JPH05180264A - 液封入型防振装置 - Google Patents

液封入型防振装置

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JPH05180264A
JPH05180264A JP35998791A JP35998791A JPH05180264A JP H05180264 A JPH05180264 A JP H05180264A JP 35998791 A JP35998791 A JP 35998791A JP 35998791 A JP35998791 A JP 35998791A JP H05180264 A JPH05180264 A JP H05180264A
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JP
Japan
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flow
flow path
wall
liquid
cross
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Application number
JP35998791A
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English (en)
Inventor
Akinori Matsuda
明教 松田
Kazunori Yoshida
一徳 吉田
Kunio Saito
邦夫 斉藤
Keisuke Takeuchi
啓祐 竹内
Takashi Maeno
隆 前野
Shigeki Takeo
茂樹 竹尾
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Toyota Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液封入型防振装置において、連通路の流路に
おける剥離を防止して、流動損失を小さくして、流路内
における流体共振を有効に利用し、防振性を高めるこ
と。 【構成】 第1液室1および第2液室2に区画する仕切
部材3内に設けた連通路4の流路40の断面が一定の範
囲内の変化率で徐々に減少および拡大する縮流部42お
よび拡大部43を対称に形成するとともに、駆動装置6
により流路壁の一部を移動し得る移動壁5で構成した液
封入型防振装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のパワーユニッ
ト支持装置を含めその他広く一般に用いられる防振装置
の特性を変え得る液封入型防振装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−62930に示される第1
従来装置は、図20に示すように厚い固定板Fの扇形状
の対向する領域Rに小円孔Hを多数形成するとともに、
この固定板Fの上部に扇形状の対向する開口部Oを有す
る薄い可動板Mを配設して、可動板Mの回転によって開
口領域Rと開口部Oの重なり合う部分の面積を変化させ
ることにより、流路面積を制御するものである。
【0003】特開昭62−127537に示される第2
従来装置は、図21に示すように第1流体室Fと第2流
体室Sとを区画する仕切部材Dに形成した固定オリフィ
スOR内にバタフライバルブVBを配設して、バタフラ
イバルブVBの傾きを変えることにより、流路面積を制
御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記第1従来装置は、
固定板Fの小円孔Hの開口領域Rと可動板Mの開口部O
の重なり合う部分の面積を変化させることにより、流路
面積を制御するものであるため、重なり合う部分の前後
で流路の面積が急激に変化するので、流路における流れ
の剥離が生じ、流動損失が大きく、流路内における流体
共振を効果的に利用するものでないため、制御性および
防振効果が充分ではなかった。
【0005】上記第2従来装置は、固定オリフィスOR
内に配置したバタフライバルブVBの傾きを変えること
により流路面積を制御するものであるため、バタフライ
バルブVBの前後で流路の面積が急激に変化するので、
