、Dt2´はD
t2に対し、Dt1´はDt1に対しヒステリシスをも
たせてある。そして、まず上限値pのデューティからc
点の制御値Dt2´までをステップ状に立ち下げ、次い
でDt2´から完全開放点dの制御値Dt1´までを適
度の勾配をつけてデューティを徐々に減少させ、開放点
dに至ると下限値までステップ状にデューティを急減さ
せている。このような制御パターンを制御部32は記憶
しており、このパターンに基づくロックアップ制御信号
を発生することで、ロックアップクラッチの締結,解除
がなされる。
【0040】しかして、以上のような締結制御パターン
及びその解除パターンとして、下限値から締結始点a、
完全開放点d相当の第1の所定値Dt1,Dt1´から
下限値までをステップ状に変化させるほかに、完全締結
中のb点,c点相当の第2の所定値Dt2,Dt2´か
らその上限値pまでをステップ状に変化させているの
で、締結制御に要する時間t,その解除制御に要する時
間t´を従来よりも短縮しつつスムーズな締結,解除を
実行することができる。
【0041】なお、図1では、ロックアップ解除制御に
おいて、開放始点(ロックアップクラッチが完全締結点
から半締結状態に移る点)K1以後の回転速度比(Y以
降の回転速度比)が一時的に1以上になるが、このよう
になるのは、車速減速時の場合である。すなわち、減速
時、被駆動側(車輪側)は慣性により回転を保持しよう
とし、駆動側(エンジン側は)エンジンブレーキで回転
を落そうとするので、被駆動側の回転数が一時的に駆動
側を上回り、上記のように回転速度比が1以上となる。
【0042】本実施例の制御部32は上記制御パターン
に従ったロックアップ制御を実行する機能を有するほか
に、ロックアップクラッチに摩耗が生じた場合でも、今
までと変わりない良好な締結,解除制御を実行する学習
機能を有する。この学習機能の内容を図1,図2により
説明する。
【0043】制御部32は、タービン回転数(被動側回
転数)とエンジン回転数(駆動側回転数)の検出値より
その回転速度比を演算し、締結制御時には回転速度比が
1になったXの時点(完全締結点),解除制御時には回
転速度比が1以外になった或る値Yの時点(開放始点K
1)におけるロックアップ制御信号値(デューティ値)
をとらえる機能を有する。
【0044】また、この完全締結点,開放始点が経時変
化した場合(例えば締結制御の場合はT1からT2に変
化した場合、また、解除制御の場合はK2からK2に変
化した場合)には、ロックアップ制御パターンの勾配
(締結制御の場合は、a点からb点までの勾配、解除制
御の場合はc点から完全開放点dまでの勾配)を保ちつ
つ、その経時変化分(DT2−DT1=dt,DK2−
DK1=dk)だけ勾配始点a点,c点の制御信号値D
t1,Dt2´を増加補正する学習機能を設定した。こ
の学習機能により、a点がa´点に、c点がc´点にシ
フトし、これに連動して、b点の所定値Dt2もdtだ
け増加してb´点にシフトし、d点の所定値Dt1´も
dkだけ増加してd´点にシフトし、結果的に勾配ライ
ンが実線から点線にシフトする。
【0045】その結果、締結制御の場合には、完全締結
点T2の制御信号値DT2が点線の勾配ラインのT1時
点にシフトすることで、完全締結点に要する時間t1は
変化せず、今まで通りの応答性が確保される。同様に、
解除制御の場合にも開放始点K2の制御信号値DK2が
点線の勾配ラインのK1にシフトすることで、上限値p
から開放始点に至る時間t2は変化せず、従来のように
時間t2が短くなり過ぎることがなく解除制御時にショ
ックが発生するという事態を防止する。
【0046】図2は、上記学習を行うロックアップ制御
信号Dの変化状態を示す。
【0047】ロックアップ機構の完全締結点に要する制
御値がl点からm点に変化すると、学習により第1の所
定値がa点からa´点に、及び第2の所定値がb点から
b´点に移り、完全締結点の制御値がn点に移る(この
場合実線から破線の勾配ラインにシフトする)。
【0048】次にこの破線の勾配状態で、完全締結点に
要する制御値がn点からo点に変化すると、再び学習に
より、第1の所定値がa´点からa″点に、及び第2の
所定値がb´点からb″点に移り、完全締結点の制御値
がs点に移る(この場合破線から1点鎖線の勾配ライン
