JP2592884B2 - シャドウマスク - Google Patents

シャドウマスク

Info

Publication number
JP2592884B2
JP2592884B2 JP2648288A JP2648288A JP2592884B2 JP 2592884 B2 JP2592884 B2 JP 2592884B2 JP 2648288 A JP2648288 A JP 2648288A JP 2648288 A JP2648288 A JP 2648288A JP 2592884 B2 JP2592884 B2 JP 2592884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shadow mask
etching
dislocation density
electron beam
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2648288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01204333A (ja
Inventor
道彦 稲葉
新一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Shibaura Electric Co Ltd filed Critical Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Priority to JP2648288A priority Critical patent/JP2592884B2/ja
Publication of JPH01204333A publication Critical patent/JPH01204333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2592884B2 publication Critical patent/JP2592884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、例えばカラー受像管に用いられるシャドウ
マスクに関する。
(従来の技術) カラー受像管のシャドウマスクは、従来よりエッチン
グ性及び成形性がよく、かつ電子ビームの反射軽減に寄
与する酸化膜をその表面に形成し易い材料であるリムド
鋼やAlキルド鋼等により形成されている。しかしなが
ら、近年、各種のニューメディアに対応すべくカラー受
像管の高品質化、つまり表示画像の所謂見易さや極め細
かさが要求され、上述したリムド鋼やAlキルド鋼にて形
成されるシャドウマスクを用いるには不具合があった。
即ち、カラー受像管の動作時には前記シャドウマスク
の温度が30〜100℃に上昇して熱膨脹を起こすため、シ
ャドウマスクの成形形状の歪みに起因した、所謂ドーミ
ングが生じる。その結果、シャドウマスクと螢光面との
間の相対位置関係にずれが生じ、ピュリティードリフト
(PD)と称される色ずれが発生する。特に、高品位カラ
ー受像管では前記シャドウマスクの電子ビーム通過孔の
径及びそのピッチが非常に小さいので、該電子ビーム通
過孔の相対的ずれ量の割合が大きくなり、上述したリム
ド鋼やAlキルド鋼を素材とするシャドウマスクでは実用
に耐えなくなる。
このようなことから、従来、シャドウマスクを形成す
る素材として熱膨脹係数の小さいNi−Fe合金、例えばア
ンバー(36Ni−Fe)を用いることが特公昭42−25446
号、特開昭50−58977号、特開昭50−68650号等に提案さ
れている。
しかし、このアンバーはエッチング性が悪くこれを改
良するため、結晶方位を(100)にそろえる方法が考案
されている(特開昭59−40443,59−149638,60−23492
1)。この方法により、エッチング性を大巾に改善され
たが、一部のエッチング孔の精度のきびしいシャドウマ
スクには、結晶方位の制御だけでは必ずしも充分ではな
かった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされ
たもので、熱膨脹率が低く、かつ良好なエッチング性を
有するシャドウマスクを提供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段と作用) 本発明は、Fe及びNiを主成分とし、結晶粒内転位密度
が1011dl(dislocation line)/cm2以下である事を特徴
とするシャドウマスクである。またさらに結晶粒度をJI
S−G0551で示されるところの結晶粒度番号8〜12とする
事により耐エッチング性を改善するものである。
つまり本発明は、結晶粒内の転位密度を制御する事に
より、シャドウマスクの電子ビーム通過孔を精度よくエ
ッチングできる事を見い出したものであり、さらに結晶
粒度の大きさを制御する事により一層耐エッチング性が
改善できる事を見い出したものである。
なお本発明に用いるFe及びNiを主成分とする合金組成
は適宜選択する事ができるが、実用上は25〜45wt%のNi
を含み残部が実質的にFeからなる合金を用いる。ここで
Niの組成量を25〜45wt%としたのは、その熱膨脹係数を
90×10-7/℃以下にする為であり、またこの範囲を越え
ると成形性が大幅に劣化すると共に、耐酸化性が向上す
る為、シャドウマスク表面に熱放散の為に必要な黒化膜
の形成が困難となる。
本発明においては、さらにCo,Cr等を添加することが
でき、5wt%以下のCrは転位のからまりを少なくし、転
位密度を減少させることができ、また7wt%以下のCoは
結晶粒をそろえやすくし、さらに熱膨脹係数が小さくな
る。
なお本発明における結晶粒内の転位密度(ρ)の測定
は、色々な方法があるが、最も迅速な方法としてハム
(Ham)の方法がある。これは、測定するべき試料を透
過電子顕微鏡(TEM)により直接観察するためにまず資
料片をエッチングによって薄片化する。これをTEMで観
察し、転位が容易に観察できる数万倍の写真を例えば10
枚近くとる。この写真に全長Lのいくつかの任意の線を
引き、転位線と交わる数をNとした場合、次の式が得ら
れる。
ρ=2N/Lt ρ:転位密度(単位はdislocation line/cm2) t:試料薄片厚み この式より平均の転位密度を計算する。
結晶粒内の転位密度が1010dl/cm2より高い場合はシャ
ドウマスク成形時の圧延面内方向にもエッチングされや
すくなり、圧延面と垂直方向つまりエッチング孔のあく
方向に充分すすまないうちに横方向にエッチングが過度
にすすんでいく。この様になると所望の孔の形状を得る
事が困難となりシャドウマスクとして利用した時、色む
ら等がおこりやすくなる。望ましくは1010dl/cm2以下が
よい。
本発明の如く、結晶粒内の転位密度を低く制御するた
めには、シャドウマスクの成形工程における圧延時の焼
鈍温度、保持時間及びその後の冷却速度を制御する。具
