JP3157239B2 - シャドウマスク材 - Google Patents
シャドウマスク材Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビジョン用
受像管に用いられるシャドウマスク材に関するものであ
り、特には圧延平行断面における介在物総長さを規制し
て、深さ方向へのエッチングスピードの低下を防止し、
均一エッチング性に優れるFe−Ni系高精細度、更に
は超高精細度カラーテレビジョン用受像管用シャドウス
ク材に関するものである。
受像管に用いられるシャドウマスク材に関するものであ
り、特には圧延平行断面における介在物総長さを規制し
て、深さ方向へのエッチングスピードの低下を防止し、
均一エッチング性に優れるFe−Ni系高精細度、更に
は超高精細度カラーテレビジョン用受像管用シャドウス
ク材に関するものである。
【0002】
【従来技術】カラーテレビジョン受像管には色選別用電
極としてシャドウマスクが使用されている。
極としてシャドウマスクが使用されている。
【0003】シャドウマスク用の材料としては、低炭素
アルミキルド鋼がこれまで使用されてきたが、最近では
低熱膨張特性を有するアンバー合金材(Fe−36%N
i)が使用されることが多くなっている。
アルミキルド鋼がこれまで使用されてきたが、最近では
低熱膨張特性を有するアンバー合金材(Fe−36%N
i)が使用されることが多くなっている。
【0004】それは次の理由によるものである。すなわ
ち、カラー受像管を動作させた際、シャドウマスクに差
し向けられた電子ビームは、シャドウマスクの開孔を通
過するほか、シャドウマスクの非開孔部表面に直接射突
するために、シャドウマスクは時として80℃にも達す
る程に加熱される。この際、熱膨張が大きい材料である
と、シャドウマスクの熱膨張によって色純度の低下が生
じるわけであるが、熱膨張率の低いFe−Ni系アンバ
ーの使用によりこの熱膨張による色純度の低下を防止し
ようというものである。
ち、カラー受像管を動作させた際、シャドウマスクに差
し向けられた電子ビームは、シャドウマスクの開孔を通
過するほか、シャドウマスクの非開孔部表面に直接射突
するために、シャドウマスクは時として80℃にも達す
る程に加熱される。この際、熱膨張が大きい材料である
と、シャドウマスクの熱膨張によって色純度の低下が生
じるわけであるが、熱膨張率の低いFe−Ni系アンバ
ーの使用によりこの熱膨張による色純度の低下を防止し
ようというものである。
【0005】こうしたシャドウマスクは、幾つかの製造
方式があるが、代表的には、Fe−Ni系アンバー材料
をインゴットから、鍛造を経て、圧延及び焼鈍を繰り返
し、最終冷間圧延により適当な厚さのシャドウマスク材
とした後、必要に応じ最終再結晶焼鈍を行ない、そこに
多数の穿孔を例えば塩化第2鉄を使用しての周知のエッ
チングにより形成することにより作製される。この後、
成形及び黒化処理等の周知の工程が実施されてシャドウ
マスクが製造される。
方式があるが、代表的には、Fe−Ni系アンバー材料
をインゴットから、鍛造を経て、圧延及び焼鈍を繰り返
し、最終冷間圧延により適当な厚さのシャドウマスク材
とした後、必要に応じ最終再結晶焼鈍を行ない、そこに
多数の穿孔を例えば塩化第2鉄を使用しての周知のエッ
チングにより形成することにより作製される。この後、
成形及び黒化処理等の周知の工程が実施されてシャドウ
マスクが製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このFe−N
i系アンバー合金は従来の低炭素アルミキルド鋼に比べ
てエッチング穿孔均一性が劣ることが問題となってい
る。
i系アンバー合金は従来の低炭素アルミキルド鋼に比べ
てエッチング穿孔均一性が劣ることが問題となってい
る。
【0007】そこで、アンバー合金のエッチング穿孔性
を改善するために、不純物としてのC、Si、P、S、
O及びNを制限することが既に提案されている(特開昭
64−25944号)。ところが、確かに、この特開昭
64−25944号に示されているように、C、Si、
P、S、O及びNを制限することによってエッチング穿
孔性は向上するが、今後需要の増加が見込まれる超高精
細度マスクの場合、まだ十分ではなく、更にエッチング
穿孔均一性を向上させることが望まれている。
を改善するために、不純物としてのC、Si、P、S、
O及びNを制限することが既に提案されている(特開昭
64−25944号)。ところが、確かに、この特開昭
64−25944号に示されているように、C、Si、
P、S、O及びNを制限することによってエッチング穿
孔性は向上するが、今後需要の増加が見込まれる超高精
細度マスクの場合、まだ十分ではなく、更にエッチング