にシフトする)。このようにして、前述したt1が常に
一定に保たれる。
【0049】また、開放始点における制御値がl´点か
らm´点に変化すると、学習により第2の所定値がc点
からc´点に、及び第1の所定値がd点からd´点に移
り、開放始点の制御値がn´点に移る(この場合実線か
ら破線の勾配ラインにシフトする)。
【0050】次にこの破線の勾配状態で、開放始点に要
する制御値がn´点からo´点に変化すると、再び学習
により、第2の所定値がc´点からc″点に、及び第1
の所定値がd´点からd″点に移り、開放始点の制御値
がs´点に移る(この場合破線から1点鎖線の勾配ライ
ンにシフトする)。このようにして、前述したt2が常
に一定に保たれる。
【0051】なお、本実施例では、完全締結点,開放始
点における制御値の経時変化に許容値を定めて、経時変
化値の積算値が設定許容値を超えると、クラッチ摩耗が
限界にあるものと判断して、警報,表示,取り換え指示
のいずれかの信号を発生させる。
【0052】図5は本実施例のロックアップ締結制御の
フローチャートを示す。
【0053】ステップ10でロックアップ条件のチェッ
クを行い、開始条件でないなら終了する。ロックアップ
開始ならステップ11に進み、制御信号Dが第1の所定
値Dt1になったかどうかチェックする。所定値Dt1
に達していないなら、ステップ16に進み、第1の所定
値(学習値)Dt1を制御信号としてセットする。所定
値Dt1であるなら、ステップ12で現在の制御信号D
に徐々に増加する積分値Dstを加算する。ステップ1
3では、制御信号Dが第2の所定値Dt2になったかど
うかチェックする。所定値Dt2に達したなら、ステッ
プ17に進み制御信号Dを上限値とする。所定値Dt1
2でないなら、ステップ14に進み、タービン回転数と
エンジン回転数の比である回転速度比が1になったかど
うかチェックする。回転速度比が1でないなら、ロック
アップ機構は完全締結点に至っていないのでステップ1
8に進む。回転速度比が1ならその完全締結点の変化を
認識して、学習をステップ15で行い、第1の所定値D
t1,Dt2の修正を行う。すなわち、現在の締結点制
御信号DT2と以前の締結点制御信号DT1との差dt
を第1の所定値Dt1、第2の所定値Dt2にそれぞれ
加算し、新たな学習値Dt1,Dt2とする。ステップ
18で制御信号を出力する。
【0054】図6は本実施例のロックアップ解除制御の
フローチャートを示す。ステップ20でロックアップ解
除のチェックを行い、解除条件でないなら終了する。ロ
ックアップ解除ならステップ21に進み、制御信号Dが
第2の所定値Dt2´になったかどうかチェックする。
所定値Dt2´に達してないなら、ステップ21に進
み、第2の所定値(学習値)Dt2´を制御信号として
セットする。所定値Dt2´であるなら、ステップ22
で現在の制御信号Dに徐々に減少する積分値Dstkを
減算する。ステップ23では、制御信号Dが第1の所定
値Dt1´になったかどうかチェックする。所定値Dt
1´に達したなら、ステップ26に進み、制御信号Dを
下限値とする。所定値Dt1´でないなら、ステップ2
4に進み、タービン回転数とエンジン回転数の比である
回転速度比が1以外になったかどうかチェックする。回
転速度比が1なら、ステップ28に進み制御信号Dを出
力する。回転速度比が1以外になったら開放始点の学習
をステップ25で行い、第1の所定値Dt1´,第2の
所定値Dt2´を修正する。すなわち、現在の開放始点
の制御信号DK2と以前の開放始点の制御信号DK1と
の差dkを第1の所定値Dt1´,第の所定値Dt2´
にそれぞれ加算し、新たな学習値Dt1´,Dt2´と
する。ステップ28で制御信号Dを出力する。
【0055】このように本実施例によれば、ロックアッ
プ機構の完全締結点、開放始点の学習により、締結及び
解除制御における第1の所定値、第2の所定値を修正し
て、締結開始から締結点までの時間及び解除開始から開
放点までの時間を常に一定にできる。これによりロック
アップの応答性とショック防止を図り得る。
【0056】また、前述のように第1の所定値から第2
の所定値の必要最小限の範囲のロックアップ機構のすべ
り領域を設定するので、すべり時間を最小にでき、ロッ
クアップ機構の耐久性を向上させることができる。
