JPH05177213A - シャドウマスク用薄板の製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用薄板の製造方法

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JPH05177213A
JPH05177213A JP34572791A JP34572791A JPH05177213A JP H05177213 A JPH05177213 A JP H05177213A JP 34572791 A JP34572791 A JP 34572791A JP 34572791 A JP34572791 A JP 34572791A JP H05177213 A JPH05177213 A JP H05177213A
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rolling
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treatment
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Hirohisa Haishi
裕久 拜司
Masaru Ishikawa
勝 石川
Tomoyuki Hirakawa
智之 平川
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング性の良好なシャドウマスク用薄板
の製造方法である。 【構成】 予め、0.8〜1.6μmRaにダル加工し
た一対のロールを単位幅荷重0.05〜2.00Ton
/mmの範囲でロール接触させ、1000回転〜100
00回転の空転動処理する。そのロールを用いて、圧下
率8〜40%で最終冷間圧延して、シャドウマスク用薄
板として要求される表面粗さを0.3〜0.8μmRa
に均一に製造する。図2はロール粗さと空転動処理回数
の関係を示す図である。0.05Ton/mm以上で、
1000回転の空転動処理後のロール粗さは、ほぼ一定
となる。転動処理によって、ロールの不要な凹凸を圧延
前に是正し、かつ、ロール粗さを変化のない状態とし、
薄板の圧延によるロールの初期磨耗を無くし、圧延コイ
ル長手方向の粗さの不均一性を0.05μmRa以内と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シャドウマスク用薄板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管には、所
定の設計基準に基づいて、フォトエッチングにより穿孔
された多数の小さな開孔を有するシャドウマスクが配設
されている。この材料としては、従来板厚0.1〜0.
3mmの薄い軟鋼板が採用されていたが、最近では低熱
膨張特性を備えた鉄−ニッケル系薄板が採用されてきて
いる。
【0003】フォトエッチングによる穿孔は、通常のワ
ークロールにより圧延した平滑な表面を有する金属薄板
にフォトレジストを塗布し、ガラス製基準パターンの真
空引き時の空気の流路を確保して行われる。この空気の
流路が十分で、且つ均一でないと、ガラス製基準パター
ンの密着性が悪く、エッチングにより穿孔された製品の
品質の低下を生じる。
【0004】そこで、シャドウマスク用薄板はこの空気
の流路確保のために、ロール表面にショットブラスト加
工や、放電加工、レーザービーム加工などにより、微細
な凹凸加工を施したダルロールを用いて圧延される。
【0005】しかし、ダルロールを用いた一回の通板の
圧延では、ダルロールによる圧延前に、通常の平滑面を
有するロールによって、圧延された際の平滑な表面が金
属薄板表面に多く残存し、ダルロール表面の凹凸機構に
よって、金属表面に転写された凹凸を呈する面の面積占
有率が小さく、表面性状の均一性に欠けるために、真空
引き時の空気の流路が十分、且つ均一に確保されない。
従って、ガラス製基準パターンの密着性が尚、十分でな
く、エッチングにより穿孔された製品の品質も未だ十分
とは言えない。
【0006】特開平2−192802号公報には、上記
の対策の一例として、「シャドウマスク用金属薄板の製
造方法」が提案されている。ここでは、ダル加工を施し
たロールで、3〜5パスの最終圧延を行うことにより、
鋼板の凹凸面面積占有率を80%にするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような特開平2−192802号公報に示す技術は、
その実施例に記載されているように、1パス当たり圧下
率は0.5〜3%と低く、所定の板厚を得るためには、
パス数が大きくなり過ぎ非能率的である。また、コイル
