JPH09316604A - スジムラの発生を抑制したFe−Ni系合金シャドウマスク素材 - Google Patents
スジムラの発生を抑制したFe−Ni系合金シャドウマスク素材Info
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- JPH09316604A JPH09316604A JP15632796A JP15632796A JPH09316604A JP H09316604 A JPH09316604 A JP H09316604A JP 15632796 A JP15632796 A JP 15632796A JP 15632796 A JP15632796 A JP 15632796A JP H09316604 A JPH09316604 A JP H09316604A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成分偏析の減少によらずに、シャドウマスク
の製造工程における電子線の透過孔のエッチング穿孔時
に生じるスジムラを抑制し得るシャドウマスク素材の提
供。 【解決手段】 Niを30〜45wt%含有し、残部F
e及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、エッチング穿孔
のための圧延面への{100}の集積度を50〜80%
としたことを特徴とする。
の製造工程における電子線の透過孔のエッチング穿孔時
に生じるスジムラを抑制し得るシャドウマスク素材の提
供。 【解決手段】 Niを30〜45wt%含有し、残部F
e及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、エッチング穿孔
のための圧延面への{100}の集積度を50〜80%
としたことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細エッチングに
より加工されるシャドウマスクに用いられるFe−Ni
系合金シャドウマスク素材、特にシャドウマスク素材の
エッチング加工により形成する電子線透過孔を穿孔した
後に透過孔と関連して生じるスジムラの発生を抑制しう
るFe−Ni系合金シャドウマスク素材に関するもので
ある。本発明はまた、そうしたスジムラの発生のない電
子線透過孔を穿孔したFe−Ni系合金シャドウマスク
素材にも関する。本発明は更に、シャドウマスク素材に
形成された電子線透過孔におけるスジムラの発生を防止
する方法にも関係する。
より加工されるシャドウマスクに用いられるFe−Ni
系合金シャドウマスク素材、特にシャドウマスク素材の
エッチング加工により形成する電子線透過孔を穿孔した
後に透過孔と関連して生じるスジムラの発生を抑制しう
るFe−Ni系合金シャドウマスク素材に関するもので
ある。本発明はまた、そうしたスジムラの発生のない電
子線透過孔を穿孔したFe−Ni系合金シャドウマスク
素材にも関する。本発明は更に、シャドウマスク素材に
形成された電子線透過孔におけるスジムラの発生を防止
する方法にも関係する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーブラウン管用シャドウマス
クには一般に軟鋼が使用されていた。しかし、ブラウン
管を連続使用すると、シャドウマスクは電子線の照射に
よって温度が上昇し、熱膨張によって蛍光体と電子線の
照射位置が一致しなくなり色ズレを生じる。そこで、近
年、カラーブラウン管用のシャドウマスクの分野でも、
色ズレの観点から低熱膨張係数の「36合金」と呼ばれ
るFe−Ni系合金が使用されつつある。
クには一般に軟鋼が使用されていた。しかし、ブラウン
管を連続使用すると、シャドウマスクは電子線の照射に
よって温度が上昇し、熱膨張によって蛍光体と電子線の
照射位置が一致しなくなり色ズレを生じる。そこで、近
年、カラーブラウン管用のシャドウマスクの分野でも、
色ズレの観点から低熱膨張係数の「36合金」と呼ばれ
るFe−Ni系合金が使用されつつある。
【0003】しかしながら、シャドウマスクの製造工程
でこのFe−Ni系合金板に電子線の透過孔をエッチン
グ穿孔し、シャドウマスクの裏側に光源をおいて表から
マスクを見ると圧延方向に沿ったスジ状の模様(縞模
様)で、一般に「スジムラ」と呼ばれる不良を生じるこ
とがある。「スジムラ」について説明を加えると、シャ
ドウマスクの直径の小さな孔側を表にして裏側から斜め
に光を通し、各孔の特定位置からの反射光を全体的に観
察すると圧延方向に沿って反射光の明暗の差によるスジ
状の模様(縞模様)が見える場合がある。スジムラが圧
延方向に沿った縞模様に見えるのは、孔の壁面で光が反