流路における流れの剥離が生じ、流動損失が大きく第1
従来装置と同様の問題があった。
【0006】そこで本発明者らは、流路における流れの
剥離発生を防止すれば良いのではないかという点に着目
し、とりわけ流路面積が拡大する部分の断面積を徐々に
変化させてやれば良いという点に着眼して、研究開発を
重ねた結果、流路における剥離を防止することにより、
流動損失を小さくして、流路内における流体共振を有効
に利用し、制御性、防振性を高める本発明に到達した。
【0007】また本発明者らは、流路への流入時の縮流
損失の低減ならびに流出時の排棄損失を小さくすれば良
いのではないかという点に着眼して、流路をノズルとそ
の逆の形状であるディフューザとを結合して形成するこ
とにより、前述の2つの損失をいずれも小さくして流路
内における流体共振を有効に利用し、制御性、防振性を
一層高める本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の液封入型防振装置は、少なくとも一部を
弾性壁で形成した第1液室および第2液室と、第1およ
び第2液室との間に配置された仕切部材と、仕切部材内
に形成され、第1液室と第2液室とを連通する流路を有
するとともに、該流路内で生ずる液体共振を利用して被
支持体の振動を減衰させる連通路と、前記流路の断面積
が流路の流れ方向に対して少なくとも徐々に拡大する拡
大部を形成した流路壁と、流路壁の少なくとも一部が移
動して流路面積を変化させ得る移動壁とから成るもので
ある。
【0009】本発明(請求項2に記載の第2発明)の液
封入型防振装置は、第1発明において、前記流路壁の拡
大部の上流に徐々に流路の断面積が減少する縮流部を形
成したものである。
【0010】本発明(請求項3に記載の第3発明)の液
封入型防振装置は、第2発明において、前記流路の縮流
部と拡大部とを流路の流れ方向において対称に形成する
とともに、前記移動壁を移動させる移動手段を付加した
ものである。
【0011】
【作用】上記構成の第1発明の液封入型防振装置は、連
通路の流路壁に流路の断面積が徐々に拡大する拡大部を
形成したので、拡大部での流れの剥離の発生を抑制す
る。
【0012】上記構成の第2発明装置は、連通路の流路
壁に流路の断面積が徐々に減少する縮流部を形成したの
で、流れの方向が反転して連通路での流れが逆に流れて
も縮流部での流れの剥離の発生を抑制するため、流路を
通過する流体の流動損失を全体として小さく抑制する。
【0013】上記構成の第3発明装置は、縮流部と拡大
部の断面積が対称に変化するように形成したもので、連
通路における流れが正・逆(流れの方向が反転)いずれ
であっても流れのつながりが良く、淀が生じないので、
全体として流体の流動損失を一層抑制するとともに、移
動手段により移動壁間の間隔を変化させ、防振特性を必
要に応じて制御することができる。
【0014】
【発明の効果】上記構成および作用を奏する第1発明の
液封入型防振装置は、連通路の拡大部での流れの剥離の
発生が抑制されるので、連通路における流動損失を小さ
くして、流路内における流体共振を有効に利用すること
ができるという効果を奏する。
【0015】上記構成および作用を奏する第2発明装置
は、連通路の縮流部に逆に流れても流れの剥離の発生を
抑制するので、両方向の流れに対して連通路における流
動損失を実用的に小さくして、流路内における流体共振
を有効に利用することができるという効果を奏する。
【0016】上記構成および作用を奏する第3発明装置
は、連通路における流れの方向が正・逆いずれであって
も同一の共振および防振特性を得ることができるととも
に、防振特性を必要に応じ制御することができるという
効果を奏する。
【0017】 (第3発明の詳細説明)以下第3発明装置について更に
詳述する。第3発明においては、連通路の拡大部と縮流
部の断面積が対称に変化するように形成したので、流路
の後半部に相当する拡大部においては、流れが壁面から
剥離することなく流出端に向かって徐々に流速が低下す
るとともに、効率良く圧力が回復するので、連通路から
第1または第2液室に排出される際の排棄損失が小さく
なり、連通路における正・逆の流れの方向を考慮すれ
ば、縮流部も拡大部と同様の作用を奏するため、連通路
