JPH05171937A - エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

エンジンの燃焼室構造

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JPH05171937A
JPH05171937A JP33835891A JP33835891A JPH05171937A JP H05171937 A JPH05171937 A JP H05171937A JP 33835891 A JP33835891 A JP 33835891A JP 33835891 A JP33835891 A JP 33835891A JP H05171937 A JPH05171937 A JP H05171937A
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combustion chamber
intake
engine
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intake valve
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功 清水
Isamu Iguchi
勇 井口
Takuo Shigemura
拓郎 重村
Norio Mitobe
典朗 水戸部
Masaki Harada
政樹 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リーンバーン時においても混合気の着火性を
十分に高めることができるリーンバーンエンジンの燃焼
室構造を提供することを目的とする。 【構成】 燃焼室8の天井部23が、第1,第2傾斜部
24,25を備えたペントルーフ型に形成されていて、
第1傾斜部24側に吸気弁4,5が配置され、第2傾斜
部25側に排気弁12,13が配置されている。そし
て、天井部23の略中央部に第1点火プラグ10が配置
され、かつ第1傾斜部24の底辺部24aが、第2傾斜
部25の底辺部25aより上方にオフセット配置され、
該オフセット配置によって吸気弁側に形成された燃焼室
側壁部27に第2点火プラグ11が配置されている。さ
らに、ピストン9の頂部の排気弁側の所定の部分に、上
方に突出する突出部29が設けられ、該突出部29が、
上死点では第2傾斜部25の下面に近接して吸気弁側の
みに燃焼室8を画成するように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの燃焼室構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費性能の向上とエミッション性
能の向上とを図るために、所定の運転領域例えば低負荷
領域等では、混合気の空燃比を理論空燃比よりはリーン
にして希薄燃焼(リーンバーン)を行なうようにしたエン
ジン、いわゆるリーンバーンエンジンが多用されてい
る。しかしながら、かかるリーンバーンエンジンでは、
リーンバーン時には混合気の着火性が悪くなり、失火が
発生しやすくなるなどといった問題がある。
【0003】そこで、かかるリーンバーンエンジンにお
いては、例えば燃焼室の周方向に向かって開口するスワ
ールポートを設けるなどして、リーンバーンが行なわれ
る低負荷領域等では燃焼室内にスワールを生成させ、混
合気の層状化により着火性を高めるようにしている。そ
して、さらに混合気の着火性を高めるために、燃焼室の
天井部に第1の点火プラグを設ける一方、燃焼室側壁に
第2の点火プラグを設けたエンジンが提案されている
(例えば、実公昭62−1388号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼室
側壁に第2の点火プラグを設ける場合、これを上死点に
おいてもピストンと干渉し合わない位置に配置しなけれ
ばならないので、この点火プラグの配置場所を確保する
のがむずかしいといった問題がある。このため、例えば
実公昭62−1388号公報に開示された上記従来のエ
ンジンでは、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間
にスペーサを介設し、このスペーサに第2の点火プラグ
を配置しているが、このようにすると部品点数の増加を
招くといった問題がある。かつ、シリンダヘッドとスペ
ーサとの間と、スペーサとシリンダブロックとの間と
に、夫々合わせ面が形成されるので、シリンダヘッドと
シリンダブロックとの間のシール性が悪くなるといった
問題がある。