射する位置の性状が圧延方向に沿った孔列では一様であ
るが、幅方向で見ると一様でないからである。結局、
「スジムラ」は、透過孔の裏側からの光照射試験におい
て表側から出射する光の強弱によるスジ模様(縞模様)
として認識することのできる、透過孔の孔列の幅方向で
見た一様性の欠如であるということができる。ここでい
う孔列とは、一列の場合のみならず、2列以上の複数の
場合もある。
でこのFe−Ni系合金板に電子線の透過孔をエッチン
グ穿孔し、シャドウマスクの裏側に光源をおいて表から
マスクを見ると圧延方向に沿ったスジ状の模様(縞模
様)で、一般に「スジムラ」と呼ばれる不良を生じるこ
とがある。「スジムラ」について説明を加えると、シャ
ドウマスクの直径の小さな孔側を表にして裏側から斜め
に光を通し、各孔の特定位置からの反射光を全体的に観
察すると圧延方向に沿って反射光の明暗の差によるスジ
状の模様(縞模様)が見える場合がある。スジムラが圧
延方向に沿った縞模様に見えるのは、孔の壁面で光が反
射する位置の性状が圧延方向に沿った孔列では一様であ
るが、幅方向で見ると一様でないからである。結局、
「スジムラ」は、透過孔の裏側からの光照射試験におい
て表側から出射する光の強弱によるスジ模様(縞模様)
として認識することのできる、透過孔の孔列の幅方向で
見た一様性の欠如であるということができる。ここでい
う孔列とは、一列の場合のみならず、2列以上の複数の
場合もある。
【0004】軟鋼の場合にも、スジ状の不良を生じるこ
とがあり、これについては非金属介在物や炭化物が主原
因であることが知られている。しかし、Fe−Ni系合
金では、非金属介在物等を減少させてもスジムラは消失
せず、これは二元系合金固有の成分偏析、すなわちNi
偏析が主原因といわれている。
とがあり、これについては非金属介在物や炭化物が主原
因であることが知られている。しかし、Fe−Ni系合
金では、非金属介在物等を減少させてもスジムラは消失
せず、これは二元系合金固有の成分偏析、すなわちNi
偏析が主原因といわれている。
【0005】Fe−Ni系合金の成分偏析の低減方法と
して、(1)鋳造インゴットを鍛造前に850℃以上融
点以下に加熱する方法(特開昭60−128253)、
(2)連続鋳造スラブを1200〜1350℃で1時間
以上のソーキングを行った後に酸素濃度が0.1vol
%以下の雰囲気で1100〜1200℃に加熱して熱間
圧延を行う方法(特開平2−170922)などが提案
されている。また、成分偏析を規定したものとして、
(3)成分偏析率として偏析部の濃度と平均濃度との差
を平均濃度で割った値を10%以下としたシャドウマス
ク用素材(特開昭60−56053)が提案されてい
る。
して、(1)鋳造インゴットを鍛造前に850℃以上融
点以下に加熱する方法(特開昭60−128253)、
(2)連続鋳造スラブを1200〜1350℃で1時間
以上のソーキングを行った後に酸素濃度が0.1vol
%以下の雰囲気で1100〜1200℃に加熱して熱間
圧延を行う方法(特開平2−170922)などが提案
されている。また、成分偏析を規定したものとして、
(3)成分偏析率として偏析部の濃度と平均濃度との差
を平均濃度で割った値を10%以下としたシャドウマス
ク用素材(特開昭60−56053)が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温で
長時間の熱処理によって成分偏析を減少させる方法で
は、熱処理後の酸化スケールおよび粒界酸化を完全に除
去するために表面研削量が大きくなり、歩留まりが低下
し、熱処理のエネルギーコストも増大し、全体としてコ
スト高になる。また、36%Ni−Fe合金を例に挙げ
ると、先行技術(3)で規定される偏析部のNi濃度差
の上限は、3.6%となる。しかしながら、最近の高精
細のマスクのように透過孔のピッチが微細になると、N
i濃度差を従来の規定の半分以下にしても、従来になか
った細いスジムラがマスク全体に生じ、これに対しては
先行技術での改善効果は満足できるものではなく、さら
なる改善が望まれていた。
長時間の熱処理によって成分偏析を減少させる方法で
は、熱処理後の酸化スケールおよび粒界酸化を完全に除
去するために表面研削量が大きくなり、歩留まりが低下
し、熱処理のエネルギーコストも増大し、全体としてコ
スト高になる。また、36%Ni−Fe合金を例に挙げ
ると、先行技術(3)で規定される偏析部のNi濃度差
の上限は、3.6%となる。しかしながら、最近の高精
細のマスクのように透過孔のピッチが微細になると、N
i濃度差を従来の規定の半分以下にしても、従来になか
った細いスジムラがマスク全体に生じ、これに対しては
先行技術での改善効果は満足できるものではなく、さら
なる改善が望まれていた。
