JPH05178057A - 車輪のキャンバ角制御装置 - Google Patents

車輪のキャンバ角制御装置

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JPH05178057A
JPH05178057A JP36048991A JP36048991A JPH05178057A JP H05178057 A JPH05178057 A JP H05178057A JP 36048991 A JP36048991 A JP 36048991A JP 36048991 A JP36048991 A JP 36048991A JP H05178057 A JPH05178057 A JP H05178057A
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JP
Japan
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camber angle
vehicle
wheel
stroke
control
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Withdrawn
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JP36048991A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Miichi
善紀 見市
Kunio Nakagawa
邦夫 中川
Hiroyuki Shinoda
浩行 篠田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自動車における車輪のキャンバ角
を走行状況に応じて自動的に制御するのに用いて好適の
車輪のキャンバ角制御装置に関し、外乱に対する車両の
挙動を安定させることができるようにすることを目的と
する。 【構成】 車両にそなえられた車輪のキャンバ角を調整
するアクチュエータ2〜8と、該車両のサスペンション
のストロークを検出するストローク検出手段36と、該
アクチュエータ2〜8の作動を制御する制御手段32と
をそなえ、制御手段32を、ストローク検出手段36か
らのストローク情報からストローク変化に応じたキャン
バ角変化を求めこのキャンバ角変化を相殺してキャンバ
角が基準状態に維持されるようにアクチュエータ2〜8
の制御を行なうように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車における車輪の
キャンバ角を走行状況に応じて自動的に制御するの用い
て好適の、車輪のキャンバ角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両のキャンバ角
を走行状況に応じて自動的に制御する装置が提案されて
おり、かかる装置としては、例えば特開昭57−536
13号または特開昭62−125952号公報に示され
るものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両に横風
等の外乱が加わるとどうしても車両の走行安定性を損ね
やすい。そこで、従来は、横風等の外乱に対して車両が
あまり不安定な挙動をとらないように、サスペンション
自体の設定や、ボディ形状の工夫等を施しているが、か
かる手段では、車両の設計上の制約を受けるので十分な
対策にはならなかった。
【0004】そこで、横風等の外乱に対するより効果の
ある対策を開発したい。本発明は、上述の課題に鑑みて
なされたもので、外乱に対する車両の挙動をより安定さ
せることができるようにした、車輪のキャンバ角制御装
置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の車輪
のキャンバ角制御装置は、車両にそなえられた車輪のキ
ャンバ角を調整するアクチュエータと、該車両のサスペ
ンションのストロークを検出するストローク検出手段
と、該アクチュエータの作動を制御する制御手段とをそ
なえ、上記制御手段が、上記ストローク検出手段からの
ストローク情報からストローク変化に応じたキャンバ角
変化を求めこのキャンバ角変化を相殺してキャンバ角が
基準状態に維持されるように上記アクチュエータを制御
するように構成されていることを特徴としている。
【0006】