における通過する流体の流動損失を全体として、小さく
抑えることができる。
【0018】以上のように、流体の流動損失を減らすこ
とにより、防振装置としての液封入型マウントの機能を
充分に引き出すことができる。以下、第3発明のメカニ
ズムについて説明する。
【0019】第3発明の液封入型マウントをエンジンの
防振装置に適用した場合の近似的な振動モデルを図3に
示す。図3において、m1は被支持体であるエンジンの
質量に相当し、m2は連通路の流路内部の流体の等価質
量である。また、k1は第1および第2液室を構成する
上下の液室の弾性壁の上下方向のばね定数、k2は上部
液室の拡張ばね定数、k3は下部液室の拡張ばね定数で
ある。なお、k3はk2に比べて著しく小さい。さら
に、Cは、流体の流動抵抗に対応する等価減衰係数で、
流路内壁部の摩擦損失、流入時の縮流損失、排出時の排
棄損失がこれに関係する。
【0020】ここで、流路断面積を変えることは、図4
中の支点Sの位置を変えて、等価的な質量m2を変更す
ることに相当するが、いま本第3発明のように、流路の
前後半部を各々縮流部および拡大部で組み合わせた形状
に形成した場合、前述のように、流入時の縮流損失およ
び排出時の排棄損失は極めて小さくなり、図3に示され
るモデルにおけるCは極めて小さな値に維持した状態で
m2の変更が可能となる。ここで従来よりよく知られた
2自由度系の防振理論によれば、Cの値が小さいほど、
m2は動き易く、m2の共振時の振幅は大きくなり、有
効なダイナミックダンパとしての効果が発揮され、結果
として、効果的な防振効果が得られる。
【0021】加えて、本第3発明においては、流路のこ
うした流動損失の少ない特性を維持したまま、移動壁お
よび移動手段により流路断面積を拡縮するので、必然的
に流体等価質量m2も変化し、この時の共振周波数fは
式(1)に示される関係で定まるのであるから、このm
2の変更で、広い周波数範囲にわたり効果的な液体共振
が得られ、エンジンの防振ないしは制振に対して極めて
効果的な機能を発揮するものである。
【0022】
【数1】
【0023】次に、この液封入型マウントにおける液体
共振とマウント単体を加振実験した時に得られるばね特
性との関係について説明する。一般に、マウント単体に
おいて、振動変位xを入力として与えたときに発生する
力Fを図5に示す方法で測定し、変位xと力Fの振幅の
比、すなわち、絶対ばね定数|F/x|と変位と力の時
間遅れ、すなわち、位相差を求めれば、マウントのばね
特性を評価することができる。いま、液封入型マウント
単体を加振実験すると、ある周波数域で前述の液体共振
が起こり、これにともなって、絶対ばね定数は大きく変
化し、同時に、位相差も大きく変わり、ある周波数域で
ピークを示し、この時、液封入型マウントの特徴とする
高い減衰力が得られることが知られている。
【0024】そこで、本第3発明による構造の液封入型
マウントについて、この絶対ばね定数と位相差を求める
ことにより、その作用効果を説明することにする。まず
具体的に流路容積すなわち流路断面積を変更した時のマ
ウント単体の全体ばね定数および位相差の変化について
図6に示す。また、これと比較するために、図7に流れ
方向に沿って流路断面積が急激に変化する例えば第2従
来装置における結果を示した。絶対ばね定数が極小から
極大に変化する周波数域は、両構造とも、流路容積の変
更により、大きく変えることができ、この点においては
同じであるが、絶対ばね定数の変化量すなわち極大値と
極小値との差に大きな相違がある。つまり、本第3発明
の場合は、流路容積を変えても、極小値および極大値は
ほぼ一定値をとるから、faからfbの周波数範囲で、
変化量はほぼ一定である。しかし、従来装置では、流路
容積を変えると、図7に示すように極小値および極大値
は変化し、流路容積を小さくすると、前述のように共振
が生じにくくなるため、極小値と極大値との差は小さく
なる。
【0025】本第3発明では、前述したように、流路内
での流動抵抗が小さく、かつこのような状態のもとで移
動手段により流路容積を変更しているので、広い周波数
範囲にわたり効果的な液体共振が得られる。これによ
り、絶対ばね定数の変化量を変えることなく、その周波
数域を連続的に可変することができる。
【0026】本第3発明を利用して、アイドル振動の低