【0007】このようなことから、本発明が課題とした
のは、コスト高につながる成分偏析の減少によらずに、
シャドウマスクの製造工程における電子線の透過孔のエ
ッチング穿孔時に生じるスジムラを抑制し得るシャドウ
マスク素材を提供することである。
のは、コスト高につながる成分偏析の減少によらずに、
シャドウマスクの製造工程における電子線の透過孔のエ
ッチング穿孔時に生じるスジムラを抑制し得るシャドウ
マスク素材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成すべく、材料因子とスジムラの発生状況の関係を
詳細に調査した結果、エッチング穿孔前の圧延面の結晶
方位とスジムラの発生に相関があることがわかった。
を達成すべく、材料因子とスジムラの発生状況の関係を
詳細に調査した結果、エッチング穿孔前の圧延面の結晶
方位とスジムラの発生に相関があることがわかった。
【0009】具体的には、圧延面の結晶方位の{10
0}集積度を80%を超えて大きくするとスジムラが発
生しやすくなるのに対して、{100}集積度を小さく
すると反射光の縞模様は薄くなり、スジムラと認識でき
ないレベルとなる。つまり、成分偏析部のNi濃度差が
同じ場合を比較すると、{100}集積度が小さくなる
程スジムラが発生しなくなる。ただし、{100}集積
度が50%未満の場合には、エッチング穿孔後の孔形状
の異常が多くなるという別の問題を生じるために、シャ
ドウマスクとして不適当となる。{100}集積度でス
ジムラの発生が異なる理由は、エッチングされたときの
結晶粒内の凹凸が{100}集積度で異なり、従来から
のスジムラの原因といわれているNi濃度差によるエッ
チング速度の差で生じた壁面のNi偏析部に相当する凹
凸が目立つか目立たないかによるものと考えられる。
0}集積度を80%を超えて大きくするとスジムラが発
生しやすくなるのに対して、{100}集積度を小さく
すると反射光の縞模様は薄くなり、スジムラと認識でき
ないレベルとなる。つまり、成分偏析部のNi濃度差が
同じ場合を比較すると、{100}集積度が小さくなる
程スジムラが発生しなくなる。ただし、{100}集積
度が50%未満の場合には、エッチング穿孔後の孔形状
の異常が多くなるという別の問題を生じるために、シャ
ドウマスクとして不適当となる。{100}集積度でス
ジムラの発生が異なる理由は、エッチングされたときの
結晶粒内の凹凸が{100}集積度で異なり、従来から
のスジムラの原因といわれているNi濃度差によるエッ
チング速度の差で生じた壁面のNi偏析部に相当する凹
凸が目立つか目立たないかによるものと考えられる。
【0010】本発明は、不可避的不純物もしくは随伴元
素の含有量をも考慮して、上記知見事項に基づいてなさ
れたものであり、Niを30〜45wt%含有し、残部
Fe及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、エッチング穿孔
のための圧延面への{100}の集積度を50〜80%
とし、エッチング穿孔時の透過孔のスジムラの発生を抑
制しうることを特徴とするシャドウマスク素材を提供す
る。
素の含有量をも考慮して、上記知見事項に基づいてなさ
れたものであり、Niを30〜45wt%含有し、残部
Fe及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、エッチング穿孔
のための圧延面への{100}の集積度を50〜80%
とし、エッチング穿孔時の透過孔のスジムラの発生を抑
制しうることを特徴とするシャドウマスク素材を提供す
る。
【0011】この結果として、本発明はまた、Niを3
0〜45wt%含有し、残部Fe及び不可避的不純物も
しくは随伴元素−但し、C:0.10wt%以下、S
i:0.10wt%以下、Al:0.10wt%以下、
Mn:0.5wt%以下、S:0.005wt%以下、
P:0.010wt%以下−からなるFe−Ni系合金
から成り、圧延面への{100}の集積度が50〜80
%の状態でエッチング穿孔された、スジムラの発生の実
質上ない電子線透過孔を有することを特徴とするシャド
ウマスク素材を提供する。
0〜45wt%含有し、残部Fe及び不可避的不純物も
しくは随伴元素−但し、C:0.10wt%以下、S
i:0.10wt%以下、Al:0.10wt%以下、
Mn:0.5wt%以下、S:0.005wt%以下、
P:0.010wt%以下−からなるFe−Ni系合金
から成り、圧延面への{100}の集積度が50〜80
%の状態でエッチング穿孔された、スジムラの発生の実
質上ない電子線透過孔を有することを特徴とするシャド
ウマスク素材を提供する。
【0012】本発明は更に、Niを30〜45wt%含
