JPH05177313A - 双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法 - Google Patents
双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法Info
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- JPH05177313A JPH05177313A JP155492A JP155492A JPH05177313A JP H05177313 A JPH05177313 A JP H05177313A JP 155492 A JP155492 A JP 155492A JP 155492 A JP155492 A JP 155492A JP H05177313 A JPH05177313 A JP H05177313A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 双ロール式薄板製造において、双ロールで形
成した薄肉鋳片を割れや破断を起さずに搬送し、巻取る
ことを目的とする。 【構成】 双ロールで形成した薄肉鋳片を回動するベル
トによって搬送し、次いで搬送終端部における該鋳片の
温度を測定し、該鋳片温度を該鋳片の凝固完了温度より
50℃以上低い温度になるように調整しつゝ冷却して、
回動するベルトと鋳片巻取り具との間に挟込んで巻取
り、極力鋳片に作用する張力を小さくする。
成した薄肉鋳片を割れや破断を起さずに搬送し、巻取る
ことを目的とする。 【構成】 双ロールで形成した薄肉鋳片を回動するベル
トによって搬送し、次いで搬送終端部における該鋳片の
温度を測定し、該鋳片温度を該鋳片の凝固完了温度より
50℃以上低い温度になるように調整しつゝ冷却して、
回動するベルトと鋳片巻取り具との間に挟込んで巻取
り、極力鋳片に作用する張力を小さくする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は双ロール式薄板鋳造にお
ける薄板鋳片の製造に関し、特に製造された薄板鋳片の
巻取り方法に関する。
ける薄板鋳片の製造に関し、特に製造された薄板鋳片の
巻取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】双ロール式連続鋳造法においては、軸が
平行に置かれた一対の回転冷却ロール間に金属溶湯の湯
溜りを形成し、冷却ドラムの間隔を調整して任意の厚さ
の鋳片を鋳造する。従って、ほぼ最終製品厚に近い厚
さ、例えば1〜3mm程の厚さの薄い金属薄板の鋳片を得
ることができ、また、冷却ロールから出てきた鋳片が脆
弱である成分、例えばNi−50重量%Cu合金からな
る鋳片を製造することもできる。
平行に置かれた一対の回転冷却ロール間に金属溶湯の湯
溜りを形成し、冷却ドラムの間隔を調整して任意の厚さ
の鋳片を鋳造する。従って、ほぼ最終製品厚に近い厚
さ、例えば1〜3mm程の厚さの薄い金属薄板の鋳片を得
ることができ、また、冷却ロールから出てきた鋳片が脆
弱である成分、例えばNi−50重量%Cu合金からな
る鋳片を製造することもできる。
【0003】かかる技術における鋳片の巻取り方法は特
開昭62−286651号公報又は特開平1−1308
47号公報などで開示されているように、得られた鋳片
をピンチロールや搬送用ローラーを経てボビンやリール
などの巻取り具を使用した巻取り装置(コイラー)で巻
取っている。すなわち、双ロール鋳造では一般に溶融金
属を凝固させて薄板にするための双ロールの他に、鋳片
を搬送するための搬送ローラー、ピンチロール、段差ロ
ール、及び鋳片を巻取るためのコイラーが使われてい
る。鋳造前にダミーシートを双ロールからコイラーまで
の区間に設置しておき、鋳造初期に鋳片とダミーシート
を接合し、双ロールから出てきた鋳片をダミーシートで
引っ張りながら搬送し、コイラーのボビンに巻取る。鋳
片をボビンにうまく巻くために、通常、段差ロールを使
ってピンチロールとボビンの間の鋳片に張力を作用させ
て巻取っている。