【0057】なお、本実施例では、第1の所定値はある
値から開始しているが、完全締結点,開放始点の学習か
ら第1の所定値を決定することもできる。また、有段の
自動変速で説明したが、無段のロックアップ付き自動変
速機にも適用できる。
【0058】実施例では、完全締結点,開放始点の学習
をタービン回転数とエンジン回転数の比である回転速度
比で行っているが、タービン回転数とエンジン回転数の
差またはスリップ率でも同様の学習を行うことができ
る。
【0059】
【発明の効果】以上のように本実施例によれば、第1の
課題解決手段では、ロックアップ制御時の時間短縮と円
滑性の両立を図り、且つ自動変速機の耐久性の向上を図
ることができる。
【0060】また、第2の課題解決手段によれば、クラ
ッチ摩耗が生じても、常に、ロックアップ制御の良好な
応答性とショック低減を自動的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るロックアップ制御の回
転速度比と制御パターンの関係を示す説明図
【図2】上記実施例のロックアップ制御における学習内
容を示す説明図
【図3】上記実施例に用いた自動車エンジンとロックア
ップ機構付き自動変速機の概略構成図
【図4】上記実施例のロックアップ制御系の構成図
【図5】上記実施例のロックアップ締結制御のフローチ
ャート
【図6】上記実施例のロックアップ解除制御のフローチ
ャート
【図7】従来のロックアップ制御パターンを示す説明図
【符号の説明】
10…エンジン、12…流体伝動装置(トルクコンバー
タ)、14…変速機、18…ポンプ羽根車、20…ター
ビン羽根車、26…ロックアップ機構、28…タービン
センサ、30…車速センサ、32…制御部、36,38
…シフト制御信号、40…ロックアップ制御信号。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ羽根車,タービン羽根車を有する
    流体伝動装置と、該流体伝動装置の駆動側と被動側との
    締結及びその解除機能を有するロックアップ機構と、前
    記ロックアップ機構のクラッチ要素(ロックアップクラ
    ッチ)の締結及び解除を締結力を制御しつつ実行するロ
    ックアップ制御手段とを備えた自動変速機において、 前記ロックアップ制御手段には、その締結の制御パター
    ンとして、制御信号の下限値から締結始点又はその直前
    のa点に要する第1の所定値までは制御信号をステップ
    状に立上げ、第1の所定値からb点(b点は被動側と駆
    動側との回転速度比が1となる完全締結状態を得るに必
    要な締結力よりも大きく、完全締結の上限値より小さ
    い)に要する第2の所定値までは徐々に増大させ、第2
    の所定値から締結力が最大となる制御信号の上限値に至
    るまでは該制御信号をステップ状に急増させるパターン
    を実行する機能と、 その解除の制御パターンとして、制御信号の上限値から
    下限値に至るまで前記締結制御パターンと逆の制御信号
    減少パターンを実行する機能とを設けたことを特徴とす
    る自動変速機のロックアップ制御装置。
  2. 【請求項2】 ポンプ羽根車,タービン羽根車を有する
    流体伝動装置と、該流体伝動装置の駆動側と被動側との
    締結及びその解除機能を有するロックアップ機構と、前
    記ロックアップ機構のクラッチ要素(ロックアップクラ
    ッチ)の締結及び解除を締結力を制御しつつ実行するロ
    ックアップ制御手段とを備えた自動変速機において、 前記ロックアップ制御手段は、そのロックアップクラッ
    チの締結制御の場合には、少なくとも締結始点又はその
    直前のa点から完全締結点まではロックアップ制御信号
    値を徐々に増やす勾配を持たせ、解除制御の場合には、
    少なくとも完全締結点から完全開放点dまではロックア
    ップ制御信号値を徐々に減らす勾配を持たせたロックア
    ップ制御パターンを実行する機能が設定してあり、 且つ、前記ロックアップ制御手段は、流体伝動装置の被
    動側たるタービン回転数と駆動側たるエンジン回転数の
    比である回転速度比,エンジン回転数とタービン回転数
    の差,タービン回転数とエンジン回転数のスリップ率の