減法について考えてみる。アイドル時ではエンジンから
車体への振動伝達を抑えるためには、マウントの絶対ば
ね定数はできるだけ低くし、エンジンと車体との力の伝
達を絶つ必要があり、アイドル振動の発生周波数と極小
値を示す周波数fiとが一致するように、流路容積が設
定される。ここで、クーラオン・オフ時、トルコンDレ
ンヂにある時およびエンジン調整上の問題等から、アイ
ドル回転数が変化し、これに応じて流路容積を変更し、
制振対象の周波数領域を変えた場合においても、従来の
方法に比べ、広い周波数範囲で極小値を小さく保つこと
ができるから、広いアイドル回転数の範囲で、この領域
の振動伝達を大幅に低減することができ、アイドル振動
がエンジンから車体側に伝達されるのを防止もしくは大
幅に低減することができ、乗員の不快感を除去すること
ができる。
【0027】一方、エンジンシェイクの現象を防止する
ためには、前記アイドル振動とは逆に、エンジンと車体
との結合を強め、かつ、エンジンの振動をマウントで吸
収する必要がある。図8は本第3発明によってエンジン
シェイクを防止する目的で、流路容積を変更した時のマ
ウント単体の入力変位に対する力の位相差の変化を示し
たものである。流路容積を連続的に変更すると、位相差
のピーク周波数はfaからfbの範囲で変化し、その範
囲内ではそのピーク値はほぼ一定となる。それに対し、
従来技術は図9に示すように周波数が低い領域で位相差
が小さくなる。
【0028】エンジンシェイクを抑えるためにはマウン
ト単体の減衰力をできるだけ大きくする必要がある。つ
まり、図5のFとxとの振動の位相差を大きくする必要
がある。それに対し、従来技術は図9のように周波数が
低い領域で位相差が小さくなり、エンジンシェイクの抑
制効果が小さい。エンジンシェイクの発生周波数に図8
のFとxの位相差のピーク周波数、すなわち、流体共振
周波数が一致するように流路容積を設定すればよい。さ
らには、乗員ないしは積載物により、車両質量が変化
し、エンジンシェイクの発生する周波数が微妙に変化し
ても、その周波数に図8の位相差ピークが一致するよう
に流路容積を設定すれば、適切な減衰力が得られる。
【0029】以上のように、流れ方向に対する流路断面
積の変化を、一定値を越えない範囲で連続的に変化する
流路構造としたことで、流路を通過する流体の失うエネ
ルギを最小限に抑えることができる。その結果として、
従来の流路断面を急激に変更する構造ないしはバルブ開
閉による構造等に比較して、ダイナミックダンパとして
作用する等価質量m2の動きをさまたげることなく、円
滑に行うことができるため、有効な減衰効果をもたせる
ことが可能である。しかも、損失エネルギを最小限に維
持したまま流路断面積を可変化して、連続的に流路の共
振周波数変更が可能であることから、エンジンの防振に
対して広範囲の周波数域にわたり極めて効果的な防振機
能を発揮するものである。
【0030】
【実施例】次に本発明(第1発明ないし第3発明)の実
施例の液封入型防振装置について、図面を用いて説明す
る。
【0031】(第1実施例)第1実施例の液封入型防振
装置は、本発明を一例として自動車用のエンジンマウン
トに適用したもので、図1および図2を用いて説明す
る。
【0032】(第1実施例の構成)第1実施例装置は、
エンジンに固定される側に配設された第1液室1と、車
体フレームに固定される側に配設されたダイアフラム2
0により空気室22とに区画された第2液室2と、第1
液室1および第2液室2を仕切る仕切部材3と、仕切部
材3内に形成され第1液室1および第2液室2とを連通
する絞り部41を有する流路40および垂直孔31Vか
ら32Vへの流れの方向に対して流路の断面積が徐々に
減少する円弧状の縮流部42および徐々に拡大する拡大
部43(垂直孔32Vから31Vへの流れ方向に対して
は縮流部と拡大部が逆になる)を有するとともに、流路
40内で生ずる流体共振を利用して被支持体(図示せ
ず)の振動を減衰させる連通路4と、内側の流路壁が移
動して流路面積を変え得る移動壁5と、移動壁5を移動
させる移動手段としての駆動装置6から成る。
【0033】第1液室1は、仕切部材3の上部において
エンジン(図示せず)への固着用のボルト10が中央部
に固着された平板部材11と下部に仕切部材3が固着さ