【0005】また、1つの燃焼室に2つの点火プラグが
設けられた従来のエンジンでは、単に点火プラグの数が
増やされているというだけであり、燃焼室内における混
合気の燃焼特性を十分に考慮した上で点火プラグの配設
位置が設定されているわけではない。したがって、第2
の点火プラグがその効果を十分に発揮しているかどうか
疑問である。本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、所定の運転領域で希薄燃焼
を行なうようにしたリーンバーンエンジンの燃焼室構造
において、リーンバーン時においても混合気の着火性を
十分に高めることができる燃焼室構造を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、燃焼室の天井部が、稜線を共有し互
いに離間する方向に下降傾斜する2つの傾斜部を備えた
ペントルーフ型に形成されていて、一方の傾斜部側に吸
気弁が配置され、他方の傾斜部側に排気弁が配置され、
かつ上記天井部の略中央部に点火プラグが配置されたエ
ンジンの燃焼室構造において、吸気弁が配置された方の
傾斜部の底辺部が、排気弁が配置された方の傾斜部の底
辺部より上方にオフセットして配置され、該オフセット
によって生じた吸気弁側の燃焼室側壁に第2の点火プラ
グが配置されていることを特徴とするエンジンの燃焼室
構造を提供する。
【0007】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの燃焼室構造において、ピストン頂部の排気弁側の部
分に、上方に突出する突出部が設けられ、該突出部が、
上死点では天井部下面に近接して吸気弁側のみに燃焼室
を画成するように形成されていることを特徴とするエン
ジンの燃焼室構造を提供する。
【0008】第3の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの燃焼室構造において、ピストン頂部の吸気弁側の部
分に、上方に突出する突出部が設けられ、該突出部が、
上死点では天井面に近接して吸気弁側に第1の燃焼室を
画成する一方排気弁側に第2の燃焼室を画成するように
形成されていることを特徴とするエンジンの燃焼室構造
を提供する。
【0009】第4の発明は、第2または第3の発明にか
かるエンジンの燃焼室構造において、所定の運転領域で
希薄燃焼を行なう希薄燃焼手段と、少なくとも希薄燃焼
時には燃焼室内の混合気を層状化する層状化手段とが設
けられていることを特徴とするエンジンの燃焼室構造を
提供する。
【0010】第5の発明は、吸気弁開弁時に、吸気弁笠
部と吸気ポート内周壁との間に形成される吸気流通部を
通して燃焼室内に吸気が供給されるようになったエンジ
ンの燃焼室構造において、上記吸気流通部が、吸気弁開
弁時において、その等価断面積が吸気流れ方向下流側に
向かって減少し、下流部では該等価断面積が、吸気弁笠
部下端部と吸気ポート内周壁との間の等価断面積に漸近
するように形成されていることを特徴とするエンジンの
燃焼室構造を提供する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1(a),(b)に示すように、吸気2弁・排気2弁式のD
OHC型エンジンCEのシリンダブロック1の上側には
シリンダヘッド2が締結され、このシリンダヘッド2の
上端部にはシリンダヘッドカバー3が取り付けられてい
る。そして、エンジンCEは、基本的には、第1,第2
吸気弁4,5が開かれたときに、第1,第2吸気ポート
6,7から燃焼室8内に混合気を吸入し、この混合気を
ピストン9で圧縮して第1,第2点火プラグ10,11で
着火・燃焼させ、第1,第2排気弁12,13が開かれた
ときに燃焼ガスを第1,第2排気ポート14,15を介し
て外部に排出するようになっている。なお、第1,第2
吸気弁4,5は、吸気側カムシャフト16に取り付けら
れた吸気弁用カム17によって所定のタイミングで開閉
され、また第1,第2排気弁12,13は、排気側カムシ
ャフト18に取り付けられた排気弁用カム19によって
所定のタイミングで開閉されるようになっている。
【0012】第1吸気ポート6に臨んで、吸入空気中に
燃料を噴射する燃料噴射弁21が設けられている。この
燃料噴射弁21は、図示していないコントロールユニッ
トによって制御され、吸入空気量に応じて燃料を噴射
し、混合気の空燃比を所定値に保持するようになってい
る。ここで、コントロールユニットは、所定の運転領
域、例えば低負荷領域等では、空燃比を理論空燃比より
リーン側の所定値に設定してリーンバーンを行なわせ、
