JPH0517441A - スピロイソインドリン化合物、その製造方法、それを含有する神経症を治療するための医薬およびそれを製造するための中間体 - Google Patents

スピロイソインドリン化合物、その製造方法、それを含有する神経症を治療するための医薬およびそれを製造するための中間体

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JPH0517441A
JPH0517441A JP3015405A JP1540591A JPH0517441A JP H0517441 A JPH0517441 A JP H0517441A JP 3015405 A JP3015405 A JP 3015405A JP 1540591 A JP1540591 A JP 1540591A JP H0517441 A JPH0517441 A JP H0517441A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 神経症の治療に使用するスピロイソインドリ
ン化合物の開発。 【構成】 一般式Iで示されるスピロイソインドリン化
合物、またはその薬理学的に認容性の塩ならびにそれら
の製造法、それらを含有する神経症を治療するための医
薬、ならびに式Iの化合物を製造するための中間体であ
る一般式IIで示される化合物。 〔式中、Rは水素、ベンジル、C1〜5アルキル基等
を、Y,Y,YおよびYは水素、ハロゲン、C
1〜5アルキル、ヒドロキシ、C1〜5アルコキシおよ
びCFを表わし、環Aはヒドロキシ、ハロゲン、C
1〜5アルキル、C1〜5アルコキシまたはCFで置
換されていてもよいベンゼン環、チオフエン環、フラン
環またはピロール環を表わし、nは1,2,3または4
である〕 【効果】 一般式Iの化合物は発作およびそれによって
生じる機能的損症によって引きおこされる神経変性症、
たとえは低血糖症、脳性痳痺、一時的脳阻血性発作、ハ
ンチングトン舞踏病、アルツハイマー病等、の治療に有
効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に、ヒトのよう
な動物における神経症の治療に使用するスピロイソイン
ドリン化合物に関する。特に、この化合物は、発作およ
び/または神経変性症、たとえば低血糖症、脳性痳痺、
一時的脳阻血性発作、分娩時の仮死、癇癪、ハンチング
トン舞踏病、アルツハイマー病、オリブ橋小脳皮質の萎
縮、たとえば溺れおよび脊髄損傷による酸素欠乏症の治
療に有効である。本発明は、発作およびそれにより生じ
る機能的損傷により引き起こされる神経症の減少に有効
である。本発明の化合物を用いた治療は、阻血症状の後
に、その症状の作用を緩和するため、化合物を投与する
ことによるような、救済的および治療的なものであるこ
とができる。さらに、この治療は阻血症状が起こること
を予想して、たとえば発作の傾向のある患者に、化合物
を投与するような予防的または予想的なものであっても
よい。
【0002】
【従来の技術】阻血症状は、刺激的なアミノ酸グルタメ
ートおよびアスパルテートの細胞内濃度において劇的な
増大を起こさせ、これは、順番に長い神経的な刺激を起
こし、これが脳神経細胞中で、細胞外から細胞内の位置
にカルシウムを大量に流入させる。過荷重のカルシウム
は、細胞の異化作用および最終的に細胞死を起こすよう
な症状の進行を引き起こしてしまう。
【0003】このN−メチル−D−アスパルテート(N
MDA)レセプター複合体は、阻血症状により細胞壊死
を引き起こす症状の進行において重要な役割を演じてい
ると思われる。これは、それぞれのNMDAアンタゴニ
ストが、多くの発作の動物実験で、阻血症状の後、24
時間投与した場合、神経保護作用を示すことが観察さ
れ、つまり発作が起こった後に、治療的干渉の機会であ
る。本発明により製造されたこの化合物は、NMDAレ
セプター複合体のフェンシクリジン(PCP)のアンタ
ゴニストであり、発作により引き起こされる神経変成症
の治療に有効である。さらに、この化合物は、PCPレ
セプターアンタゴニストの投与を含めた治療を行なおう
とする場合、たとえば、前記したような発作の他の神経
変成症と対抗しようとする場合にも有効である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明により、式I(以
下のロ−マ数字の式は、実施例の後の頁の表にまとめて
記載する)[式中、Rは水素、ベンジルおよび二重結合
または三重結合を有していてもよいC1〜C5アルキルか
らなる基から選択され、ただし、二重結合または三重結
合が存在する場合、1個以上のメチレン基が前記の二重
結合または三重結合と、前記のアルキルに結合している
窒素原子との間に介在するものとし、Y1、Y2、Y3
よびY4は、相互に無関係に、水素、ヒドロキシ、ハ
ロ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシ、およびト
リフルオロメチルを表し、ただし、Y1、Y2、Y3およ
びY4の2つ以上は水素以外のものではないものとし、
環Aは、式Ia、式Ib、式Icおよび式Id(式は、
実施例の後の表に記載する)(式中、XはO、Sおよび
N−R1を表し、その際、R1は前記のRで示したものを
表し、Z1、Z2、Z3およびZ4は、相互に無関係に、水
素、ヒドロキシ、ハロ、C1〜C5アルキル、C1〜C5
ルコキシおよびトリフルオロメチルを表し、ただし、Z
1、Z2、Z3およびZ4の2つ以上は水素原子以外のもの
ではないものとする)で示されるメンバーからなる基か
ら選択され、nは1、2、3または4を表し、ただし、
1、Y2、Y3およびY4のそれぞれがHである場合、環
Aは式Iaであり、Z1、Z2、Z3およびZ4がHである
場合、nは1であり、RはHではないものとする]で示
される化合物またはその塩、および薬理学的に認容性の
希釈剤または担持剤を含有する神経症の治療に適した医
薬が提供された。
【0005】さらに、本発明により、治療の必要な動物
に、作用量の前記した式Iの化合物またはその薬理学的
に認容性の塩を投与することによりなる神経症の治療方
法が提供された。
【0006】この化合物、スピロ[インダン−1,1′
−(1,3−ジヒドロイソインドール)]は、たとえ
ば、Tetrahedron.Lett.,30(39),5203-5206,(1989)によ
り公知である。前記した式Iの化合物の範囲内の残りの
化合物は新規であると思われるが、本発明の付加的実施
態様として提供される。この新規の化合物は、Y1〜Y4
はそれぞれHを表し、環Aは式Iaを表し、Z1〜Z4
Hを表し、n=1、RはHを表さないものとする前記式
Iの化合物を含める。
【0007】式Iの化合物は不斉置換炭素原子を有し、
従って、光学活性形およびラセミ形で存在するおよび単
離ができることが認められる。さらに、式Iの化合物
は、たとえば二重結合を有し、前記の別の立体異性体形
(EおよびZ)で存在するおよび単離できることが認め
られる。このような化合物は多形現象を示すことができ
る。本発明は、ラセミ形、光学活性形、多形または立体
異性形、またはそれらの混合物を包含し、これらの形
は、神経症の治療に有効な特性を有しており、光学活性
形の製造(たとえば、ラセミ形の分解または光学活性出
発材料からの合成による)、個々のE立体異性およびZ
立体異性の製造(たとえば、その混合物のクロマトグラ
フィーによる分離による)をどのような方法で行なうか
は公知であり、後に記載する標準テストにより神経保護
特性をどのように測定するかは公知である。
【0008】本明細書において、「アルキル」および
「アルコキシ」とは、双方とも直鎖および分岐鎖のラジ
カルを含んでいるが、しかし、「プロピル」または「プ
ロポキシ」のような個々のラジカルについては、直鎖
(ノーマル)ラジカルのみを表し、「イソプロピル」ま
たは「イソプロポキシ」のような分岐鎖の異性体は特別
に示した。
【0009】一般的に使用されているような「ハロ」は
フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを表す。
【0010】C1〜C5アルキルとしてのRの特別なもの
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチルお
よびイソペンチルであり;Rが場合により二重結合また
は三重結合を有する場合に、特別のものはアリルまたは
プロパギルである。ハロとしてのY1、Y2、Y3および
4の特別のものは、フルオロおよびクロロである。
【0011】C1〜C5アルキルとしてのY1、Y2、Y3
およびY4の特別なものは、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペ
ンチルおよびイソペンチルである。
【0012】C1〜C5アルコキシとしてのY1、Y2、Y
3およびY4の特別なものは、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、イ
ソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシおよびイソペン
トキシである。
【0013】ハロとしてのZ1、Z2、Z3およびZ4の特
別なものは、フルオロおよびクロロである。
【0014】C1〜C5アルキルとしてのZ1、Z2、Z3
およびZ4の特別なものは、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、
イソブチル、ペンチルおよびイソペンチルである。
【0015】C1〜C5アルコキシとしてのZ1、Z2、Z