【作用】上述の本発明の車輪のキャンバ角制御装置によ
れば、例えば車両が走行中に横風を受けたときなどは、
該車両のサスペンションのストロークが変化してキャン
バ角変化を生じるが、このような時には、制御手段が、
ストローク情報からストローク変化に応じたキャンバ角
変化を求めこのキャンバ角変化を相殺してキャンバ角が
基準状態に維持されるように上記アクチュエータを制御
する。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例として
車輪のキャンバ角制御装置について説明すると、図1は
その全体を模式的に示す構成図、図2はそのアクチュエ
ータの装着例を示す車体の要部正面図、図3はその動作
を説明するフローチャート、図4はそのコントローラの
ROMに記憶されている横風制御用の舵角−キャンバ角
マップを示す図、図5はその舵角対応キャンバ角変化を
示す図、図6はそのストローク対応キャンバ角変化を示
す図、図7はそのコントローラのROMに記憶されてい
る前輪旋回制御用の舵角−キャンバ角マップを示す図、
図8はそのコントローラのROMに記憶されている後輪
旋回制御用の舵角−キャンバ角マップを示す図である。
【0008】図1において、符号2は左前輪のキャンバ
角を調整するアクチュエータ、4は右前輪のキャンバ角
を調整するアクチュエータ、6は左後輪のキャンバ角を
調整するアクチュエータ、8は右後輪のキャンバ角を調
整するアクチュエータである。これらのアクチュエータ
2〜8は油圧シリンダにより構成され、サスペンション
に対して具体的には例えば図2に示すように設けられ
る。
【0009】すなわち、図2は自動車の正面視図である
が、ストラット型サスペンションのストラットSの上端
と車体Fとの間にアクチュエータA(=2〜8)を介装
し、同アクチュエータAを伸長または収縮させることに
よってストラットSの上端位置を車幅方向に変位させ
て、これにより各車輪Wのキャンバ各θを調整可能とし
ているものである。
【0010】各アクチュエータ2,4,6及び8は夫々
電磁式の制御弁10,12,14及び16により駆動さ
れる。各制御弁10,12,14及び16は、供給路1
8を介してポンプ20に接続されるとともに、排出路2
2を介してオイルリザーバ24に接続されている。ポン
プ20は図示しないエンジン等により駆動されオイルリ
ザーバ24内のオイルを吸引して供給路18へ吐出する
ものである。また、供給路18には、アキュムレータ2
6が接続されるとともに、リリーフ弁28を介してリザ
ーバ24が接続されており、これにより供給路18が設
定圧に保たれるようになっている。
【0011】各制御弁10,12,14及び16は、駆
動回路30からの各制御信号により、各アクチュエータ
2〜8へのオイルの給排を禁止してロックする第1位置
と、各アクチュエータ2〜8が伸長する方向(ポジティ
ブキャンバ方向)にオイルを給排する第2位置と、各ア
クチュエータ2〜8が縮小する方向(ネガティブキャン
バ方向)にオイルを給排する第3位置とを個々にとるこ
とができる。
【0012】32は駆動回路30へ制御信号を出力する
制御手段としてのコントローラであり、このコントロー
ラ32は、後述する各センサから入力される信号に基づ
いて所定のプログラム処理を行ない、駆動回路30へ制
御信号を出力するもので、特に、このコントローラ32
には、各車輪のキャンバ角を設定するキャンバ角設定部
(図示省略)と、アクチュエータを制御するキャンバ角
制御部(図示省略)とを有している。
【0013】このため、コントローラ32内には、上記
所定のプログラム及びこのプログラム処理に用いるマッ
プ(図4〜8参照)を記憶したROM34,更に図示し
ないが各センサから出力信号を入力するための入力回
路、プログラムに沿った演算及び処理を実行するための
CPU、RAMおよび出力回路並びにこれら各エレメン
ト間のインターフェイスをそなえている。
【0014】上述した各センサとしては、車両のサスペ
ンションのストロークを検出するストローク検出手段と
してのストロークセンサ36と、図示しないステアリン
グホイールの操舵角を検出する操舵検出手段としての操
舵センサ38と、車速を検出する車速センサ40と、左
前輪のアクチュエータ2のストローク位置を検出する変
位センサ42と、右前輪のアクチュエータ4のストロー
ク位置を検出する変位センサ44と、左後輪のアクチュ
エータ6のストローク位置を検出する変位センサ46
