JP3769039B2 - 反射防止膜付き偏光板およびその製法 - Google Patents

反射防止膜付き偏光板およびその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は反射防止膜付き偏光板に関する。詳しくは密着性に優れ、反射防止性能の変動が小さい反射防止膜付き偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイやブラウン管等の表示画面を見る場合、窓からの外光や室内照明が画面上で反射し、表示が見難くなるとともに、ディスプレイ作業における疲労の原因ともなっている。近年オフィス環境及び各種測定時でのディスプレイ画面を使用した作業は非常に多く、この問題に対する対策が必要となっており、その一つの手法として、表示画面の表面に反射防止層を設け、表示画質を向上させることが行われている。
【0003】
レンズ等の光学部材には、反射防止層として弗化マグネシウム膜を付与することが従来から行われており、この技術の表示画面への応用が模索されている。図1は、反射防止膜として弗化マグネシウムの単層膜を形成したプラスチック部材の断面図であって、ブラスチック部材1の表面に、反射防止のために付与した弗化マグネシウム層2が設けられている。図2には、このときの反射スペクトルが曲線3で示されている。また、比較のため反射防止処理を行っていない場合の反射スペクトルが、図2の曲線4に示されている。図2に示すとおり、弗化マグネシウムの単層膜をプラスチックに付与することにより、優れた反射防止効果があることが解る。弗化マグネシウム層は、通常、蒸着法により付与されるが、プラスチック部材の場合には、密着性、耐久性が悪いといった問題があり、これらの対策について様々な技術が提案されている。
【0004】
弗化マグネシウム層とプラスチック部材との密着性を向上させる方法として、特公平 1
-16256号公報には、プラスチック部材表面をアルカリ性の溶液でケン化する方法が、また密着性及び耐久性を向上させる方法として、特開昭 61-290402号公報には、プラスチック部材表面にイオンガン照射を行う方法が、さらに特開昭 62-186203号公報には、プラスチック部材表面に二酸化ケイ素の接着層を蒸着する方法が、それぞれ示されている。
【0005】
しかし、プラスチック部材表面をケン化処理する方法では、初期の密着力は向上するが、耐久性は十分でない。またイオンガン照射を行う方法では、初期密着強度は良好であり、耐久性の向上もかなり認められるものの、その効果は未だ十分でなく、湿熱下の耐久性条件では表面に微細なクラックが生じ、密着力も大幅に低下する。さらに二酸化ケイ素の接着層を介して弗化マグネシウムを蒸着する方法においても、密着性の向上は認められるが、湿熱下における耐久性が悪く、さらに二酸化ケイ素の屈折率がプラスチック部材に比べて低いため、第1層の二酸化ケイ素の膜厚変動により反射スペクトルが変化するという問題があった。
【0006】
一方、特公昭 61-602 号公報には、プラスチック部材表面に酸化アルミニウムの接着層を蒸着する方法が示されている。この方法によれば、弗化マグネシウムとプラスチック部材との密着力は向上し、耐久性も良好であるが、酸化アルミニウム層の屈折率をプラスチック部材に比べて高くすることを必要としており、第1層の酸化アルミニウムの膜厚変動により反射スペクトルが変化し、製造工程中で第1層の酸化アルミニウムの面内膜厚分布、バッチ間膜厚変動等を十分に管理しなくては、所望の反射防止性能を均一に、再現性良く得ることが非常に困難であるという問題があった。
【0007】
さらに、屈折率の高い酸化アルミニウム層は、蒸着プロセスの厳密な管理、又はイオンプレーティング等の装置上の付加設備が必要であり、工業的量産という面からは問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、プラスチック部材と弗化マグネシウムとの密着性向上と反射率変動のない均質な反射防止膜を付与するという技術の両立は、様々な検討においても未だ達せられておらず、弗化マグネシウムが反射防止膜として実用化されるための大きな技術課題となっていた。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、密着性、耐久性に優れ、反射防止性能の変動が小さく、工業的量産化が容易な反射防止膜付き偏光板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、反射防止層としての弗化マグネシウム層をプラスチック部材表面に密着性良く付与することができ、なお且つ反射率変動が小さく、均質な反射防止性能を得ることができ、工業的量産性に優れた反射防止膜付きプラスチック部材について鋭意検討したところ、低屈折率の酸化アルミニウム層がプラスチック部材と弗化マグネシウムとの接着層として有用であり、なお且つ反射防止性能の均質性に優れることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち本発明は、ハードコートが施されたプラスチック部材からなる屈折率約
