JPH0517585U - 薄型時計用目安表示構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、薄型時計に適した目安表示構造の
提供を目的とする。 【構成】 上記目的を達成するために、目安つまみで回
転操作される目安車を、文字板の裏面において時針軸に
嵌着し、前記目安車の表面に、表側から視認可能に目安
表示を付す、という構成を採っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、薄型時計用目安表示構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

アナログ時計では、一般に、ロータの回転が、順次５番車、４番車、３番車、 分針車、日の裏車を経て時針車に伝えられる構造となっており、それぞれの歯車 の軸は、上板や下板等の地板で受けられている。

【０００３】 そして、アナログ目覚時計では、時針、分針、秒針に加えて、目安セット時刻 を示す目安剣が備えられている。図１０は従来の目安機構を示す断面図であって 、上記目安剣２４は時針２１に外嵌された第１の目安歯車２５に固着されており 、図示を省略した目安セットつまみ（以下「目安つまみ」と称する。）をまわす ことにより第１の目安歯車２５が回転され、この第１の目安歯車２５に噛合して いる第２の目安歯車２６が回転され、アラームのセットがなされる構造となって いる。また、２７は時針車で、該時針車２７は時刻の経過につれて回転し、該時 針車２７に噛合している目安セット車２８を回転させる構成となっている。そし てこの目安セット車２８には、目安ばね２９により下板３０側に付勢された目安 カム３１が、時計の厚み方向に摺動可能として係留されており、この目安カム３ １の下縁は、平時には、上記目安ばね２９で第２の目安歯車２６の表面に圧接さ れ、アラーム時には第２の目安歯車２６の上面に嵌設された穴３３に落とし込ま れ、上記目安ばね２９に連接されているスイッチ３４が作動してアラームが発せ られる構成となっている。尚、２２は分針、２３は秒針である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従って上記従来の時計では、目安剣２４の分だけスペースが要求され、薄型 化を図る上で、不都合な構造であった。本考案は、従来の目安表示構造に代って 、薄型化に適した新規な目安表示構造を提供する目的でなされた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は、目安つまみで回転操作される目安車を、文字板の裏面にお いて時針軸に嵌着し、前記目安車の表面に、表側から視認可能に目安表示を付す という構成に依っている。

【０００６】

【作用】

上記構成の目安表示構造は、目安車の表面に付された目安表示を視認して用い る。したがって目安剣を設ける必要がなく、従来、目安剣を設けるに必要だった スペースを省略し得、時計の薄型化が図れる。

【０００７】

【実施例】

図１は文字板６を透明材で構成した実施例の断面図であって、ロータ２０の回 転が順次５番車１９、４番車１８、３番車１７、分針車１６、日の裏車１５を経 て時針車１４に伝えられる構造となっている。また、８はガラス、２は時針軸、 ２２は分針軸、４は上板、２ａは時針、２２ａは分針を示している。

【０００８】 ３は上記透明な文字板６の裏側において時針軸２に嵌着された目安車であって 、該目安車３は、従来の第１の目安歯車２５に相当するもので、目安つまみ５の 回転操作により、上記時針軸２まわりに回転せしめられる構成とされている。そ して上記目安車３の表面には、透明な文字板６を通して視認可能な目安表示１が 付されている。尤も上記文字板６は必ずしも透明材である必要はない。すなわち 、文字板６は目安表示１を視認可能とし、且つ、目安車３の支持を可能とする構 造のものであればよく、例えば、図２、図３に示すように目安車３の外縁部を係 止する不透明材の中抜き状文字板６としておけば、図４に示す如く視認可能とな る。尚、図３は、図２における目安車３と目安機構との関係を示しており、従前 同様、目安つまみによって回転される目安車３は、第２の目安歯車２６に嵌合せ しめられている。尚、７は中間車で、目安つまみ５の回転を前記目安歯車２６に 伝えるものである。

【０００９】 そして上記実施例では、時計をより薄型化できるように、目安車３を配する部 位の下板３０を切除してある。しかしこのように下板３０を切除した場合には、 時計輪列の支持に問題を生じる。すなわち、上記ロータ２０から時針車１４へ伝 えられる回転は低速段から高速段へと変ってゆくのであって、高速段部の歯車を 上記目安車３に受けさせると、負荷がかかって回転がスムーズに行われないとい う問題がある。そこで図５では、低速段たる３番車１７および日の裏車１５のみ を目安車３に受けさせ、他の４番車１８、５番車１９、ロータ２０は残余の下板 ３０で受けさせる構成としてある。勿論、図９に示すように３番車１７や日の裏 車１５の先端を先細りにしておけば負荷の防止としてより好ましい。

【００１０】 上記のように、下板３０が本来存する部位に目安車３を配する構成とした場合 、クリック感を与える構造を採りやすい。すなわち、図７、８に示すように、下 板３０の切除端縁から突子３２を突出させて目安車３の歯３ａに当接するように なせば、目安車３の回転時にクリック感が得られる。

【００１１】

【考案の効果】

上述したように、本考案では、目安剣を用いずに目安車に目安表示機能を担わ せており、目安剣を装着せずにすむ分だけ時計の薄型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】透明な文字板を用いた実施例の断面図。

【図２】不透明な文字板を用いた実施例の断面図。

【図３】ロータからの回転伝達経路を示す断面図。

【図４】図２に示す時計の正面図。

【図５】低速段の歯車のみを目安車で受けさせた実施例
の断面図。

【図６】時計輪列の配置を示す平面図。

【図７】クリック構造の部分を示す拡大断面図。

【図８】クリック構造の平面図。

【図９】輪列の軸と目安車の当接部分の拡大断面図。

【図１０】従来の目安機構を示す断面図。

【符号の説明】

１ 目安表示 ２ 時針軸 ３ 目安車 ６ 文字板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 目安つまみで回転操作される目安車を、
   文字板の裏面において時針軸に嵌着し、前記目安車の表
   面に、表側から視認可能に目安表示を付したことを特徴
   とする薄型時計用目安表示構造。