穿孔均一性を向上させることが望まれている。
【0008】本発明の課題は、エッチングスピードを向
上させ、従来より均一なエッチング穿孔性を有する、今
後需要の見込まれるFe−Ni系超高精細度カラーテレ
ビジョン受像管に対応しうるシャドウスク材を開発する
ことである。
上させ、従来より均一なエッチング穿孔性を有する、今
後需要の見込まれるFe−Ni系超高精細度カラーテレ
ビジョン受像管に対応しうるシャドウスク材を開発する
ことである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる点
に鑑み種々の研究を行なった結果、介在物の総量を適正
に定量的に制限することで深さ方向へのエッチングスピ
ードの低下を防止でき、エッチング穿孔均一性が向上す
ることを見出した。特に、圧延平行断面当たりの介在物
圧延方向総長さを規制することが重要であることを見出
した。この知見に基づいて、本発明は、35〜37%重
量%Niを含み、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、そして圧延平行断面50mm2 当たりの介在物圧延
方向総長さを10mm以下とし、深さ方向へのエッチン
グスピードの低下を防止し、均一エッチング性に優れる
ことを特徴とするシャドウマスク材を提供する。
に鑑み種々の研究を行なった結果、介在物の総量を適正
に定量的に制限することで深さ方向へのエッチングスピ
ードの低下を防止でき、エッチング穿孔均一性が向上す
ることを見出した。特に、圧延平行断面当たりの介在物
圧延方向総長さを規制することが重要であることを見出
した。この知見に基づいて、本発明は、35〜37%重
量%Niを含み、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、そして圧延平行断面50mm2 当たりの介在物圧延
方向総長さを10mm以下とし、深さ方向へのエッチン
グスピードの低下を防止し、均一エッチング性に優れる
ことを特徴とするシャドウマスク材を提供する。
【0010】ここで、「圧延平行断面」とは、圧延され
たシャドウマスク材の圧延方向に平行な垂直面における
厚さ方向の断面である。「介在物圧延方向総長さ」と
は、その断面において観察される複数の介在物のそれぞ
れの圧延方向の長さの総和を云う。介在物は圧延方向に
沿って細長く伸びており、エッチング性にはその総和が
大きく影響する。
たシャドウマスク材の圧延方向に平行な垂直面における
厚さ方向の断面である。「介在物圧延方向総長さ」と
は、その断面において観察される複数の介在物のそれぞ
れの圧延方向の長さの総和を云う。介在物は圧延方向に
沿って細長く伸びており、エッチング性にはその総和が
大きく影響する。
【0011】そして、上記シャドウマスク材において更
に好ましい範囲は圧延平行断面50mm2 当たりの介在
物圧延方向総長さが5mm以下である。
に好ましい範囲は圧延平行断面50mm2 当たりの介在
物圧延方向総長さが5mm以下である。
【0012】
【作用】圧延平行断面当たりの介在物圧延方向総長さを
規制することにより微小介在物を含めて介在物による深
さ方向へのエッチングスピードの低下を防止し、微細な
孔を精度よくあけることができる。
規制することにより微小介在物を含めて介在物による深
さ方向へのエッチングスピードの低下を防止し、微細な
孔を精度よくあけることができる。
【0013】
【実施例】本発明は、35〜37重量%Niを含有する
Fe−Ni系シャドウスク材を対象とする。介在物を低
減するために従来から提唱されているように、C、S
i、P、Mn、S、O及びN含有量を制限することが好
ましい。特に、これら不純物を次のように制限すること
が好ましい(重量%)。 C :0.015%以下(好ましくは0.005%以
下)、 Si:0.001〜0.15%(好ましくは0.001
〜0.05%)、 P :0.010%以下(好ましくは0.003%以
下)、 Mn:0.1〜1.0%、 S :0.005%以下、 O :0.0100%以下、 N :0.0050%以下
Fe−Ni系シャドウスク材を対象とする。介在物を低
減するために従来から提唱されているように、C、S
i、P、Mn、S、O及びN含有量を制限することが好
ましい。特に、これら不純物を次のように制限すること
が好ましい(重量%)。 C :0.015%以下(好ましくは0.005%以
下)、 Si:0.001〜0.15%(好ましくは0.001
〜0.05%)、 P :0.010%以下(好ましくは0.003%以
下)、 Mn:0.1〜1.0%、 S :0.005%以下、 O :0.0100%以下、 N :0.0050%以下
【0014】Fe−Ni系シャドウマスク材は、例えば
