JPH05173002A - 樹脂製光学部品 - Google Patents
樹脂製光学部品Info
- Publication number
- JPH05173002A JPH05173002A JP3345044A JP34504491A JPH05173002A JP H05173002 A JPH05173002 A JP H05173002A JP 3345044 A JP3345044 A JP 3345044A JP 34504491 A JP34504491 A JP 34504491A JP H05173002 A JPH05173002 A JP H05173002A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- vapor deposition
- sio
- coating layer
- refractive index
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】物理的および光学的特性に優れた樹脂製光学部
品を提供することを主な目的とする。 【構成】 1. 被覆層を設けた樹脂製光学部品であって、 (1)光学部品の屈折率との差が±0.5%以下である
屈折率を有する膜厚15000〜20000オングスト
ロームのSiO反応蒸着層からなる第1被覆層、および
(2)MgF2 またはSiO2 からなる第2被覆層を順
次積層してなる樹脂製光学部品。
品を提供することを主な目的とする。 【構成】 1. 被覆層を設けた樹脂製光学部品であって、 (1)光学部品の屈折率との差が±0.5%以下である
屈折率を有する膜厚15000〜20000オングスト
ロームのSiO反応蒸着層からなる第1被覆層、および
(2)MgF2 またはSiO2 からなる第2被覆層を順
次積層してなる樹脂製光学部品。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器、光通信機
器、光情報処理機器、光応用製造機器、測定機器、カメ
ラなどの光学機器の一部を構成する樹脂製光学部品に関
する。
器、光情報処理機器、光応用製造機器、測定機器、カメ
ラなどの光学機器の一部を構成する樹脂製光学部品に関
する。
【0002】
【従来技術とその問題点】樹脂製光学部品は、ガラス製
光学部品に比して、表面硬度が低いので、傷付きやすい
という欠点がある。また、ガラス製光学部品の場合と同
様に、その光学的特性を改善するために、反射防止処理
を行なう必要もある。従って、その表面特性(硬度特
性、光学的特性など)を改善するために、被覆層を形成
することが行なわれている。
光学部品に比して、表面硬度が低いので、傷付きやすい
という欠点がある。また、ガラス製光学部品の場合と同
様に、その光学的特性を改善するために、反射防止処理
を行なう必要もある。従って、その表面特性(硬度特
性、光学的特性など)を改善するために、被覆層を形成
することが行なわれている。
【0003】例えば、樹脂製光学部品の表面に複数の被
覆層からなる反射防止層を形成することが行なわれてい
るが、この様な反射防止層では、硬度特性は改善され
ず、光学部品表面を十分に保護することはできない。
覆層からなる反射防止層を形成することが行なわれてい
るが、この様な反射防止層では、硬度特性は改善され
ず、光学部品表面を十分に保護することはできない。
【0004】表面硬度を改善するために、一定以上の厚
さを有するSiO2 膜、MgF2 膜などを形成すること
も行なわれている。しかしながら、この様な場合に、十
分な硬度を得るために、膜厚をあまり大きくすると(5
000オングストローム以上程度)、膜にクラックが発
生して、実用に供し得ない。また、膜厚を大きくする
と、基材と被覆層との屈折率の差が大きいと、増反射膜
となる(後述の参考例1および2を参照のこと)。さら
に、膜厚を大きくする場合には、膜と基材との密着性も
低下する。
さを有するSiO2 膜、MgF2 膜などを形成すること
も行なわれている。しかしながら、この様な場合に、十
分な硬度を得るために、膜厚をあまり大きくすると(5
000オングストローム以上程度)、膜にクラックが発
生して、実用に供し得ない。また、膜厚を大きくする
と、基材と被覆層との屈折率の差が大きいと、増反射膜
となる(後述の参考例1および2を参照のこと)。さら
に、膜厚を大きくする場合には、膜と基材との密着性も
低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、物
理的および光学的特性に優れた樹脂製光学部品を提供す
ることを主な目的とする。
理的および光学的特性に優れた樹脂製光学部品を提供す
ることを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な技術の現状に鑑みて、鋭意研究を進めた結果、特定の
条件を満足するSiO反応蒸着層とSiO2 またはMg
F2 からなる反応防止膜とを樹脂製光学部品上に順次形
成する場合には、上記の目的を達成し得ることを見出し
た。
な技術の現状に鑑みて、鋭意研究を進めた結果、特定の
条件を満足するSiO反応蒸着層とSiO2 またはMg
F2 からなる反応防止膜とを樹脂製光学部品上に順次形
成する場合には、上記の目的を達成し得ることを見出し
た。
【0007】即ち、本発明は、下記の樹脂製光学部品を
提供するものである: 1. 被覆層を設けた樹脂製光学部品であって、 (1)光学部品の屈折率との差が±0.5%以下である
屈折率を有する膜厚15000〜20000オングスト
ロームのSiO反応蒸着層からなる第1被覆層、および
(2)MgF2 またはSiO2 からなる第2被覆層を順
次積層してなる樹脂製光学部品。
提供するものである: 1. 被覆層を設けた樹脂製光学部品であって、 (1)光学部品の屈折率との差が±0.5%以下である
屈折率を有する膜厚15000〜20000オングスト
ロームのSiO反応蒸着層からなる第1被覆層、および
(2)MgF2 またはSiO2 からなる第2被覆層を順
次積層してなる樹脂製光学部品。