. 51 の偏光板の表面に、該表面側から空気層側へ順に第1層、第2層の2層構造をしており、第1層が酸化アルミニウム、第2層が弗化マグネシウムからなる反射防止膜を設けた偏光板であって、酸化アルミニウムの屈折率が . 50〜1 . 52の範囲にあることを特徴とする反射防止膜付き偏光板である。
【0012】
本発明において、基材となるプラスチック部材は偏光板で構成し、その表面は、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、PET、トリアセチルセルロース等、真空プロセスに使用でき、屈折率が 1.55を越えないものであればよい。また、反射防止層の耐擦傷性を向上させる目的で、表面の屈折率が 1.55を越えない範囲で樹脂によるハードコートが施されたものを使用する。プラスチック部材として偏光板を用いることにより、これを用いた液晶ディスプレイにおいては、表面からの反射光を防ぎ、鮮明でコントラストの良い表示が可能となる。
【0013】
酸化アルミニウム、弗化マグネシウムの蒸着方法について、特に限定されるものではなく、抵抗加熱蒸着法、エレクトロンビーム(以下、EBと略する)加熱蒸着法、誘導加熱蒸着法、スパッタ法等、どのような手法を用いてもよい。第1層である酸化アルミニウム層の膜厚は特に制限されないが、偏光板と弗化マグネシウムとの密着性を向上させる役割を持たせるために、50オングストローム以上が好ましい。また偏光板が熱に弱く、偏光板の温度上昇を防ぐ必要がある場合には、酸化アルミニウムの蒸着源からの熱の影響をできるだけ避けるため、短時間で蒸着を終了することが好ましく、酸化アルミニウムの膜厚は50〜200オングストロームが例示できる。
【0014】
また、この酸化アルミニウム層の屈折率は、 . 50〜1 . 52の範囲とする。この範囲に屈折率を設定することにより、酸化アルミニウムの膜厚が変動した場合でも、弗化マグネシウム蒸着後の反射防止膜に反射率変動は発生せず、弗化マグネシウムの膜厚コントロールのみで反射率変動のない一定品質の反射防止膜を得ることができる。この酸化アルミニウム層の屈折率が上記範囲より小さいか又は大きい場合には、酸化アルミニウム層の膜厚変動により、弗化マグネシウムを蒸着した後の反射防止膜に反射率の変動を生じることとなる。
【0015】
屈折率が . 50〜1 . 52の酸化アルミニウム層を作製するためには、蒸着プロセスでのコントロールが必要であり、蒸着の場合、真空度を1×10-5Torrから2×10-4Torrに設定することが好ましい。
【0016】
第2層の弗化マグネシウム層の膜厚dは、弗化マグネシウムの屈折率をn、反射防止を行う光の波長をλとすると、d=λ/4nに設定され、λ=550nmの場合、dは950〜1050オングストローム程度となる。
【0017】
酸化アルミニウム層を偏光板と弗化マグネシウム層との接着層とすることにより、偏光板に付与した反射防止膜の密着性、耐久性を向上させることができるが、さらに密着性、耐久性の向上を目的として偏光板の表面に、又は弗化マグネシウムの蒸着時に酸素イオンガンを照射することも有効である。
【0018】
また、弗化マグネシウム表面の耐擦傷性向上又はカップリング反応を使用した防汚処理を目的として、弗化マグネシウム表面に、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等の金属酸化物層を付与することも有効である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1
リビニルアルコールの延伸フィルムを偏光子とし、その両面にトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、蒸着面にUV硬化型のハードコート層を有する偏光板を用い、表1に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。図3は表1の説明図であり、偏光板5の上に酸化アルミニウム層6が設けられ、さらにその上に弗化マグネシウム層7が設けられる。蒸着は以下の条件で行った。第1層の酸化アルミニウム層の形成は、真空度5×10-5Torr でEB加熱蒸着を用いて行い、屈折率1.52 を有する光学膜厚0.06λ(λ=550nm、以下同じ。)の層を形成させた。この状態から真空を保ったまま、同じく真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着により第2層の弗化マグネシウムの蒸着を行い、光学膜厚0.25λの層を形成した。
【0021】