開昭62−286651号公報又は特開平1−1308
47号公報などで開示されているように、得られた鋳片
をピンチロールや搬送用ローラーを経てボビンやリール
などの巻取り具を使用した巻取り装置(コイラー)で巻
取っている。すなわち、双ロール鋳造では一般に溶融金
属を凝固させて薄板にするための双ロールの他に、鋳片
を搬送するための搬送ローラー、ピンチロール、段差ロ
ール、及び鋳片を巻取るためのコイラーが使われてい
る。鋳造前にダミーシートを双ロールからコイラーまで
の区間に設置しておき、鋳造初期に鋳片とダミーシート
を接合し、双ロールから出てきた鋳片をダミーシートで
引っ張りながら搬送し、コイラーのボビンに巻取る。鋳
片をボビンにうまく巻くために、通常、段差ロールを使
ってピンチロールとボビンの間の鋳片に張力を作用させ
て巻取っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらかゝる巻
取り方法においては、ピンチロールとボビンの間にあ
る鋳片に張力が作用するため、双ロールから出てきた高
温の鋳片の搬送・巻取り中に、鋳片の割れや破断を生じ
易いこと、鋳造前にダミーシートを設置する手間がか
かること、ピンチロールや段差ロールの設備が必要な
ため製造コストが高くなること、などの問題点がある。
取り方法においては、ピンチロールとボビンの間にあ
る鋳片に張力が作用するため、双ロールから出てきた高
温の鋳片の搬送・巻取り中に、鋳片の割れや破断を生じ
易いこと、鋳造前にダミーシートを設置する手間がか
かること、ピンチロールや段差ロールの設備が必要な
ため製造コストが高くなること、などの問題点がある。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するもの
で、搬送中又は巻取り中の鋳片に作用する張力を極めて
小さくし、脆弱な鋳片でも割れや破断を起さずに鋳片を
搬送、巻取ることができる巻取り方法を提供することを
目的とする。
で、搬送中又は巻取り中の鋳片に作用する張力を極めて
小さくし、脆弱な鋳片でも割れや破断を起さずに鋳片を
搬送、巻取ることができる巻取り方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
れば、双ロール式薄板鋳造において、双ロールで急冷凝
固して形成した薄肉鋳片を、双ロール直下から回動する
ベルトによって搬送し、次いで該鋳片を搬送用回動する
ベルトと鋳片巻取り具との間に挟み込んで該鋳片の凝固
温度より50℃以上低い温度で巻取ることを特徴とする
薄肉鋳片の巻取り方法によって達成される。
れば、双ロール式薄板鋳造において、双ロールで急冷凝
固して形成した薄肉鋳片を、双ロール直下から回動する
ベルトによって搬送し、次いで該鋳片を搬送用回動する
ベルトと鋳片巻取り具との間に挟み込んで該鋳片の凝固
温度より50℃以上低い温度で巻取ることを特徴とする
薄肉鋳片の巻取り方法によって達成される。
【0007】
【作用】本発明によれば、双ロールによって鋳造された
高温の薄肉鋳片を回動ベルト上に乗載し、ベルトの移動
と共に搬送し、しかるのち、ベルトコイラーで巻取るの
で鋳片に引張り応力が作用せず、従って鋳片の割れや破
断を防止することができるが、巻取り温度を凝固完了温
度より50℃以上低い温度にすると、更に効果的に巻取
り中の割れや破断を防止することができる。
高温の薄肉鋳片を回動ベルト上に乗載し、ベルトの移動
と共に搬送し、しかるのち、ベルトコイラーで巻取るの
で鋳片に引張り応力が作用せず、従って鋳片の割れや破
断を防止することができるが、巻取り温度を凝固完了温
度より50℃以上低い温度にすると、更に効果的に巻取
り中の割れや破断を防止することができる。
【0008】すなわち、上記温度範囲では鋳片のミクロ
偏析部が完全に凝固して鋳片の強度が増加するが、更に
高温脆性温度域よりも低い温度以下になると、巻取りに
対する鋳片の強度が十分になり、巻取り中に鋳片に曲げ
応力が作用しても割れや破断が生じない。従って巻取り
温度は凝固完了温度−50℃以下とする。また、鋳片の
上下面での冷却の差が大きいと、鋳片の熱収縮量が上面
側と下面側で異なってくるため、鋳片が熱変形する。こ