体的には、焼鈍温度としては600〜1000℃、保持時間は
5分以上、冷却速度は20℃/分〜200℃/分の範囲で適
宜組合せ選定し、転位密度を1011dl/cm2以下に制御す
る。
また結晶粒をJIS−G0551で示される結晶粒度番号の8
〜12とした場合には一層優れたエッチング性が得られ
る。この結晶粒度が8未満の場合には結晶粒が粗大化
し、所望のエッチング穴が開かない場合があり、又12を
越えると微細な結晶粒に起因してエッチングによって開
口形成された孔の内壁に欠け部分が生じ、所謂ガサ穴と
なる場合がある。この結晶粒は圧延・焼鈍を施す際の最
終圧延率及び焼鈍温度の影響を受け易く圧延率は40%以
上、好ましくは80%以上とし、焼鈍温度は600〜1000℃
とする事が好ましい。
また結晶粒を制御するためにB,Nや析出硬化する成
分、例えばTi,Al,Zr,V,Si,Ta等を1.0wt%以下で添加す
ることもできる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 まず、36%Ni−Feを主成分とし、附随的成分としてC
を0.005重量%、Siを0.01重量%及びPとSを夫々0.001
重量%含む合金のインゴットを真空溶解で作製した。つ
づいて、このインゴットを繰返し圧延した後、酸洗して
1次及び2次冷延を施した。この処理における圧延率は
80%とした。
次いで、箱型の焼鈍炉において10-7torr、1000℃で前
記圧延処理された合金板を焼鈍した後、圧延率3%で調
整圧延を行なった。更に、歪み取り焼鈍を400℃で行な
った。
また比較材として、H2気流中で800℃、30分で合金板
を焼鈍し100℃/分の冷却速度で冷却した後、圧延率30
%で再圧延し、更に300℃で歪みとり焼鈍をしたものを
用意した。
上記実施例の転位密度は9×108dl/cm2であったが比
較材は、1.3×1011dl/cm2であった。
このようにして製作されたシャドウマスク用素材を用
いて次のような工程によりシャドウマスクを製造した。
まず、素材の両面にフォトレジストを塗布し、これを
乾燥した後、各レジスト膜表面にスロット又はドット形
状の基準パターンが形成されたフィルムを密着させ、前
記レジスト膜を露光、現像した。この現像により未露光
部分のフォトレジストが溶解除去された。つづいて、現
像により形成されたフォトレジストパターンをバーニン
グより硬化させた後、各レジストパターンをマスクとし
て露出した素材を塩化第二鉄溶液でエッチングして電子
ビーム通過孔を開孔した。この後、レジストパターンを
熱アルカリにより除去してシャドウマスクの原板となる
フラットマスクを作製した。
上記実施例材と、比較材のエッチング孔を比較すると
第1図にシャドウマスクの平面拡大図を示す如くシャド
ウマスク(1)にはエッチング孔(2)とエッチング孔
の間のブリッジ部分(3)の幅が、本発明材では大き
く、比較材では小さくなった。
その後10-2Torrの真空中、1000℃で焼鈍を行い耐力を
下げてからプレス成形を行ってシャドウマスクの形にし
あげた。
次いで、前記シャドウマスクをトリクロルエタンの蒸
気で洗浄し、690℃に保持された連続黒化炉で20分間加
熱して密着性の良好な黒色皮膜を厚さ1.5mm成長させて
シャドウマスクを完成した。エッチング孔が横方向にひ
ろがっていないため、シャドウマスクとしての強度も強
く、スピーカの音によるシャドウマスクの振動も小さく
する事ができた。一方比較材のシャドウマスクは振動が
生じ、見にくかった。
実施例2 まず、36%Ni−Feを主成分とし、附随的成分としてC
を0.05重量%、Siを0.02重量%及びPとSを夫々0.001
重量%含む合金のインゴットを真空溶解で作製した。つ
づいて、このインゴットを繰返し熱延した後、冷延と焼
鈍を繰返し最終圧延率を50%とした。
なおこの時の最終焼鈍温度は950℃とし、4時間保持
した後、50℃/分で冷却した。このようにしてJIS G055
1に規定される結晶粒度が11のオーステナイト組織を有
するシャドウマスク素材を得た。この時の転位密度は4.
5×109dl/cm2であった。
次いで、前記シャドウマスク素材を用いて実施例1と
同様な方法により電子ビーム通過孔を穿孔した後、金型
に埋込んだヒータにより200℃に設定してプレス成形
し、更に実施例1と同様に黒色皮膜を成長させてシャド
ウマスクを完成した。やはり実施例1と同様にゆれの少
ない画面をしていた。
なお、上記実施例では36%Ni−Feを主成分とするアン
バーをシャドウマスクの素材として用いた場合について
説明したが、他のNi−Feを主成分とする素材を用いても
同様な効果を達成できた。
〔発明の効果〕
以上に詳述した如く、本発明によれば所定のNi−Fe系
合金の転位密度を1010dl/cm2以下におさえる事により、
電子ビーム通過孔(エッチング孔)を開孔する際のエッ
チング性を改善できる。また素材圧延面内方向にエッチ
ングがすすまないことから孔と孔の間の幅も太くでき丈
夫なシャドウマスクが完成する。更にNi−Fe系合金はリ
ムド鋼やAlキルド鋼に比べて熱膨脹係数が小さいため、
シャドウマスクのドーミングを小さくすることができ
る。従って、色ずれのない高品位カラー受像管に好適な
シャドウマスクを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はシャドウマスクの電子ビーム通過孔の配置例を
示す平面拡大図。 1……シャドウマスク、2……エッチング孔(電子ビー
ム通過孔)、3……ブリッジ部分。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe及びNiを主成分とし、結晶粒内の転位密
    度が1011dl/cm2以下であることを特徴とするシャドウマ
    スク。
  2. 【請求項2】結晶粒がJIS−G0551に示される結晶粒度番
    号の8〜12であることを特徴とする請求項1記載のシャ
    ドウマスク。
JP2648288A 1988-02-09 1988-02-09 シャドウマスク Expired - Fee Related JP2592884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2648288A JP2592884B2 (ja) 1988-02-09 1988-02-09 シャドウマスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2648288A JP2592884B2 (ja) 1988-02-09 1988-02-09 シャドウマスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01204333A JPH01204333A (ja) 1989-08-16
JP2592884B2 true JP2592884B2 (ja) 1997-03-19

