JPH0517413A - ジアミンの製造法 - Google Patents

ジアミンの製造法

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JPH0517413A
JPH0517413A JP3194739A JP19473991A JPH0517413A JP H0517413 A JPH0517413 A JP H0517413A JP 3194739 A JP3194739 A JP 3194739A JP 19473991 A JP19473991 A JP 19473991A JP H0517413 A JPH0517413 A JP H0517413A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水素化触媒、溶媒、水素及びアンモニアの存
在する、所定温度に加熱された反応系内に、 【化1】 (式中、Aは下記の化3で表される基又はエチリデン基
を示す)で表されるジアールのヘミアセタールのアルコ
ール溶液を供給しながら接触還元反応して 【化2】 (式中、Aは前記に同じ)で表されるジアミンを製造す
る。 【化3】 で表される基(式中、nは1又は2を示す) 【効果】 ジアールから従来方法に比べて高い収率でジ
アミンを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,9−ノナンジアミン
などのジアミンの新規な製造方法に関するものである。
これらのジアミンの中でも、1,9−ノナンジアミンは
各種ナイロン及びポリウレタンの原料として特に有用な
化合物である。
【0002】
【従来技術】1,9−ノナンジアミンの合成方法として
は、例えば1,9−ノナンジニトリルをコバルト触媒で
還元する方法(アメリカ特許明細書第2,166,18
3号)、1,9−ノナンジアールのジアルキルヘミアセ
タールをニッケル系またコバルト系触媒の存在下、水素
及びアンモニアによって還元アミノ化する方法(特公平
1−49135号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1,9−ノナンジニト
リルを使用する方法は、100Kg/cm2 以上の圧力
が必要なこと、更に原料ジニトリルが入手しがたく、ま
た高価である。これらのことを考慮するとこの方法は工
業的方法とは言いがたい。1,9−ノナンジアールのジ
アルキルヘミアセタールからの方法は、一旦ジアールと
炭素数が5〜10の直鎖飽和脂肪族第一級アルコールと
反応させ1,9−ノナンジアールジアルキルヘミアセタ
ールの結晶を得、これを触媒の存在下水素及びアンモニ
アによって還元アミノ化する方法である。特公平1−4
9135号によると1,9−ノナンジアールのアルコー
ル溶液(例えばエタノール)の全量をオートクレーブに
仕込んだ後、還元アミノ化により目的物を得ようとする
と、ポリマー状物質が多く生成し、1,9−ノナンジア
ミンの収率は26%と低収率である。そのためこの従来
方法は、1,9−ノナンジアールジアルキルヘミアセタ
ール経由で反応を行っているが、ヘミアセタール合成時
の収率77%及び還元アミノ化時の収率70〜75%
で、1,9−ノナンジアールからの1,9−ノナンジア
ミンの収率は54〜58%と悪く、更に結晶を取り扱う
ため作業性も悪く工業的な製造法とは言えない。このよ
うに、1,9−ノナンジアミンの工業的製法に有利な従
来方法はない。本発明の目的は、これら欠点を解消し、
1,9−ノナンジアールなどのジアールからの収率が良
くかつ、合理的に1,9−ノナンジアミンなどのジアミ
ンを製造する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】一般的にアンモニアと水
素によるアルデヒドの還元アミノ化は、オートクレーグ
中にアルデヒドとアンモニアのいずれも全量を仕込み水
素化触媒の存在下、水素と接触還元反応させる方法がと
られる。ところが、1,9−ノナンジアールの還元アミ
ノ化による1,9−ノナンジアミンを製造すべく、かか
る一般的な方法を試みたが、還元アミノ化はほとんど進
行せずポリマ−状物質が多量に生成するだけである。ま
た、反応方法を変え、アンモニア,水素,溶媒,触媒が
存在した反応系内に1,9−ノナンジアールを逐次供給
しながら還元アミノ化する方法をとっても、還元アミノ
化はほとんど進行せずポリマー状物質が多量に生成する
だけである。アンモニアと水素による1,9−ノナンジ
アールの還元アミノ化は、水素化触媒が存在しても進行
しがたく、別の反応が生じポリマー状物質が多量に生成
するものと考えられる。そこで本発明者は1,9−ノナ
ンジアールからの1,9−ノナンジアミンの収率を向上
せしめるべく鋭意検討した結果、意外にもアンモニア,
水素,溶媒,触媒が存在した反応系内に1,9−ノナン
ジアールのアルコール溶液を逐次供給しながら接触還元
反応を行うことにより当該収率の向上を達成せしめるこ