の熱変形を防止するために搬送用ベルトの全域に亘って
多数の孔を設け、かつ、下面側の冷却水量を多くするこ
とによってできるだけ上・下面側の冷却速度を均等にす
る。この場合、鋳片の上記孔に露呈している部分とベル
トでおおわれている部分とで冷却能の差が生ずるので、
特に鋳片が脆弱で破断し易い場合には鋳片に応力がかゝ
らない程度にベルトと鋳片の移動速度に差を設けて巻取
る。
偏析部が完全に凝固して鋳片の強度が増加するが、更に
高温脆性温度域よりも低い温度以下になると、巻取りに
対する鋳片の強度が十分になり、巻取り中に鋳片に曲げ
応力が作用しても割れや破断が生じない。従って巻取り
温度は凝固完了温度−50℃以下とする。また、鋳片の
上下面での冷却の差が大きいと、鋳片の熱収縮量が上面
側と下面側で異なってくるため、鋳片が熱変形する。こ
の熱変形を防止するために搬送用ベルトの全域に亘って
多数の孔を設け、かつ、下面側の冷却水量を多くするこ
とによってできるだけ上・下面側の冷却速度を均等にす
る。この場合、鋳片の上記孔に露呈している部分とベル
トでおおわれている部分とで冷却能の差が生ずるので、
特に鋳片が脆弱で破断し易い場合には鋳片に応力がかゝ
らない程度にベルトと鋳片の移動速度に差を設けて巻取
る。
【0009】この場合において、鋳片の速度をV1 (m
/分)、ベルトの速度をV2 (m/分)とすると、(V
2 /V1 )の比を約0.98以下にした場合に、鋳片下
面側の微細割れ防止の効果が有効に得られる。なお、
(V2 /V1 )の比を余り小さくし過ぎると、鋳片とベ
ルトの摩擦が大きくなり、鋳片に過度の引っ張り応力が
働き、搬送中の鋳片割れや破断をもたらすため、最小値
を0.8とする。
/分)、ベルトの速度をV2 (m/分)とすると、(V
2 /V1 )の比を約0.98以下にした場合に、鋳片下
面側の微細割れ防止の効果が有効に得られる。なお、
(V2 /V1 )の比を余り小さくし過ぎると、鋳片とベ
ルトの摩擦が大きくなり、鋳片に過度の引っ張り応力が
働き、搬送中の鋳片割れや破断をもたらすため、最小値
を0.8とする。
【0010】なお、ベルトの速度を鋳片の速度より大き
くすると、鋳片は巻取り速度より早く移送され、巻取り
ボビンの手前でベルトから浮き上がり、問題が生じるた
め、搬送ベルトの速度を鋳片速度より小さくして、速度
差をつける必要がある。これにより鋳片の下面側の冷却
速度をより均一化することができ、鋳片表面の微細割れ
も容易に防止することができる。
くすると、鋳片は巻取り速度より早く移送され、巻取り
ボビンの手前でベルトから浮き上がり、問題が生じるた
め、搬送ベルトの速度を鋳片速度より小さくして、速度
差をつける必要がある。これにより鋳片の下面側の冷却
速度をより均一化することができ、鋳片表面の微細割れ
も容易に防止することができる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示すもので、双ロ
ール1−1,1−2で形成した湯溜り3に溶湯を注入2
し、該溶湯を急冷凝固する。本実施例では前記双ロール
の間隔を接近して設置しているので、湯溜り3の下部か
ら溶湯が漏れることなく、該下部内の溶湯が凝固し、双
ロール1−1,1−2を矢印4の方向に回動して鋳片5
を形成する。
ール1−1,1−2で形成した湯溜り3に溶湯を注入2
し、該溶湯を急冷凝固する。本実施例では前記双ロール
の間隔を接近して設置しているので、湯溜り3の下部か
ら溶湯が漏れることなく、該下部内の溶湯が凝固し、双
ロール1−1,1−2を矢印4の方向に回動して鋳片5
を形成する。
【0012】この場合、鋳造される金属の成分によっ
て、又は安全を期して短いダミーシートを用いてもよ
い。前記双ロール直下には搬送用回動ベルト7が配設さ
れており、更に、該回動ベルト7の鋳片搬送方向に鋳片
巻取り用回動ベルト16が配設されている。搬送用回動
ベルト7はベルト回動用ロール8−1及び8−2によっ
て矢印12−1の方向に移動し、鋳片5を矢印6の方向
へ搬送する。17は鋳片5を冷却する水冷装置である。
て、又は安全を期して短いダミーシートを用いてもよ
