JPH05171574A - 酸結合剤及びそれを用いた吸尽染色法 - Google Patents

酸結合剤及びそれを用いた吸尽染色法

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JPH05171574A
JPH05171574A JP3166625A JP16662591A JPH05171574A JP H05171574 A JPH05171574 A JP H05171574A JP 3166625 A JP3166625 A JP 3166625A JP 16662591 A JP16662591 A JP 16662591A JP H05171574 A JPH05171574 A JP H05171574A
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acid binder
dye
binder
bath
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Eiichi Fudesaka
栄一 筆坂
Ryoichi Shioji
良一 塩地
Tomoo Inoue
智雄 井上
Hiroshi Takatomi
廣志 高富
Shogo Kamata
昭吾 鎌田
Yasuhiro Oshiro
泰博 大城
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FUKUTOKU SANGYO KK
Osaka Soda Co Ltd
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FUKUTOKU SANGYO KK
Daiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水酸化カリウム,炭酸カリウム及びリン酸ア
ルカリを含有する酸結合剤及びそれを用いる,反応染料
によるセルロース系繊維又はセルロース系繊維含有繊維
材料の吸尽染色法。 【効果】 この酸結合剤を用いる染色法は、炭酸ナトリ
ウムを用いる従来法と比べて、染着性,均染性,染色堅
牢度,ウォッシュオフ性に優れているばかりでなく、酸
結合剤の所要量が半分以下であり、染色工程の時間短
縮,洗浄水量の大幅節減等工業的に優れた効果を奏す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸結合剤及びそれを用い
た繊維の染色法に関する。更に詳しくは特定の酸結合剤
及びこれを用いる反応染料によるセルロース系繊維の吸
尽染色法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来セル
ロース繊維材料と反応染料を吸尽染色法により反応結合
させる場合、一般に酸結合剤又は熱等の作用を受け酸結
合剤を放出する物質、例えば炭酸ナトリウム,重炭酸ナ
トリウム,水酸化ナトリウム,メタケイ酸ナトリウム,
ピロリン酸ナトリウム等を用いてpHを10以上とし、
無機電解質例えば塩化ナトリウム,硫酸ナトリウム等を
含有する染浴で染色している。中でも炭酸ナトリウムが
入手の容易さ、経済的であること、更に酸結合剤の中で
比較的安定な染色結果が得られること等から一般的に多
く用いられている。
【0003】しかしながら、最近の染色業界において
は、従業員の高齢化に伴い作業効率が低下する一方で、
製品の小ロット多品種化,製品の高級化が要求され、そ
の解決策として染色機械の改善や自動化例えば、液流染
色機,自動計量機或いは自動薬注機等が注目されてお
り、染料及び薬剤の改善も必要不可欠なものとなってい
る。
【0004】これに対して炭酸ナトリウム等の酸結合剤
は粉体でかつ所要添加量も多いため、取扱いが容易でな
く、液流染色機等に適合し難いという問題があった。更
に、高染料濃度で染色する場合、染着性能の限界点が低
いこと、染料の損失が大きいこと等の欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑み、新しい染色機械に適合する、取扱い容易な染着
性・均染性に優れた酸結合剤及びそれを用いる染色法を
得る目的で鋭意研究した。その結果、炭酸ナトリウム等
の酸結合剤に代るものとして、水酸化カリウム,炭酸カ
リウム及びリン酸アルカリを含有する酸結合剤を用いる
ことにより上記目的を充分達成し得ることを見出し、本