    いずれかのうち任意に定めた値(これをロックアップ状
    態値とする)と、前記ロックアップ制御信号とにより、
    前記ロックアップ状態値におけるロックアップ制御信号
    値の経時変化(この変化はロックアップクラッチ摩耗等
    により経時的に生じる)をとらえ、この制御値の経時変
    化分だけ変化前の前記ロックアップ制御パターンの勾配
    ラインをシフトさせる学習機能を備えたことを特徴とす
    る自動変速機のロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ロックアップ状
    態値は前記ロックアップクラッチの締結制御時の完全締
    結点又は半締結度合(完全締結点以外の締結度合)の或
    る一点を示す回転速度比,エンジン回転数とタービン回
    転数の差、スリップ率で、前記ロックアップ制御パター
    ンの勾配ラインのシフトは、該ロックアップ制御パター
    ンの勾配率を保ちつつその勾配始点におけるロックアッ
    プ制御値に前記経時変化分(変化後と変化前の差)を加
    算して実行することを特徴とする自動変速機のロックア
    ップ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記ロックアップ状
    態値は前記ロックアップクラッチの解除制御時における
    半締結度合の或る一点を示す回転速度比,エンジン回転
    数とタービン回転数の差,スリップ率で、前記ロックア
    ップ制御パターンの勾配ラインのシフトは、該ロックア
    ップ制御パターンの勾配率を保ちつつその勾配始点にお
    けるロックアップ制御値に前記経時変化分を加算して実
    行することをその特徴とする自動変速機のロックアップ
    制御装置。
  5. 【請求項5】 ポンプ羽根車,タービン羽根車を有する
    流体伝動装置と、該流体伝動装置の駆動側と被動側との
    締結及びその解除機能を有するロックアップ機構と、前
    記ロックアップ機構のクラッチ要素(ロックアップクラ
    ッチ)の締結及び解除を締結力を制御しつつ実行するロ
    ックアップ制御手段とを備えた自動変速機において、 請求項1に記載のロックアップクラッチの締結,解除制
    御パターンを実行する機能と、請求項2ないし請求項4
    のいずれか1項に記載の学習機能とを備えたことを特徴
    とする自動変速機のロックアップ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項4のいずれか1項
    において、前記ロックアップ制御手段は、前記ロックア
    ップ状態値におけるロックアップ制御信号値の経時変化
    から、この変化量が所定のしきい値を超えると、ロック
    アップクラッチが摩耗許容値を超えるものとして警報,
    表示,取り換え指示等の信号を発生させる手段を備えた
    ことを特徴とする自動変速機のロックアップ制御装置。
JP34591091A 1991-12-27 1991-12-27 自動変速機のロックアップ制御装置 Pending JPH05180327A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009014189A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Toyota Motor Corp ロックアップクラッチの制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009014189A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Toyota Motor Corp ロックアップクラッチの制御装置
US8326503B2 (en) 2007-07-09 2012-12-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Lock-up clutch control device

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