燃費性能とエミッション性能とを高めるようになってい
る。すなわち、エンジンCEはリーンバーンエンジンで
ある。なお、図示していないコントロールユニット、燃
料噴射弁21等は、請求項4に記載された希薄燃焼手段
に相当する。
【0013】詳しくは図示していないが、第1吸気ポー
ト6は、開口部が燃焼室8の周方向を指向するように形
成され、この第1吸気ポート6から燃焼室8内に流入す
る吸入空気ないし混合気は、燃焼室8内にスワールを生
成させるようになっている。そして、図示していない
が、第2吸気ポート7にはこれを開閉する開閉弁が設け
られ、所定の運転領域、例えばリーンバーンが行なわれ
る低負荷領域等では、コントロールユニットによってこ
の開閉弁が閉じられ、燃焼室8へは第1吸気ポート6の
みからエアが供給されるようになっている。このとき、
燃焼室8内には強いスワールが生成され、このスワール
によって燃焼室8内の混合気が層状化され、混合気の着
火性が高められる。なお、図示していない開閉弁、第1
吸気ポート6等は、請求項4に記載された層状化手段に
相当する。
【0014】燃焼室8の天井部23(シリンダヘッド2
下面)は、第1傾斜部24と第2傾斜部25とを備えた
ペントルーフ型に形成されている。ここで、第1傾斜部
24と第2傾斜部25とは、吸気側と排気側の間におい
てシリンダボアのほぼ直径方向に伸長する稜線Rを共有
し、この稜線Rから互いに離間する方向(図1(a),(b)で
は左右方向)に向かって下降傾斜している。そして、第
1傾斜部24には第1,第2吸気ポート6,7が開口し、
第2傾斜部25には第1,第2排気ポート14,15が開
口している。ここで、天井部23の略中央部には第1プ
ラグホール26が設けられ、この第1プラグホール26
内に第1点火プラグ10が配置されている。したがっ
て、第1点火プラグ10は、ほぼシリンダボア中心位置
において、燃焼室8の最上部付近で混合気に点火するこ
とになる。
【0015】天井部23の第2傾斜部25の底辺部25
aは、シリンダヘッド2とシリンダブロック1との合わ
せ面Hとほぼ同じ高さの位置に配置されている。これに
対して、第1傾斜部24の底辺部24aは、第2傾斜部
25の底辺部25aより上方にややオフセットした位置
に配置されている。このため、シリンダヘッド2の、底
辺部24aと合わせ面Hとの間には、側壁部27が形成
されている。なお、この側壁部27は燃焼室8の側壁の
一部をなす。
【0016】そして、シリンダヘッド2には、これを側
方(図1(a),(b)では左側)から燃焼室8側に貫通する第
2プラグホール28が設けられ、この第2プラグホール
28は上記側壁部27に開口している。そして、この第
2プラグホール28内には第2点火プラグ11が配置さ
れている。したがって、第2点火プラグ11は、シリン
ダボアの吸気側周縁部において、燃焼室8の上部付近の
混合気に点火することになる。上記構成においては、第
1傾斜部24の底辺部24aの上方へのオフセットによ
って生じるスペースすなわち側壁部27を有効に利用し
て第2点火プラグ11が配置されるので、第2点火プラ
グ11の配置が極めて容易となり、かつ第2点火プラグ
11を配置するための特別な部材(スペーサ等)が不要と
なる。なお、第1点火プラグ10と第2点火プラグ11
の点火タイミングは、エンジンCEの運転状態に応じて
好ましく設定される。また、両点火プラグ10,11を
同時に点火するようにしてもよく、また交番で点火する
ようにしてもよい。
【0017】さらに、第1傾斜部24の底辺部24aが
上方にオフセットしているので、第1傾斜部24と合わ
せ面H(水平面)とがはさむ角度が小さくなり、したがっ
て第1,第2吸気ポート6,7の燃焼室8への開口部が立
ち上がった形状となる。このため、第1,第2吸気ポー
ト6,7から燃焼室8内への混合気の流入が円滑化され
るとともに、燃焼室8内に斜めスワールないしタンブル
が生成されるので、燃焼室8内での混合気の層状化が一
層促進され、混合気の着火性ないし燃焼性が高められ
る。また、このように第1,第2吸気ポート6,7が立ち
上がった形状に形成されているので、第1,第2吸気ポ
ート6,7の下側のスペースが広くなり、第2プラグホ
ール28の配置が容易となる。
【0018】本願発明者らの研究によれば、一般に、燃
焼室8内における混合気の着火特性は位置によって異な
り、燃焼室8内の吸気弁側の部分では着火性が悪くな
り、したがってこの部分では混合気の燃焼遅れが生じる
といった事実が判明している。しかしながら、本発明に
よれば、前記したとおり、第2点火プラグ11が吸気弁
側の燃焼室側壁に設けられているので、吸気弁側の混合