い。前記双ロール直下には搬送用回動ベルト7が配設さ
れており、更に、該回動ベルト7の鋳片搬送方向に鋳片
巻取り用回動ベルト16が配設されている。搬送用回動
ベルト7はベルト回動用ロール8−1及び8−2によっ
て矢印12−1の方向に移動し、鋳片5を矢印6の方向
へ搬送する。17は鋳片5を冷却する水冷装置である。
【0013】鋳片巻取り用回動ベルト16はベルト回動
用ロール9、ボビン回転駆動用ロール10−1,10−
2、及びベルトサポート用ロール11−1,11−2に
よってボビンを矢印14の方向へ回転せしめつゝ、矢印
12−2の方向へ移動する。15は鋳片搬送用補助板で
あり、18は鋳片温度測定用の温度計である。前記双ロ
ール1−1,1−2で形成された鋳片5は搬送用回動ベ
ルト7によって矢印6の方向へ搬送させられ、温度計1
8で鋳片表面温度が測定されたあと、鋳片巻取り用ボビ
ン13と鋳片巻取り用回動ベルト16の間に巻込まれて
コイル状に形成される。
用ロール9、ボビン回転駆動用ロール10−1,10−
2、及びベルトサポート用ロール11−1,11−2に
よってボビンを矢印14の方向へ回転せしめつゝ、矢印
12−2の方向へ移動する。15は鋳片搬送用補助板で
あり、18は鋳片温度測定用の温度計である。前記双ロ
ール1−1,1−2で形成された鋳片5は搬送用回動ベ
ルト7によって矢印6の方向へ搬送させられ、温度計1
8で鋳片表面温度が測定されたあと、鋳片巻取り用ボビ
ン13と鋳片巻取り用回動ベルト16の間に巻込まれて
コイル状に形成される。
【0014】鋳片巻取り用回動ベルト16の直前に設け
られた温度計18は測定した鋳片温度を信号として制御
装置(図示せず)に入力し、該制御装置において該制御
装置に設定された冷却上限温度と比較して冷却水供給装
置(図示せず)に水量調整の指示を与え、最適の冷却温
度となる水量を水冷ノズル17から吐出せしめる。以上
の鋳片の温度制御によって、所望の温度範囲の鋳片が回
動ベルト16によってコイル状に巻取られる。ボビン回
転駆動ロール10−1,10−2は同一位置に設置され
ているので鋳片が巻込まれるに従いコイルが上昇し、こ
の上昇に応じてベルトサポート用ロール11−1,11
−2が降下してコイルに常に一定の張力がかゝるように
している。
られた温度計18は測定した鋳片温度を信号として制御
装置(図示せず)に入力し、該制御装置において該制御
装置に設定された冷却上限温度と比較して冷却水供給装
置(図示せず)に水量調整の指示を与え、最適の冷却温
度となる水量を水冷ノズル17から吐出せしめる。以上
の鋳片の温度制御によって、所望の温度範囲の鋳片が回
動ベルト16によってコイル状に巻取られる。ボビン回
転駆動ロール10−1,10−2は同一位置に設置され
ているので鋳片が巻込まれるに従いコイルが上昇し、こ
の上昇に応じてベルトサポート用ロール11−1,11
−2が降下してコイルに常に一定の張力がかゝるように
している。
【0015】鋳造が終了し、巻取り作業が終ると、ボビ
ン13は鋳片を巻いたまゝ巻取り装置から外され、次工
程に送られる。上記装置を用いて以下の条件によって実
施した。 (1)実施条件 (a)鋳造機:ロール径…400mm、ロール幅…350
mm、ロール材質…銅(内部水冷式) (b)搬送、巻取り: ・双ロール中央部からボビン迄の距離…7m及び12m ・ベルト幅…330mm、厚さ…約1mm、材質…鋼 ・ベルト孔面積率…0〜52%の範囲で変化 ・ボビン直径…1m、肉厚…7mm、材質…鋼(鋼管) ・ダミーシート使用せず (c)操作条件: ・鋳造速度…20〜100m/分 ・鋳片冷却…スプレー水冷、水量は上下面側とも0〜1
000l/min /m2 (d)鋳造金属 ・Ni−50wt%Cu合金(Tl −1311℃,Ts−
1246℃) ・Fe−50wt%Cu合金(Tl −1436℃,Ts−
1094℃) ・Co−70wt%Cu合金(Tl −1323℃,Ts−
1110℃) 但し、Tl −液相線温度 Ts−固相線温度 (2)実施結果 (a)巻取り直前の鋳片の温度と破断との関係;それぞ
れの鋳造金属における巻取り直前の温度と破断との関係
を図2に示す。これによると巻取り直前の鋳片温度を凝