3およびZ4の特別なものは、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、イ
ソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシおよびイソペン
トキシである。
【0016】XがN−R1を表す場合のR1の特別なもの
は、C1〜C5アルキルであり、このC1〜C5アルキルは
前記のY1〜Y4に示した特別なものと同じである。
【0017】Rのさらに特別なものは、水素、メチル、
エチル、プロピルおよびブチルである。
【0018】Y1、Y2、Y3およびY4のさらに特別なも
のは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、
メトキシ、エトキシおよびプロポキシである。
【0019】Z1、Z2、Z3およびZ4のさらに特別なも
のは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、
メトキシ、エトキシおよびプロポキシである。
【0020】Xのさらに特別なものは、O、S、N−メ
チル、N−エチルおよびN−プロピルである。
【0021】nのさらに特別なものは1、2および3で
ある。
【0022】Rの典型的なものは水素、メチル、エチル
およびプロピルである。
【0023】Y1、Y2、Y3およびY4の典型的なもの
は、水素、ヒドロキシ、メトキシおよびエトキシであ
る。
【0024】Z1、Z2、Z3およびZ4の典型的なもの
は、水素、ヒドロキシ、メトキシおよびエトキシであ
る。
【0025】Xの典型的なものはSである。前記したも
のの中で、化合物のサブグループ、たとえば (a)式Ieの化合物 (b)式Ifの化合物 (c)式Igの化合物 (d)式Ihの化合物 を含めることが認められる。
【0026】式Ie〜式Ihにおいて、R、n、Z1
4およびY1〜Y4は前記したものを表す。前記した化
合物のサブグループは、その薬理学的に認容性の付加塩
を含める。式Iのスピロイソインドリンは、化学工業に
おいて公知の、構造的に類似の化合物の製造方法のよう
な方法により製造することができる。前記したような式
Iのスピロイソインドリンの製造方法は、本発明のもう
ひとつの態様であり、次の方法により表し、その際、一
般的なラジカルの意味は、他に条件をつけない限り、前
記のものを表す。この方法は、一般的に次のように行な
うことができる。
【0027】(a)Rが水素を表す式Iの化合物につい
て、式IIのスピロラクタムを還元することにより製造
する。この還元は、適当な還元剤を用いて、適当な溶剤
または希釈剤の存在で、一般的に、30〜120℃の温
度で行なうことができる。たとえば、式IIのスピロラ
クタムを、テトラヒドロフランのような希釈剤に懸濁
し、水素化アルミニウムリチウムのような還元剤と一緒
に還流させて、Rが水素である式Iの相応するスピロイ
ソインドリンにする。
【0028】(b)RがC1〜C5アルキルであり、場合
により二重結合または三重結合を有する式Iの化合物に
ついて、Rが水素である式Iのスピロイソインドリン
を、適当なアルキル化剤を用いてアルキル化することに
より製造する。この適当なアルキル化剤は、(飽和また
は不飽和の)アルキルハロゲン化物(ヨウ化物、臭化物
および塩化物を含む)である。メチル(R=CH3)ス
ピロインドリンが所望の場合、ホルムアルデヒドとギ酸
との混合物を用いるEschweiler-Clarke反応により、相
応する(R=H)スピロイソインドリンを還元的にメチ
ル化する。
【0029】(c)Y1〜Y4および/またはZ1〜Z4
ヒドロキシを表す式Iの化合物について、Y1〜Y4およ
び/またはZ1〜Z4の相応するものがアルコキシを表す
式Iのスピロイソインドリンを、アリールアルキルエー
テル分解に適した薬剤、たとえば、トリハロゲン化ホウ
素、たとえば三塩化ホウ素または三臭化ホウ素を用い
て、前記のアルキル値を分解しヒドロキシにする。
【0030】前記の方法にとって必要な出発材料が、市
販されていない場合に、標準の有機化学技術から選択し
た方法により製造することができ、この技術は、公知の
構造的に類似の化合物を合成するものと類似のもの、ま
たは前記した方法と類似のもの、または実指令に記載し
た方法である。
【0031】式IIのスピロラクタムは、まず、式II
Iの相応するスピロラクタムを、過剰の水酸化アンモニ
ウムまたは、有利に、水酸化アンモニウムと塩化アンモ
ニウムと、加圧下(約35〜約100バール)で、20
0〜280℃の温度範囲内で反応させることにより得る
ことができる。この反応生成物は、一般に、他の生成物
の他に、所望の式IIのスピロラクタムと、式IVに見
られるような構造のオレフィンアミド副生成物を有して
いる。式におよび式IVの化合物は、混合物として、他
の反応生成物から(たとえばクロマトグラフィーによ
り)分離することができ、次いで、トリフルオロ酢酸と
反応させて、前記式IVのオレフィンアミドを所望の式
IIのスピロラクタムに変えることができる。
【0032】式IIのスピロラクタムは、式IIIのス
ピロラクタムを、適当な有機溶剤中で、メチルアルミニ
ウムクロロアミド(これは無水塩化アンモニウムとトリ
メチルアルミニウムとを反応させることにより製造す
る)で処理することにより得ることもできる。一般に、
混合物は、式IVおよび式Vを有する化合物を含有して
製造される。この混合物は、所望の式IIのスピロラク
タムを得るために、トリフルオロ酢酸で処理することが
できる。
【0033】式IIIのスピロラクタムは、式VIの二
リチウム化N−メチルベンズアミドを、式VIIのケト
ンと、溶剤または希釈剤、たとえばテトラヒドロフラン
の存在で、一般に不活性雰囲気下で反応させることによ
り得ることができる。式VIの二リチウム化ベンズアミ
ドは、公知の方法により、、式VIIIのN−メチルベ
ンズアミドをアルキルリチウム化合物、たとえばn−ブ
チルリチウムと反応させることにより製造することがで
きる。たとえば、W.H.Puterbaugh およびC.R.Hauser,J.
Org.Chem.,29,853(1964)参照。
【0034】ヒドロキシ官能基が式Iの最終的化合物の
1〜Y4またはZ1〜Z4の全ての位置に所望の場合に、
全てのヒドロキシ官能基を保護するのが有利であり、こ
れは式IIのラクタムを還元する前に、還元および後処
理を容易にするため、Y1〜Y4またはZ1〜Z4で、中間
体または前駆体に導入して式Iの相応するスピロアミン
にする。このような保護は、ヒドロキシ基をメトキシ基
のようなアルコキシ基に変えることにより行なうことが
できる。しかし、この生成物を水酸化アンモニウム/塩
化アンモニウム組み合わせ物と反応させることにより、
式IIIのスピロラクトンを式IIのスピロラクタムに
変える前に、アルコキシ基が分子中に存在する場合、こ
のアルコキシ基はヒドロキシに分解される。このよう
に、ラクタムを還元してスピロアミンにする前に、アル
キルハロゲン化物、たとえばヨウ化メチルとラクタムと
を反応させて、アルコキシ(たとえばメトキシ)に変換
しなおすことによりヒドロキシ官能基の再保護を容易に
行なう還元が必要である。ヒドロキシ官能基が最終的な
スピロイソインドール生成物に所望の場合、このアルコ
キシ基は、たとえばアリールアルキルエーテル分解に適
した薬剤、たとえば三臭化ホウ素または三塩化ホウ素の
ようなトリハロゲン化ホウ素と(アルコキシ)スピロイ
ソインドリンと反応させることにより分解させることが
できる。
【0035】同様に、式VIの二リチウム化N−メチル
ベンズアミドを、式VIIのケトンと反応させて式II
Iのスピロラクトンを形成させる場合、反応の失速を避
けるために、Y1〜Y4またはZ1〜Z4に対してヒドロキ
シ官能基は存在させない。このヒドロキシ官能基は、前
記したような式IIのスピロラクタムの還元により導入
することができる。
【0036】薬理学的に認容性の有利な塩は、薬理学的
に認容性のアニオンを形成する酸を用いて生成した有機
酸付加塩、たとえばトシレート、メタンスルホネート、
アセテート、タルトレート、シトレート、スクシネー
ト、ベンゾエート、アスコルベート、a−ケトグルタレ
ート、およびa−グリセロホスフェートである。適当な
無機塩は、スルフェート、ニトレートおよびヒドロクロ
リドのようなものを形成することもできる。薬理学的に
認容性の塩は、公知の標準的方法を用いて、たとえば、
式Iのスピロイソインドリンを、薬理学的に認容性のア
ニオンを供給する適当な酸と反応させることにより得る
ことができる。
【0037】発作の後で治療上介在するために用いる場
合、式Iのスピロイソインドリンは、一般に、前記の式
Iのスピロイソインドリンを薬理学的に認容性の希釈剤
または担持剤として一緒に含有する適当な薬理学的組成
物として投与され、この組成物は、選択した投与の特別
なルートに適している。このような組成物は本発明のも
うひとつの実施態様である。これらは、通常の方法、お
よび賦形剤および結合剤を用いて得ることができ、多様
な投与形態にすることができる。たとえば、経口投与の
ため、錠剤、カプセル剤、溶液または懸濁剤の形、直腸
投与のため、坐剤の形、静脈内または筋肉内注射または
点滴投与のため、無菌溶液または懸濁液の形、吸入によ
る投与のため、エアゾールまたは噴霧溶液または懸濁液
の形、吹き込み投与のため、薬理学的に認容性の不活性
固体希釈剤、たとえばラクトースと一緒にした粉末の形
である。
【0038】式Iの化合物の投与量は、原則として公知
の方法で、投与ルート、後の阻血症の程度、患者の体重
および年齢を考慮して変化させる。一般に、式Iの化合
物は、ヒトのような温血動物に対して、たとえば体重あ