とに成功し、しかも従来方法よりも高収率で1,9−ノ
ナンジアミンを得ることを見出し本発明を完成した。更
に1,9−ノナンジアールにかえて、この異性体である
2−メチル−1,8−オクタンジアール及び1,8−オ
クタンジアールを用いて同様に処理すれば、それぞれ1
−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,8−オク
タンジアミンが高収率で得られることも見出し本発明を
完成した。
【0005】すなわち、本発明は、水素化触媒、溶媒、
水素及びアンモニアの存在する、所定温度に加熱された
反応系内に、
【化1】(式中、Aは下記の化3で表される基又はエチ
リデン基を示す)で表されるジアールのアルコール溶液
を供給しながら接触還元反応することを特徴とする
【化2】(式中、Aは前記に同じ)で表されるジアミン
の製造法に関する。
【化3】で表される基(式中、nは1又は2を示す)
【0006】以下本発明について詳しく説明する。化1
で表されるジアールは、1,9−ノナンジアール、2−
メチル−1,8−オクタンジアール及び1,8−オクタ
ンジアールである。一般に、アルデヒドをアルコールに
溶解させると、アルデヒドのアルコール付加物が容易に
生成し、アルデヒドのアルコール溶液にはアルデヒド及
びアルデヒドのアルコール付加物が存在する。またこの
アルコール付加物の主たるものはヘミアセタールであ
る。したがって、本発明における、ジアールのアルコー
ル溶液とはジアール及びヘミアセタールなどのジアール
のアルコール付加物が存在するアルコール溶液である。
本発明の方法においてはヘミアセタールなどのジアール
のアルコール付加物がアンモニア及び水素と反応してジ
アミンを合成するものと推察される。
【0007】本発明で使用するジアールのアルコール溶
液のアルコールとしては特に限定はなく、工業的に汎用
なメタノール,エタノール,イソプロパノール等で十分
である。当該アルコール溶液はジアールをその1〜20
倍モルの範囲好ましくは経済性の点から2〜10倍モル
の範囲のアルコールに溶解すれば調製されうる。
【0008】本発明に用いる溶媒としては、メタノー
ル,エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン,トルエ
ン等の芳香族炭化水素があげられる。その中で特にアル
コール類が好ましい。溶媒量としては特に制限はない
が、ジアールのアルコール溶液を調製するにあたって使
用するジアールの1〜10倍重量が好ましい。
【0009】本発明で使用するアンモニア量は、ジアー
ルのアルコール溶液を調製するにあたって使用するジア
ールに対し3〜20倍モルが好ましく、特に、5〜10
倍モルが好ましい。アンモニア量が3倍未満となると目
的物の収率低下が見られ、20倍をこえるとアンモニア
の分圧が大きくなり工業的に問題が生じてくる。
【0010】本発明に用いる水素化触媒としては、公知
の水素化触媒があげられ、例えばラネーニッケル、ラネ
ーコバルトなどラネー系触媒、Pd−C,Ru−C,P
t−C,Rh−Cなどの貴金属系触媒があげられる。特
に収率面、経済性からラネーニッケルが有効である。触
媒の使用量は、ジアールのアルコール溶液を調製するに
あたって使用するジアールに対し2〜50重量%の範囲
が好ましい。
【0011】本発明においては、ポリマ−状物質の生成
を抑制するために、ジアールのアルコール溶液を反応系
内に供給するにあたってあらかじめ反応系内を80℃以
上好ましくは80〜200℃の範囲特に好ましくは10
0〜150℃の範囲に加熱しておく必要がある。ジアー
ルのアルコール溶液の供給中の反応系内は、好ましくは
80〜200℃の範囲、特に好ましくは100〜150
℃の範囲の温度に保つ。80℃未満ではジアミンの生成
反応が十分に進行せずポリマ−状物質が増加し収率が低
下する。200℃を越えると好ましくない副反応が起こ
り目的物の収率が低下する。反応圧としては特に制限は
ないが、通常20〜80Kg/cm2 が適当である。
【0012】本発明はジアールのアルコール溶液を供給
しながら反応せしめる。すなわち、ジアールのアルコー
ル溶液を逐次反応系に供給するがその供給時間としては
1〜10時間で連続的に行う方法が触媒の活性低下、及
び好ましくない副反応を抑制できるので好ましく、特に
2〜5時間が好ましい。ジアールのアルコール溶液の連
続供給法としては、単位時間あたり一定量を供給しても
よく、また供給量を反応速度に応じて適宜調整しながら
供給してもよい。
【0013】このようにして得られたジアミンは、一般
的な単離,精製法、例えば反応液から濾過により触媒を
除去後、蒸留精製することにより容易に高純度の目的物
を得ることができる。
【0014】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はそれらに限定されるものではない。 実施例−1 容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブにメタノー
ル150g、ラネーニッケル15g及びアンモニア11
9gを仕込み、更に水素を導入して15kg/cm2
した後昇温を行った。オートクレーブの内温が120℃
に達した後更に水素を導入して内圧を40kg/cm2
にした。つぎに、1,9−ノナンジアール54.6g及
び2−メチル−1,8−オクタンジアール23.4gを
メタノール160gに溶解させて得られたメタノール溶
液238gを3時間かけて高圧定量ポンプにてオートク
レーブ内に供給した。当該メタノール溶液の供給中オー
トクレーブ内を120℃に保った。反応の進行とともに
水素が消費されるので逐次水素を追加し圧力を一定に保
った。当該メタノール溶液の供給を止めると同時に水素
の消費も止まり反応は終了した。反応液を冷却濾過し触
媒を濾別し、濾液を蒸留して1,9−ノナンジアミン5
0.7g(1,9−ノナンジアールからの収率91.6
%)、1−メチル−1,8−オクタンジアミン21.3
g(2−メチル−1,8−オクタンジアールからの収率
89.9%)を得た。更に、理論段数20段の蒸留塔を
用いて精密に精留することにより1−メチル−1,8−
オクタンジアミンは容易に分離され、ガスクロマトグラ
フ純度99.0%の1,9−ノナンジアミンが得られ
た。
【0015】実施例−2 メタノール160gをエタノール230gに代えた以外
は実施例−1と同様にして反応及び後処理を行ない、
1,9−ノナンジアミン50.0g(1,9−ノナンジ
アールからの収率90.3%)、1−メチル−1,8−
オクタンジアミン20.6g(2−メチル−1,8−オ
クタンジアールからの収率86.9%)を得た。 実施例−3 ラネーニッケルの代わりにラネーコバルトを使用した以
外は実施例−1と同様にして反応及び後処理を行ない、
1,9−ノナンジアミン45.5g(1,9−ノナンジ
アールからの収率82.2%)、1−メチル−1,8−
オクタンジアミン17.3g(2−メチル−1,8−オ
クタンジアールからの収率73.0%)を得た。 比較例−1 1,9−ノナンジアール及び2−メチル−1,8−オク
タンジアールをメタノールに溶解せずに使用した他は実
施例−1と同様にして反応を行なったが、水素吸収は認
められず反応液がポリマー化し、目的物は全く得られな
かった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、ジアールから従来方法
に比べて高い収率でジアミンを製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】すなわち、本発明は、水素化触媒、溶媒、
水素及びアンモニアの存在する、所定温度に加熱された
反応系内に、
【化(式中、Aは下記の化で表される基又はエチリデン基
を示す)で表されるジアールのアルコール溶液を供給し
ながら接触還元反応することを特徴とする
【化(式中、Aは前記に同じ)で表されるジアミンの製造法
に関する。
【化で表される基(式中、nは1又は2を示す)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】以下本発明について詳しく説明する。化
で表されるジアールは、1,9−ノナンジアール、2−
メチル−1,8−オクタンジアール及び1,8−オクタ
ンジアールである。一般に、アルデヒドをアルコールに
溶解させると、アルデヒドのアルコール付加物が容易に
生成し、アルデヒドのアルコール溶液にはアルデヒド及
びアルデヒドのアルコール付加物が存在する。またこの
アルコール付加物の主たるものはヘミアセタールであ
る。したがって、本発明における、ジアールのアルコー
ル溶液とはジアール及びヘミアセタールなどのジアール
のアルコール付加物が存在するアルコール溶液である。
本発明の方法においてはヘミアセタールなどのジアール
のアルコール付加物がアンモニア及び水素と反応してジ
アミンを合成するものと推察される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化触媒、溶媒、水素及びアンモニア
    の存在する、所定温度に加熱された反応系内に、 【化1】 (式中、Aは下記の化3で表される基又はエチリデン基
    を示す)で表されるジアールのアルコール溶液を供給し
    ながら接触還元反応することを特徴とする 【化2】 (式中、Aは前記に同じ)で表されるジアミンの製造
    法。 【化3】 で表される基(式中、nは1又は2を示す)
  2. 【請求項2】 水素化触媒、溶媒、水素及びアンモニア
    の存在する、所定温度に加熱された反応系内に、請求項
    1記載のジアールのヘミアセタールを含有するアルコー
    ル溶液を供給しながら、当該ヘミアセタール、水素及び
    アンモニアを反応させることを特徴とする請求項1記載
    のジアミンの製造法。
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