【0008】本発明が対象とする光学部品を構成する樹
脂は、当該分野で使用されている全ての樹脂であれば良
く、特に限定されないが、具体的には、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、
ポリアミド、ポリスチレン、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート樹脂などが代表的な材料として、例
示される。
脂は、当該分野で使用されている全ての樹脂であれば良
く、特に限定されないが、具体的には、ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、
ポリアミド、ポリスチレン、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート樹脂などが代表的な材料として、例
示される。
【0009】第1被覆層は、O2 の存在下にSiOを真
空蒸着装置内で加熱して樹脂製光学部品表面にSiO反
応蒸着膜を形成させることにより、得られる。その形成
に際しては、樹脂製光学部品の屈折率とSiO反応蒸着
膜の屈折率との差が±0.5%以下となり且膜厚150
00〜20000オングストロームとなるように、O2
の分圧および蒸着速度を調整する。これらの条件は、光
学部品を構成する樹脂の種類などに応じて異なるが、実
験的に容易に定めることができ、通常O2 の分圧1〜3
×10-4Torr程度、蒸着速度10〜14オングストロー
ム/秒程度である。
空蒸着装置内で加熱して樹脂製光学部品表面にSiO反
応蒸着膜を形成させることにより、得られる。その形成
に際しては、樹脂製光学部品の屈折率とSiO反応蒸着
膜の屈折率との差が±0.5%以下となり且膜厚150
00〜20000オングストロームとなるように、O2
の分圧および蒸着速度を調整する。これらの条件は、光
学部品を構成する樹脂の種類などに応じて異なるが、実
験的に容易に定めることができ、通常O2 の分圧1〜3
×10-4Torr程度、蒸着速度10〜14オングストロー
ム/秒程度である。
【0010】第2被覆層は、第1被覆層の上に形成され
たMgF2 またはSiO2 の蒸着膜からなっている。第
2被覆層は、反射防止を目的とするものであり、公知の
反射防止膜と異なるところはなく、常法に従って形成す
れば良い。その厚さは、特に限定されるものではない
が、通常厚さ800〜1200オングストローム程度で
ある。
たMgF2 またはSiO2 の蒸着膜からなっている。第
2被覆層は、反射防止を目的とするものであり、公知の
反射防止膜と異なるところはなく、常法に従って形成す
れば良い。その厚さは、特に限定されるものではない
が、通常厚さ800〜1200オングストローム程度で
ある。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な効果が達成
される。
される。
【0012】(1)耐磨耗性に優れている。
【0013】(2)基材への密着性に優れている。
【0014】(3)被膜形成による増反射が認められな
い。
い。
【0015】(4)耐久性に優れている。
【0016】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0017】実施例1 ポリメチルメタクリレート(PMMA)の厚さ3mmの平
板(屈折率=1.49)を真空蒸着装置内に取り付け、
5×10-5Torrまで排気し、O2 の分圧が2×10-4To
rrとなるようにO2 を装置内に導入した後、電子ビーム
により蒸着速度12オングストローム/秒でSiOを蒸
着させて、厚さ15000オングストロームの第1被覆
層を形成した。次いで、反射防止膜として、光学的膜厚
(=物理的膜厚×屈折率)138nmのSiO2 膜を蒸着
により積層した。
板(屈折率=1.49)を真空蒸着装置内に取り付け、
5×10-5Torrまで排気し、O2 の分圧が2×10-4To
rrとなるようにO2 を装置内に導入した後、電子ビーム
により蒸着速度12オングストローム/秒でSiOを蒸
着させて、厚さ15000オングストロームの第1被覆
層を形成した。次いで、反射防止膜として、光学的膜厚
(=物理的膜厚×屈折率)138nmのSiO2 膜を蒸着
により積層した。
【0018】得られた製品の分光特性を図1に示す。
【0019】また、形成された被膜層の各種の物性を以
下の実施例および比較例の結果と併せて表1(初期物
性)および表2(温度60℃×相対湿度80%で168
時間保持後の物性)に示す。
下の実施例および比較例の結果と併せて表1(初期物
性)および表2(温度60℃×相対湿度80%で168
時間保持後の物性)に示す。
【0020】実施例2 ポリカーボネート(PC)の厚さ2mmの平板(屈折率=
1.58)を使用し且つO2 分圧を2×10-4Torrとす
る以外は実施例1と同様にして、第1被覆層および第2
被覆層を形成した。
1.58)を使用し且つO2 分圧を2×10-4Torrとす
る以外は実施例1と同様にして、第1被覆層および第2
被覆層を形成した。
【0021】比較例1 PMMAの厚さ2mmの平板(屈折率=1.49)を真空
蒸着装置内に取り付け、5×10-5Torrまで排気し、O
2 の分圧が8×10-5TorrとなるようにO2 を装置内に
導入した後、電子ビームにより蒸着速度6オングストロ
ーム/秒でSiO2 を蒸着させて、光学的膜厚(=物理
的膜厚×屈折率)138nmの被覆層を形成した。
蒸着装置内に取り付け、5×10-5Torrまで排気し、O
2 の分圧が8×10-5TorrとなるようにO2 を装置内に
導入した後、電子ビームにより蒸着速度6オングストロ
ーム/秒でSiO2 を蒸着させて、光学的膜厚(=物理
的膜厚×屈折率)138nmの被覆層を形成した。
【0022】比較例2 比較例1と同様にして物理的膜厚5000オングストロ
ームのSiO2 被覆層を形成した。
ームのSiO2 被覆層を形成した。