たり約0.02〜約50mg/kgの範囲内の作用量で
投与される。
【0039】式Iの化合物は、これと医学的に不相容性
でないその他の治療剤および/または予防剤と共に投与
できることは当業者にとって公知である。
【0040】式Iの化合物の、NMDAレセプター複合
体のフェンサイクリジン(PCP)レセプターにおいて
のアンタゴニストとしての作用は、たとえば、Vignon e
t al.,Brain Research,280,194-197(1983)に記載した公
知の試験管内試験により示される。Vignon et al.は、
三チタン化N−(1−[2−チエニル]シクロヘキシ
ル)−3,4−[3H]−ピペリジン([3H]−TPC
と略記)が、PCPそれ自体よりも強力に、PCP結合
位置(たとえばラットの脳において)と結合することを
明らかにしている。PCP位置との結合により、トラン
スメンブランカルシウムチャンネルが効果的にブロック
され、細胞死を引き起こす過剰のカルシウムを緩和し、
防止することは公知である。この[3H]−TCPは、
NMDAレセプター複合体中のPCP位置のようなPC
Pレセプターと結合する化合物の結合親和性を測定する
ための有効な道具である。PCPおよびTCPは、NM
DAレセプターが作用するカルシウムチャンネルをブロ
ックし、その結果、[3H]−TCPは、PCPの作用
を擬態する化合物の結合親和性を試験するための標準と
して使用することによりカルシウムチャンネルブロック
剤としての作用、ひいては、発作の後の治療剤としての
作用を測定できることは公知である。
【0041】特に、式Iの化合物の結合親和性を測定し
ようとする場合、(脳)NMDAレセプター源は、成熟
したSprague-Dawleyラットからの神経細胞のシナプス膜
を製造することにより生じる。短時間に、新に解剖した
皮質および海馬は0.32Mサッカロース(100mg
/ml)中にホモジナイズドした。シナプトソームを遠
心分離(1000xg,10分)により単離し、ペレッ
トにし(20000xg、20分)、再懸濁させた。こ
の懸濁液を8000xgで20分間遠心分離し、生じた
懸濁液および淡黄色の被膜を二回洗浄した(48000
xg、10分)。最終的ペレットを二倍の脱イオン水の
もとですばやく凍結させ(ドライアイス−エタノール
浴)、−70℃で貯蔵した。
【0042】[3H]−TCP結合の製造は、Vignon et
al.から応用した。膜を溶かす実験の場合、緩衝液(5
mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンヒドロ
クロリド、pH7.7、Sigmaから利用)中で、組織ホ
モジナイザー(POLYTRON%、Brinkmanから利用)を用い
て、37℃で、20分間ホモジナイズドし、遠心分離機
で2回洗浄した。[3H]−TCP(2.5nM)およ
びテスト化合物を、膜と一緒に30分間37℃でインキ
ュベートした。非特異的結合は100μM MK−80
1で測定し、カルシウムチャンネルブロック剤は公知で
あり、前記したように、たとえば欧州特許出願公開第0
230370号(公開日1987年7月29日)の方法
において特徴付けられている。この反応は、Brandel細
胞収穫機のガラス繊維フィルターの真空濾過により終わ
らせる。0.2%のポリエチレンイミン中に予め浸した
フィルターを氷冷緩衝液3mlで3回すすいだ。放射線
を、液体シンチレーション計数器で測定した。[3H]
−TCPの比活性は、集中[3H]TCP結合を測定し
た放射能を変換するために用いた。特異結合は、100
μM MK−801の存在で残る非特異結合を引くこと
により得られた。テスト化合物濃度に対する特異的[3
H]TCP結合の置き換えのLogit-logプロットは、最
小の正方形の直線回帰と適合した。IC50値は、全特
異的[3H]TCP結合の50%の阻害においてしょう
じたテスト化合物の濃度の最も適した評価であり、結合
親和性を反映している。本発明による化合物の典型的な
IC50は、一般に20μMより低い。たとえば、例1
8の化合物のIC50値は0.6μMであった。
【0043】本発明の化合物の有効な生物学的特性は、
たとえば、ラット、アレチネズミ、ネコのような実験室
動物により証明することができる。典型的に、動物は、
たとえば頚動脈を一瞬閉塞させることにより阻血を起こ
させる。テスト化合物は、前記の阻血動物に、阻血症状
でか、またはその後で投与する。このテスト化合物の神
経退化の減少または防止作用は、動物の犠牲、および適
当な脳組織の通常の組織学的調査により評価することが
できる。たとえば、次に、アレチネズミモデルを用いた
適当な生体内テストを示した。
【0044】アレチネズミ阻血モデルを用いた生体内テ
ストにおいて、成熟したメスのMongolian gerbil(50
〜70g)は2〜3%のハロタンで麻酔した。頚の両側
の一般の頚動脈を露出させ、クリップ(microaneurysm
clips)で閉塞させた。10分後、クリップを取り外
し、頚動脈を通る血液の流れを回復させ、皮膚を縫合し
た。テスト化合物は、閉塞前および閉塞後の両方に、た
とえば、頚動脈の閉塞の45分前および5分後に、腹膜
腔内に投与した。偽の処理した動物を、同様の方法で治
療したが、頚動脈は止めなかった。運動筋肉の活性とと
もに、全体の行動の観察は閉塞後の最初の日(24時
間)の2時間に記録された。4日後に、実験動物は犠牲
となり(頚を切り)、脳を取り出し、固定し、解体し、
ヘマトキシリン/エオシン(hematoxylin/eosin)およ
びクレシルバイオレット(cresyl violet)で着色し
た。
【0045】この脳断片を、海馬における通常のダメー
ジに対して、次の評価スケールを用いて評価した。
【0046】 0=ダメージなし、正常 1=わずかなダメージ(25%まで)−制限されたCA
1/subiculum border 2=中程度のダメージ(50%まで)−明らかなダメー
ジ、CA1領域の半分よりも少ない制限 3=著しいダメージ(75%まで)−CA1領域の半分
よりも多い 4=CA1領域を越えて拡大したダメージ 断片(7ミクロン)はそれぞれの脳から評価した。局所
的、非対称のダメージは、注意され、指定した評価は二
つの側の平均点である。それぞれのグループの平均脳ダ
メージ評価点を記録し、薬物処理したグループのダメー
ジ点を、Wilcoxcon ranks sumテストを用いて、賦形剤
で治療したグループと比較した。
【0047】一般的に、本発明の化合物は、前記の生体
内テストで、腹膜腔内(ip)で80mg/kg以下の
投与量で、明らかな毒性作用を示さずに、活性を示し
た。例のために、例21に記載した化合物は、明らかな
毒性作用を示さずに、60mg/kgのip投与量で、
著しい神経保護作用を示した。
【0048】次の実施例につき、本発明を説明するが、
本発明はこれのみに限られるものではなく、他のことわ
りのないかぎり次の条件である: (i) 温度はセッ氏(℃)で示す;操作は室温又は周
囲温度で即ち18〜25℃の温度で実施した; (ii) 溶剤の蒸発は、回転蒸発器を用い、減圧(60
0〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)下で、
60℃までの浴温で実施した; (iii) フラッシュクロマトグラフィはメルクシリカ
ゲル(Art9385)上で、カラムクロマトグラフィ
はメルクシリカゲル60(Art7734)上で実施し
た[これらの物質はE.Merck、Darmstad
t、西ドイツから入手した];薄層クロマトグラフィ
(TLC)は、アナルテック(Analtech)0.
25mmシリカゲルGHLPプレート(Art2152
1)[Analtech、Newark、DE.USA
から入手]上で実施した; (iv) 一般に、反応の経過をTLCで追跡し、反応時
間は説明のためのみに記載されている; (v) 融点は未補正のままであり、(d)は分解を意
味する;融点は、記載のようにして製造された物質に関
して得られたものである;いくつかの製造時に、 種々
異なる融点を有する物質の単離時に多形が生じることが
ある; (vi) 全ての最終生成物は、実質的にTLCで純粋で
あり、満足しうる核磁気共鳴(NMR)スペクトル及び
マイクロ分析データを有した; (vii) 収率は説明のためのみに示す; (viii) 減圧は絶対圧(パスカルPa)で、他の圧力
はゲージ圧(バール)で示す; (ix) 化学記号は慣用のものである;次の略字をも用
いる:v(容量)、w(重量)、mp(融点)、l(リ
ットル)、ml(ミリリットル)、mM(ミリモル)、
g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、h
(時間); (x) 溶剤比は容量:容量(v/v)で示す; (xi) 最終生成物の名称は、例の後に記載の式に関連
しており、Y1〜Y4、Z1〜Z4及びRは他に記載のない
場合には水素である。
【0049】例 1スピロ[1,3−ジヒドロイソインドール−1,1′−
(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)](式I
e、n=2) テトラヒドロフラン(15ml)中のラクタム スピロ
[1,3−ジヒドロイソインドール−1,1′−(1,
2,3,4−テトラヒドロナフタレン]−3−オン
(0.61g、2.4mM)の冷(氷浴)撹拌懸濁液
に、窒素気下で、リチウムアルミニウムヒドリド(0.
37g、9.8mM)を添加した。5分間撹拌の後に、
冷却浴を除き、反応混合物を18時間還流させ、次いで
氷浴を用いて冷却した。この冷却混合物に連続的に、少
量宛、水0.37ml、15%水酸化アンモニア水0.