有し、残部Fe及び不可避的不純物もしくは随伴元素−
但し、C:0.10wt%以下、Si:0.10wt%
以下、Al:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%
以下、S:0.005wt%以下、P:0.010wt
%以下−からなるFe−Ni系合金から成るスラブを調
製し、熱間圧延後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返して所定
に厚さのシャドウマスク素材に仕上げ、続いてエッチン
グにより電子線透過孔を形成するに際して、最終焼鈍前
の冷間圧延の加工度を50〜80%の範囲で調整して最
終冷間圧延後の圧延面への{100}集積度を50〜8
0%に制御した後エッチングを行って、電子線透過孔を
形成することを特徴とするシャドウマスク素材に形成さ
れた電子線透過孔におけるスジムラの発生を防止する方
法をも提供する。
有し、残部Fe及び不可避的不純物もしくは随伴元素−
但し、C:0.10wt%以下、Si:0.10wt%
以下、Al:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%
以下、S:0.005wt%以下、P:0.010wt
%以下−からなるFe−Ni系合金から成るスラブを調
製し、熱間圧延後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返して所定
に厚さのシャドウマスク素材に仕上げ、続いてエッチン
グにより電子線透過孔を形成するに際して、最終焼鈍前
の冷間圧延の加工度を50〜80%の範囲で調整して最
終冷間圧延後の圧延面への{100}集積度を50〜8
0%に制御した後エッチングを行って、電子線透過孔を
形成することを特徴とするシャドウマスク素材に形成さ
れた電子線透過孔におけるスジムラの発生を防止する方
法をも提供する。
【0013】特公平2−9655号は、インバ型合金か
ら成る薄板表面に{100}結晶面が35%以上集合し
たエッチング性に優れた低熱膨張合金薄板並びにインバ
型合金を鍛造後、熱間圧延を施し圧延面に{100}結
晶面が35%以上集合させる工程と、圧延率が50%/
1回を超えない冷間圧延及び歪取り熱処理を施すことを
特徴とするエッチング性に優れた低熱膨張合金薄板の製
造方法を記載する。しかしながら、エッチング性を問題
とするものの、スジムラまでも問題とするものではな
く、合金組成における不可避的不純物もしくは随伴元素
にまったく言及しておらず、また実施例では、{10
0}結晶面の集合度は28%、42%及び43%であ
り、本発明範囲からはずれている。
ら成る薄板表面に{100}結晶面が35%以上集合し
たエッチング性に優れた低熱膨張合金薄板並びにインバ
型合金を鍛造後、熱間圧延を施し圧延面に{100}結
晶面が35%以上集合させる工程と、圧延率が50%/
1回を超えない冷間圧延及び歪取り熱処理を施すことを
特徴とするエッチング性に優れた低熱膨張合金薄板の製
造方法を記載する。しかしながら、エッチング性を問題
とするものの、スジムラまでも問題とするものではな
く、合金組成における不可避的不純物もしくは随伴元素
にまったく言及しておらず、また実施例では、{10
0}結晶面の集合度は28%、42%及び43%であ
り、本発明範囲からはずれている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明におけるFe−Ni系合金
素材のNi含有量は30wt%未満、または45wt%
を超えると熱膨張係数が大きくシャドウマスク用として
不適当であるために、30〜45wt%の範囲に限定し
ている。さらに、該合金素材の不純物及び随伴元素の量
は、以下説明する理由により上限を限定している。
素材のNi含有量は30wt%未満、または45wt%
を超えると熱膨張係数が大きくシャドウマスク用として
不適当であるために、30〜45wt%の範囲に限定し
ている。さらに、該合金素材の不純物及び随伴元素の量
は、以下説明する理由により上限を限定している。
【0015】a)C含有量 Cが0.10wt%を超えると炭化物の生成によってエ
ッチング穿孔性が阻害されシャドウマスク用素材として
適さない。従って、C含有量の上限を0.10wt%と
定めた。
ッチング穿孔性が阻害されシャドウマスク用素材として
適さない。従って、C含有量の上限を0.10wt%と
定めた。
【0016】b)Si含有量 Siが0.10wt%を超えるとエッチング穿孔性が阻
害されシャドウマスク用素材として適さない。従って、
Si含有量の上限を0.10wt%と定めた。
害されシャドウマスク用素材として適さない。従って、
Si含有量の上限を0.10wt%と定めた。
【0017】c)Al含有量 Alが0.10wt%を超えるとアルミナ系の介在物の
形成が著しくエッチング穿孔性を阻害する。従って、A
l含有量の上限を0.10wt%と定めた。
形成が著しくエッチング穿孔性を阻害する。従って、A
l含有量の上限を0.10wt%と定めた。
【0018】d)Mn含有量 Mnは、熱間加工性を阻害するSを無害化するために鉄
系合金に随伴されている。その含有量が少ないと十分な
効果は得られない。しかしながら、0.5wt%を超え
ると硬くなり素材の加工性が劣ることになる。従って、
Mn含有量の上限を0.5wt%と定めた。但し、その
含有量が少なければ少ない程図1で定義されるエッチン
グファクター(d:エッチング深さ、SE:エッチング
に際してレジストの下側側方にまで回り込んでエッチン
グされたサイドエッチ量とするとき、エッチングファク
ターEFはd/SEとして表される。)が著しく向上す
るので、S量を下記の含有量以下としてS固定に必要な
Mn量を少なくすることを前提として、0.1wt%以
下が好ましい。
系合金に随伴されている。その含有量が少ないと十分な
効果は得られない。しかしながら、0.5wt%を超え
ると硬くなり素材の加工性が劣ることになる。従って、
Mn含有量の上限を0.5wt%と定めた。但し、その
含有量が少なければ少ない程図1で定義されるエッチン
グファクター(d:エッチング深さ、SE:エッチング
に際してレジストの下側側方にまで回り込んでエッチン
グされたサイドエッチ量とするとき、エッチングファク
ターEFはd/SEとして表される。)が著しく向上す
るので、S量を下記の含有量以下としてS固定に必要な
Mn量を少なくすることを前提として、0.1wt%以
下が好ましい。
【0019】e)S含有量 Sは、0.005wt%を超えると素材の熱間加工性を
著しく阻害する。従って、S含有量の上限を0.005
wt%と定めた。
著しく阻害する。従って、S含有量の上限を0.005
wt%と定めた。
【0020】f)P含有量 Pは、0.010wt%を超えると素材のエッチング穿
孔性が阻害されシャドウマスク用素材として適さない。
従って、P含有量の上限を0.010wt%と定めた。
孔性が阻害されシャドウマスク用素材として適さない。
従って、P含有量の上限を0.010wt%と定めた。
【0021】次に、圧延面への{100}集積度の規定
理由を説明する。既に説明したように、「スジムラ」
は、透過孔の裏側からの光照射試験において表側から出
射する反射光の圧延方向のスジ模様(縞模様)として認
識することのできる、透過孔の圧延方向の孔列間の、つ
まり透過孔の孔列の幅方向で見た一様性の欠如である。
結晶粒内の凹凸がランダムな場合には、Ni偏析部のエ
ッチング速度の差が目立たないために、また粒界の段差
が明瞭であるために、反射光模様はランダムとなってス
ジ状の模様は見えないが、結晶粒内の凹凸が一方向に揃
ってNi偏析部のエッチング速度の差が目立ち、また粒
界の段差が不明瞭であるために、スジ状の模様が見える
ようになる。圧延面への{100}集積度が80%を超
えると、エッチング穿孔後の電子線の透過孔の壁面に現
れる結晶粒内の微小な凹凸は、一方向に揃ったものが多
くなりかつ粒界の段差も不明瞭になる。そこで、圧延面
への{100}集積度の上限を80%とした。一方、下
限に関しては、基本的に、{100}集積度が小さい程
スジムラに対して好ましい。本発明におけるシャドウマ
スク材は、基本的には熱間圧延後に表面の酸化スケール
を除去し、冷間圧延と焼鈍を繰り返して厚さ0.3mm
以下のシャドウマスク素材に仕上げられる。その際、焼
鈍間の加工度を小さくするほど圧延面への{100}集
積度は小さくなる。しかしながら、焼鈍回数を増やすこ
とはコスト高となるのに加えて結晶粒が混粒になりやす
い。また、{100}集積度が50%未満の場合には、
エッチング穿孔後の孔形状の異常が多くなりシャドウマ
スクとして不適当となる。従って下限値は50%とし
た。ここで{100}集積度とは数式1で計算した値を
言う。
理由を説明する。既に説明したように、「スジムラ」
は、透過孔の裏側からの光照射試験において表側から出
射する反射光の圧延方向のスジ模様(縞模様)として認
識することのできる、透過孔の圧延方向の孔列間の、つ
まり透過孔の孔列の幅方向で見た一様性の欠如である。
結晶粒内の凹凸がランダムな場合には、Ni偏析部のエ
ッチング速度の差が目立たないために、また粒界の段差
が明瞭であるために、反射光模様はランダムとなってス
ジ状の模様は見えないが、結晶粒内の凹凸が一方向に揃
ってNi偏析部のエッチング速度の差が目立ち、また粒
界の段差が不明瞭であるために、スジ状の模様が見える
ようになる。圧延面への{100}集積度が80%を超