【表1】
──────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
──────────────────────────────
入射媒質 空 気 − 1.0 / −
──────────────────────────────
第2層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着 1.38/0.25λ
──────────────────────────────
第1層 酸化アルミニウム EB加熱蒸着 1.52/0.06λ
──────────────────────────────
部 材 偏光板 − 1.51/ −
──────────────────────────────
【0022】
上記反射防止膜について、耐擦傷性テストと併せて耐久性テストを行った。耐擦傷性テストでは、スチールウールによる傷の付き易さを評価し、耐久性テストでは、反射防止膜に発生するクラック等の表面異常及び反射防止膜のプラスチック部材との密着力を測定した。耐擦傷性テスト及び耐久性テストの条件と評価項目は下記のとおりであり、結果を表7に示す。
【0023】
〔耐擦傷性テスト〕
スチールウール(#0000)を用い、250g/cm2 で表面を擦り、傷の付き具合を観察する。
〔耐久性テスト〕
(テスト条件)
──────────────────
温度/湿度 放置時間
──────────────────
耐熱条件 80℃/dry 1000時間
90℃/dry 1000時間
──────────────────
耐湿熱条件 60℃/90% 1000時間
65℃/95% 1000時間
──────────────────
(評価項目)
表面観察:
微細なクラックの発生、膜の劣化(透明度の低下)を観察
密着強度テスト:
セロハンテープによる碁盤の目剥離テスト(JIS K 5400-1990)
【0024】
また、反射スペクトルを測定し、結果を図4に示した。図4において、Aは上記の反射防止膜付き偏光板のもの、Bは第1層の光学膜厚が0のもの、Cは第1層の光学膜厚が
0.25λ のものを示す(以下同じ)。反射率変動は、550nmにおけるB及びCの反射率がAの反射率に対してどの程度であるかを評価し、結果を併せて表7に示した。
【0025】
実施例2
実施例1と同一の偏光板を用い、表2に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。 第1層の酸化アルミニウム層の形成は、EB加熱蒸着を用い、真空度5×10-5Torrで屈折率1.50を有する光学膜厚0.06λの層を形成させた。この状態から真空を保ったまま、真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着により弗化マグネシウムの蒸着を行った。このとき、加速電圧500ボルト、加速電流40mAの条件で酸素イオンガン照射を併用し、光学膜厚0.25λ の層を形成させた。耐擦傷性テスト及び耐久性テスト結果を表7に示す。また反射スペクトルを図5に示す。
【0026】
【表2】
───────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
───────────────────────────────
入射媒質 空 気 − 1.0 / −
───────────────────────────────
第2層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着+ 1.38/0.25λ
酸素イオンガン
───────────────────────────────
第1層 酸化アルミニウム EB加熱蒸着 1.50/0.06λ
───────────────────────────────
部 材 偏光板 − 1.51/ −
───────────────────────────────
【0027】
比較例1
実施例1と同一の偏光板を用い、表3に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。偏光板に、真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着により弗化マグネシウムの蒸着を行い、光学膜厚0.25λ の層を形成した。耐擦傷性テスト及び耐久性テスト結果を表7に示す。
【0028】
【表3】
──────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
──────────────────────────────
入射媒質 空 気 − 1.0 / −
──────────────────────────────