37ml及び水1.1mlを滴加した。生じる混合物を
濾過し、集めた固体をテトラヒドロフランで数回洗浄し
た。濾液及び洗液を一緒にし、乾燥させ(硫酸ナトリウ
ム)、濾過し、濃縮すると黄色油状物が残った。この油
状物をシリカゲルのクロマトグラフィにかける[溶離
剤:1:2−酢酸エチル/ヘキサン]と、標題スピロイ
ソインドリン(0.43g、77%)が淡黄色油状物と
して分離された。
【0050】エタノール2ml中の前記のクロマトグラ
フィ処理された油状物の1部分(0.30g、0.3m
M)をエーテル性塩化水素で処理した。生じる沈殿を集
め、エタノール/ジエチルエーテル(1:1)から再結
晶させると、スピロイソインドリンの塩酸塩(0.24
g、69%)が、オフホワイト結晶性固体(mp.25
0〜251℃)として得られた。
【0051】C1717N・HCl・0.2H2Oの分
析: 計算値:C74.14、H6.73、N5.09 実測値:C74.17、H6.72 N5.10 出発スピロラクタムは次のようにして得た: a.スピロ[1,3−テトラヒドロイソベンゾフラン−
1,1′−(1,2,3, 4−テトラヒドロナフタレ
ン)]−3−オン 無水テトラヒドロフラン(190ml)中のN−メチル
ベンズアミド(8.65g、64.0mM)の冷(氷
浴)撹拌溶液に、窒素気下で、ヘキサン中の2.58M
n−ブチルリチウム(50.8ml、131mM)を1
0分かかって添加した。1.5時間後に、生じるジリチ
ウム塩中間体(式IV)の明赤色溶液を、ドライアイス
/アセトン浴を用いて冷却し、10分間にわたり、無水
テトラヒドロフラン(25ml)中のa−テトラロン
(9.82g、67.2mM)で処理した。45分後に
冷却浴を除き、反応混合物を0℃まで昇温させた。反応
混合物を氷水400ml中に注ぎ、生じる混合物を15
分間撹拌し、次いで45分間還流させた。冷却後に、混
合物を濾過し、所望のスピロラクトン4.62gをオフ
ホワイト固体として分離した。この濾液をジエチルエー
テルで抽出し、集めた抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシ
ウム)、濾過し、濃縮すると、懸濁固体を含有する油状
物が残った。この物質をヘキサン/ジエチルエーテル
(2:1)と擦し、濾過して、付加的に、スピロラクト
ン3.90g(全収率53%)を明黄褐色固体として分
離した。この固体の少量分をトルエン/ヘキサン(1:
1)から再結晶させると、スピロラクトンの分析用試料
がオフホワイト固体として得られた。mp133〜13
3.5℃。
【0052】C17142に関する分析: 計算値 C81.58、H5.64 実測値 C81.40 H5.74 b.スピロ[1,3−ジヒドロイソインドール−1,
1′−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)]
−3−オン エタノール93ml中の例1aで得られたスピロラクト
ン(3.68g、14.7mM)の溶液を、28%水酸
化アンモニウム水289ml中の塩化アンモニウム
(3.93g、73.5mM)の溶液に添加した。生じ
る混合物を氷浴中で冷却し、アンモニアガスで飽和し、
不銹鋼圧力容器中に入れ、232〜240℃(1200
psi)に20時間加熱した。室温まで冷却の後に、圧
力容器内容物を取出し、濃縮した。残分を酢酸エチル/
水混合物中に懸濁させ、濾過し、濾液を酢酸エチルで3
回抽出した。集めた抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウ
ム)、濾過して、不溶物質を除き、濃縮すると、こはく
色の油状物を生じた。この油状物をシリカゲル上のクロ
マトグラフィにかける(容離剤:ジエチルエーテル)
と、フォーム状物1.77g(これは、2−(5,6−
ジヒドローナフタレン−8−イル)−ベンズアミドと所
望スピロラクトンとの混合物である)及び純粋スピロラ
クタム0.18gを生じ、これは、ジエチルエーテルか
らオフホワイト結晶性油状物として晶出した。mp23
6.5〜240℃。
【0053】C1715NOに関する分析: 計算値:C18.90、H6.06、N5.62 実測値:C18.86、H6.15、N5.22 前記のように単離された混合物をトリフルオル酢酸で処
理することにより、ベンズアミドをスピロラクタムに変
え、次いでこれを単離しかつ精製した。この変更を次の
方法で実施した:前記のように単離された混合物1.7
7gをトリフルオル酢酸(40ml)中で3時間還流さ
せ、冷却しかつ濃縮すると、暗色油状物が残った。この
油状物を飽和炭酸水素ナトリウム水及びエーテルで処理
すると、懸濁液が得られるから、これを、濾過して固体
を分離した。固体を水で洗浄し、空気乾燥させると、黄
褐色固体が生じた。この物質をシリカゲルのクロマトグ
ラフィにかけると(容離剤:ジエチルエーテル)、所望
のスピロラクタム1.45g(スピロラクトンからの全
収率44.5%)が前記単離物と同じ黄色固体として得
られた。
【0054】例 22−メチルスピロ[1,3−ジヒドロイソインドール−
1、1′−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン)](式Ie;n=2、R=CH3 ギ酸(0.71ml)中の例1で製造されたスピロイソ
インドールの溶液を水(0.86ml)及び37%ホル
ムアルデヒド水(0.27g、3.4mM)で処理し
た。生じる溶液を84℃で0.5時間加熱の後に、これ
を室温まで冷却させ、過剰の飽和炭酸水素ナトリウム水
に添加した。集めた抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウ
ム)、濾過し、濃縮すると、無色油状物0.35gが残
った。シリカゲル上でのこの油状物のフラッシュクロマ
トグラフィ(溶離剤:3:1ヘキサン:ジエチルエーテ
ル)により、標題スピロイソインドリンの溶液が得られ
るから、これを過剰のエーテル性蓚酸で処理し、引続
き、充分量のエタノールで処理すると、自由流動性の結
晶性固体が生じた。この固体を集め、ジエチルエーテル
で洗浄し、空気乾燥させると、標題スピロイソインドリ
ンの蓚酸塩が白色固体として生じた。この物質をエタノ
ール/ジエチルエーテルから再結晶させると、蓚酸塩
(0.35g、75%)が白色固体として得られた。m
p180〜182℃(分解)。
【0055】C1819N(HOOC)2・0.2H2Oに
関する分析: 計算値:C70.04、H6.29、N4.08 実測値:C70.18、H6.29、N3.94 例 32−プロピルスピロ[1,3−ジヒドロイソインドール
−1,1′−(1,2,3,4−テトラビドロ−ナフタ
レン)](式Ie:n=2;R=CH2CH2CH3)。 ジメチルホルムアミド(2.2ml)中の例1で製造さ
れたスピロイソインドリン(0.33g、0.3mM)
の撹拌溶液を炭酸カリウム(0.51g、3.7mM)
及び1−ヨードプロパン(0.22g、1.3mM)で
処理した。この混合物を70℃で1時間加熱の後に、付
加的量の1−ヨードプロパン(0.24g、1.4m
M)を添加し、混合物を70℃で更に1時間撹拌した。
次いで混合物を濾過し、濾液を濃縮させた。残分をジエ
チルエーテル中に溶かし、水で洗浄し、乾燥させ(Mg
SO4)、濾過し、濃縮すると、黄色油状物が生じた。
この物質のシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ
(溶離剤:3:2−ヘキサン:ジエチルエーテル)によ
り、標題スピロイソインドリンが無色油状物として得ら
れた。この油状物をジエチルエーテル中に溶かし、生じ
る溶液を過剰のエーテル性蓚酸で処理すると、ゴム状物
が形成された。この物質をジエチルエーテルと数回擦
し、次いでアセトニトリルで処理すると、自由流動性の
結晶性固体が生じた。この固体を集め、アセトニトリル
から再結晶させると、標題スピロイソインドリンの蓚酸
塩(0.30g、63%)が白色結晶として得られた。
mp100〜106℃。
【0056】C2023N・(HOOC)2・CH3CN・
0.2H2Oに関する分析: 計算値 C69.95、H6.95、N6.80 実測値 C70.05、H6.87、N6.56 例 46−メトキシスピロ[1,3−ジヒドロイソインドール
−1,1′−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタ
レン)](式Ie;n=2、Y3=OCH3 テトラヒドロフラン(90ml)中のスピロラクタム
6−メトキシスピロ[1,3−ジヒドロイソインドール
−1,1′−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン)]−3−オン(4.30g、15.4mM)の冷撹
拌溶液に、窒素気下に少量宛リチウムアルミニウムヒド
リド(2.34g、61.6mM)を添加した。生じる
混合物の18時間の還流の後に、これを冷却し、付加的
量のリチウムアルミニウムヒドリド(2.34g、6
1.6mM)を溶かした。混合物を付加的に20時間還
流させ、冷却し(氷浴)、注意深く、順次に水(4.7
ml)、10%水酸化ナトリウム水(4.7ml)及び
水(10ml)で処理した。生じた混合物を懸濁固体が
顆粒になるまで硫酸ナトリウムで処理した。この混合物
を濾過し、集めた固体をテトラヒドロフランで5回洗浄
した。集めた濾液及び洗液を濃縮して油状物とし、これ
をジエチルエーテル中に溶かし、水100ml中の36
%塩酸(1.36ml、15.8mM)の溶液で処理し
た。エーテル層を分離し、水層をジエチルエーテルで3
回洗浄した。水層を炭酸水素ナトリウムで塩基性にした
後に、これを酢酸エチルで抽出し、集めた抽出物を乾燥
させ(硫酸ナトリウム)、濾過しかつ濃縮させると、標
題スピロイソインドリン(3.63g、88%)が無色
油状物として得られた。この油状物の1部分(0.59
g、2.2mM)をジエチルエーテル中に溶かし、エー
テル性塩酸で処理すると、白色沈殿が形成された。固体
を集め、次いで、エタノール/ジエチルエーテルから再
結晶させると、標題スピロイソインドールの塩酸塩
(0.47g、68%)が白色結晶性固体として得られ
た。mp233〜233.5℃。
【0057】C1819NO・0.15C25OH・0.