えると、エッチング穿孔後の電子線の透過孔の壁面に現
れる結晶粒内の微小な凹凸は、一方向に揃ったものが多
くなりかつ粒界の段差も不明瞭になる。そこで、圧延面
への{100}集積度の上限を80%とした。一方、下
限に関しては、基本的に、{100}集積度が小さい程
スジムラに対して好ましい。本発明におけるシャドウマ
スク材は、基本的には熱間圧延後に表面の酸化スケール
を除去し、冷間圧延と焼鈍を繰り返して厚さ0.3mm
以下のシャドウマスク素材に仕上げられる。その際、焼
鈍間の加工度を小さくするほど圧延面への{100}集
積度は小さくなる。しかしながら、焼鈍回数を増やすこ
とはコスト高となるのに加えて結晶粒が混粒になりやす
い。また、{100}集積度が50%未満の場合には、
エッチング穿孔後の孔形状の異常が多くなりシャドウマ
スクとして不適当となる。従って下限値は50%とし
た。ここで{100}集積度とは数式1で計算した値を
言う。
【0022】
【数1】
【0023】本発明におけるシャドウマスク材は、基本
的には、所定の組成のスラブを調製し、熱間圧延後に表
面の酸化スケールを除去し、冷間圧延と焼鈍を繰り返し
て厚さ0.3mm以下のシャドウマスク素材に仕上げら
れる。例えば、冷間圧延→焼鈍→中間冷間圧延→焼鈍→
最終冷間圧延の順に加工し、厚さ0.3mm以下のシャ
ドウマスク素材に仕上げられる。各焼鈍は完全に再結晶
するのに充分な温度と時間で実施される。最終冷間圧延
終了後の圧延面への{100}集積度を50〜80%に
制御するために、中間冷間圧延の加工度が例えば50〜
80%の範囲で調整される。再結晶化を完全なものにす
るために、熱間圧延後に焼鈍を行っても良い。{10
0}集積度を50〜80%にした最終冷間圧延後の圧延
面へエッチング穿孔がなされて電子線透過孔が形成され
る。スジムラの発生の実質上ないそして孔形状の良好な
電子線透過孔を形成することができる。エッチングは、
周知のフォトグラフィー技術を適用し、素材の片側の表
面に例えば直径80μmの真円状開口部を多数有し、も
う一方の表面の相対する位置に例えば直径180μmの
真円状開口部を有するレジストマスクを形成した後、塩
化第二鉄水溶液をスプレー状に吹付け、透過孔を形成す
る。
的には、所定の組成のスラブを調製し、熱間圧延後に表
面の酸化スケールを除去し、冷間圧延と焼鈍を繰り返し
て厚さ0.3mm以下のシャドウマスク素材に仕上げら
れる。例えば、冷間圧延→焼鈍→中間冷間圧延→焼鈍→
最終冷間圧延の順に加工し、厚さ0.3mm以下のシャ
ドウマスク素材に仕上げられる。各焼鈍は完全に再結晶
するのに充分な温度と時間で実施される。最終冷間圧延
終了後の圧延面への{100}集積度を50〜80%に
制御するために、中間冷間圧延の加工度が例えば50〜
80%の範囲で調整される。再結晶化を完全なものにす
るために、熱間圧延後に焼鈍を行っても良い。{10
0}集積度を50〜80%にした最終冷間圧延後の圧延
面へエッチング穿孔がなされて電子線透過孔が形成され
る。スジムラの発生の実質上ないそして孔形状の良好な
電子線透過孔を形成することができる。エッチングは、
周知のフォトグラフィー技術を適用し、素材の片側の表
面に例えば直径80μmの真円状開口部を多数有し、も
う一方の表面の相対する位置に例えば直径180μmの
真円状開口部を有するレジストマスクを形成した後、塩
化第二鉄水溶液をスプレー状に吹付け、透過孔を形成す
る。
【0024】次いで、本発明の実施例を比較例と対比し
ながら説明する。
ながら説明する。
【0025】
【実施例】まず、真空溶解法にて下記成分に調整して溶
解したFe−Ni系合金溶湯を上部が750mm角の四
角柱インゴットに鋳造後、1150〜1300℃で5〜
30時間の熱処理を行い成分偏析部のNi濃度差を制御
した。その後、1200℃まで加熱して鍛造し、スラブ
を作製した。さらに表面の酸化スケール除去後に120
0℃に加熱して熱間圧延を施した。ついで表面の酸化ス
ケール除去後に冷間圧延→焼鈍→冷間圧延→焼鈍
→冷間圧延の順に加工し、0.13mm厚さの合金
帯を製造した。なお、冷間圧延は加工度20%のダル
圧延で実施した。ここで、各焼鈍は完全に再結晶するの
に充分な温度と時間で実施し、冷間圧延終了後の圧延
面への{100}集積度を制御するために、冷間圧延
の加工度を表1の範囲で変化させ、その加工度にするた
めに冷間圧延の仕上げ厚さを調整した。また、本実施
例では熱間圧延後に充分再結晶化していたために実施し
なかったが、再結晶化を完全なものにするために、熱間
圧延後に焼鈍を行っても良い。なお、Fe−Ni系合金
の成分は次のように調整した: Ni:36.2%、C:0.007%、Si:0.05
%、Al:0.005%、Mn:0.25%、S:0.
002%、P:0.003%
解したFe−Ni系合金溶湯を上部が750mm角の四
角柱インゴットに鋳造後、1150〜1300℃で5〜
30時間の熱処理を行い成分偏析部のNi濃度差を制御
した。その後、1200℃まで加熱して鍛造し、スラブ
を作製した。さらに表面の酸化スケール除去後に120
0℃に加熱して熱間圧延を施した。ついで表面の酸化ス
ケール除去後に冷間圧延→焼鈍→冷間圧延→焼鈍
→冷間圧延の順に加工し、0.13mm厚さの合金
帯を製造した。なお、冷間圧延は加工度20%のダル
圧延で実施した。ここで、各焼鈍は完全に再結晶するの
に充分な温度と時間で実施し、冷間圧延終了後の圧延
面への{100}集積度を制御するために、冷間圧延
の加工度を表1の範囲で変化させ、その加工度にするた
めに冷間圧延の仕上げ厚さを調整した。また、本実施
例では熱間圧延後に充分再結晶化していたために実施し
なかったが、再結晶化を完全なものにするために、熱間
圧延後に焼鈍を行っても良い。なお、Fe−Ni系合金
の成分は次のように調整した: Ni:36.2%、C:0.007%、Si:0.05
%、Al:0.005%、Mn:0.25%、S:0.
002%、P:0.003%
【0026】ここで、得られた合金帯のうち、試料N
o.1〜5は本発明の要件を満たす実施例であり、そし
て試料No.6〜10は比較例である。
o.1〜5は本発明の要件を満たす実施例であり、そし
て試料No.6〜10は比較例である。
【0027】次に、これら合金帯に周知のフォトグラフ
ィー技術を適用し、合金帯の片側の表面に直径80μm
の真円状開口部を多数有し、もう一方の表面の相対する
位置に直径180μmの真円状開口部を有するレジスト
マスクを形成した後、塩化第二鉄水溶液をスプレー状に
吹付け、透過孔を形成して、シャドウマスクを作製し
た。そして、シャドウマスクの直径の小さな孔側を表に
して裏側から斜めに光を通し、表からスジムラの発生の
程度を観察した。ここで、スジムラの評価は、スジムラ
がほとんどないものをA、スジムラはあるが実用上問題
のないものをB、スジムラが強くシャドウマスクとして
使用できないものをCとした。
ィー技術を適用し、合金帯の片側の表面に直径80μm
の真円状開口部を多数有し、もう一方の表面の相対する
位置に直径180μmの真円状開口部を有するレジスト
マスクを形成した後、塩化第二鉄水溶液をスプレー状に
吹付け、透過孔を形成して、シャドウマスクを作製し
た。そして、シャドウマスクの直径の小さな孔側を表に
して裏側から斜めに光を通し、表からスジムラの発生の
程度を観察した。ここで、スジムラの評価は、スジムラ
がほとんどないものをA、スジムラはあるが実用上問題
のないものをB、スジムラが強くシャドウマスクとして
使用できないものをCとした。
【0028】また、従来技術の成分偏析との効果を比較
するために、断面のNi濃度変化曲線(X線による分析
(EPMA)のX線強度変化曲線)の隣接する山部(N
i濃度が高い)と谷部(Ni濃度が低い)の差の最大値
(Ni濃度差)を測定した。さらに、結晶粒の混粒の程
度を評価するために透過孔の形状のばらつきを調べた。
これらの結果も表1に示す。
するために、断面のNi濃度変化曲線(X線による分析
(EPMA)のX線強度変化曲線)の隣接する山部(N
i濃度が高い)と谷部(Ni濃度が低い)の差の最大値
(Ni濃度差)を測定した。さらに、結晶粒の混粒の程
度を評価するために透過孔の形状のばらつきを調べた。
これらの結果も表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示した結果から、本発明に係る試料
No.1〜5のように圧延面への{100}集積度が5
0〜80%のものは、スジムラの発生状態が実用上問題
のないレベルにあり、特に偏析部のNi濃度差が2.0
%あった試料No.5でさえスジムラの評価がBであっ
た。また、偏析部のNi濃度差が同じ試料No.2と3
を比較すると、圧延面への{100}集積度が小さい方
がスジムラの評価は良かった。
No.1〜5のように圧延面への{100}集積度が5
0〜80%のものは、スジムラの発生状態が実用上問題
のないレベルにあり、特に偏析部のNi濃度差が2.0
%あった試料No.5でさえスジムラの評価がBであっ
た。また、偏析部のNi濃度差が同じ試料No.2と3
を比較すると、圧延面への{100}集積度が小さい方
がスジムラの評価は良かった。
【0031】これに対して、試料No.6〜8は圧延面
への{100}集積度が80%を超えているためにスジ
ムラの評価はCである。特に試料No.8は偏析部のN
i濃度差が0.8%にもかかわらず、圧延面への{10
0}集積度が95%と高いためにスジムラはCランクで
あった。また、試料No.9と10は圧延面への{10
0}集積度が50%未満のために、スジムラ評価はAラ
ンクであったが、エッチング穿孔後の孔形状の異常が多
く、シャドウマスクとして不適当であった。
への{100}集積度が80%を超えているためにスジ
ムラの評価はCである。特に試料No.8は偏析部のN
i濃度差が0.8%にもかかわらず、圧延面への{10
0}集積度が95%と高いためにスジムラはCランクで
あった。また、試料No.9と10は圧延面への{10
0}集積度が50%未満のために、スジムラ評価はAラ
ンクであったが、エッチング穿孔後の孔形状の異常が多
く、シャドウマスクとして不適当であった。
【0032】つまり、上記結果から、本発明の要件を満
足することによって、エッチング加工により形成する電
子線の透過孔を形状不良の発生がなく、かつ穿孔した後
に生じるスジムラの発生をなくすことが可能となった。
足することによって、エッチング加工により形成する電
子線の透過孔を形状不良の発生がなく、かつ穿孔した後
に生じるスジムラの発生をなくすことが可能となった。
【0033】
【発明の効果】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、Fe−Ni系合金のシャドウマスク素材において、
エッチング加工により形成する電子線の透過孔を穿孔し
た後に生じるスジムラの発生を無くすことができ、エネ
ルギーコストをかけず高精度シャドウマスク用の高品質
な素材の提供が可能となるなど、産業上非常に有用な効
果がもたらされる。