真空溶解・鋳造により製造された適宜組成の溶製インゴ
ットから、鍛造後、圧延及び焼鈍を繰り返し、最終冷間
圧延により適当な厚さのシャドウマスク材とした後、必
要に応じて最終再結晶焼鈍或いは歪取焼鈍を行ない、そ
こに多数の穿孔をフォトレジストを塗布し、パターンを
焼き付けて現像した後、例えば塩化第2鉄のようなエッ
チング液でエッチング加工し、その後レジストを除去す
る周知のフォトエッチング技術により作製される。
真空溶解・鋳造により製造された適宜組成の溶製インゴ
ットから、鍛造後、圧延及び焼鈍を繰り返し、最終冷間
圧延により適当な厚さのシャドウマスク材とした後、必
要に応じて最終再結晶焼鈍或いは歪取焼鈍を行ない、そ
こに多数の穿孔をフォトレジストを塗布し、パターンを
焼き付けて現像した後、例えば塩化第2鉄のようなエッ
チング液でエッチング加工し、その後レジストを除去す
る周知のフォトエッチング技術により作製される。
【0015】従来より、シャドウマスク材において介在
物は少ないほうがよいことは定性的には知られていた。
それは、介在物が開孔部のふちに当たり孔形状を変形さ
せる不良もしくは長く連なった介在物がエッチング壁面
に露出することにより起こるスジ不良を起こし、シャド
ウマスクの品質を低下させるからであった。従って、そ
こで問題になる介在物は、大きさがせいぜい5μm以上
のものであり、5μm未満の微小介在物は問題がないも
のとみられ、従来考慮の対象とはなっていなかった。
物は少ないほうがよいことは定性的には知られていた。
それは、介在物が開孔部のふちに当たり孔形状を変形さ
せる不良もしくは長く連なった介在物がエッチング壁面
に露出することにより起こるスジ不良を起こし、シャド
ウマスクの品質を低下させるからであった。従って、そ
こで問題になる介在物は、大きさがせいぜい5μm以上
のものであり、5μm未満の微小介在物は問題がないも
のとみられ、従来考慮の対象とはなっていなかった。
【0016】ところが、シャドウマスクにおける介在物
量とエッチング性、具体的には深さ方向へのエッチング
スピードとの関係について研究した結果、従来問題にな
らないと考えられていた微小介在物がエッチング性に大
きな影響力を持っていることを見出すに至った。それ
は、従来問題にならないと考えられていた微小介在物を
含めて介在物量が多いと、シャドウマスクのエッチング
において深さ方向へのエッチングスピードが低下し、微
細な孔を精度よくあけることの障害になるというもので
ある。大きな介在物のみならず、微小介在物を含めてそ
の総量を規制することがエッチング性には重要なのであ
る。そのメカニズムについては直接的にはいまだ確認さ
れてはいないが、次のように考えられる。
量とエッチング性、具体的には深さ方向へのエッチング
スピードとの関係について研究した結果、従来問題にな
らないと考えられていた微小介在物がエッチング性に大
きな影響力を持っていることを見出すに至った。それ
は、従来問題にならないと考えられていた微小介在物を
含めて介在物量が多いと、シャドウマスクのエッチング
において深さ方向へのエッチングスピードが低下し、微
細な孔を精度よくあけることの障害になるというもので
ある。大きな介在物のみならず、微小介在物を含めてそ
の総量を規制することがエッチング性には重要なのであ
る。そのメカニズムについては直接的にはいまだ確認さ
れてはいないが、次のように考えられる。
【0017】介在物はエッチングの反応によって溶解し
ないため、エッチング中のシャドウマスクの孔の底に残
り、新しいエッチング液と材料の接触を妨害する。その
ために、深さ方向へのエッチングスピードが低下する。
ないため、エッチング中のシャドウマスクの孔の底に残
り、新しいエッチング液と材料の接触を妨害する。その
ために、深さ方向へのエッチングスピードが低下する。
【0018】この溶解しなかった介在物も従来の比較的
孔の大きいシャドウマスクでは、エッチング液のスプレ
ー圧により孔の外に運び出されやすかったため問題が顕
在化しなかったのであるが、今後需要の増加する超高精
細度のマスクを製造する場合には孔が小さいだけに、大
きな問題となるのである。
孔の大きいシャドウマスクでは、エッチング液のスプレ
ー圧により孔の外に運び出されやすかったため問題が顕
在化しなかったのであるが、今後需要の増加する超高精
細度のマスクを製造する場合には孔が小さいだけに、大
きな問題となるのである。
【0019】そこで、本発明者は、エッチングに及ぼす
微小介在物をも含めて介在物の影響を定量的に規定する
研究を重ねた結果、深さ方向へのエッチングスピードと
相関づけるには、圧延平行断面単位面積当たりの圧延方
向介在物総長さという指標が適切であるとの結論に達し
た。本発明では、SEMの反射電子組成像を画像解析装
置に取り込み、画像計測で測定するのに便宜なように圧
延平行断面50mm2当たりの圧延方向介在物総長さと
いう指標を用いた。これは、圧延方向に平行なシャドウ
マスク材垂直厚さ断面を検鏡し、存在する多数の介在物
の圧延方向の長さをそれぞれ計測し、その総和をとるも
のである。介在物は圧延方向に沿って細長く伸びてお
り、その圧延方向での総長さを規制することにより全体
量を定量的に規制するものである。ただし、この際、J
ISに定められているB系の介在物に関しては、これら
はわずかの間隔を置いて一繋りになって存在している
が、その一連の全体長さではなく、B系の介在物の一繋
りを構成している個々の介在物自体の長さのみを計測
し、その合計をとるものとする(隣り合う介在物間の間
隔は算入しない)。
微小介在物をも含めて介在物の影響を定量的に規定する
研究を重ねた結果、深さ方向へのエッチングスピードと
相関づけるには、圧延平行断面単位面積当たりの圧延方
向介在物総長さという指標が適切であるとの結論に達し
た。本発明では、SEMの反射電子組成像を画像解析装
置に取り込み、画像計測で測定するのに便宜なように圧
延平行断面50mm2当たりの圧延方向介在物総長さと
いう指標を用いた。これは、圧延方向に平行なシャドウ
マスク材垂直厚さ断面を検鏡し、存在する多数の介在物
の圧延方向の長さをそれぞれ計測し、その総和をとるも
のである。介在物は圧延方向に沿って細長く伸びてお
り、その圧延方向での総長さを規制することにより全体
量を定量的に規制するものである。ただし、この際、J
ISに定められているB系の介在物に関しては、これら
はわずかの間隔を置いて一繋りになって存在している
が、その一連の全体長さではなく、B系の介在物の一繋
りを構成している個々の介在物自体の長さのみを計測
し、その合計をとるものとする(隣り合う介在物間の間
隔は算入しない)。
【0020】この圧延平行断面50mm2 当たりの介在
物圧延方向総長さが10mmを超えると、深さ方向への
エッチングスピードが部分的に低下し、均一エッチング
性が低下し、超高精細度マスク用としては適さなくなる
ので上限を10mmとした。なお、更に好ましい範囲は
5mm以下である。
物圧延方向総長さが10mmを超えると、深さ方向への
エッチングスピードが部分的に低下し、均一エッチング
性が低下し、超高精細度マスク用としては適さなくなる
ので上限を10mmとした。なお、更に好ましい範囲は
5mm以下である。
【0021】介在物の量は、原料、溶解条件、鋳造条件
等を管理することにより制御することができる。
等を管理することにより制御することができる。
【0022】エッチングに際しては、結晶組織もまた重
要である。これに関連して、本件出願人は、本願と同日
の特許願において、結晶粒度が粒度番号で9.0以上、
そして圧延面への{100}面の集合度が35%未満と
した、好ましくは15%未満としたシャドウマスク材を
提唱している。結晶粒が小さいほどエッチング後の孔形
状及びエッチング壁面が平滑になり、マスクの品質が向
上する。結晶粒度が粒度番号で9.0以上とすることに
より、平滑なエッチング後の孔形状及びエッチング壁面
が保証される。結晶方位として圧延面への{100}面
の集合度を35%未満とすることにより、結晶方位はラ
ンダムとなり、エッチング均一性を向上する。本発明に
おいても、この併用を妨げない。
要である。これに関連して、本件出願人は、本願と同日
の特許願において、結晶粒度が粒度番号で9.0以上、
そして圧延面への{100}面の集合度が35%未満と
した、好ましくは15%未満としたシャドウマスク材を
提唱している。結晶粒が小さいほどエッチング後の孔形
状及びエッチング壁面が平滑になり、マスクの品質が向
上する。結晶粒度が粒度番号で9.0以上とすることに
より、平滑なエッチング後の孔形状及びエッチング壁面
が保証される。結晶方位として圧延面への{100}面
の集合度を35%未満とすることにより、結晶方位はラ
ンダムとなり、エッチング均一性を向上する。本発明に
おいても、この併用を妨げない。
【0023】(実施例及び比較例) 供試材は基本的に真空溶解で製造したが、その際、原
料、溶解条件、鋳造条件等を変化させ介在物の含有量を
変化させた。これを、鋳造、熱間圧延後、冷間圧延と焼
鈍を繰り返し、板厚0.15mmの冷延板とした。供試
材の化学成分と圧延平行断面50mm2 当たりの介在物
総長さを表1に示す。介在物総長さは、SEMの反射電
子組成像を画像解析装置に取り込み画像計測で測定し
た。その際の1画素の大きさは1μmである。
料、溶解条件、鋳造条件等を変化させ介在物の含有量を
変化させた。これを、鋳造、熱間圧延後、冷間圧延と焼
鈍を繰り返し、板厚0.15mmの冷延板とした。供試