15H2Oに関する分析: 計算値:C70.58、H6.86、N4.50 実測値:C70.61、H6.85、N4.45 出発スピロラクタムは次のようにして得た: a.6−メトキシスピロ[1,3−ジヒドロイソベンゾ
フラン−1,1′−(1, 2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン)]−3−オン 無水テトラヒドロフラン(155ml)中の4−メトキ
シ−N−メチル−ベンズアミド(8.60g、52.1
mM)の冷(氷浴)撹拌溶液に、窒素気下で、ヘキサン
中の2.05Mn−ブチルリチウム(41.4ml、1
07mM)を10分間にわたり添加した。1.5時間後
に、生じたジリチウム塩中間体(式VI:Y3=OC
3)の溶液をドライアイス/アセトン浴を用いて冷却
し、次いで、5分間にわたり、テトラヒドロフラン(2
0ml)中の1−テトラロン(8.00g、54.7m
M)の溶液で処理した。20分後に、冷却浴を除き、反
応混合物を放置して30分間かかって0℃まで昇温させ
た。0℃で更に30分後に、反応混合物を氷冷却水(4
00ml)中に注ぎ、生じる混合物を20分間還流させ
た。次いで、反応混合物を氷添加により冷却し、塩酸水
(10%)の添加によりpHを6に調節した。生じる混
合物をジエチルエーテルで抽出し後に、集めた抽出物を
乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮させると、
黄褐色油状物が得られた。この油状物をシリカゲルのク
ロマトグラフィにかける(溶離剤:1:2−ジエチル/
ヘキサン)と、標題スピロラクトン(6.35g、43
%)が淡紫色泡状物として分離され、これは、徐々に結
晶化した。この物質の少量分(0.11g)をトルエン
/ヘキサンから再結晶させると、スピロラクトンの分析
試料(0.10g)が白色結晶として得られた。mp1
06.5〜107℃。
【0058】C18163に関する分析: 計算値 C77.13、H5.75 実測値 C77.03、H5.84 b.6−メトキシスピロ[1,3−ジヒドロイソインド
ール−1,1′−(1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タレン)]−3−オン 無水トルエン(133ml)中の無水(120℃で20
分乾燥)塩化アンモニウム(4.58g、85.6m
M)の撹拌冷(氷浴)懸濁液に、窒素気下に、15分に
わたり、ヘキサン中の2.0Mトリメチルアルミニウム
(42.8ml、85.6mM)を添加した。この混合
物を室温で、もはやガスの放出が観察されなくなるまで
撹拌した。生じた有機アルミニウム試薬を、5分間にわ
たり、トルエン(60ml)中の例4aで製造されたス
ピロラクトン(6.00g、21.4mM)の撹拌溶液
に添加した。生じた混合物を54℃で42時間加熱の後
に、これを室温まで冷却し、套管で冷3%塩酸(150
ml)に移した。混合物を氷及び飽和炭酸水素ナトリウ
ムで、pHが約6.5になるまで処理した。10%塩酸
水数滴を残留アルミニウム塩の溶解のために添加した後
に、反応混合物を酢酸エチル(3回)及びジエチルエー
テル(1回)で抽出した。集めた抽出物を乾燥させ(硫
酸ナトリウム)、濾過し、濃縮すると、6−メトキシス
ピロ[1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−1,1′−
(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)]−3−
イミンと2−(5,6−ジヒドロ−ナフタレン−8−イ
ル)−4−メトキシベンズアミドとの約3:1の混合物
がそれぞれ淡黄褐色泡状物として得られた(6.32
g)。
【0059】前記混合物を窒素気下、トリフルオロ酢酸
(100ml)中で5時間還流させた。反応混合物を冷
却し、濃縮すると油状物が残るからこれを飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で処理して、懸濁液を生じさせた。こ
の混合物を濾過し、集めた固体を水で洗浄し、空気乾燥
させて黄褐色固体を生じさせ、これをシリカゲルのクロ
マトグラフィにかけた(溶離剤:2:1−ジエチルエー
テル/ヘキサン、引続く酢酸エチル)。所望の物質を含
有するフラクションを濃縮すると、標題スピロラクタム
(4.36g、73%)が淡黄褐色固体として得られ
た。ジエチルエーテル/ヘキサンから少量分の結晶化に
より分析試料を得ると、スピロラクタムが白色結晶とし
て生じた。mp222.5〜223.5℃。
【0060】C1817NO2に関する分析: 計算値:C77.40、H6.13、N5.01 実測値:C77.26、H6.15、N4.94 例 5スピロ[1,3−ジヒドロイソインドール−1,1′−
(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)]−6−
オール(式Ie;n=2、Y3=OH) 塩化メチレン(11ml)中の例4で製造されたスピロ
イソインドール(0.62g、2.3mM)の溶液を、
5分間にわたり、塩化メチレン(8ml)中の三臭化ホ
ウ素(1.76mg、7.0mM)の冷(氷浴)撹拌溶
液に添加した。得られた混合物の0℃での30分間の撹
拌の後に、これを撹拌しながら、過剰の冷飽和炭酸水素
ナトリウム水に滴加した。次いで、混合物をクロロホル
ムで抽出物し、集めた抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウ
ム)、濾過し、濃縮すると、白色泡状物が残った。この
物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィにかける(溶
離剤:2:1−ジエチルエーテル/ヘキサン)と、標題
化合物が白色泡状物として得られた(0.61g、28
%)。この物質の1部分をジエチルエーテル/酢酸エチ
ルから結晶させて、この化合物の分析試料を白色固体と
して得た。mp158〜159℃。
【0061】C1717NO・0.10(C252Oに
関する分析: 計算値:C80.77、H7.01、N5.41 実測値:C80.40、H7.01、N5.29 この化合物(0.40g、1.6mM)のエーテル溶液
をエーテル性塩化水素で処理することにより、標題化合
物の塩酸塩を製造した。沈殿した生成固体を集め、エタ
ノール/ジエチルエーテルから再結晶させると、塩酸塩
がオフホワイト結晶(0.32g、69%)として得ら
れた。mp298〜299℃。
【0062】C1717NO・HClに関する分析: 計算値:C70.95、H6.30、N4.87 実測値:C70.57、H6.37、N4.86 例 66−メトキシ−2−メチルスピロ[1,3−ジヒドロイ
ソインドール−1,1′−(1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタレン)](式Ie;n=2、R=CH3、Y3
=OCH3)。 ギ酸(0.80ml)中の例4で製造されたスピロイソ
インドリン(0.43g、1.6mM)の溶液を水(1
ml)及び37%ホルムアルデヒド水(0.32g、
3.9mM)で処理し、次いで窒素気下に80℃で30
分間加熱した。室温まで冷却の後に、反応混合物を過剰
の飽和炭酸水素ナトリウム水に添加し、生じる混合物を
酢酸エチルで抽出した。集めた抽出物を乾燥(硫酸ナト
リウム)させ、濾過しかつ濃縮すると、油状物が残っ
た。この油状物をクロマトグラフィにかけ(溶離剤:
1:1−ジエチルエーテル/ヘキサン)、所望の生成物
を含有するフラクションを集め、過剰のエーテル性蓚酸
で処理した。沈殿した生成ゴム状物をアセトニトリル/
ジエチルエーテルで処理すると固体が得られた。エタノ
ール/ジエチルエーテルからの再結晶により、標題化合
物の蓚酸塩が白色結晶として得られた(0.46g、7
7%)。mp171〜173.5℃。
【0063】C1921NO・(COOH)2・0.2H2
Oに関する分析: 計算値:C67.62、H6.32、N3.75 実測値:C67.87、H6.36、N3.65 例 72−メチルスピロ[1,3−ジヒドロイソインドール−
1,1′−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレ
ン)]−6−オール(式Ie:n=2、R=CH3、Y3
=OH) ギ酸(1.05ml)中の例5で得た化合物(0.53
g、2.1mM)の溶液を水(1.3ml)及び37%
ホルムアルデヒド水(0.41g、5.1mM)で処理
した。この撹拌溶液を80℃で35分間加熱し、次いで
室温まで冷却し、過剰の飽和炭酸水素ナトリウム中に注
入した。得られる混合物を酢酸エチルで抽出し、集めた
抽出物を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、かつ濃
縮させると、無色油状物が残った。この物質をシリカゲ
ルのクロマトグラフィにかけ(溶離剤:1:1−ジエチ
ルエーテル/ヘキサン)、所望の生成物を含有するフラ
クションを集め、過剰のエーテル性蓚酸で処理した。得
られる沈殿ゴム状物を、ジエチルエーテルと3回擦し、
生成固体を集め、空気乾燥させると、白色固体が得られ
た。この物質をエタノールから再結晶させると、標題化
合物の蓚酸塩が白色固体として得られた(0.38g、
68%)。mp243.5〜245℃。
【0064】C1819NO・0.5(CO2H)2に関す
る分析: 計算値:C73.53、H6.49、N4.51 実測値:C73.27、H6.50、N4.42。
【0065】例 8 スピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ
シクロヘプテン−5,1′−(1,3−ジヒドロイソイ
ンドール)](式Ie;n=3) テトラヒドロフラン(75ml)中のラクタム スピロ
[6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロ
ヘプテン−5,1′−(1,3−ジヒドロイソインドー
ル)]−3′−オン(0.82g、3.11mM)の撹
拌溶液に、リチウムアルミニウムヒドリド(0.62
g、16.3mM)を添加した。生じる混合物を窒素気
下で2日間還流し、冷却し、かつ注意深く、水0.62
ml、15%水酸化ナトリウム0.62ml及び水1.
86mlを連続的に少量宛添加することにより急冷させ
た。生じる混合物を濾過し、集めた固体を塩化メチルで
充分に洗浄した。集めた濾液及び洗液を濃縮し、シリカ
ゲルのフラッシュクロマトグラフィにかける(溶離剤:
2:1−ヘキサン/ジエチルエーテル)と、標題化合物
が白色固体として得られた(0.55g、71%)。こ
の物質(0.51g、2.05mM)をエーテル性塩化
水素で処理すると、白色固体が得られ、これをエタノー
ル/ジエチルエーテルから再結晶させると、標題化合物
の塩酸塩が白色結晶として得られた(0.54g、91
%)。mp294.5〜295℃。
【0066】C1819N・HCl・0.2H2Oに関す
る分析: 計算値:C74.70、H7.10、N4.84 実測値:C74.68、H7.11、N4.65。
【0067】出発ラクタムは次のようにして製造した: a.スピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベ
ンゾシクロヘプテン−5, 1′−(1,3−ジヒドロ
イソベンゾフラン)]−3′−オン 1−ベンゾスベロンをジリチウム化されたベンズアミド
の溶液に添加する以外は例1aに記載と同じ方法を用い
ると、標題化合物が白色結晶固体として得られた(40
%)。mp150〜151℃。
【0068】C18162に関する分析: 計算値:C81.79、H6.10 実測値:C81.97、H6.08 b.スピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベ
ンゾシクロヘプテン−5, 1′−(1,3−ジヒドロ
イソインドリン)]−3′−オン 例8aで製造されたスピロラクトンを用いて出発する以
外は例4bに記載と同じ方法を用いると、スピロ[6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテ
ン−5,1′−(1,3−ジヒドロイソベンゾフラ
ン)]−3′−イミンと2−(6,7−ジヒドロ−5H
−ベンゾシクロヘプテン−9−イル)ベンズアミドとの
混合物(約4:1)が白色固体として得られた(97
%)。この混合物を、例4bの記載と同様にトリフルオ
ロ酢酸で処理すると、白色固体が得られ、エタノールか
ら再結晶させると、所望のスピロラクトンが白色結晶と
して得られた(96%)。mp233〜234℃ C1817NOに関する分析: 計算値:C82.10、H6.51、N5.32 実測値:C81.92、H6.57、N5.23 例 9 2′−メチルスピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−ベンゾシクロヘプテン−5,1′−(1,3−ジ
ヒドロイソインドール)](式Ie;n=3、R=CH
3 例8で製造された化合物を用いて出発する以外は例2に
記載と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白色
結晶として得られた(91%)。mp176〜176.