れた段付の環状剛性部材12と、厚肉の傾斜壁の上部を
平板部材11に、垂直な外側壁を環状剛性部材12の内
周壁に加硫接着によりそれぞれ固着されたゴムより成る
弾性部材13とで包囲され、弾性部材13の下壁13U
と内周壁13Iと仕切部材3の上壁3Uとの間に形成さ
れ、非圧縮性流体として不凍液が充填されている。
【0034】第2液室2は、仕切部材3の下部におい
て、上記環状剛性部材12の下端を嵌着する段付部21
Sを有するとともに、車両フレームの振動伝達部材への
固着用のボルト23を底部21B中央に下方に突出させ
て固着したコの字状の縦断面のキャップ部材21によっ
て包囲され、仕切部材3の下面3Dの周縁部とキャップ
部材21との間に介挿されカシメられた略m字状の縦断
面のダイアフラム20と仕切部材3の下壁3Dとの間に
形成され、不凍液が充填されている。
【0035】ダイアフラム20とキャップ部材21の底
部21Bとの間に密封構造の空気室22が形成されてい
る。
【0036】仕切部材3は、第1液室1を形成する固定
上板部材31と、第2液室2を形成する固定下板部材3
2と、内壁が連通路4の流路40を構成する一定の曲率
を有する円弧状内壁33Iを有する固定中板部材33と
から成る。固定上板部材31および固定下板部材32の
図2に示す円弧状の通路の上下両端に垂直孔31Vおよ
び32Vが形成されている。
【0037】連通路4および流路40は、仕切部材3の
固定上板部材31および固定下板部材32との間であっ
て、図2に示されるように固定中板部材33と移動壁5
との間に形成される。
【0038】移動壁5は、固定中板部材33の円弧状内
壁33Iの曲率よりも小さな曲率を有する円弧状の側壁
5Sを移動壁5を形成した移動部材50で構成され固定
中板部材33内の凹部に介挿されている。
【0039】流路の縮流部42は、図2中の上半分の固
定中板部材33の円弧状内壁33Iと移動壁5を構成す
る移動部材50の円弧状側壁5Sとの曲率の差により、
流路の流れ方向の断面の変化率を式(2)の範囲内であ
る0.2に設定されている。式(2)においてDeq
は、流路形状を同断面積の円に換算したときの直径、S
は流れ方向の距離で設定する。
【0040】
【数2】
【0041】流路の拡大部43は、図2中の円弧状の流
路の中央部の絞り部41を中心として対称関係に下半分
の固定中板部材33の円弧状内壁33Iと移動壁5を構
成する移動部材50の円弧状側壁5Sとの曲率の差によ
り、縮流部42と同様の断面の変化率に設定されてい
る。
【0042】上記垂直孔31Vおよび32Vは、縮流部
42の上流の流路および拡大部43の下流の流路の断面
積を急激に変化させないようにその前後の流路と略同一
の断面積に設定されている。
【0043】駆動装置6は、移動部材50に一端を固着
した駆動棒61の他端を固着した例えばコアを介挿した
ソレノイド装置60と、エンジンアイドル時またはエン
ジンシェイク発生時および路面の状態その他の状態にお
ける振動抑制に適した制御信号を出力するマイクロコン
ピュータで構成されるコントローラ62とから成る。
【0044】(第1実施例の作用)上記構成より成る第
1実施例装置は、車両フレームに対するエンジンの相対
的動きに応じて、連通路4の流路40内に流れが正・逆
方向に生ずるが、エンジンのアイドル運転時のようにエ
ンジン回転に応じたエンジン振動やエンジンシェイク発
生時にはコントローラ62からその制御信号が出力され
ソレノイド装置60によりコアを介して移動部材50を
上記状態に最適な位置すなわち最適な流路40の断面積
およびその変化率に設定されるので、エンジンアイドル
時のエンジン振動やエンジンシェイクの周波数において
マウントの減衰係数が最も大きくなるように調整され
る。
【0045】また、デコボコ道のような悪路走行時や舗
装路のような良路走行時であることを検知して、それぞ
れの路面状態に適した制御信号をコントローラ62から
出力して、上記路面状態の振動抑制に最適な流路40の
断面積およびその変化率に調整することもできる。
【0046】(第1実施例の効果)上記構成および作用
を奏する第1実施例装置は、エンジンアイドル時および
エンジンシェイク時のエンジン振動や、走行している路
面状態に適した流路の断面の変化率に調整されるので、