発明を完成させるに至ったものである。すなわち、本発
明は水酸化カリウム,炭酸カリウム及びリン酸アルカリ
を含有する酸結合剤及びそれを用いることを特徴とする
反応染料によるセルロース系繊維又はセルロース系繊維
含有繊維材料の吸尽染色法を提供するものである。
【0006】本発明の酸結合剤は水酸化カリウム,炭酸
カリウム及びリン酸アルカリを含有してなるものであっ
て、リン酸アルカリとしては、ナトリウム又はカリウム
の第一リン酸塩,第二リン酸塩,オルソリン酸塩,ピロ
リン酸塩が挙げられ、コスト的にはリン酸三ナトリウム
が好ましく用いられるが溶解度の点からリン酸三カリウ
ムが望ましい。これら3成分の組成比は重量基準でKO
H1:K2 CO3 0.1〜4:リン酸アルカリ0.1〜
2であり、好ましくは1:0.5〜3:0.2〜1であ
る。炭酸カリウムが0.1以下ではpHの緩衝力が過小
であり、逆に4を超えると染浴への使用量が過大とな
る。また、リン酸アルカリが0.1以下では繊維との親
和性が過小となり、2を超えると酸結合剤の添加の効果
が過小になる。また、これらの組成比の範囲を外れると
酸結合剤の添加量が少量のとき染着率が著しく低下す
る。
【0007】本発明の酸結合剤には必須成分である水酸
化カリウム,炭酸カリウム及びリン酸アルカリ以外の成
分、例えばリチウム,ナトリウム,カリウム等のアルカ
リ金属の水酸化物,炭酸塩,重炭酸塩,けい酸塩,正リ
ン酸塩,ピロリン酸塩,メタリン酸塩等を適宜添加する
ことができる。
【0008】本発明法が適用可能な繊維は、木綿,亜
麻,チヨ麻,ビスコースレーヨン,ポリノジック等のセ
ルロース系繊維であり、更にこれらの繊維とポリエステ
ル繊維,ポリアミド繊維,ポリアクリル繊維等の合成繊
維、又はジアセテート繊維,トリアセテート繊維等の半
合成繊維との混紡製品も含まれる。
【0009】本発明の酸結合剤は反応染料の使用量にも
よるが、通常染浴1リットル当り固形分重量で0.5〜
10g、好ましくは0.7〜5g使用される。0.5g
/リットル未満では効果が不十分であり、10g/リッ
トルを超えて添加しても効果は変りなく経済的でない。
【0010】本発明法は特定の酸結合剤を用いる以外は
公知の吸尽染色法、例えば標準染色法,オールイン染色
法,クールダウン染色法,等温染色法等によりセルロー
ス系繊維又はこれを含有する繊維材料を反応染料により
染色する方法であり、反応染料が高温タイプ(低反応
型、例えばモノクロロトリアジン染料,トリクロロピリ
ミジン染料等)、中温タイプ(中反応型、例えばビニル
スルホン酸エステル染料,ビニルスルホン酸エステル染
料+モノクロロトリアジン染料,モノフルオロトリアジ
ン染料,ジフルオロクロルピリミジン染料,ジクロロキ
ノキザリン染料等)及び低温タイプ(高反応型、例えば
ジクロロトリアジン染料等)のいずれに対しても効率的
に染色することが可能である。
【0011】本発明の方法を実施するには、所定量の反
応染料,無機電解質に上記酸結合剤を添加溶解した染浴
に被染物として所定の繊維材料を浸漬し20〜90℃に
徐々に昇温して10〜120分間染色を行う。尚、酸結
合剤の添加は最初から染浴に加える場合だけでなく、一
定時間染浴に繊維材料を浸漬後でも可能であり又は二回
以上分割添加することも可能である。
【0012】本発明の酸結合剤は必須成分がいずれも高
度の水溶性であり、しかも所要量が従来の炭酸ナトリウ
ムの酸結合剤の1/4以下と少量で添加の目的が達成さ
れる。更に、液状安定性に優れた性質を有する。従っ
て、通常は水溶液の形で所定量を染浴に添加利用するこ
とが可能であり、水溶液の形で流通・貯蔵することが可
能である。これに対して、従来の酸結合剤である炭酸ナ
トリウムは、所要添加量が大きく(染料濃度にもよるが
通常染浴1リットル当り5〜30gが必要である。)、
粉状品であるため取扱いが不便であり、自動添加が困難
である。敢えて液状品として取扱おうとすると、水に対
する溶解度が小さい上に液状安定性が悪く、常時保温,
攪拌が必要となる等保管が困難であり、低濃度品である
ため所要添加容量が増大し、浴比への影響が大きくな
る。
【0013】また、本発明の酸結合剤は、均染効果にお
いても、反応染色用均染剤(界面活性剤系等)を加える
ことなしにより優れた均染効果を発揮し、均染剤の使用
に因る染料の染着率の低下も起こらない。これは、染浴
中における染料と繊維との化学反応(染色)及び染料と