気の着火性が高められ、吸気側の燃焼遅れが生じない。
なお、本願発明者らが、本発明において、吸気側に位置
する第1傾斜部24の底辺部24aを上方にオフセット
させて側壁部27を形成し、この側壁部27に第2点火
プラグ11を配置するようにしたのは、上記知見に鑑
み、かかる配置によって吸気側の燃焼遅れを解消できる
であろうと考えた結果であるのはもちろんである。
【0019】ピストン9の頂部の排気側の所定の部分に
は、上方に突出する突出部29が形成されている。そし
て、この突出部29は、ピストン9が上死点位置にある
ときには突出部上端面が第2傾斜部25の下面にほぼ当
接するような形状に形成されている。また、ピストン9
の頂部の、突出部29が形成されていない部分、すなわ
ち吸気側の部分には、略球面状にへこんだ凹部30が形
成されている。したがって、ピストン9が上死点位置に
あるときには、図1(a)にその状態を示しているよう
に、シリンダボアの吸気側のみに燃焼室8が形成される
ことになる。なお、ピストン9が下降したときには、吸
気側から排気側にわたってシリンダボア全体に燃焼室8
が形成されるのはもちろんである。
【0020】ピストン9の頂部に、このような突出部2
9と凹部30とが設けられているので、圧縮行程終期に
おいてピストン9が上死点位置に接近したときには、突
出部上端面29と第2傾斜部下面25との間に形成され
る空間部(以下、これをスキッシュエリアという)の混合
気が、天井部23の中心部に向かって急速に押し出さ
れ、スキッシュが生成される。このスキッシュによっ
て、第1点火プラグ10まわりの混合気がリッチとなり
混合気の着火性が高められる。そして、圧縮上死点近傍
で第1,第2点火プラグ10,11によって混合気が点火
され、この後ピストン9が下降し始めるが、このときス
キッシュエリアが減圧状態となり、吸気側からこのスキ
ッシュエリア内に混合気が急速に引き込まれるといった
スキッシュとは逆の流れ、いわゆる逆スキッシュが生じ
る。このとき、スキッシュエリアに吸い込まれる混合気
はすでに着火されて火炎となっているので、この火炎に
よって排気側での混合気の燃焼が促進される。本案で
は、前記したとおり吸気側に第2点火プラグ11が配置
され、かつ上死点では吸気側のみに燃焼室8が形成され
るので、燃焼行程では吸気側の方が早期に着火され、排
気側では混合気の燃焼が遅れる傾向がある。しかしなが
ら、上記逆スキッシュによって吸気側で生成された火炎
が、急速に排気側に導入されるので、排気側での混合気
の燃焼が促進され、燃焼遅れが生じない。このようにし
て、燃焼室8全体としての燃焼性ないし着火性が高めら
れる。このため、耐ノッキング性が高められ、エンジン
CEの圧縮比を高めることが可能となる。また、排気ガ
ス中のHC(炭化水素)が低減される。
【0021】なお、仮想線で示すように、ピストン9の
頂部の吸気側の所定の部分に突出部29'を設け、ピス
トン9が上死点位置にあるときには、該突出部29'に
よって、吸気側と排気側とに夫々実質的に独立した燃焼
室8を形成するようにしてもよい。このようにすれば、
上死点付近では、排気側の燃焼室8では混合気が第1点
火プラグ10によって点火され、吸気側の燃焼室8では
混合気が第2点火プラグ11によって点火されることに
なる。この場合、吸気側の混合気の燃焼が早期化される
とももに、吸気側と排気側の燃焼速度を均一化すること
ができ、ピストン9の頂部にかかる力が均一化される。
このため、ピストン9の抵抗が低減され、燃費性能が高
められる。
【0022】図2と図3とに示すように、第1,第2吸
気ポート6,7の燃焼室8への開口部には、夫々バルブ
シート31が設けられているが、このバルブシート31
の貫通孔31a(スロート)は、スワールないしタンブル
の生成を促進するために、バルブシート軸線方向(L2)
に対して所定の角度θだけ傾斜してL1方向に斜め加工
(穿孔)することにより形成されている。かつ、貫通孔3
1aは、該貫通孔31aの中心線L3がバルブシート31
の中心線L4より距離zだけオフセットするようにして形
成されている。上記オフセットzは、バルブシート31
の肉部の縦断面の面積が、吸気ポート内周側A1と外周
側A2とでほぼ等しくなるような値に設定される。この
ようにA1とA2とがほぼ等しく設定されるので、バルブ
シート31の周方向の熱変形が均一化され、第1,第2
吸気弁4,5の気密性が高められ、エンジン出力が高め
られる。
【0023】図4に示すように、本実施例では、第1,
第2吸気弁4,5のバルブステム4a,5aは、バルブシー
ト貫通孔31aの中心より距離dだけオフセットした位置
に配置されている。一般に、吸気ポート6内を流れる空
気の流速分布においては、その中央部で流速が最大とな
るが、図5に示すように、バルブステム4a',5a'を貫
通孔31a'の中心部に配置すると、この流速が最も大き
い部分の流れが妨げられてしまい、空気流量の低下を招
く。しかしながら、本実施例では、図4に示すように、
バルブステム4a,5aが貫通孔31aの中心部に対して距
離dだけオフセットしているので、流速が最も大きい部
分の流れが妨げられず、空気流量の低下が低減され、充
填効率が高められる。
【0024】図6に示すように、本実施例では、第1吸
気弁4の笠部4bと第1吸気ポート6の内周面との間の
吸気流通部の等価断面積が、下流に向かって漸次減少
し、下流部では、カーテンエリア(笠部4bと吸気ポート
下流端との間の吸気流通部すなわち出口部)の等価断面
積に漸近するような形状に形成されている。なお、ここ
で等価断面積とは、笠部4bと吸気ポート内周面との間
の間隔Xの平方すなわちX2である。かかる等価断面積
2の吸気流れ方向位置に対する変化特性は、図8のと
おりである(曲線G1)。上記構成によれば、笠部4bと吸
気ポート内周面との間の吸気流通部での流動抵抗ないし
圧力損失が低減され、吸気流速が高められる。またカー
テンエリアでの流速ベクトルが安定化され、スワールな
いしタンブルの生成が安定化される。なお、図示してい
ないが、第2吸気弁7側でも、第1吸気弁6側と同様の
構成となっている。
【0025】これに対して、図7に示すような従来の吸
気弁4'では、等価断面積X2の吸気流れ方向位置に対す
る変化特性は、図9のようになる(曲線G2)。すなわ
ち、従来の吸気弁4'の場合は、等価断面積X2が急増す
る部分T1では拡管により圧力損失が発生し、他方等価
断面積X2が急減する部分T2では急激な絞りによる圧力
損失が発生し、これらの圧力損失によって吸気流速が低
下し、充填効率の低下が生じることになる。
【0026】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、吸気側傾斜
部の底辺部を、上方へオフセットさせることによって生
じる側壁部を有効に利用して第2の点火プラグを配置し
ているので、第2の点火プラグの配置が極めて容易とな
り、かつ第2の点火プラグを配置するための特別な部材
(スペーサ等)が不要となる。そして、第2の点火プラグ
が燃焼室側壁の吸気側部分に配置されているので、吸気
側の燃焼遅れが防止され、リーンバーン時においても良
好な着火性が得られる。
【0027】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、突出部によ
って圧縮上死点直前にスキッシュが生成され、天井部に
配置された点火プラグまわりの混合気がリッチとなり着
火性が高められる。さらに、突出部によって圧縮上死点
直後に逆スキッシュが生成され、この逆スキッシュによ
って吸気側の火炎が排気側に引き込まれるので、排気側
の燃焼が促進される。
【0028】第3の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、突出部によ
って、上死点では吸気側と排気側とに夫々燃焼室が形成
され、排気側の燃焼室では混合気が天井部に配置された
点火プラグによって点火され、吸気側の燃焼室では混合
気が第2の点火プラグによって点火されるので、吸気側
と排気側の燃焼速度が均一化される。このため、燃焼行
程でピストンにかかる力が均一化され、ピストン抵抗が
低減される。
【0029】第4の発明によれば、基本的には第2また
は第3の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
エンジンがもともと着火性の悪いリーンバーンエンジン
であるので、上記着火性の向上効果がとくに有効とな
る。
【0030】第5の発明によれば、吸気弁笠部と吸気ポ
ート内周面との間の吸気流通部に、等価断面積の急増部
または急減部が生じないので、圧力損失が低減され、吸
気流速が高められ、充填効率が高められる。また、カー
テンエリアでの吸気の流速ベクトルが安定化されるの
で、スワールないしタンブルの生成が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明にかかる燃焼室構造を備えた
エンジンの断面立面説明図である。(b)は、(a)に示すエ
ンジンの燃焼室の天井部の下面平面説明図である。
【図2】 吸気ポートと排気ポートの配置を示す模式図
である。
【図3】 吸気ポートの下流端に設けられたバルブシー
トの縦断面説明図である。
【図4】 吸気ポートの下流端の平面説明図であり、吸
気弁のバルブステムの配設位置を示している。
【図5】 従来の吸気ポートの下流端の平面説明図であ
る。
【図6】 本発明にかかるエンジンの、吸気ポート近傍
における縦断面説明図である。
【図7】 従来のエンジンの、吸気ポート近傍における
縦断面説明図である。
【図8】 本発明にかかるエンジンの、吸気弁まわりの
等価断面積の、吸気流れ方向位置に対する変化特性を示
す図である。
【図9】 従来のエンジンの、吸気弁まわりの等価断面
積の、吸気流れ方向位置に対する変化特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
CE…エンジン R…稜線 4,5…第1,第2吸気弁 6,7…第1,第2吸気ポート 8…燃焼室 9…ピストン 10…第1点火プラグ 11…第2点火プラグ 12,13…第1,第2排気弁 21…燃料噴射弁 23…天井部 24…第1傾斜部 24a…底辺部 25…第2傾斜部 25a…底辺部 29,29'…突出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 15/02 8923−3G 15/08 302 A 8923−3G (72)発明者 水戸部 典朗 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 政樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室の天井部が、稜線を共有し互いに
    離間する方向に下降傾斜する2つの傾斜部を備えたペン
    トルーフ型に形成されていて、一方の傾斜部側に吸気弁
    が配置され、他方の傾斜部側に排気弁が配置され、かつ
    上記天井部の略中央部に点火プラグが配置されたエンジ
    ンの燃焼室構造において、 吸気弁が配置された方の傾斜部の底辺部が、排気弁が配
    置された方の傾斜部の底辺部より上方にオフセットして
    配置され、該オフセットによって生じた吸気弁側の燃焼
    室側壁に第2の点火プラグが配置されていることを特徴
    とするエンジンの燃焼室構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの燃焼室
    構造において、 ピストン頂部の排気弁側の部分に、上方に突出する突出
    部が設けられ、該突出部が、上死点では天井部下面に近
    接して吸気弁側のみに燃焼室を画成するように形成され
    ていることを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたエンジンの燃焼室
    構造において、 ピストン頂部の吸気弁側の部分に、上方に突出する突出
    部が設けられ、該突出部が、上死点では天井面に近接し
    て吸気弁側に第1の燃焼室を画成する一方排気弁側に第
    2の燃焼室を画成するように形成されていることを特徴
    とするエンジンの燃焼室構造。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載されたエ
    ンジンの燃焼室構造において、 所定の運転領域で希薄燃焼を行なう希薄燃焼手段と、少
    なくとも希薄燃焼時には燃焼室内の混合気を層状化する
    層状化手段とが設けられていることを特徴とするエンジ
    ンの燃焼室構造。
  5. 【請求項5】 吸気弁開弁時に、吸気弁笠部と吸気ポー
    ト内周壁との間に形成される吸気流通部を通して燃焼室
    内に吸気が供給されるようになったエンジンの燃焼室構
    造において、 上記吸気流通部が、吸気弁開弁時において、その等価断
    面積が吸気流れ方向下流側に向かって減少し、下流部で
    は該等価断面積が、吸気弁笠部下端部と吸気ポート内周
    壁との間の等価断面積に漸近するように形成されている
    ことを特徴とするエンジンの燃焼室構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT1684U1 (de) * 1996-10-11 1997-09-25 Avl List Gmbh Viertakt-brennkraftmaschine mit fremdzündung
JP2008274832A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Toyota Motor Corp 内燃機関

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