【0023】 表 1 密着性 耐アルコール性 表面硬度 耐磨耗性 実施例1 良好 良好 4H 10本以下 実施例2 良好 良好 1H 20本以下 比較例1 不良 良好 1H 20本以上 比較例2 不良 やや劣る 2H 20本以下 PMMA − − 3H 多数 PC − − 2B 多数 注:密着性…セロファンテープにて5回剥離試験する。
【0024】耐アルコール性…メタノールを浸漬した紙
を荷重300gで10往復させ、傷の程度を肉眼で判定
する。
を荷重300gで10往復させ、傷の程度を肉眼で判定
する。
【0025】表面硬度…鉛筆硬度試験による。
【0026】耐磨耗性…スチールウールを荷重300g
で5往復させ、傷の本数を肉眼で数える。
で5往復させ、傷の本数を肉眼で数える。
【0027】 表 2 密着性 耐アルコール性 表面硬度 実施例1 良好 良好 4H 実施例2 良好 良好 1H 比較例1 不良 良好 1H 比較例2 不良 不良 2H 参考例1 PMMAの厚さ2mmの平板(屈折率=1.49)に比較
例1と同様にして、10000オングストロームのSi
O2 蒸着膜を形成させた。その反射率は、図2に示す通
りである。
例1と同様にして、10000オングストロームのSi
O2 蒸着膜を形成させた。その反射率は、図2に示す通
りである。
【0028】参考例2 PCの厚さ2mmの平板(屈折率=1.58)に比較例1
と同様にして、10000オングストロームのSiO2
蒸着膜を形成させた。その反射率は、図3に示す通りで
ある。
と同様にして、10000オングストロームのSiO2
蒸着膜を形成させた。その反射率は、図3に示す通りで
ある。
【図1】実施例1で得られた製品の分光特性を示すグラ
フである。
フである。
【図2】参考例1で得られた製品の分光特性を示すグラ
フである。
フである。
【図3】参考例2で得られた製品の分光特性を示すグラ
フである。
フである。
Claims (1)
- 【請求項1】 被覆層を設けた樹脂製光学部品であっ
て、 (1)光学部品の屈折率との差が±0.5%以下である
屈折率を有する膜厚15000〜20000オングスト
ロームのSiO反応蒸着層からなる第1被覆層、および
(2)MgF2 またはSiO2 からなる第2被覆層を順
次積層してなる樹脂製光学部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3345044A JPH05173002A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 樹脂製光学部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3345044A JPH05173002A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 樹脂製光学部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05173002A true JPH05173002A (ja) | 1993-07-13 |
Family
ID=18373911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3345044A Pending JPH05173002A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 樹脂製光学部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05173002A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012173596A1 (en) | 2011-06-13 | 2012-12-20 | Essilor Internation (Compagnie General D'optique) | Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP3345044A patent/JPH05173002A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012173596A1 (en) | 2011-06-13 | 2012-12-20 | Essilor Internation (Compagnie General D'optique) | Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method |
CN103597377A (zh) * | 2011-06-13 | 2014-02-19 | 埃西勒国际通用光学公司 | 用于获得具有超级耐磨损特性的光学物品的方法,以及根据这样的方法制备的涂覆物品 |
US9075189B2 (en) | 2011-06-13 | 2015-07-07 | Essilor International (Compagnie Generale D'optique) | Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method |
AU2011370999B2 (en) * | 2011-06-13 | 2016-01-14 | Essilor International | Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method |
CN103597377B (zh) * | 2011-06-13 | 2016-08-17 | 埃西勒国际通用光学公司 | 用于获得具有超级耐磨损特性的光学物品的方法,以及根据这样的方法制备的涂覆物品 |
EA024640B1 (ru) * | 2011-06-13 | 2016-10-31 | Эссилор Энтернасьональ (Компани Женераль Д'Оптик) | Способ изготовления стойкого к истиранию оптического изделия |
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