それぞれの振動を有効に減衰させるという効果を奏す
る。
【0047】また第2実施例装置は、断面の変化率を上
述のように設定することにより、流路の後半部に相当す
るディフューザとして機能する拡大部においては、流れ
が壁面から剥離することなく流出端に向かって徐々に流
速が低下し、同時に効率良く圧力が回復するとともに、
流出端部から液室内に排出される際のいわゆる排棄損失
が小さくなるので、エンジン振動に応じた流れ方向の反
転を考慮すれば、縮流部が前記拡大部と同様のさよう奏
するため流路を通過する流体の流動損失を全体として、
最小に抑えることができる。
【0048】(第1実施例の変形例)第1実施例の変形
例について、相違点を中心に説明する。
【0049】第1変形例は、図10に示すように固定中
板部材33AにV字状のテーパ内壁33IAを形成する
とともに、移動部材50Aの側壁にテーパ壁5SAを形
成し、移動部材50Aのテーパ壁5SAの角度を固定中
板部材33Aのテーパ内壁33IAの角度より小さくし
て、流路40Aにおける流れに従い流路40Aの断面積
が直線的に減少する縮流部42Aを形成し、絞り部41
Aを越えると今度は逆に流路の断面積が直線的に増加す
る拡大部43Aを形成するもので、その他の構成は第1
実施例と同様であり、第1実施例と同様の作用効果を奏
する。
【0050】第2変形例は、図11に示すように固定中
板部材33BにW字状の内壁33IBを形成するととも
に、移動部材50BにM字状の側壁5SBを形成して絞
り部41Bを中心として縮流部42Bおよび拡大部43
Bを折れ曲がった形で減衰すべき低い振動周波数に応じ
て実質的に長い流路40Bを形成するもので、その他は
第1実施例と同様の作用効果を奏する。
【0051】第3変形例は、図12〜図14に示すよう
に、連通路4C、4Dを仕切部材3C内に上下2段に形
成し、上下の固定中板部33C、33Dに偏心させた円
弧状内壁3IC、3IDを形成するとともに、上下に分
割された移動部材50C、50Dの側壁5SCおよび5
SDを半円の円弧壁に形成し、図12中上部の連通孔V
Cより上部の連通路41Cと下部の連通路41Dとを連
通させることにより、上部に縮流部42C、下部に拡大
部43Dとをそれぞれ形成するもので、第2変形例より
更に長い連通路を実現するもので、第2変形例と同様の
作用効果を奏する。
【0052】(第2実施例)第2実施例装置は、図15
に示すように移動部材15を円形の内壁134を有する
固定中板133中に偏心させて図15中左方に寄せて配
置された略円形の外側壁151を有する変形部材150
で構成し、左方中央でボルトにて固着し、この固着部の
上下にスリット状の切込みを設けて薄肉部152を形成
するとともに、左右に八の字状の内壁153により空間
を形成し、この空間中に駆動棒161の太鼓状の先端部
162が挿入され内壁153に沿って移動することによ
り上下の部材が拡開して、内壁134との間の断面積を
減少させるもので、変形部材150の変形により流路1
40の断面積の拡縮を実現するものである。
【0053】上記構成より成る第2実施例は、変形部材
150の上下の外壁151の変形により第1実施例装置
と同様の作用効果を奏する他、入口又は出口に近い部分
の断面積を大きく変化させられるとともに、流路に面し
た摺動部が無いのでシールを施す必要が無いという効果
も奏する。
【0054】(第3実施例)第3実施例装置は、図16
ないし図19に示すように、流路240が図16中上部
に位置する固定流路壁241と、移動部材250を構成
する下部に位置する可動流路壁251とにより構成され
る。流路240は、図18、図19に示すように2段の
螺旋状に形成されており、螺旋の外周部より流入した液
体は、螺旋を描きながら、一旦その中心部に向かい、中
心部に達した段階で下降あるいは上昇し、今度は外周部
に向かって螺旋状に旋回しながら流れ、外周部に達した
ら第1または第2液室201、202に放出される。螺
旋状の通路は、中心部に近い程流路断面積が狭くなるよ
うに形成されており、中央に向かう部分が縮流部242
を構成し、中央から外周に向かう部分は拡大部243を
構成し、式(2)の断面の変化率は、本実施例において
は0.11に設定してあり、流路内で生ずる流動損失を
著しく小さくした。