第1層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着 1.38/0.25λ
──────────────────────────────
部 材 偏光板 − 1.51/ −
──────────────────────────────
【0029】
比較例2
実施例1と同一の偏光板を用い、表4に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。第1層に接着層として二酸化ケイ素、第2層に弗化マグネシウムを蒸着した構成とした。第1層の二酸化ケイ素の形成は、真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着を用いて行い、光学膜厚0.06λ の層を形成させた。この状態から真空を保ったまま、同じく真空度5×10-5Torr でEB加熱蒸着により弗化マグネシウムの蒸着を行い、光学膜厚0.25λの層を形成させた。耐擦傷性テスト及び耐久性テスト結果を表7に示す。また反射スペクトルを図6に示す。
【0030】
【表4】
──────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
──────────────────────────────
入射媒質 空 気 − 1.0 / −
──────────────────────────────
第2層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着 1.38/0.25λ
──────────────────────────────
第1層 二酸化ケイ素 EB加熱蒸着 1.43/0.06λ
──────────────────────────────
部 材 偏光板 − 1.51/ −
──────────────────────────────
【0031】
比較例3
実施例1と同一の偏光板を用い、表5に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。第1層に接着層として酸化アルミニウム、第2層に弗化マグネシウムを蒸着した構成とした。第1層の酸化アルミニウム層の形成は、EB加熱蒸着をイオンプレーティングを用いて行い、屈折率1.57を有する光学膜厚0.06λの層を形成させた。この状態から真空を保ったまま、真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着により弗化マグネシウムの蒸着を行い、光学膜厚0.25λ の層を形成させた。耐擦傷性テスト及び耐久性テスト結果を表7に示す。また反射スペクトルを図7に示す。
【0032】
【表5】
───────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
───────────────────────────────
入射媒質 空 気 − 1.0 / −
───────────────────────────────
第2層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着 1.38/0.25λ
───────────────────────────────
第1層 酸化アルミニウム EB加熱蒸着+ 1.57/0.06λ
イオンプレー
ティング
───────────────────────────────
部 材 偏光板 − 1.51/ −
───────────────────────────────
【0033】
比較例4
実施例1と同一の偏光板を用い、表6に示すような構成で反射防止膜付き偏光板を作製した。第1層に接着層として酸化アルミニウム、第2層に弗化マグネシウムを蒸着した構成とした。第1層の酸化アルミニウム層の形成は、真空度5×10-4TorrでEB加熱蒸着を用いて行い、屈折率1.47を有する光学膜厚0.06λの層を形成させた。この状態から真空を保ったまま、真空度5×10-5TorrでEB加熱蒸着により弗化マグネシウムの蒸着を行い、光学膜厚0.25λ の層を形成させた。耐擦傷性テスト及び耐久性テスト結果を表7に示す。また反射スペクトルを図8に示す。
【0034】
【表6】
──────────────────────────────
物 質 蒸着法 屈折率/光学膜厚
──────────────────────────────
入射媒質 空 気 1.0 / −
──────────────────────────────
第2層 弗化マグネシウム EB加熱蒸着 1.38/0.25λ
──────────────────────────────
第1層 酸化アルミニウム EB加熱蒸着 1.47/0.06λ
──────────────────────────────
部 材 偏光板 1.51/ −
──────────────────────────────
