JPH05176982A

JPH05176982A - 粘着ドレッシング

Info

Publication number: JPH05176982A
Application number: JP3359234A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Horiuchi; 哲夫堀内; Toshiyuki Yoshikawa; 利之吉川
Original assignee: Nitto Denko Corp
Current assignee: Nitto Denko Corp
Priority date: 1991-12-26
Filing date: 1991-12-26
Publication date: 1993-07-20

Abstract

(57)【要約】【目的】皮膚面などの被着体に対して皺が入らないよ
うに、操作性よく綺麗に貼着することができ、しかも貼
着部位を確認しながら貼着できると共に、貼着後は貼着
部位を見えないように不透明化できる粘着ドレッシング
を提供する。【構成】粘着剤層２を片面に設けた支持体１の背面に
裏打部材３が仮着され、仮着状態では透明性を有し、裏
打部材３が除去されたのちは不透明化する手段が支持体
表面に施されている。不透明化手段としては粗面加工や
塗料層の形成などがある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は粘着ドレッシングに関
し、詳しくは自己支持性を有さないような薄膜状の支持
体を用いた粘着ドレッシングを操作性よく、かつ粘着シ
ートに皺が入らないように被着体に貼着することができ
ると共に、貼着作業時には被着部位を確認しながら貼着
でき、貼着後は不透明化することによって被着部位を覆
い隠せる粘着ドレッシングに関する。

【０００２】

【従来の技術】支持体の片面に粘着剤層を有する粘着ド
レッシングには、支持体として通常、薄膜状のものが採
用されているが、支持体自体に自己支持性がない、所謂
腰がないようなものや、厚みが極めて薄いものは、貼着
時に粘着面同士がくっついたりして貼着操作性が悪く、
また、粘着ドレッシングに皺が入らないように被着面に
貼着することが極めて困難である。特に、医療用や外科
用として創傷皮膚面を被覆保護したり、ＩＶ（Intra ve
nous）カテーテルの固定用などに用いられるドレッシン
グなどでは、被着面が皮膚であるので上記問題点が顕著
に現れる。

【０００３】このような問題点を解消する粘着ドレッシ
ングが特公昭６３−２８９９４号公報や実開昭６２−４
２８１４号公報、実開昭６２−４２８１６号公報に提案
されている。これらに開示されているドレッシングは、
セパレータを剥離除去しても支持体周縁部が裏打部材や
残存するセパレータにて保持されているので、自己支持
性を有し、貼着操作性に優れて貼着時に皺が入らないと
いうものである。

【０００４】上記のような粘着ドレッシングは通常、被
着部位を確認しながら貼着作業を行う必要から透明性を
有しており、貼着後に裏打部材を剥離しても、ドレッシ
ングは依然として透明性を有している。しかしながら、
このような粘着ドレッシングの貼着部位は創傷部位など
が多く、貼着後も透明であると創傷部位が見えるので、
被着者（例えば、患者）にとっては決してこころよいも
のとは云えないものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、自己支持性のないような薄
膜状の支持体を用いた粘着ドレッシングを皮膚面などの
被着体に貼着する際に皺などが入らず、しかも被着体へ
の貼着作業時には透明であって、貼着後は不透明化する
粘着ドレッシングを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは透
明なドレッシングを不透明化させる手段について鋭意検
討を重ねた結果、支持体の裏面に裏打部材を易剥離状態
で仮着した粘着ドレッシングの支持体表面を粗面加工や
凝集力の小さい塗料層を形成することによって、裏打部
材を仮着（密着）させた状態では透明性を有するが、裏
打部材を剥離することによって不透明化することを見い
出し、本発明を完成するに至った。

【０００７】即ち、本発明は粘着剤層を積層してなる柔
軟な支持体の支持体側に、裏打部材が易剥離状態にて仮
着され、仮着状態では透明性を有する粘着ドレッシング
であって、上記支持体と裏打部材との仮着面には裏打部
材剥離後に支持体を不透明化する手段が施されているこ
とを特徴とする粘着ドレッシングを提供するものであ
る。