ば、Fe−Ni系合金のシャドウマスク素材において、
エッチング加工により形成する電子線の透過孔を穿孔し
た後に生じるスジムラの発生を無くすことができ、エネ
ルギーコストをかけず高精度シャドウマスク用の高品質
な素材の提供が可能となるなど、産業上非常に有用な効
果がもたらされる。
【図1】エッチングファクターの概念図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 Niを30〜45wt%含有し、残部F
e及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、エッチング穿孔
のための圧延面への{100}の集積度を50〜80%
とし、エッチング穿孔時の透過孔のスジムラの発生を抑
制しうることを特徴とするシャドウマスク素材。 - 【請求項2】 Niを30〜45wt%含有し、残部F
e及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成り、圧延面への{1
00}の集積度が50〜80%の状態でエッチング穿孔
された、スジムラの発生の実質上ない電子線透過孔を有
することを特徴とするシャドウマスク素材。 - 【請求項3】 Niを30〜45wt%含有し、残部F
e及び不可避的不純物もしくは随伴元素−但し、C:
0.10wt%以下、Si:0.10wt%以下、A
l:0.10wt%以下、Mn:0.5wt%以下、
S:0.005wt%以下、P:0.010wt%以下
−からなるFe−Ni系合金から成るスラブを調製し、
熱間圧延後に、冷間圧延と焼鈍を繰り返して所定の厚さ
のシャドウマスク素材に仕上げ、続いてエッチングによ
り電子線透過孔を形成するに際して、最終焼鈍前の冷間
圧延の加工度を50〜80%の範囲で調整して最終冷間
圧延後の圧延面への{100}集積度を50〜80%に
制御した後エッチングを行って、電子線透過孔を形成す
ることを特徴とするシャドウマスク素材に形成された電
子線透過孔におけるスジムラの発生を防止する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15632796A JPH09316604A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | スジムラの発生を抑制したFe−Ni系合金シャドウマスク素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15632796A JPH09316604A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | スジムラの発生を抑制したFe−Ni系合金シャドウマスク素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316604A true JPH09316604A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15625369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15632796A Withdrawn JPH09316604A (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | スジムラの発生を抑制したFe−Ni系合金シャドウマスク素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316604A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001098346A (ja) * | 1999-07-28 | 2001-04-10 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Fe−Ni系シャドウマスク用材料 |
WO2001038594A1 (fr) * | 1999-11-25 | 2001-05-31 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | ALLIAGE A BASE DE Fe-Ni POUR MASQUE DEMI-TENSION AUX REMARQUABLES PROPRIETES MAGNETIQUES, MASQUE DEMI-TENSION ET TUBE CATHODIQUE COULEUR L'UTILISANT |
-
1996
- 1996-05-29 JP JP15632796A patent/JPH09316604A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001098346A (ja) * | 1999-07-28 | 2001-04-10 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Fe−Ni系シャドウマスク用材料 |
WO2001038594A1 (fr) * | 1999-11-25 | 2001-05-31 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | ALLIAGE A BASE DE Fe-Ni POUR MASQUE DEMI-TENSION AUX REMARQUABLES PROPRIETES MAGNETIQUES, MASQUE DEMI-TENSION ET TUBE CATHODIQUE COULEUR L'UTILISANT |
US6600259B1 (en) | 1999-11-25 | 2003-07-29 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | Fe-Ni alloy with excellent magnetic properties for semi-tension mask, semi-tension mask of the alloy, and color picture tube using the mask |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030805 |