水との化学反応(加水分解)をバランスよくコントロー
ルする機能を有しており、必須成分のそれぞれが反応速
度,親和性,反応バランス等を適切に調整しているので
あって、各成分の配合比,染浴中濃度が重要なファクタ
ーとなることはいうまでもない。
【0014】更に本発明の酸結合剤はウォッシュオフ性
(洗浄性)の改善や洗濯堅牢度を向上させる等の効果を
発揮する。
【0015】ここでウォッシュオフ性とは一連の反応染
色工程中における洗浄効果をいう。染色直後の繊維に
は、染着(固着)した染料の外に単に繊維に付着してい
るだけの染料(未固着染料の付着)や電解質等が存在し
ており、これら未固着染料等を水洗やソーピング等の処
理で洗浄することが必要である。通例ではこれらの洗浄
処理は相当回数くり返し実施されるが、本発明の酸結合
剤を使用することにより、洗浄回数を大幅に削減するこ
とができる(ウォッシュオフ性の改善という)。
【0016】これは、本発明の酸結合剤を用いることに
より未固着染料の付着量を大幅に削減し得ること、また
付着した未固着染料を繊維から容易に離脱させ得るから
であって、このことは染色機の器壁等にも当てはまる。
従って,染色機の汚れも大幅に少なくなり、機械用洗浄
剤が不要となる。これらのことは染色工程の所要時間短
縮,洗浄水量の大幅削減等実際的な効果をもたらす。ま
た、未固着染料等付着量の減少及び洗浄効率の向上はそ
のまま洗濯堅牢度の向上につながり、堅牢度の改善が染
色加工製品の品質向上にも寄与することとなる。
【0017】
【実施例】以下実施例により更に詳細に本発明を説明す
る。例中%は重量基準である。 実施例1 モノクロロトリアジン型染料「カヤシオンネービーEN
F(CIリアクティブブルー112)」(日本化薬社
製)100g,無水硫酸ナトリウム1200g及び酸結
合剤として水酸化カリウム15%,炭酸カリウム15%
及びリン酸三ナトリウム7%を含む水溶液160gを水
20リットルに添加溶解した染浴に精練漂白済みの木綿
ニット布1kgを加え、徐々に昇温して80℃に至らし
め,この温度で60分間染色した。この後、水洗,ソー
ピング次いで乾燥して染色布を得た。得られた染色布に
ついて染着率を測定した結果を表1に示した。染着率の
測定は、測定機「COLOR−7e」(クラボー社製)
を用いてMODEはマクロマスク28mmφにて当該染
色布を測色し、染着率の数値は炭酸ナトリウム400g
を酸結合剤として用いた以外は実施例1と同様に染色さ
せた場合の測色値を染着率100%とした相対値で示し
た。
【0018】実施例2,比較例1〜6 酸結合剤として水酸化カリウム20%,炭酸カリウム4
0%及びリン酸三ナトリウム16%を含む水溶液100
gを用いた以外は実施例1と同様に試験した結果を表1
に併せて示した。比較例1〜6として、表1に示した酸
結合剤を用いた以外は実施例1と同様に試験した結果を
表1に併せて示した。
【0019】
【表1】
【0020】以上の試験結果より本発明の染色方法は、
従来の炭酸ナトリウムを酸結合剤として用いる方法に比
べて少ない添加量でより優れた染着率を示すことが分る
(すなわち、添加量は炭酸ナトリウム400gに対して
実施例1,2は夫々59.2g,81gと1/4以下で
あるにも係わらず染着率は前者100%に対し後者11
5%,120%を示している)。更に、比較例2〜6に
より、本発明に用いる酸結合剤の3成分の中いずれを欠
いても優れた染着率を得ることができないことが分る。
【0021】実施例3 モノクロロトリアジン型染料「カヤシオンイエローES
N4G(CIリアクティブイエロー105)50g,カ
ヤシオンターコイズEA(CIリアクティブブルー7
1)30g(以上日本化薬社製),無水硫酸ナトリウム
1600g及び酸結合剤として、水酸化カリウム18
%,炭酸カリウム25%及びリン酸三ナトリウム10%
を含む水溶液120gを水20リットルに添加溶解した
染浴に精練漂白済みの木綿ニット布1kgを加え、徐々
に昇温して80℃に至らしめ、この温度で60分間染色
した。この後水洗,ソーピング次いで乾燥して染色布を
得た。得られた染色布について実施例1と同様に染着率
を測定した結果を表2に示した。染着率の数値は炭酸ナ
トリウム400gを酸結合剤として用いた以外は実施例
3と同様に染色させた場合を基準とした。
【0022】実施例4,比較例7〜13 酸結合剤として水酸化カリウム18%,炭酸カリウム2
5%及びリン酸三カリウム10%を含む水溶液120g
を用いた以外は実施例3と同様に試験した結果を表2に
併せて示した。また、比較例7〜13として、表2に示
す酸結合剤を用いた以外は実施例3と同様に試験した結
果を表2に併せて示した。
【0023】
【表2】
【0024】以上の試験結果より本発明の染色方法は従
来の炭酸ナトリウムを酸結合剤として用いる方法に比べ
て高い染着率を示すこと、また本発明に用いる酸結合剤
の3成分の中いずれを欠いても優れた染着率を得ること
ができないことが分る。
【0025】実施例5 ビニルスルホン型染料「レマゾールブリリアントブルー
RKN(CIリアクティブブルー19)」(三菱化成ヘ
キスト社製)を表3に示す量(100g又は150g)
と,無水硫酸ナトリウム1600gを水20リットルに
添加溶解した染浴に精練漂白済みの木綿ニット布1kg
を加え30℃まで昇温し20分間経過後、酸結合剤とし
て水酸化カリウム15%,炭酸カリウム15%及びリン
酸三ナトリウム7%を含む水溶液160gを加え、徐々
に昇温して60℃に至らしめ、この温度で60分間染色
した。この後、水洗,ソーピング次いで乾燥して染色布
を得た。得られた染色布について実施例1と同様に染着
率を測定した結果を表3に示した。染着率の数値は染料
100gと酸結合剤として炭酸ナトリウム400gを用
いた以外は実施例5と同様に染色させた場合(比較例1
4)の測色値を基準とした。
【0026】実施例6,比較例14〜17 酸結合剤として水酸化カリウム20%,炭酸カリウム1
8%及びリン酸水素三ナトリウム7%を含む水溶液14
0gを用いた以外は実施例5と同様に試験した結果を表
3に併せて示した。また、比較例14〜17として、表
3に示す酸結合剤を用いた以外は実施例5と同様に試験
した結果を表3に併せて示した。染着率は比較例14に
おいて染料100gを用いた場合の測色値を基準とし
た。
【0027】
【表3】
【0028】以上の試験結果より、本発明の染色法が特
に大きな染着率を示すことが分る。また本発明の染色法
に拠るときは、高染料濃度領域でも染料濃度に比例した
染着率を得られることが分る。これに対して、従来の炭
酸ナトリウムを酸結合剤として用いる染色方法では、染
料濃度が低い場合にはほぼ正常な反応性を示し、染着率
もほぼ正常なものが得られるものの、高染料濃度になる
と染料と繊維との反応条件が悪化するため染着率が低下
する。また、炭酸ナトリウムの添加量を増加させても染
着率の向上は小さいことが分る。
【0029】実施例7 モノクロロトリアジン型染料「カヤシオンイエローES
4R(CIリアクティブイエロー84)」30g,「カ
ヤシオンブラウンENR(CIリアクティブブラウン4
3)」25g(以下日本化薬社製),「プロシオンブル
ーHERD(CIリアクティブブルー160)」15g
(ICI社製)及び無水硫酸ナトリウム1400gを水
20リットルに添加溶解した染浴に精練漂白済みの木綿
ニット布1kgを加え徐々に昇温して80℃に至らし
め、この温度で10分間経過後、酸結合剤として水酸化
カリウム15%,炭酸カリウム15%及びリン酸三ナト
リウム7%を含む水溶液160gを添加し、この温度で
60分間染色した。この後、水洗,ソーピング次いで乾
燥して染色布を得た。得られた染色布について実施例1
と同様に染着率を測定した結果を、比較例18の測色値
を基準として表4に示した。更に、均染性の試験判定値
を表4に併せて示した。均染性の試験は染料の三原色配
合色の色割れ,ムラ染め等につき染色布を目視観察で評
価した。評価の◎,○,△及び×の意味は夫々表4の註
に示した通りである。
【0030】実施例8,比較例18〜20 酸結合剤として水酸化カリウム20%,炭酸カリウム4
0%及びリン酸三ナトリウム16%を含む水溶液100
gを用いた以外は実施例7と同様に試験した結果を表4
に併せて示した。また、比較例18〜20として、表4
に示す酸結合剤を用いた以外は実施例7と同様に試験し
た結果を表4に併せて示した。
【0031】
【表4】
【0032】以上の結果より本発明の染色法は、染着率
のみならず、均染性についても優れた性能を発揮するこ
とが分る。
【0033】実施例9 モノクロロトリアジン型染料「カヤシオンレッドES3
B(CIリアクティブレッド120)」(日本化薬社
製)70g,無水硫酸ナトリウム1200g及び酸結合
剤として、水酸化カリウム18%,炭酸カリウム25%
及びリン酸三カリウム10%を含む水溶液160gを水
20リットルに溶解した染浴に精練漂白済みの木綿ニッ
ト布1kgを加え、徐々に昇温して80℃に至らしめ、
この温度で60分間染色した。この後、水洗,ソーピン
グ次いで乾燥して染色布を得た。得られた染色布につい
て洗濯堅牢度試験(JIS L 0844に拠る。)を
行い、試験結果は「JIS L 0805 汚染用グレ
ースケール」を用いて1級〜5級(最高品質)の5段階
評価で表示し、表5に示した。また、酸結合剤として炭
酸ナトリウム400gを用いた以外は実施例9と同様に
試験した結果を比較例21として表5に併せて示した。
【0034】実施例10 染料として実施例1と同じモノクロロトリアジン型染料
「カヤシオンネービーENF(CIリアクティブブルー
112)」を用いた以外は実施例9と同様に試験した結
果を表5に示した。また、比較例22として、炭酸ナト
リウム400gを酸結合剤として用いた以外は実施例1
0と同様に試験した結果を表5に併せて示した。
【0035】実施例11 酸結合剤として18%KOH,25%K2 CO3 及び1
0%K3 PO4 を含む水溶液160gを用いた以外は実
施例5と同様に(但し染料150gを用いた。)して得
た染色布について実施例9と同様に洗濯堅牢度試験を行
った結果を表5に示した。また、比較例23として、炭
酸ナトリウム600gを酸結合剤として用いた以外は実
施例11と同様にして試験した結果を表5に併せて示し
た。
【0036】
【表5】
【0037】以上の試験結果より本発明の酸結合剤を用
いた染色方法は、従来の炭酸ナトリウムを酸結合剤とし
て用いる方法に比べて、染料の種類に係わらず優れた洗
濯堅牢度を有することが分る。
【0038】実施例12 ソーピング前の水洗回数を実施例9の半分(2回)にし
た以外は実施例9と同様に試験したところ、綿汚染で3
級、絹汚染で4〜5級の評価が得られた。この試験結果
と比較例21(水洗回数4回)とを対比させることによ
り、本発明の酸結合剤を用いる染色方法は、水洗回数を
半減させてもなおかつ炭酸ナトリウムを用いる染色方法
と同等以上の洗濯堅牢度が得られ、それだけウォッシュ
オフ性に優れていることが分る。
【0039】
【発明の効果】本発明の酸結合剤を用いて反応染料によ
りセルロース系繊維又はこれを含む繊維材料を吸尽染色
することにより次のような効果を生ずる。 (1) 従来の炭酸ナトリウム等を酸結合剤として用い
る染色法に比べ、染着性,均染性に優れており、特に高
染料濃度における染着性に優れている。 (2) 酸結合剤の所要量が炭酸ナトリウムの半分以下
であって経済的である。
【0040】(3) 用いる酸結合剤が従来の炭酸ナト
リウムと異なって高度の水溶性があるため液状が可能で
ある。従って取扱い容易で液流染色機に適しており、自
動添加が可能である。 (4) ウォッシュオフ性に優れているので、染色機械
等の洗浄が容易であり、染色工程の所要時間短縮,洗浄
水量の大幅節減等工業的効果が大である。 (5) 洗濯堅牢度が優れているので、染色加工製品の
品質を向上させる。このような効果を奏するので従来広
く行われている酸結合剤として炭酸ナトリウムを使用す
る方法に代替し得るものであり産業上有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高富 廣志 大阪府富田林市五軒家2丁目15番14号 (72)発明者 鎌田 昭吾 愛媛県松山市北斉院町958の9 (72)発明者 大城 泰博 大阪府大阪市住之江区西加賀屋3−13−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化カリウム,炭酸カリウム及びリン
    酸アルカリを含有することを特徴とする酸結合剤。
  2. 【請求項2】 組成比が重量基準で、水酸化カリウム
    1:炭酸カリウム0.1〜4:リン酸アルカリ0.1〜
    2である請求項1記載の酸結合剤。
  3. 【請求項3】 リン酸アルカリがリン酸三カリウムであ
    る請求項1又は2記載の酸結合剤。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3のいずれかに記載の
    酸結合剤を用いることを特徴とする反応染料によるセル
    ロース系繊維又はセルロース系繊維含有繊維材料の吸尽
    染色法。
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