【０００８】

【実施例】以下に図面を用いて本発明の実施例について
具体的に説明する。

【０００９】図１は本発明の粘着ドレッシングの一実施
例の断面図であり、図２は本発明の他の実施例の断面図
である。また、図３（Ａ）および（Ｂ）は本発明の粘着
ドレッシングをセパレータ４側から見た平面図であり、
セパレータ４に切り込み線Ｘが形成されている例を示
す。さらに、図４（Ａ）および（Ｂ）は本発明の粘着ド
レッシングを裏打部材３側から見た平面図であり、裏打
部材３に切り込み線Ｙが形成されている例を示す。

【００１０】図１および図２から明らかなように、本発
明の粘着ドレッシングは裏打部材３と柔軟な支持体１、
粘着剤層２を必須の構成要件とし、粘着剤層２の表面に
は使用前に粘着剤層表面が汚染するのを防止する目的か
らセパレータ４にて被覆しておくことが好ましく、この
セパレータ４は貼着時にはまず最初に剥離除去される。
本発明の粘着ドレッシングは皮膚面などの被着面に対し
て、最終的には支持体１と粘着剤層２とからなる粘着ド
レッシングの状態で貼着される。本発明では貼着時の操
作性を向上させるために、支持体１の裏面（図１中、下
側）には自己支持性を有する裏打部材３が易剥離状態に
て仮着されているのである。

【００１１】本発明の粘着ドレッシングを構成する上記
支持体１としては、アクリル系ポリマーやポリオレフィ
ン、ポリウレタン、ポリアミド、エチレン／酢酸ビニル
共重合体、ポリエーテル、ポリエステルの如き各種プラ
スチック材料からなる透明性を有するフィルムの単層や
積層フィルムなどが用いられるが、自己支持性を有さな
い支持体、例えば極薄厚の支持体や、支持体材料自体に
所謂、腰がないものなどを用いた場合に本発明の効果を
充分に発揮できて好ましい。支持体の厚みは通常、１５
０μｍ以下、好ましくは１０〜１００μｍ程度のものが
採用される。なお、紙や織布、不織布などからなる支持
体であっても貼着作業時に被着部位を目視確認できるも
のであれば使用できることはいうまでもない。

【００１２】また、上記支持体１の片面に積層される粘
着剤層２は、ゴム系やアクリル系、シリコーン系、ビニ
ルエーテル系などの自体公知の粘着剤を用いることがで
きる。被着体が皮膚面の場合は皮膚刺激性が少ない粘着
剤が採用され、また、抗菌剤などを必要に応じて配合す
ることによって、雑菌の繁殖がさらに防止できて好まし
い。

【００１３】本発明に用いる裏打部材３は、支持体１と
粘着剤層２からなる粘着ドレッシングを被着体に貼着す
るまで支持体１の裏面に仮着されており、被着後に支持
体１から剥離できるように、易剥離状態にて仮着されて
いる。本発明の粘着ドレッシングにおける裏打部材３は
仮着することによって全体厚を厚くすることができるの
で、ドレッシング自体に適度な自己支持性を付与するこ
とができるので、被着体への貼着作業が容易となる。こ
のような裏打部材３と支持体１との接着力は、粘着剤層
２とセパレータ４の接着力よりも大きく、粘着剤層２と
被着体との接着力よりも小さくする必要がある。

【００１４】裏打部材３としては特に制限はなく、各種
プラスチックシートやクラフト紙などが採用でき、厚み
は取り扱い性の点から通常、２０〜２００μｍ程度のも
のを用いることが好ましい。なお、裏打部材は透明性を
有するものが好ましいが、たとえ不透明な材質からなる
場合でも、図４（Ａ）や（Ｂ）のように裏打部材３に枠
状の切り込み線Ｙを設けておき、貼着時に中央部の裏打
部材のみを除去することによって貼着部位を確認するこ
とができる。また、支持体１と裏打部材３との易剥離状
態での仮着は、弱粘着性の粘着剤を介在させる方法や、
加圧法、加熱圧着法、天然ゴムなどのバインダーを用い
た圧着法など任意の方法によって行うことができる。

【００１５】本発明の粘着ドレッシングはセパレータ４
のみを剥離除去して被着体へ貼着する際（裏打部材３は
仮着された状態）には、創傷部などの被着部位を確認し
ながら貼着作業を行なう必要があるので透明性を有する
ものである。そして、貼着後に裏打部材３を剥離除去す
ると支持体１が不透明となり、被着部位を目視観察でき
ないようになり、被着者（患者など）は不快感を生じな
いという効果を発揮するものである。

【００１６】上記のような支持体１の不透明化手段とし
ては、図１に示すように裏打部材３と接する支持体１表
面にエンボス加工などの粗面加工を施す方法がある。こ
の場合は、裏打部材３を仮着する際に支持体の粗面部に
裏打部材３を完全に密着させることにより、透過光が乱
反射（散乱）せず透明性を発揮するようになり、裏打部
材３を剥離除去すると支持体１表面の粗面部が露出する
ので不透明化するのである。

【００１７】また、他の方法としては、図２に示すよう
に支持体１と裏打部材３との仮着界面に透明塗料からな
る塗料層５を形成する方法がある。この場合、裏打部材
３を剥離除去する前は透明であるが、裏打部材３を剥離
する際に塗料層５が凝集破壊して塗料層５表面が荒れ
る、つまり粗面化することによって不透明化するのであ
る。このような塗料としては透明塗膜となる必要から、
含量を含まない油ワニスや酒精ワニスなどが使用でき
る。塗料層５を有する粘着ドレッシングの作製方法とし
ては、例えば支持体１の表面に溶剤を含むワニスを塗布
し、完全に乾燥させる前にその上から裏打部材３を積層
することによって得ることができる。

【００１８】さらに、図３や図４に示すように、本発明
の粘着ドレッシングにおけるセパレータ４や裏打部材３
には切り込み線ＸやＹを形成しておくことが貼着操作性
の面から好ましいものである。特に、図４（Ａ）や
（Ｂ）に示すように切り込み線Ｙににて裏打部材３を枠
状に分割すると、貼着作業時に中央部の裏打部材のみを
剥離除去することによって、枠状に残った裏打部材で自
己支持性を維持でき、しかも貼着部位を確認して貼着で
きるので好ましいものである。

【００１９】なお、切り込み線ＸおよびＹの形状は直線
状でもよいが、好ましくは波状や山形状、鋸歯状の凹凸
形状の切込み線とすることによって、セパレータ４や裏
打部材３を屈曲するだけで凸部が把持部として簡単に起
立するので剥離操作性をさらに向上させる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上のように支持体背面に自己
支持性を有する裏打部材を易剥離状態に仮着した粘着ド
レッシングであるので、貼着操作時に自己支持性が付与
でき被着体への貼着しやすく、皺が入らず綺麗に貼着す
ることができる。また、支持体を不透明化する手段が施
されているので、貼着操作時には貼着部位が容易に確認
でき、貼着後は貼着部位を目視確認できないように覆い
隠すので、被着者に不快感を与えることがないという効
果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の粘着ドレッシングの一実施例の断面
図である。

【図２】本発明の粘着ドレッシングの他の実施例の断
面図である。

【図３】（Ａ）および（Ｂ）は本発明の粘着ドレッシ
ングをセパレータ側から見た平面図である。

【図４】（Ａ）および（Ｂ）は本発明の粘着ドレッシ
ングを裏打部材側から見た平面図である。

【符号の説明】

１支持体２粘着剤層３裏打部材４セパレータ５塗料層Ｘ，Ｙ切り込み線

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】粘着剤層を積層してなる柔軟な支持体の
支持体側に裏打部材が易剥離状態にて仮着され、仮着状
態では透明性を有する粘着ドレッシングであって、上記
支持体と裏打部材との仮着面には裏打部材剥離後に支持
体を不透明化する手段が施されていることを特徴とする
粘着ドレッシング。
【請求項２】粘着剤層面にセパレータが被覆されてい
る請求項１記載の粘着ドレッシング。
【請求項３】裏打部材および／またはセパレータに切
り込み線が形成されている請求項２記載の粘着ドレッシ
ング。
【請求項４】支持体を不透明化する手段が、支持体表
面の粗面加工または塗料層の形成である請求項１記載の
粘着ドレッシング。