材の化学成分と圧延平行断面50mm2 当たりの介在物
総長さを表1に示す。介在物総長さは、SEMの反射電
子組成像を画像解析装置に取り込み画像計測で測定し
た。その際の1画素の大きさは1μmである。
【0024】次に、この供試材に対してエッチング試験
を行い深さ方向へのエッチングスピードを評価した。マ
スクパターンは開孔径の小さい超高精細度用のものを用
い、エッチング液は塩化第2鉄水溶液を用いた。エッチ
ングは70℃で行い、エッチングスピードは一定時間後
の開孔中央部の深さで評価した。エッチングスピードも
表1に併せて示す。
を行い深さ方向へのエッチングスピードを評価した。マ
スクパターンは開孔径の小さい超高精細度用のものを用
い、エッチング液は塩化第2鉄水溶液を用いた。エッチ
ングは70℃で行い、エッチングスピードは一定時間後
の開孔中央部の深さで評価した。エッチングスピードも
表1に併せて示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、本発明例は深さ
方向へのエッチングスピードが速く優れている。なかで
も、介在物総長さが5mm以下のものは特に優れている
ことがわかる。
方向へのエッチングスピードが速く優れている。なかで
も、介在物総長さが5mm以下のものは特に優れている
ことがわかる。
【0027】
【発明の効果】エッチングスピードを向上させることに
より、従来より均一なエッチング穿孔性を有するFe−
Ni系シャドウマスク材を開発することに成功し、最近
需要の増加している高精細度、更には超高精細度カラー
テレビジョン用受像管用シャドウマスクに対応すること
が出来る。
より、従来より均一なエッチング穿孔性を有するFe−
Ni系シャドウマスク材を開発することに成功し、最近
需要の増加している高精細度、更には超高精細度カラー
テレビジョン用受像管用シャドウマスクに対応すること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 H01J 29/07
Claims (1)
- 【請求項1】 35〜37%重量%Niを含み、残部が
Fe及び不可避的不純物からなり、そして圧延平行断面
50mm2 当たりの介在物圧延方向総長さを10mm以
下とし、深さ方向へのエッチングスピードの低下を防止
し、均一エッチング性に優れることを特徴とするシャド
ウマスク材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35670091A JP3157239B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | シャドウマスク材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35670091A JP3157239B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | シャドウマスク材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311358A JPH05311358A (ja) | 1993-11-22 |
JP3157239B2 true JP3157239B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=18450346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35670091A Expired - Fee Related JP3157239B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | シャドウマスク材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3157239B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09241743A (ja) * | 1996-03-07 | 1997-09-16 | Nikko Kinzoku Kk | シャドウマスク用Fe−Ni系合金板の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP35670091A patent/JP3157239B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05311358A (ja) | 1993-11-22 |
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