5℃。
【0069】C1921N・(CO2H)2に関する分析: 計算値:C71.37、H6.96、N3.96 実測値:C71.15、H6.59、N4.18 例10 2′−プロピルスピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ
−5H−ベンゾシクロヘプテン−5,1′−(1,3−
ジヒドロイソインドール)](式Ie:n=3、R=C
2CH2CH3 例8で製造された化合物を用いて出発する以外は例3に
記載と同じ方法を用い、アセトニトリル/ジエチルエー
テルから再結晶させると、標題化合物の蓚酸塩が白色結
晶として得られた(41%)。mp116〜119℃。
【0070】C2125N・(CO2H)2・0.9CH3
CN・0.2H2Oに関する分析: 計算値:C70.58、H7.19、N6.31 実測値:C70.52、H7.08、N6.32 例11 6′−メトキシスピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ
−5H−ベンゾシクロヘプテン−5,1′−(1,3−
ジヒドロイソインドール)](式Ie:n=3、3
OCH3 例11bで製造されたスピロラクタムを用いて出発する
以外は例8に記載と同じ方法を用いると、標題化合物の
塩酸塩が白色結晶固体として得られた(83%)。mp
280.5〜281.5℃。
【0071】C1921NO・HCl・0.3H2Oに関
する分析: 計算値:C71.04、H7.09、N4.36 実測値:C71.08、H6.97、N4.32。
【0072】出発ラクタム6′−メトキシスピロ[6,
7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテ
ン−5,1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)]
−3′−オンを次のようにして得た: a.6′−メトキシスピロ[6,7,8,9−テトラヒ
ドロ−5H−ベンゾシクロ−ヘプテン−5,1′−
(1,3−ジヒドロイソベンゾフラン)]−3′−オン 中間体のジリチウム化された塩の溶液に1−ベンズスベ
ロンを添加し、トルエンから再結させる以外は例4aに
記載と同じ方法を用いると、標題化合物が白色結晶固体
として得られた(22%)。mp145〜146.5
℃。
【0073】C19183に関する分析: 計算値:C77.53、H6.16 実測値:C77.33、H6.16 b.6′−メトキシスピロ[6,7,8,9−テトラヒ
ドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−5,1′−(1,
3−ジヒドロイソインドール)]−3′−オン 例11aで製造されたスピロラクトンを用いて出発する
以外は例4bに記載と同じ方法を用いると、2−(6,
7−ジヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−9−イ
ル)−4−メトキシベンズアミドと6′−メトキシスピ
ロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシク
ロヘプテン−5,1′−(1,3−ジヒドロイソベンゾ
フラン)]−3′−イミンとの混合物(約1:4)が黄
色固体として得られた(100%)。この混合物を例4
bに記載と同様な方法で、トリフルオロ酢酸で処理する
と、白色固体が得られ、これを酢酸エチルから再結晶さ
せると、所望のスピロラクトンが白色結晶として得られ
た(60%)。mp189〜189.5℃。
【0074】C1919NO2に関する分析: 計算値:C77.89、H6.53、N4.77 実測値:C77.67、H6.54、N4.68 例12 6′−メトキシ−2′−メチルスピロ[6,7,8,9
−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−5,
1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)](式I
e:n=3、R=CH3、Y3=OCH3 例11で製造した化合物を用いて出発する以外は例6に
記載と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白色
結晶として得られた(66%)。mp179.5〜18
0℃。
【0075】C2023NO・(CO2H)2に関する分
析: 計算値:C68.91、H6.57、N3.65 実測値:C68.70、H6.50、N3.52 例13 2′−メチルスピロ[6,7,8,9−テトラヒドロ−
5H−ベンゾシクロヘプテン−5,1′−(1,3−ジ
ヒドロイソインドール)]−6′−オール(式Ie:n
=3、R=CH3、Y3=OH) 塩化メチレン(8ml)中の例12で製造された化合物
(0.36g、1.23mM)の溶液を塩化メチレン
(3ml)中の三臭化ホウ素(0.64g、2.58m
M)の撹拌溶液に滴加した。0.5時間撹拌の後に、反
応混合物を炭酸水素ナトリウム水で急冷し、次いで塩化
メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を濾過して不
溶分を分離し、濃縮して残った残分をシリカゲルのクロ
マトグラフィにかける(溶離剤;3:1−ヘキサン/ジ
エチルエーテル引続くジエチルエーテル)と、標題化合
物(0.125g、39%)が白色固体として得られ
た。この固体(0.09g、0.32mM)のジエチル
エーテル溶液をエーテル性塩化水素で処理することによ
り標題化合物の塩酸塩を製造し、生じる固体を集め、エ
タノール/ジエチルエーテルから再結晶させると、白色
固体が得られた(0.09g、91%)。mp247.
5〜249℃。
【0076】C1921NO・HCl・0.59H2Oに
関する分析: 計算値:C69.90、H7.15、N4.29 実測値:C69.90、H7.10、N4.17 例14 6′−メトキシ−2′−ピロピルスピロ[6,7,8,
9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−5,
1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)](式I
e:n=3、R=CH2CH2CH3、Y3=OCH3 例11で製造した化合物及び大過剰のヨードプロパンを
用いて出発する以外は例3に記載と同じ方法を用いる
と、標題化合物の蓚酸塩が得られ、アセトニトリル/ジ
エチルエーテルから再結晶させると、白色結晶が得られ
た(68%)。mp148.5〜149℃。
【0077】C2227NO・(CO2H)2・0.3H2
Oに関する分析: 計算値:C69.14、H7.16、N3.36 実測値:C69.17、H7.02、N3.38 例15 スピロ[インダン−1,1′−(1,3−ジヒドロイソ
インドール)](式Ie;n=1) 無水テトラヒドロフラン(5ml)中のラクタム スピ
ロ[インダン−1,1′−(1,3−ジヒドロイソイン
ドール)]−3′−オン(0.30g、1.32mM)
の撹拌還流溶液に、ボランジメチルスルファイド(0.
28g、3.7mM)を徐々に添加した。反応フラスコ
に小さい蒸溜装置を装着し、硫化ジメチルを蒸溜により
除去し、その間、この反応フラスコに無水テトラヒドロ
フランを加えて容量を2〜5mlに保持した。この反応
混合物に、6時間にわたってボランジメチルスルファイ
ドを2回(各回0.28g、3.7mM)加え、その間
に硫化ジメチルを絶えず除いた。次いで反応混合物を2
4時間還流させ、6NHCl1.4mlの添加により急
冷させた。0.5時間加熱の後に、反応混合物を塩化メ
チレンで抽出し、集めた抽出物を乾燥させ(MgS
4)、濾過し、濃縮すると、出発ラクタムと標題化合
物との1:1−混合物よりなる黄色固体(0.28g)
が残った。
【0078】テトラヒドロフラン(20ml)中の前記
混合物(0.28g、約1.2mM)の撹拌溶液に、窒
素気下に、リチウムアルミニウムヒドリド(0.15
g、3.9mM)を添加した。生じる混合物を18時間
還流させた後、これを冷却し、引続く水(0.15m
l)、15%水酸化ナトリウム(0.15ml)及び水
(0.45ml)の添加により急冷させた。生じる混合
物を1時間撹拌し、濾過した。集めた固体を塩化メチレ
ンで洗浄し、濾液及び洗液を集め、濃縮させた。残分を
シリカゲルのクロマトグラフィにかける(溶離剤:1:
3ヘキサン/ジエチルエーテル)と、標題化合物が白色
固体として得られた(0.25g、92%)。ジエチル
エーテル中の標題化合物の溶液に、エーテル性塩化水素
を添加することにより、標題化合物の塩酸塩が白色結晶
として得られた(82%)。mp210.5〜213
℃。
【0079】C1615N・HCl・0.2H2Oに関す
る分析: 計算値:C75.53、H6.32、N5.36 実測値:C73.49、H6.20、N5.31 出発ラクタムは次のようにして得た: a.スピロ[インダン−1,1′−(1,3ージヒドロ
イソベンゾフラン)]−3′−オン ジリチウム化されたベンズアミドの溶液に1−インダノ
ンを添加すること以外は例1aに記載と同じ方法を用い
ると、所望のスピロラクトンが淡灰色固体として得られ
た(34%)。mp138〜139℃、MS(CI):
237(M+H)。
【0080】b.スピロ[インダン−1,1′−(1,
3ージヒドロイソインドール)]−3′−オン 例15aで製造されたスピロラクトン(0.48g、
2.0mM)、塩化アンモニウム(0.54g、10m
M)及び28%水酸化アンモニウム水(45ml)の混
合物を不銹鋼圧力容器中で280℃(1420psi)
で22時間加熱した。次いで反応混合物を濃縮し、残分
をシリカゲルのクロマトグラフィにかける(溶離剤:
1:3−ヘキサン/ジエチルエーテル)と、所望のスピ
ロラクトン(0.29g、61%)が白色固体として得
られた。mp205〜206.5℃、MS(CI):2
36(M+H)。
【0081】例16 2′−メチルスピロ[インダン−1,1′−(1,3−
ジヒドロイソインドール)](式Ie:n=1、R=C
3 例15で得た化合物を用いて出発する以外は例2に記載
と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白色結晶
として得られた(81%)。mp163.5〜164.
5℃。
【0082】C1717N・(CO2H)2・0.15H2
Oに関する分析: 計算値:C69.56、H5.93、N4.27 実測値:C69.56、H5.92、N4.18 例17 2′−プロピルスピロ[インダン−1,1′−(1,3
−ジヒドロイソインドール)](式Ie:n=1、R=
CH2CH2CH3 例15で製造した化合物を用いて出発し、アセトニトリ
ル/ジエチルエーテルから再結晶する以外は例3の記載
と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白色結晶
として得られた(82%)。mp91〜95℃。
【0083】C1921N・(CO2H)2・0.5CH2
CN・0.5H2Oに関する分析: 計算値:C69.00、H6.71、N5.49 実測値:C68.92、H6.49、N5.56 例18 4−メトキシスピロ[インダン−1,1′−(1,3−
ジヒドロイソインドール)](式Ie:n=1、Z4
OCH3) スピロラクタム 4−メトキシスピロ[インダン−1,
1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)]−3′−
オンを出発物質として用いる以外は例1に記載と同じ方
法を用いると、標題化合物の塩酸塩が淡黄褐色固体とし
て得られた(76%)。mp237〜238.5℃。
【0084】C1717NO・HCl・0.15H2Oに
関する分析: 計算値:C70.29、H6.35、N4.82 実測値:C70.29、H6.32、N4.62 出発スピロラクタムは次のようにして得た: a.4−メトキシスピロ[インダン−1,1′−(1,
3−ジヒドロイソベンゾフラン)]−3′−オン ジリチウム化されたベンズアミドの溶液に4−メトキシ
−1−インダノンを添加する以外は例1aに記載と同じ
方法を用いると、所望のスピロラクトンが白色結晶性固
体として得られた(15%)。mp111〜112.5
℃。
【0085】C17143に関する分析: 計算値:C76.68、H5.30 実測値:C76.44、H5.29 b.スピロ[インダン−1,1′−(1,3−ジヒドロ
イソインドール)]−4−オール−3′−オン 例18aで得られたスピロラクトン(1.2g、4.5
mM)及び28%水酸化アンモニウム水(100ml)
の混合物を、不銹鋼圧力容器中で撹拌しながら28℃で
22時間加熱した。反応容器を室温まで冷却させ、反応
混合物を取り出し濃縮した。例18aのスピロラクトン
(0.5g、0.9mM)、塩化アンモニウム(0.5
4g、9.4mM)及び28%水酸化アンモニウム水
(50ml)を用いて第2の反応を実施した。この混合
物を不銹鋼圧力容器中、280℃で22時間加熱の後
に、これを室温まで冷却し、濃縮した。双方の反応から
の残分を一緒にし、塩化メチレンと共に擦し、濾過して
褐色の固体を分離した。この固体をシリカゲルのクロマ
トグラフィにかける(溶離剤:2:1−ヘキサン/ジエ
チルエーテル)と、スピロラクタム(0.77g、55
%)が得られた。mp324〜325℃。
【0086】C1613NO2・0.3H2Oに関する分
析: 計算値:C74.87、H5.34、N5.45 実測値:C74.96、H5.37、N5.31 c.4−メトキシスピロ[インダン−1,1′−(1,
3−ジヒドロイソインドール)]−3′−オン ジメチルホルムアミド(45ml)中の例18bで製造
したスピロラクタム(0.45g、1.8mM)と炭酸
カリウム(0.99g、7.2mM)との撹拌混合物を
50℃に加熱し、次いで、室温まで冷却させた。ヨード
メタン(1.53g、10.8mM)を添加し、生じる
混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物を濾過
し、集めた固体を塩化メチレンで洗浄した。集めた濾液
及び洗液を濃縮し、残留褐色固体をシリカゲルのクロマ
トグラフィにかける(溶離剤:1:1ヘキサン/ジエチ
ルエーテル)と、所望のスピロラクタム(0.45g、
96%)が淡黄褐色固体として得られた。mp222.
5〜224℃。
【0087】C1715NO2・0.75H2Oに関する分
析: 計算値:C73.23、H5.96、N5.02 実測値:C73.27、H5.60、N4.99 例19 スピロ[インダン−1,1′−(1,3−ジヒドロイソ
インドール)]−4−オール(式Ie:n=1、Z4
OH) 例18で製造した化合物を用いて出発する以外は例13
に記載と同じ方法を用いると、標題化合物の塩酸塩が白
色結晶として得られた(61%)。mp310〜311
℃。
【0088】C1615NO・HCl・0.15H2Oに
関する分析: 計算値:C69.5、H5.94、N5.06 実測値:C69.51、H6.05、N4.92 例20 スピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェ
ン−4,1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)]
(式If:n=2、X=S) スピロラクトン スピロ[4,5,6,7−テトラヒド
ロベンゾチオフェン−4,1′−(1,3−ジヒドロイ
ソインドール)]−3′−オンを用いて出発する以外は
例1に記載と同じ方法を用いると、標題化合物の塩酸塩
が白色結晶として得られた(51%)。mp268.5
〜269.5℃。
【0089】C1515NS・HCl・0.1H2Oに関
する分析: 計算値:C64.43、H5.84、N5.01 実測値:C64.43、H5.96、N4.87。 出発ラクタムは次のようにして得た: a.スピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオ
フェン−4,1′−(1, 3−ジヒドロイソベンゾフ
ラン)]−3′−オン 4−ケト−4,5,6,7−テトラヒドロチアナフタレ
ンをジリチウム化ベンズアミドの溶液に添加する以外は
例1aに記載と同じ方法を用いると、所望のスピロラク
トンが白色結晶固体として得られた(57%収率)。m
p173.5〜174.5℃。
【0090】C15122Sに関する分析: 計算値:C70.29、H4.72 実測値:C70.16、H4.75 b.スピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオ
フェン−4,1′−(1, 3−ジヒドロイソインドー
ル)]−3′−オン 例20aで製造された化合物を用いる以外は例4bに記
載と同じ方法を用いると、2−(6,7−ジヒドロベン
ゾチオフェン−4−イル)ベンズアミドとスピロ[4,
5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−4,1′
−(1,3−ジヒドロイソベンゾフラン)]−3′−イ
ミンとの混合物(約1:1)が白色固体として得られ
た。この混合物を例4aに記載と同様な方法でトリフル
オロ酢酸で処理すると、所望のスピロラクタムが淡橙褐
色固体として得られた(79%)。この固体をエタノー
ル/ジエチルエーテルから再結晶させると、スピロラク
タムの分析試料が淡黄色結晶として得られた。mp22
4〜226℃。
【0091】C1513NOS・0.57H2Oに関する
分析: 計算値:C67.83、H5.36、N5.27 実測値:C67.89、H5.00、N5.12 例21 2′−メチルスピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベ
ンゾチオフェン−4,1′−(1,3−ジヒドロイソイ
ンドール)](式If:n=2、R=CH3X=S) 例20で製造された化合物を用いて出発する以外は例2
に記載と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白
色結晶として得られた(69%)。mp173.5〜1
74.5℃。
【0092】C1617NS・(CO2H)2・0.15H
2Oに関する分析: 計算値:C62.10、H5.59、N4.02 実測値:C62.08、H5.53、N3.98 例22 2′−プロピルスピロ[4,5,6,7−テトラヒドロ
ベンゾチオフェン−4,1′−(1,3−ジヒドロ−イ
ソインドール)](式If:n=2、R=CH2 CH2
3、X=S) 例20で得た化合物を用いて出発する以外は例3に記載
と同じ方法を用いると、標題化合物の蓚酸塩が白色結晶
として得られた(78%)。mp123.5〜125.
5℃C1821NS・(CO2H)・0.9CH3CNに関
する分析: 計算値:C63.77、H6.32、N6.62 実測値:C63.63、H6.30、N6.63 例23 この例は、2′−メチルスピロ[4,5,6,7−テト
ラヒドロベンゾチオフェン−4,1′−(1,3−ジヒ
ドロイソインドール)] (−)−2′−メチルスピロ
[4,6,7,8−テトラヒドロベンゾチオフェン−
4,1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)]の光
学分割を説明する 5%エタノール水(15ml)中のラセミ性2′−メチ
ルスピロ[4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオ
フェン−4,1′−(1,3−ジヒドロイソインドー
ル)](1.63g、6.39mM)の溶液に、5%エ
タノール水(15ml)中の(+)−2,3−ジ−p−
トルオイル−D−酒石酸(2.47g、6.39mM)
の溶液を添加した。生じた溶液に付加的に水1mlを添
加した後に、0.5時間放置し、次いで濾過して、生じ
る濃化されたジアステレオマー塩の結晶性沈殿(1.9
9g)を分離した。放置時に、前記濾液から、結晶物質
の付加的量(0.22g)が沈殿するからこれを濾過に
より単離した。更に放置時に、第2濾過からの濾液は、
付加的な粘稠性固体を生じるから、これを濾過し、10
%エタノール水(20ml)から再結晶させると、更に
結晶物質(0.60g)が得られた。後者の2結晶フラ
クション(全量=0.82g)を一緒にし、10%エタ
ノール水(15ml)から再結晶させると、更に濃化さ
れたが純粋ではないジアステレオマー塩(0.38g)
が得られた。この物質(0.38g)を分離された固体
の最初の生成物(1.99g)と一緒にし、得られた混
合物をまず、10%エタノール水(40ml)から次い
で無水エタノールから2回(35ml、30ml)再結
晶させると、純粋なジアステレオマー塩(1.40g)
が得られた。
【0093】前記の純粋なジアステレオマー塩(1.4
0g、2.18mM)を飽和炭酸水素ナトリウム水(3
0ml)に添加し、得られる混合物をジエチルエーテル
で4回抽出した。一緒にした抽出物を乾燥させ(MgS
4)、濾過した。濾液をエタノール(10ml)中の
蓚酸(0.20g、2.18mM)の溶液で処理して沈
殿を形成させた。この沈殿を集め、無水エタノール(3
5ml)から再結晶させると、(−)−2′−メチル−
スピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチオフェ
ン−4,1′−(1,3−ジヒドロイソインドール)]
オキサレート(0.67g)が白色結晶固体として得ら
れた。mp204.5〜205.5℃。
【0094】
【数1】
【0095】C1617NS・HO2CCO2Hに関する分
析: 計算値:C62.59、H5.54、N4.06 実測値:C62.77、H5.55、N4.05 (+)−2′−メチルスピロ[4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾチオフェン−4,1′−(1,3−ジヒド
ロイソインドール)] ジアステレオマー塩の前記再結晶の全て(最後の2つは
除き)の濾液を一緒にし、濃縮した。残分(2.60
g)を飽和炭酸水素ナトリウム水(35ml)で処理
し、生じた混合物をジエチルエーテルで4回に分け抽出
した。集めた抽出物を濃縮すると、右旋性(+)−エナ
ンチオマーの濃化された2′−メチルスピロ[4,5,
6,7−テトラヒドロベンゾチオフェン−4,1′−
(1,3−ジヒドロイソインドール)](1.01g、
3.96mM)が残った。この物質を10%エタノール
水(20ml)中に溶かし、10%エタノール水(20
ml)中の(−)−2,3−ジ−p−トルオイル−L−
酒石酸(1.80g、4.66mM)の溶液で処理し
た。放置後に、結晶性沈殿が形成され、濾過により集め
ると、濃化されたジアステレオマー塩が白色固体として
得られた(1.86g)。無水エタノール(35ml)
からのこの物質の再結晶により、白色結晶性固体(1.