と、右後輪のアクチュエータ8のストローク位置を検出
する変位センサ48と、各車輪毎に荷重を測定する荷重
センサ(図示省略)と、横加速度センサ(図示省略)と
が設けられている。
【0015】そして、このコントローラ32では、例え
ば図3のフローチャートに示すような処理を実行するよ
うになっている。つまり、コントローラ32は、図示し
ないエンジンスイッチ(イグニッションスイッチ)のオ
ンと共に図3に示すフローチャートに従うプログラム処
理を実行するようになっている。
【0016】すなわち、まず、ステップS1において初
期設定、つまりプログラム処理に必要な所定メモリ領域
をゼロクリアあるいは初期値とする。次いで、ステップ
S2では各センサ37〜48の出力を読み込み、所定メ
モリ領域に記憶する。次いでステップS3に進み、ステ
ップS2で記憶した車速Vが設定車速V0 (例えば、1
0〜20km/h)以上であるか判定する。
【0017】ステップS3で「NO」とされる低速走行
時には、ステップS10に進んで、アクチュエータ2〜
8のキャンバ角調整の目標値として基準変位位置を設定
する。つまり、キャンバ角の特別な制御は行なわない。
なお、このキャンバ角の基準値は、通常走行時にその車
両が十分な直進安定性とともに十分な旋回性能を有する
ように設定される。
【0018】ステップS3で「YES」であると、ステ
ップS4へ進み、ステップS2で記憶した操舵角δの大
きさ(つまり、|δ|)が予め設定された操舵角δ0
上であるか判断する。なお、この操舵角δ0 は、直進走
行時にハイドルを動かす範囲程度の微小な値(例えば3
0deg)に設定されており、操舵角δが操舵角δ0
上でないときには、直進走行していると判断し、操舵角
δが操舵角δ0 以上であれは、ドライバが操舵操作を行
なっていると判断する。
【0019】そして、ステップS4で「YES」とされ
る旋回時には、ステップS5に進んで、操舵角δによる
キャンバ角変化を求める。これは、例えば図5に示すよ
うなマップにより操舵角δに対応して求めることができ
る。さらに、ステップS6に進んで、ストロークHによ
るキャンバ角変化を求める。これは、例えば図6に示す
ようなマップによりストロークHに対応して求めること
ができる。
【0020】そして、ステップS7に進んで、旋回制御
のためのアクチュエータ2〜8の目標値を設定する。つ
まり、旋回制御では、図7及び図8に示すようなマップ
に基づいて舵角の大きさに応じて目標キャンバ角を設定
して、上述の操舵角δによるキャンバ角変化とストロー
クHによるキャンバ角変化を考慮して、アクチュエータ
2〜8の目標値を設定する。即ち、操舵角δによるキャ
ンバ角変化とストロークHによるキャンバ角変化とを加
えたものが現在のキャンバ角であり、現在のキャンバ角
から目標キャンバ角までキャンバ調整されるように、ア
クチュエータ2〜8の目標駆動量を設定するのである。
【0021】図7に示す舵角−キャンバ角マップを説明
すると、これは、前輪側のマップであり、前輪のうち内
輪のキャンバ角は、舵角の増大にしたがってキャンバ角
がポジティブ側に増大して、この増加率も舵角の増大に
したがって大きくなっている。また、前輪のうち外輪の
キャンバ角は、これとは逆に、舵角の増大にしたがって
キャンバ角がネガティブ側に増大して、この増加率も舵
角の増大にしたがって大きくなっている。
【0022】図8に示す舵角−キャンバ角マップを説明
すると、これは、後輪側のマップであり、後輪のうち内
輪のキャンバ角は、舵角の小さい領域ではネガティブ側
になるが、舵角の増大にしたがってポジティブ側に増大
して、途中で舵角がG1 となったところでポジティブ側
になってさらに増大する。この増加率も舵角の増大にし
たがって大きくなっている。
【0023】また、後輪のうち外輪のキャンバ角は、こ
れとは逆に、舵角の小さい領域ではポジティブ側になる
が、舵角の増大にしたがってネガティブ側に増大して、
途中で舵角がG1 となったところでネガティブ側になっ
てさらに増大する。この増加率も舵角の増大にしたがっ
て大きくなっている。なお、図7,図8のマップにおい
て、「内輪」及び「外輪」は、旋回時におけるもので、
操舵方向や横加速度方向に基づいて判定できる。
【0024】また、図7中に記載したように、車速Vの
大きさに応じて、舵角に対する旋回時のキャンバ角の設
定特性を調整することも考えられる。一方、ステップS
4で「NO」とされる直進時には、ステップS8に進ん
で、ストロークHによるキャンバ角変化を求める。これ
は、例えば図6に示すようなマップによりストロークH
に対応して求めることができる。
【0025】そして、ステップS9に進んで、横風制御
のためのアクチュエータ2〜8の目標値を設定する。な
お、ここで、横風制御といっているのは横風に代表され
る外乱に対して車両の走行安定性を確保しようとする制
御であり、外乱対策制御ということもできる。この横風
制御(外乱対策制御)では、図4のマップに示すよう
に、舵角の大きさによらず常に基準キャンバ角(この例
ではゼロキャンバ)を目標キャンバ角に設定して、上述
のストロークHによるキャンバ角変化を考慮して、アク
チュエータ2〜8の目標値を設定する。即ち、ストロー
クHによるキャンバ角変化により現在のキャンバ角がわ
かり、現在のキャンバ角から目標キャンバ角である基準
キャンバ角(ゼロキャンバ)までキャンバ調整されるよ
うに、アクチュエータ2〜8の目標駆動量を設定するの
である。
【0026】この横風制御(外乱対策制御)で基準キャ
ンバ角を維持させようとするのは、車両に横風等の外乱
が作用すると、サスペンションのストロークHが変化し
てキャンバ角の変化を招くが、例えば横風が突然車両に
作用した場合など、このキャンバ角変化が操縦フィーリ
ングを悪化させることがある。そこで、外乱が作用して
も、基準キャンバ角を維持させて、車両の走行安定化と
操縦フィーリングの向上を図っているのである。
【0027】こうして、ステップS7又はS9又はS1
0で各アクチュエータ2,4,6,8の目標値が設定さ
れると、ステップS11に進んで、コントローラ32を
通じて各アクチュエータ2,4,6,8の駆動量をこの
各目標値(目標駆動量)に一致させるように制御信号を
出力して、各アクチュエータ2,4,6,8を作動させ
て、各車輪Wのキャンバ角θが目標値となるようにスト
ラットSの上端位置を車幅方向に駆動する。
【0028】即ち、具体的には、まず、ステップS2で
記憶した各アクチュエータ2〜8のストローク位置がス
テップS7又はS9又はS10で設定された各輪の目標
値に一致しているかが判定されて、アクチュエータ2〜
8の中で目標値に一致しているアクチュエータについて
はそのアクチュエータをそのままロックするように、つ
まり、制御弁10〜16の中で対応する制御弁を上記の
第1の位置に制御すべく駆動回路30へ制御信号を出力
する。
【0029】また、アクチュエータ2〜8の中で目標値
に一致していないアクチュエータについてはそのストロ
ーク位置が目標値に一致するように、制御弁10〜16
の中で対応する制御弁を上記の第1の位置に制御すべく
駆動回路30へ制御信号を出力する。つまり、アクチュ
エータを伸長させる必要があれば、対応する制御弁を上
記の第2の位置に制御するように制御信号を出力し、そ
のアクチュエータを収縮させる必要があれば、対応する
制御弁を上記の第3の位置に制御するように制御信号を
出力する。
【0030】このようにして、ステップS11の処理を
終えると、再びステップS2へ戻り、上述のステップS
2以降の処理が繰り返される。したがって、走行中に
は、車速,横加速度及び車体のロール状態に基づいて、
各アクチュエータ2〜8による各車輪Wのキャンバ各制
御が所定の周期で連続的に行なわれる。なお、ステップ
S2以降の処理の繰り返しは、コントローラ32内のC
PU等の能力にもよるが、1サイクルを数ms程度とし
て行なわれる。このように構成された本実施例の車輪の
キャンバ角制御装置によれば、低速走行時には、予め設
定された基準値により適当な直進安定性と適当な旋回性
能とが確保される。例えばキャンバ角の基準値をニュー
トラル状態に近いものに設定すると、ステア特性もニュ
ートラルに近く設定される。
【0031】これにより、低速走行時の走行性能が十分
に確保される。また、この低速走行時(V<V0 時)に
は、キャンバ角を基準値に固定しておき特別にキャンバ
角調整を行なわないので、この領域での制御頻度を減ら
すことができる。さらに、キャンバ角が基準値以外に制
御された状態で停車すると、停車中の各輪のキャンバ角
が不自然になったり、各輪のタイヤに偏った力が長時間
作用してしまう等の不具合が生じるが、この装置では、
低速走行時にキャンバ角を基準値にするので、停車時に
は常にキャンバ角が基準値とされ、上述の不具合が回避
される。
【0032】さらに、車速Vが増加して、設定車速V0
以上になって、操舵操作されると、旋回制御が行なわれ
る。この旋回制御は、図7,8に示すようなマップに基
づき、舵角(δ)の大きさに応じて目標キャンバ角を設
定するが、舵角が設定された舵角δ1 よりも小さい場合
には、旋回内側(内輪)の前輪及び旋回外側(外輪)の
後輪の各キャンバ角がポジティブ側に設定され、旋回外
側(外輪)の前輪及び旋回内側(内輪)の後輪の各キャ
ンバ角がネガティブ側に設定される。
【0033】これにより、ヨー運動の小さい時には、各
輪のキャンバスラスト力が協同して、旋回方向に車両を
回頭させるように作用して、旋回し易くなる。つまり、
ステアリングホイールの操舵に対する車両の旋回応答性
が向上する所謂オーバステアに近づくのである。この一
方で、舵角が設定された舵角δ1 よりも大きい場合に
は、旋回内側の前輪及び後輪の各キャンバ角がポジティ
ブ側に設定され、旋回外側の前輪及び後輪の各キャンバ
角がネガティブ側に設定される。
【0034】これにより、ヨー運動が大きくなると、各
輪のキャンバスラスト力が、旋回方向への車両の回頭を
加勢するようには作用しないが、旋回時の車両の走行安
定性を高めるように作用する。つまり、ステアリングホ
イールの操舵に対する車両の旋回応答性については低下
する所謂アンダステアに近づくが、旋回時のロール等を
抑制するような旋回時の車両の姿勢安定性が高められ
て、旋回限界が高められる。
【0035】ところで、舵角が大きくなるのは、ステア
リングホイールを大きく切り込んだり車速を上げるなど
したときであり、この旋回制御では、このようなときに
は、車両が強オーバステアになる前にアンダステア側へ
ステア傾向を変更しようとしているのである。したがっ
て、舵角G1 の基準値は、この目的を達成できるように
車両のステア特性に応じて設定される。
【0036】一方、車速Vが設定車速V0 以上になって
の直進走行時には、横風制御(外乱対策制御)が行なわ
れる。この横風制御(外乱対策制御)は、車両に横風等
の外乱が作用しても、キャンバ角を基準キャンバ角に維
持させる制御である。つまり、車両に横風等の外乱が作
用すると、サスペンションのストロークHが変化してキ
ャンバ角の変化を招き、例えば横風が突然車両に作用し
た場合など、このキャンバ角変化が操縦フィーリングを
悪化させることがある。これに対して、本制御では、外
乱が作用しても基準キャンバ角が維持されるので、車両
の走行安定性が向上し、操縦フィーリングも向上する。
【0037】なお、上述の各輪の基準キャンバ角は、そ
の車両の特性に応じて、例えば前輪側は若干ポジティブ
に後輪側は若干ネガティブに設定する等、通常走行に最
適な値に設定されるものである。また、図7,8等の各
マップはコントローラ32のROM34に記憶されたも
のであるが、この値は、高い制御効果が得られるように
その車両の特性に合わせて実験により定められるもので
ある。
【0038】なお、図4,7,8では、舵角に対応して
目標キャンバ角を設定しているが、舵角に換えて、車両
に加わるヨーレイト又は横加速度に対応して目標キャン
バ角を設定するように構成してもよい。また、例えば各
車輪と車体側部材とが接近している等の理由により各車
輪のキャンバ角制御の範囲が限定されてしまう場合等に
は、該キャンバ角制御をポジティブ側の範囲でのみ実行
するように構成したり、ネガティブ側の範囲でのみ実行
するように構成したり、あるいはポジティブ側及びネガ
ティブ側の両範囲に亘って実行するように構成すること
も可能である。
【0039】そして、前輪のみまたは後輪のみについ
てキャンバ角制御を実行するように構成したり、平面
視における一対角線上に位置する車輪についてのみキャ
ンバ角制御を実行するように構成することも可能であ
る。この場合は、更に、前輪のみまたは後輪のみにつ
いてキャンバ角制御を行なうアクチュエータを設け、走
行状態によって左右輪の一方についてのみキャンバ角制
御を実行するように構成することも可能である。
【0040】なお、図1に示すコントローラ32は、そ
のROM34を交換できるように構成されており、この
ため所要のロール角−キャンバ角マップや車速−補正係
数マップを記憶させたROMを用意することにより、該
ROMの交換のみで特性の異なる車両に実施することが
できる。上述した実施例におけるサスペンションは何れ
もストラットタイプであるが、他のタイプのサスペンシ