固完了温度Te (Cuのミクロ偏析部が完全に凝固する
温度)より約50℃低い温度以下にすることによって巻
取り中の鋳片の割れや破断を無くすことができた。
ン13は鋳片を巻いたまゝ巻取り装置から外され、次工
程に送られる。上記装置を用いて以下の条件によって実
施した。 (1)実施条件 (a)鋳造機:ロール径…400mm、ロール幅…350
mm、ロール材質…銅(内部水冷式) (b)搬送、巻取り: ・双ロール中央部からボビン迄の距離…7m及び12m ・ベルト幅…330mm、厚さ…約1mm、材質…鋼 ・ベルト孔面積率…0〜52%の範囲で変化 ・ボビン直径…1m、肉厚…7mm、材質…鋼(鋼管) ・ダミーシート使用せず (c)操作条件: ・鋳造速度…20〜100m/分 ・鋳片冷却…スプレー水冷、水量は上下面側とも0〜1
000l/min /m2 (d)鋳造金属 ・Ni−50wt%Cu合金(Tl −1311℃,Ts−
1246℃) ・Fe−50wt%Cu合金(Tl −1436℃,Ts−
1094℃) ・Co−70wt%Cu合金(Tl −1323℃,Ts−
1110℃) 但し、Tl −液相線温度 Ts−固相線温度 (2)実施結果 (a)巻取り直前の鋳片の温度と破断との関係;それぞ
れの鋳造金属における巻取り直前の温度と破断との関係
を図2に示す。これによると巻取り直前の鋳片温度を凝
固完了温度Te (Cuのミクロ偏析部が完全に凝固する
温度)より約50℃低い温度以下にすることによって巻
取り中の鋳片の割れや破断を無くすことができた。
【0016】(b)搬送中の鋳片の冷却; ・搬送中の鋳片の上面だけから水冷した場合…鋳片は変
形し、巻取り時に鋳片の割れや破談が生じた。 ・孔空きベルトを使用して水冷した場合…上面側の水量
密度をQ1 (l/min/m2 )、下面側の水量密度をQ
2 (l/min /m2 )、ベルトの孔の面積率をα(−)
とすると、(α・Q2 /Q1 )≒0.5〜2.0の範囲
で上下面を水冷したところ、巻取り時の鋳片の破断や比
較的大きな割れはなかった。
形し、巻取り時に鋳片の割れや破談が生じた。 ・孔空きベルトを使用して水冷した場合…上面側の水量
密度をQ1 (l/min/m2 )、下面側の水量密度をQ
2 (l/min /m2 )、ベルトの孔の面積率をα(−)
とすると、(α・Q2 /Q1 )≒0.5〜2.0の範囲
で上下面を水冷したところ、巻取り時の鋳片の破断や比
較的大きな割れはなかった。
【0017】(c)搬送中の鋳片移送速度の調整;孔空
きベルトで水冷した場合、鋳片の下面側の前記孔に相当
する部分がよく冷却されるため、水量密度が大きいとき
に前記部分に微細な割れが生じた。そこで鋳片速度をV
1 (m/分)、ベルト速度をV2 (m/分)として、
(V 2 /V1 )≒0.8〜0.98の範囲で鋳片を移送
したところ鋳片下面側の微細割れを防止することができ
た。
きベルトで水冷した場合、鋳片の下面側の前記孔に相当
する部分がよく冷却されるため、水量密度が大きいとき
に前記部分に微細な割れが生じた。そこで鋳片速度をV
1 (m/分)、ベルト速度をV2 (m/分)として、
(V 2 /V1 )≒0.8〜0.98の範囲で鋳片を移送
したところ鋳片下面側の微細割れを防止することができ
た。
【0018】
【発明の効果】本発明は上述した如く、双ロールで鋳造
された直後の鋳片が脆弱であっても、割れや破断を起す
ことなく薄肉鋳片を搬送し、かつボビンに巻取ることが
でき、かつ、鋳造始め、ダミーシートで鋳片を搬送する
ことが不要になり、ダミーシートの設置作業の手間が省
け、またたとえロール直下で破断した場合でも途中で鋳
造を中止することなく、安定かつ安価に薄肉鋳片を鋳造
することができるようになり、その工業的効果は極めて
大きい。
された直後の鋳片が脆弱であっても、割れや破断を起す
ことなく薄肉鋳片を搬送し、かつボビンに巻取ることが
でき、かつ、鋳造始め、ダミーシートで鋳片を搬送する
ことが不要になり、ダミーシートの設置作業の手間が省
け、またたとえロール直下で破断した場合でも途中で鋳
造を中止することなく、安定かつ安価に薄肉鋳片を鋳造
することができるようになり、その工業的効果は極めて