【0055】可動流路壁251の下部には、上下方向に
変位を制御するための駆動装置206が配設されてい
る。図17において示すように、流路の上下方向の隙間
hを変更することにより、マウント特性を調整するもの
である。これに伴い第2液室201と空気室222とを
区画する外周部をサンドイッチ構造で挟持されたダイア
フラム220の中央部に駆動装置206と可動流路壁と
を連結する駆動棒261を介挿する穴部を設けて、駆動
棒261に対して相対的に動ける構成にしてある。
【0056】上記構成より成る第3実施例装置は、流路
240を2段の螺旋構造で構成したことにより、狭いス
ペースに長い流路を効率よく形成して、流動損失を低レ
ベルに維持した状態で低い周波数の液体共振を実現する
ため、低い周波数領域の振動を有効に防振するという効
果を奏するとともに、駆動装置206を軸方向に配設し
たので、半径方向の寸法を小さくすることが出来るとい
う効果を奏する。
【0057】(第4実施例)以上に示した構造では、流
路を流れる振動流に対して、常に同一の流路を往復する
構造であるが、第4実施例では、図22および図23に
示すように独立した2つの流路310、320を設け、
流れ方向に対して流路を選択する構造とする。すなわ
ち、第1液室301から第2液室302に流体が流れる
時は逆止弁等の第1の手段303により流路310の流
れを閉塞し、流入孔306より流路310のみを流れ流
出孔307を介して流出する(矢符ADで示す)ように
し、逆に、第2液室302から第1液室301に流体が
流れる時は第2の手段304により流路310の流れを
307において閉じ、流入孔308より流体は流路32
0を流れ流出孔309を介して流出する(矢符AUで示
す)。しかも、図22に示すように流路の形状は流体の
流れる方向に対して常に拡大する構造とし、流路断面積
を徐々に拡大する形状とし流体の流動損失を出来るだけ
小さくすることができる。さらに各流路の断面積を変更
する手段は上記第1〜3実施例と同様に移動手段(図示
せず)により移動壁305の移動により行うものであ
る。
【0058】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲に記載の思想に反しない限り変更お
よび付加が可能である。
【0059】例えば、上記実施例において、縮流部と拡
大部を連続する連通路の流路において対称に形成した
が、例えばエンジンマウント以外の用途等においても、
縮流部と拡大部とを略対称や非対称に形成することも可
能である。
【0060】上記第2実施例において、太鼓状の部材の
移動により変形壁を拡開する例について説明したが、こ
れに限らず変形壁を構成する部材を一様の厚さのゴム状
の容器で構成し、供給する油圧を制御することにより全
体にわたり一様に断面積の変化をさせることも可能であ
り、容器のゴム壁の厚さを変化させ部分的に膨張変形量
を多くしたり少なくしたりすることにより、振動周波
数、振動形態に応じて部分的な特性を持たせることも可
能である。
【0061】第1実施例の駆動装置は、ソレノイド装置
により移動部材を移動させたが、油圧その他の流体圧装
置による油圧、流体圧により移動させても良い。
【0062】上記実施例においては、第1および第2液
室に封入する非圧縮性流体の一例として不凍液を充填し
たが、その他のものでも同様の性質を有するものであれ
ば利用可能である。
【0063】上記実施例においては、コントローラとし
てマイクロコンピュータを用いたものについて説明した
が、同様な機能を奏するアナログ、またはディジタルで
動作するハード回路を採用することも可能である。
【0064】さらに、上記実施例においては、一例とし
て自動車のエンジンマウントに適用した例について述べ
たが、鉄道、産業車輛、その他工場内における各種振動
を発生する装置のマウントに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例装置を示す図2のG−G線
に沿う縦断面図である。
【図2】第1実施例装置の図1におけるI−I線に沿う
横断面図である。
【図3】第3発明をエンジンの防振装置に適用した場合
の振動モデルを示す説明図である。
【図4】第3発明の振動モデルの等価モデルを示す説明
図である。