ョンであっても車輪支持部材と車体との間にアクチュエ
ータを介装することによって車輪のキャンバ角を制御で
きるタイプのサスペンションであれば、本発明を容易に
適用することができる。
【0041】また、アクチュエータも上記実施例のよう
な油圧式のものに限らず例えば電動式のアクチュエータ
を採用することも可能である。さらに、このような車輪
のキャンバ角制御装置は、例えば4輪操舵装置や4輪駆
動における駆動力配分装置等の他のトラクション装置と
併用することも考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車輪のキ
ャンバ角制御装置によれば、車両にそなえられた車輪の
キャンバ角を調整するアクチュエータと、該車両のサス
ペンションのストロークを検出するストローク検出手段
と、該アクチュエータの作動を制御する制御手段とをそ
なえ、上記制御手段が、上記ストローク検出手段からの
ストローク情報からストローク変化に応じたキャンバ角
変化を求めこのキャンバ角変化を相殺してキャンバ角が
基準状態に維持されるように上記アクチュエータを制御
するように構成されていることにより、車両が例えは横
風などの外乱を受けた時には適切にキャンバ角を制御で
き、横風に対する車両の挙動の安定化をより確実に行な
えるようになり、車両の走行性能や操縦フィーリングの
向上に寄与しうる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置の全体を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置のアクチュエータの装着例を示す車体の要部正面
図である。
【図3】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置の横風制御用横加速度−キャンバ角マップを示す
図である。
【図5】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置をそなえた車両の舵角対応キャンバ角変化の例を
示す図である。
【図6】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置をそなえた車両のストローク対応キャンバ角変化
の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置の前輪旋回制御用の舵角−キャンバ角マップを示
す図である。
【図8】本発明の一実施例としての車輪のキャンバ角制
御装置の後輪旋回制御用の舵角−キャンバ角マップを示
す図である。
【符号の説明】
2,4,6,8,A キャンバ角を調整するアクチュエ
ータ 10,12,14,16 電磁式の制御弁 18 供給路 20 ポンプ 22 排出路 24 オイルリザーバ 26 アキュムレータ 28 リリーフ弁 30 駆動回路 32 制御手段としてのコントローラ 34 コントローラ32内のROM 36 ストローク手段としてのストロークセンサ 38 操舵センサ 40 車速センサ 42,44,46,48 変位センサ F 車体 S ストラット型サスペンションのストラット W 車輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両にそなえられた車輪のキャンバ角を
    調整するアクチュエータと、該車両のサスペンションの
    ストロークを検出するストローク検出手段と、該アクチ
    ュエータの作動を制御する制御手段とをそなえ、上記制
    御手段が、上記ストローク検出手段からのストローク情
    報からストローク変化に応じたキャンバ角変化を求めこ
    のキャンバ角変化を相殺してキャンバ角が基準状態に維
    持されるように上記アクチュエータを制御するように構
    成されていることを特徴とする、車輪のキャンバ角制御
    装置。
JP36048991A 1991-12-31 1991-12-31 車輪のキャンバ角制御装置 Withdrawn JPH05178057A (ja)

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JP36048991A JPH05178057A (ja) 1991-12-31 1991-12-31 車輪のキャンバ角制御装置

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