大きい。
【図1】本発明の装置の一実施例を示す概略正面図であ
る。
る。
【図2】各種成分鋼鋳片の巻取り直前の温度と鋳片の割
れ破断との関係を示す図である。
れ破断との関係を示す図である。
1−1,1−2…双ロール 2…流入溶湯流 3…湯溜り 4…双ロールの回転方向 5…鋳片 6…鋳片の進行方向 7…搬送用回動ベルト 8−1,8−2…ベルト回動用ロール 9…ベルト回動用ロール 10−1,10−2…ボビン回転駆動用ロール 11−1,11−2…ベルトサポート用ロール 12…ベルトの進行方向 13…ボビン 14…ボビンの回転方向 15…鋳片搬送用の補助板 16…鋳片巻取り用のベルト 17…水冷ノズル 18…温度計(鋳片温度測定用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳賀 裕充 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (7)
- 【請求項1】 双ロール式薄板鋳造において、双ロール
で急冷凝固して形成した薄肉鋳片を回動するベルトによ
って搬送し、次いで該ベルト上の薄肉鋳片を回動するベ
ルトと鋳片巻取り具との間に挟込み、該鋳片の凝固完了
温度より50℃以上低い温度範囲で巻取ることを特徴と
する双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法。 - 【請求項2】 前記鋳片の搬送及び巻取りを同一の回動
ベルトで行う請求項1記載の鋳片巻取り方法。 - 【請求項3】 前記鋳片の搬送及び巻取りをそれぞれ異
なった回動ベルトで行う請求項1記載の鋳片巻取り方
法。 - 【請求項4】 前記回動ベルトを冷却しつゝ前記鋳片を
搬送及び巻取る請求項1記載の鋳片巻取り方法。 - 【請求項5】 前記搬送用回動ベルトの全域に亘り多数
の孔を設け、かつ該ベルトで搬送中の鋳片の上面側及び
下面側へ冷却剤を噴射して鋳片を冷却する請求項4記載
の鋳片巻取り方法。 - 【請求項6】 前記双ロールの間隔中央部と鋳片巻取り
具の軸中心部との間の距離を調節することにより、前記
鋳片の表面温度を該鋳片凝固温度より50℃以上低い温
度にする請求項1記載の鋳片巻取り方法。 - 【請求項7】 前記搬送用回動ベルトを該ベルトに乗載
中の鋳片の移動速度と異なった速度で回動する請求項4
記載の鋳片巻取り方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP155492A JPH05177313A (ja) | 1992-01-08 | 1992-01-08 | 双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP155492A JPH05177313A (ja) | 1992-01-08 | 1992-01-08 | 双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05177313A true JPH05177313A (ja) | 1993-07-20 |
Family
ID=11504748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP155492A Pending JPH05177313A (ja) | 1992-01-08 | 1992-01-08 | 双ロール式薄板連続鋳造における鋳片巻取り方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05177313A (ja) |
-
1992
- 1992-01-08 JP JP155492A patent/JPH05177313A/ja active Pending
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Legal Events
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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