【図5】第3発明の等価モデルの加振実験を示す説明図
である。
【図6】第3発明の等価モデルの加振実験における周波
数と絶対ばね定数との関係を示す特性図である。
【図7】従来装置の等価モデルの加振実験における周波
数と絶対ばね定数との関係を示す特性図である。
【図8】第3発明の等価モデルの加振実験におけるマウ
ント単体の入力変位に対する力の位相差の変化を示した
特性図である。
【図9】従来装置の等価モデルの加振実験におけるマウ
ント単体の入力変位に対する力の位相差の変化を示した
特性図である。
【図10】第1実施例の第1変形例を示す固定中板部材
他の断面図である。
【図11】同第2変形例を示す固定中板部材他の断面図
である。
【図12】同第3変形例を示す固定中板部材他の断面図
である。
【図13】図12におけるA−A線に沿う断面図であ
る。
【図14】図12におけるB−B線に沿う断面図であ
る。
【図15】第2実施例を示す固定中板、変形部材他を示
す断面図である。
【図16】第3実施例を示す縦断面図である。
【図17】第3実施例を示す一部欠截斜視図である。
【図18】図17におけるC−C線に沿う横断面図であ
る。
【図19】図17におけるD−D線に沿う横断面図であ
る。
【図20】第1従来装置を示す平面図である。
【図21】第2従来装置を示す縦断面図である。
【図22】第4実施例を示す断面図である。
【図23】図22におけるE−E線に沿う横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 第1液室 2 第2液室 3 仕切部材 4 連通路 5 移動壁 6 駆動装置 20 ダイアフラム 40 流路 42 縮流部 43 拡大部 50 移動部材 61 駆動棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 明教 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 吉田 一徳 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 斉藤 邦夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 竹内 啓祐 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 前野 隆 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 竹尾 茂樹 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部を弾性壁で形成した第1
    液室および第2液室と、 第1および第2液室との間に配置された仕切部材と、 仕切部材内に形成され、第1液室と第2液室とを連通す
    る流路を有するとともに、該流路内で生ずる液体共振を
    利用して被支持体の振動を減衰させる連通路と、 前記流路の断面積が流路の流れ方向に対して少なくとも
    徐々に拡大する拡大部を形成した流路壁と、 流路壁の少なくとも一部が移動して流路面積を変化させ
    得る移動壁とから成ることを特徴とする液封入型防振装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記流路壁の拡大部の上流に徐々に流路の断面積が減少
    する縮流部を形成したことを特徴とする液封入型防振装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記流路の縮流部と拡大部とを流路の流れ方向において
    対称に形成するとともに、 前記移動壁を移動させる移動手段を付加したことを特徴
    とする液封入型防振装置。
JP35998791A 1991-12-28 1991-12-28 液封入型防振装置 Pending JPH05180264A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101612375B1 (ko) * 2015-05-11 2016-04-27 현대자동차주식회사 액티브마운트

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