42g)が得られた。前記濾液から得られた結晶性固体
の付加的な量を集め、無水エタノールから再結晶させる
と、濃化されたジアステレオマー塩が更に得られた
(0.32g)。この2つの結晶フラクションを一緒に
し(全量=1.74g)、無水エタノール(30ml
分)から2回再結晶させると、純粋なジアステレオマー
塩(1.45g)が得られた。
【0096】前記の純粋なジアステレオマー塩(1.4
5g、2.26mM)を飽和炭酸水素ナトリウム水(3
5ml)で処理し、生じた混合物をジエチルエーテルで
4回に分けて抽出した。集めた抽出物を乾燥させ(Mg
SO4)かつ濾過した。濾液をエタノール(10ml)
中の蓚酸(0.20g、2.26mM)の溶液で処理す
ると沈殿が形成された。この沈殿を集め、無水エタノー
ル(35ml)から再結晶させると、(+)−2′−メ
チル−スピロ[4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチ
オフェン−4,1′−(1,3−ジヒドロイソインドー
ル)]オキザレート(0.72g)が白色結晶固体とし
て得られた。mp203.5〜204.5℃。
【0097】
【数2】
【0098】C1617NS・HO2CCO2Hに関する分
析: 計算値:C62.59、H5.54、N4.06 実測値:C62.32、H5.60、N3.98 例24 次に、式Iの化合物例えば前記の任意の例に記載の化合
物(以後これを化合物Xと称する)を含有するヒトの治
療又は予防用の代表的医薬適用形を説明する:(a)
射用 化合物Xは、pH3〜5の範囲で製造された水溶液中に
容液性である。
【0099】 (b)注射用 化合物Xは水溶液中に難溶性である。
【0100】 前記処方物は、調剤法で周知の慣用法で得ることができ
る。錠剤は、例えば酢酸セルロースフタレートのコーテ
ィングを提供するための慣用法で腸溶性コーティングす
ることができる。
【0101】次に本発明に関連する化合物の構造式を表
示する:
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 495/10 7329−4C

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、Rは水素、ベンジルおよび二重結合または三重
    結合を有していてもよいC1〜C5アルキルからなる基
    から選択され、ただし、二重結合または三重結合が存在
    する場合、1個以上のメチレン基が前記の二重結合また
    は三重結合と、前記のアルキルに結合している窒素原子
    との間に介在するものとし、 Y1、Y2、Y3およびY4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、ハロ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキ
    シ、およびトリフルオロメチルを表し、ただし、Y1
    2、Y3およびY4の2つ以上は水素以外のものではな
    いものとし、 環Aは、式Ia、式Ib、式Icおよび式Id: 【化2】 (式中、XはO、SおよびN−R1を表し、その際、R1
    は前記のRで示したものを表し、Z1、Z2、Z3および
    4は、相互に無関係に、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1
    〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびトリフルオ
    ロメチルを表し、ただし、Z1、Z2、Z3およびZ4の2
    つ以上は水素原子以外のものではないものとする)で示
    されるメンバーからなる基から選択され、 nは1、2、3または4を表し、 ただし、Y1、Y2、Y3およびY4のそれぞれがHである
    場合、環Aは式Iaであり、Z1、Z2、Z3およびZ4
    Hである場合、nは1であり、RはHではないものとす
    る]で示される化合物、またはその薬理学的に認容性の
    塩。
  2. 【請求項2】 Rは水素、メチル、エチル、プロピルお
    よびブチルからなる基から選択され、 Y1、Y2、Y3およびY4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エト
    キシおよびプロポキシから選択され、 Z1、Z2、Z3およびZ4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エト
    キシおよびプロポキシから選択され、 R1は、存在する場合に、メチル、エチルおよびプロピ
    ルから選択され、 nは1、2または3を表す請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 環Aが、式Iaまたは 式Ibである請
    求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 2′−メチルスピロ[4,5,6,7−
    テトラヒドロベンゾチオフェン−4,1′−(1,3−
    ジヒドロイソインドール)]である請求項3記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 Rが水素である式Iの化合物について、
    式II: 【化3】 で示されるスピロラクタムを還元し、薬理学的に認容性
    の塩が所望の場合、式Iの化合物を薬理学的に認容性の
    アニオンを生じる適当な酸と反応させることを特徴とす
    る請求項1から3までのいずれか1項記載の式Iの化合
    物またはその薬理学的に認容性の塩を製造する方法。
  6. 【請求項6】 RがC1〜C5アルキルであり、場合によ
    り二重結合または三重結合を有する式Iの化合物につい
    て、Rが水素である式Iのスピロインドリンをアルキル
    化し、薬理学的に認容性の塩が所望の場合、式Iの化合
    物を薬理学的に認容性のアニオンを生じる適当な酸と反
    応させることを特徴とする請求項1から3までのいずれ
    か1項記載の式Iの化合物またはその薬理学的に認容性
    の塩を製造する方法。
  7. 【請求項7】 Y1〜Y4および/またはZ1〜Z4が水素
    である式Iの化合物について、Y1〜Y4および/または
    1〜Z4の相応するものがアルコキシである式Iのスピ
    ロインドリンを、アリールアルキルエーテル分解に適し
    た薬剤と反応させ、薬理学的に認容性の塩が所望の場
    合、式Iの化合物を薬理学的に認容性のアニオンを生じ
    る適当な酸と反応させることを特徴とする請求項1から
    3までのいずれか1項記載の式Iの化合物またはその薬
    理学的に認容性の塩を製造する方法。
  8. 【請求項8】 式I: 【化4】 [式中、Rは水素、ベンジルおよび二重結合または三重
    結合を有していてもよいC1〜C5アルキルからなる基か
    ら選択され、ただし、二重結合または三重結合が存在す
    る場合、1個以上のメチレン基が前記の二重結合または
    三重結合と、前記のアルキルに結合している窒素原子と
    の間に介在するものとし、 Y1、Y2、Y3およびY4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、ハロ、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキ
    シ、およびトリフルオロメチルを表し、ただし、Y1
    2、Y3およびY4の2つ以上は水素以外のものではな
    いものとし、 環Aは、式Ia、式Ib、式Icおよび式Id: 【化5】 (式中、XはO、SおよびN−R1を表し、その際、R1
    は前記のRで示したものを表し、Z1、Z2、Z3および
    4は、相互に無関係に、水素、ヒドロキシ、ハロ、C1
    〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびトリフルオ
    ロメチルを表し、ただし、Z1、Z2、Z3およびZ4の2
    つ以上は水素原子以外のものではないものとする)で示
    されるメンバーからなる基から選択され、 nは1、2、3または4を表し、 ただし、Y1、Y2、Y3およびY4のそれぞれがHである
    場合、環Aは式Iaであり、Z1、Z2、Z3およびZ4
    Hである場合、nは1であり、RはHではないものとす
    る]で示される化合物またはその薬理学的に認容性の
    塩、および薬理学的に認容性の希釈剤または担持剤を含
    有する神経症を治療するための医薬。
  9. 【請求項9】 Rは水素、メチル、エチル、プロピルお
    よびブチルからなる基から選択され、 Y1、Y2、Y3およびY4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エト
    キシおよびプロポキシから選択され、 Z1、Z2、Z3およびZ4は、相互に無関係に、水素、ヒ
    ドロキシ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エト
    キシおよびプロポキシから選択され、 R1は、存在する場合に、メチル、エチルおよびプロピ
    ルから選択され、 nは1、2または3を表す請求項8記載の医薬。
  10. 【請求項10】 環Aが、式Iaまたは 式Ibである
    請求項9記載の医薬。
  11. 【請求項11】 2′−メチルスピロ[4,5,6,7
    −テトラヒドロベンゾチオフェン−4,1′−(1,3
    −ジヒドロイソインドール)]である請求項10記載の
    化合物。
  12. 【請求項12】 式II: 【化6】 [式中、 R、Y1〜Y4、nおよび環Aは請求項1で定
    義したものを表す]で示される中間体。
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