長手方向の粗さの均一性も十分といえず、エッチングム
ラを防止するには未だ不十分である。
【0008】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたものであり、圧延薄板のコイル長手方向の
粗さの不均一性をなくし、均一なエッチングが出来、エ
ッチングムラがない、シャドウマスク用金属薄板の製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は0.8〜1.6μmRaにダル加
工した一対のロールを単位幅荷重0.05〜2.00T
on/mmの範囲でロール接触させ、1000回転〜1
0000回転の空転動処理し、その空転動処理した一対
又は複数対のロールを用いて、圧下率8〜40%で最終
冷間圧延することを特徴とするシャドウマスク用薄板の
製造方法とするものである。
【0010】以下に本発明の限定理由を説明する。 (1)本発明で用いる転倒前のロールは0.8〜1.6
μmRaにダル加工されたものである。ロールの粗さが
1.6μmRaを超えた場合には、そのダルロールにつ
いて、いかなる転動回数の処理を行っても、そのダルロ
ールを通板した圧延後の薄板の粗さが、0.8μmRa
超えとなり、エッチング不良率が5%を超える。一方、
ロール粗さが0.8μmRa未満の場合、転動回数を1
000回転以上の処理をしても、薄板粗さが0.3μm
Ra未満となり、エッチング不良率が5%を超える。
【0011】(2)本発明では、上記のようなダル加工
した一対のロールを単位幅荷重0.05〜2.00To
n/mmの範囲でロール接触させ、1000回転〜10
000回転の空転動処理をする。後述の実施例の図2に
示すように、0.05Ton/mm以上で、1000回
転の空転動処理後のロール粗さは、ほぼ一定となる。そ
の幅荷重の最大値を2.00Ton/mmとすることに
より、ロールの凹凸の過大な除去を回避する。また、そ
の空転動処理回数の上限を10000回とすることによ
り、ロールの疲労を回避する。
【0012】上記のような転動処理によって、ロールの
不要な凹凸を圧延前に是正し、かつ、その空転動処理回
数を1000回転以上とし、ロール粗さを変化のない状
態とする。このダルロールを用いて圧延した薄板はシャ
ドウマスク用素材に要求されている表面粗さの0.3〜
0.8μmRaの範囲を満足し、また、長手方向の粗さ
のバラツキ(トップとボトムの粗さの差)を0.05μ
mRa以内とすることが出来る。
【0013】(3)本発明では、上記のような転動処理
したダルロールを用いて、圧下率8〜40%で最終圧延
を行う。後述の実施例の図3に示すように、その圧下率
が8%未満では、ロールダル目の薄板への転写(プリン
ト率)を70〜80%の範囲に安定させることが困難で
ある。その上限を40%としたのは、プリント率が横這
いであり、逆に、加工硬化による機械特性値の低下(伸
び率低下、硬度過大等)を生じることによる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。 図1は本発明の一実施例の工程を示す図である。
図において、1はロールのダル加工工程、2はダル加工
したロールの空転動処理工程を示す。
【0015】一般に、素材として、シャドウマスク用薄
板は、太矢印に示すように、連続鋳造工程3、熱延工程
4、酸洗工程5、冷延工程(粗圧延)6、焼鈍工程7、
そして最終冷延工程(仕上げ)8を経て製造される。
【0016】この場合、最終冷延工程(仕上げ)で用い
るダルロールは一般にオフラインでダル加工工程1で、
ロール表面にショットブラスト加工や、放電加工、レー
ザービーム加工などにより、微細な凹凸加工を施したダ
ル加工処理を行う。本発明では、前述したようにシャド
ウマスク用薄板の表面粗さに適した0.8〜1.6μm
Raにダル加工する。そのダル加工処理したロールは細
矢印に示すように、空転動処理工程2で空転動処理を行
い、その処理したダルロールを最終冷延工程8に用い
る。
【0017】図2はロール粗さと空転動処理回数の関係
を示す図である。図において、0.05Ton/mm以
上で、1000回転の空転動処理後のロール粗さは、ほ
ぼ一定となることがわかる。ここにおいて、○印は幅荷
重0.1トン/mm、●印は幅荷重0.03トン/m
m、△印は幅荷重0.05トン/mmの場合を示す。
【0018】その幅荷重の最大値は2.00Ton/m
mとすることにより、ロールの凹凸の過大な除去を回避
する。また、その空転動処理回数の上限を10000回
とすることにより、ロールの疲労を回避する。
【0019】上記のような転動処理によって、ロールの
不要な凹凸を圧延前に是正し、かつ、その動転処理回数
を1000回転以上とし、ロール粗さを変化のない状態
とする。これによって、このダルロールを用いて圧延し
た薄板はシャドウマスク用素材に要求されている表面粗
さの0.3〜0.8μmRaの範囲を満足し、また、長
手方向の粗さのバラツキ(トップとボトムの粗さの差)
を0.05μmRa以内とすることが出来る。即ち、薄
板の圧延によるロールの初期磨耗を無くし、圧延コイル
長手方向の粗さの不均一性を0.05μmRa以内とす
ることが出来る。
【0020】上記のような転動処理したダルロールを用
いて、圧下率8〜40%で最終圧延工程8で最終圧延を
行う。図3は圧下率とプリント率(ロール粗さと板粗さ
の比)との関係を示す図である。 図から明らかなよう
に、その圧下率が8%未満ては、ロールダル目の薄板へ
の転写(プリント率)を70〜80%の範囲に安定させ
ることが困難である。その上限を40%としたのは、プ
リント率が横這いであり、逆に、加工硬化による機械特
性値の低下(伸び率低下、硬度過大等)を生じることに
よる。
【0021】即ち、0.8〜1.6μmRaにダル加工
した一対のロールを単位幅荷重0.05〜2.00To
n/mmの範囲でロール接触させ、1000回転〜10
000回転の空転動処理し、その空転動処理した一対又
は複数対のロールを用いて、圧下率8〜40%で最終冷
間圧延することによって、シャドウマスク用薄板として
要求される表面粗さを0.3〜0.8μmRaに均一に
製造することが出来る。
【0022】本発明による実験結果を表1に示す。表2
はその時の圧延スケジュールをに示す。尚、ここでは代
表的な素材として、Fe−36%Ni合金を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1により、以下のことが明らかである。
従来の空回転処理しないロールを用いた圧延の長手方向
の粗さは、トップ、中央、ボトムで大きく異なってい
る。また、転動処理前のロール粗さが、1.6μmRa
超えの場合、転動回数の如何にかかわらず、圧延後の薄
板粗さが、0.8μmRa超えとなり、エッチング不良
率が5%を超える。
【0026】転動処理前のロール粗さが、0.8μmR
a未満の場合、転動回数が1000回転以下の場合で
も、薄板粗さが0.3未満μmRaとなり、エッチング
不良率が5%を超える。 これに対して、本発明の範囲
内では、板粗さは0.3〜0.8μmRa、また、コイ
ル長手方向のばらつきも0.05μm以内となり、エッ
チング不良率は5%未満であり、良好なエッチング性を
示している。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シャド
ウマスク用薄板の製造の最終圧延工程に、特定の空転動
処理したダルロールを用いて、圧延すると云う簡単な操
作によって、シャドウマスク用薄板として要求される薄
板表面粗さ0.3〜0.8μmRa、また、コイルトッ
プ、中央、ボトムでの粗さの差が0.05μm以内に確
保することが出来るので、その結果として、エッチング
性の良好なシャドウマスク用薄板を容易且つ安価に得る
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の工程を示す図である。
【図2】本発明によるロール粗さと空転動処理回数の関
係を示す図である。
【図3】本発明による最終圧延工程での圧下率とプリン
ト率の関係を示す。
【符号の説明】
1 ロールのダル加工工程 2 ダル加工したロールの空転動処理工程 3 連続鋳造工程 4 熱延工程 5 酸洗工程 6 冷延工程(粗圧延) 7 焼鈍工程 8 最終冷延工程(仕上げ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.8〜1.6μmRaにダル加工した
    一対のロールを単位幅荷重0.05〜2.00Ton/
    mmの範囲でロール接触させ、1000回転〜1000
    0回転の空転動処理し、その空転動処理した一対又は複
    数対のロールを用いて、圧下率8〜40%で最終冷間圧
    延することを特徴とするシャドウマスク用薄板の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016135505A (ja) * 2015-01-20 2016-07-28 日立金属株式会社 Fe−Ni系合金薄板の製造方法
WO2022054806A1 (ja) * 2020-09-10 2022-03-17 Jfeスチール株式会社 冷間圧延方法、冷間圧延設備、及び冷延鋼板の製造方法

Cited By (3)

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