【0035】
【表7】
───────────────────────────────
耐擦傷性 耐久性テスト 第1層の膜厚変動による
表面観察 密着強度 反射防止性能の変動
───────────────────────────────
実施例1 ○ ○ ○ ○
〃 2 ○ ○ ○ ○
比較例1 × × × ×
〃 2 × × × ×
〃 3 ○ ○ ○ ×
〃 4 ○ ○ ○ ×
───────────────────────────────
〔耐擦傷性テスト〕 ○:ハードコートより耐擦傷性に優れる
×:ハードコート以下の耐擦傷性を有する
(ハードコートはアクリルウレタン系のものを使用)
〔表面観察〕 ○:良好、×:不良(微小クラック等)
〔密着強度〕 ○:良好、×:剥離発生
〔反射率変動〕
○:変動小さい(第1層の光学膜厚を0〜0.25λに変化させることにより変動する反射率が25%以下である)
×:変動大きい(第1層の光学膜厚を0〜0.25λに変化させることにより変動する反射率が25%より大きい)
【0036】
表7に示すとおり、本発明の反射防止膜付き偏光板の耐擦傷性、耐久性は良好であり、第1層の酸化アルミニウムの膜厚変動による反射率変動が小さい。図4〜図8より、実施例では反射率変動が20%以下に収まっているのに対し、比較例では30%以上になっている。
【0037】
【発明の効果】
本発明の反射防止膜付きプラスチック部材は、耐擦傷性、耐久性に優れ、第1層の酸化アルミニウムの膜厚変動による反射率変動が小さい。したがって、大がかりな装置上の改良や付加工程なしに、プラスチック部材上に付与した弗化マグネシウム層の密着性を向上させ、反射防止層の耐擦傷性、耐久性を大幅に改善することができ、また接着層である酸化アルミニウムの膜厚変動によっても反射率の変化が少なく、工業的量産性に優れた反射防止膜を作製することができる。このことにより、弗化マグネシウムによる反射防止処理が実用化のレベルに達するとともに、量産化に伴う大幅なコスト低減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】弗化マグネシウムからなる反射防止膜付きプラスチック部材の断面図である。
【図2】弗化マグネシウムからなる反射防止膜付きプラスチック部材の反射スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の実施例に係わる反射防止膜付き偏光板の断面図である。
【図4】実施例1の偏光板の反射スペクトルと実施例1において第1層の光学膜厚を0及び0.25λに変化させたときの反射スペクトルを示す図である。
【図5】実施例2の偏光板の反射スペクトルと実施例2において第1層の光学膜厚を0及び0.25λに変化させたときの反射スペクトルを示す図である。
【図6】比較例2の偏光板の反射スペクトルと比較例2において第1層の光学膜厚を0及び0.25λに変化させたときの反射スペクトルを示す図である。
【図7】比較例3の偏光板の反射スペクトルと比較例3において第1層の光学膜厚を0及び0.25λに変化させたときの反射スペクトルを示す図である。
【図8】比較例4の偏光板の反射スペクトルと比較例4において第1層の光学膜厚を0及び0.25λに変化させたときの反射スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 プラスチック部材
2 弗化マグネシウム層
3 弗化マグネシウムからなる反射防止膜付きプラスチック部材の反射スペクトル
4 反射防止膜のないプラスチック部材の反射スペクトル
5 偏光板
6 酸化アルミニウム層
7 弗化マグネシウム層
A 実施例又は比較例の偏光板の反射スペクトル
B 実施例又は比較例において第1層の光学膜厚が0の偏光板の反射スペクトル
C 実施例又は比較例において第1層の光学膜厚が0.25λの偏光板の反射スペクトル

Claims (2)

  1. ハードコートが施されたプラスチック部材からなる屈折率約1 . 51 の偏光板の表面に、該表面側から空気層側へ順に第1層、第2層の2層構造をしており、第1層が酸化アルミニウム、第2層が弗化マグネシウムからなる反射防止膜を設けた偏光板であって、酸化アルミニウムの屈折率が . 50〜1 . 52の範囲にあることを特徴とする反射防止膜付き偏光板
  2. ハードコートが施されたプラスチック部材からなる屈折率約1 . 51 の偏光板の表面に、真空度が1×10 -5 〜2×10 -4 Torr の条件下に蒸着によって酸化アルミニウム層を設け、次いで該酸化アルミニウム層の上に弗化マグネシウム層を設けることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜付き偏光板の製法
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