Family

ID=12194716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2648288A Expired - Fee Related JP2592884B2 (ja) 1988-02-09 1988-02-09 シャドウマスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2592884B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2723718B2 (ja) * 1991-09-27 1998-03-09 ヤマハ株式会社 シャドウマスク用Fe−Ni−Co系合金
BE1008028A4 (nl) * 1994-01-17 1995-12-12 Philips Electronics Nv Werkwijze voor het vervaardigen van een schaduwmasker van het nikkel-ijzer type.
JP2002038239A (ja) 2000-07-24 2002-02-06 Yamaha Metanikusu Kk 磁気歪制御型合金板及びこれを用いたカラーブラウン管用部品並びに磁気歪制御型合金板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01204333A (ja) 1989-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6164853A (ja) 管内部品用素材とその製造方法
JPH0549727B2 (ja)
JP2592884B2 (ja) シャドウマスク
JPS63259054A (ja) シヤドウマスク
JPH0799025A (ja) アパーチャグリルの製造方法及びアパーチャグリル
JP2669789B2 (ja) 管内部品
JPH10204541A (ja) 板形状および耐熱収縮性に優れた低熱膨張合金薄板の製 造方法
JPH0687398B2 (ja) シヤドウマスクの製造方法
JP2597994B2 (ja) シヤドウマスク用アンバー合金
JP3379301B2 (ja) 板形状および耐熱収縮性に優れたシャドウマスク用低熱膨張合金薄板の製造方法
JP2000219940A (ja) エッチング性に優れた電子部品用低熱膨張合金薄板素材の熱延鋼板
JPH05144384A (ja) シヤドウマスク用素材
JPS62120432A (ja) シヤドウマスクの製造方法
JP3157239B2 (ja) シャドウマスク材
JP2933913B1 (ja) Fe−Ni系シャドウマスク用材料およびその製造方法
JP3615300B2 (ja) スジむら発生のないシャドウマスク用素材の製造方法
JPH0987741A (ja) 板形状および耐熱収縮性に優れたシャドウマスク用Fe ーNi系アンバー合金薄板の製造方法
JPH05311357A (ja) シャドウマスク材
JP3793122B2 (ja) カラー受像管用マスク用材料の製造方法
JP3316909B2 (ja) 黒化処理性に優れたシャドウマスク用Fe−Ni系およびFe−Ni−Co系合金薄板
JPS61201733A (ja) シヤドウマスクの製造方法
JP3600818B2 (ja) カラー受像管用マスク用材料、カラー受像管用マスクおよびカラー受像管
JP2004058601A (ja) メタルマスクおよびその製造方法
JPH03191024A (ja) シャドウマスク用鉄―ニッケル基合金素材の製造方法
JPS61186452A (ja) 管内部品用素材とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees