JPH05171083A - 化学メッキ用レジスト樹脂組成物 - Google Patents

化学メッキ用レジスト樹脂組成物

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JPH05171083A
JPH05171083A JP35499091A JP35499091A JPH05171083A JP H05171083 A JPH05171083 A JP H05171083A JP 35499091 A JP35499091 A JP 35499091A JP 35499091 A JP35499091 A JP 35499091A JP H05171083 A JPH05171083 A JP H05171083A
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group
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chemical
resist
epoxy resin
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JP35499091A
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Eiji Takahashi
栄治 高橋
Takao Morikawa
隆男 森川
Eiichiro Kobayashi
英一郎 小林
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】速硬化性、解像性に優れた厚膜形成可能な化学
めっき用レジスト樹脂組成物を提供する。 【構成】成分A:25℃における粘度が150ポイズ以
上の、1分子中に少なとも2個のグリシジルエーテル基
を有し、かつ、このグリシジルエーテル基が香環に直接
結合したエポキシ樹脂、成分B:沸点が140℃以上、
かつ、分子量が500以下のオキシラ環含有化合物、及
び成分C:熱潜在性カチオン重合開始剤を主成分として
含有してなる化学めっき用レジスト樹脂組成物。 【効果】本発明の該樹脂組成物は、速硬化性、解像性に
極めて優れ、かつ厚膜の化学めっき用レジストパターン
をスクリーン印刷法で形成することができ、アディティ
ブ法による導体厚みの大きい回路パターンの合理的な形
成を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂を主硬化
成分とする化学めっき用レジスト樹脂組成物に係り、更
に詳しくは、粘度の経時安定性、硬化速度、印刷性が改
善された厚膜形成可能な熱カチオン重合系のレジストイ
ンキ組成物に関する。本発明は、化学めっき法により回
路を形成する工程を含むフルアディティブ法やパートリ
ーアディティブ法、更には、積み上げ方式で多層化する
ビルドアップ法(以下、これらを単に「アディティブ
法」と総称する。)によるプリント配線板製造の化学め
っき用レジストインキとして、特に厚膜レジスト用とし
て好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造法として、導通回
路及びスルホール導通めっきを化学めっきで形成するア
ディティブ法がある。アディティブ法においては、化学
めっき用レジストが使用されるが、これらの化学めっき
用レジスト樹脂組成物として、熱硬化型のエポキシ樹脂
組成物(特開昭54−013574号公報、特開昭58−009398号
公報、特開昭59−117196号公報等参照)が開示されてい
る。更に、光硬化型のエポキシ樹脂組成物が特開昭62−
273221号公報、特開昭62−273226号公報に開示されてい
る。しかし、熱潜在性カチオン重合開始剤を用い、その
速硬化性と粘度の安定性を活かし、解像性に優れた厚膜
硬化可能な化学めっき用レジストインキは知られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】アディティブ法にお
いては、過酷な化学めっき条件に耐えるレジストを基板
上の回路形成部以外に形成することが要求される。そし
て、回路形成には、一般に化学銅めっきが採用されてい
る。この回路形成に使用する化学銅めっき液は、析出す
る銅めっき膜の伸び率や抗張力等の特性を向上させるた
めに、銅塩、錯化剤、還元剤及びpH調整剤からなる基
本組成に、特殊な添加剤を配合したものである(特公昭
56−027594号公報等参照)。回路形成は、温度65℃以
上、かつ、20℃でのpH値が11以上の前記化学銅め
っき液に10時間以上基板を浸漬する極めて厳しい条件
で行われる。したがって、化学めっき用レジストには、
前記化学銅めっき条件に耐えるばかりでなく、銅の析出
異常やめっき膜の伸び率低下の原因となるレジスト構成
成分の溶出によるめっき液の汚染を防止する耐めっき液
性が要求される。また、このレジストは、永久レジスト
としても使用されることから、電気絶縁性、耐溶剤性、
半田耐熱性、耐湿性等の永久レジストに要求される諸特
性も要求される。上記従来技術は以上のような特性を満
足すべく提案されたものである。
【0004】しかしながら、銅回路として70μm以上
の厚みを必要とする場合があり、この場合にはめっきレ
ジストの厚膜も70μm程度の厚みが求められる。この
ような場合には従来のレジストインキを使用したスクリ
ーン印刷では厚膜形成ができず、写真法画像形成プロセ
スを何回も繰り返してフォトレジストを塗り重ねるとい
う方法でレジスト層を形成しており、低レベルの歩留
り、量産化の困難性が問題となっていた。
【0005】熱硬化型のレジストインキは、印刷時の粘
度変化を最小とするために、既存の速硬化性硬化剤が使
用できないという制約から、高温かつ長時間とならざる
を得ず、硬化には例えば120 ℃〜180 ℃で30分以上とな
り、印刷されたインキが加熱硬化時に流れて回路間隔が
狭くなって解像性が低下し易い欠点、あるいは、加熱に
より低粘度化した樹脂成分が、基材に浸透してレジスト
の表面状態や形状に異常が生じる等の欠点がある。この
ため、実用化されている熱硬化型のレジストインキで
は、固形あるいは高粘度のエポキシ樹脂を揮発性の有機
溶剤で希釈した液状組成物をその基本組成とし、加熱硬
化時に急速に有機溶剤を揮発させて粘度を増加させ、イ
ンキの流れの低減を図っている。このため、作業環境に
影響を及ぼす問題もあった。
【0006】一方、紫外線硬化型のレジストは、硬化時
間が極めて短時間であることからインキの流れが少な
く、解像性が良好であるため、工業的に有用であるが、
塗布したレジスト層の下部までの光透過が必要であるに
もかかわらず識別性や印刷特性の向上のため、顔料、充
填剤が添加されるので、厚膜硬化は信頼性の点で限界が
あった。以上のように、従来からあるレジストインキで
は、熱硬化型は硬化時の流れや浸透による解像性の低下
あるいは含有する有機溶剤の揮発による体積減少や発泡
・ピンホールのため、一方、紫外線硬化型は光の透過の
限界のため、40μm以上の厚膜で解像性の良いパター
ンの形成は困難であった。
【0007】本発明は、速硬化性で粘度の経時変化が少
なく、解像性に優れ、回路間への銅の異常析出のない、
かつ、耐めっき液性に優れた厚膜硬化可能な化学めっき
用レジスト樹脂組成物を提供することをその目的とす
る。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、前記目
的を達成すべく鋭意研究した結果、熱潜在性カチオン重
合開始剤を用い、官能基が芳香環に直結したエポキシ化
合物を主硬化成分としたスクリーン印刷用樹脂組成物
が、特定の温度以上で速硬化性を有するため、厚膜硬化
が可能で、解像性、耐めっき液性及び電気絶縁性に優れ
ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
の樹脂組成物は、貯蔵温度や印刷温度では安定であり、
硬化温度では極めて短時間に不流動化することが特徴で
あって、加熱硬化する際の樹脂の流動や浸透によるレジ
ストの解像性や表面性の低下を防止でき、更に、揮発性
成分が非常に少ないため、体積の減少が実質的に生じな
いものである。
【0009】本発明は、下記成分A、B、及びCを含有
することを特徴とする化学めっき用レジスト樹脂組成物
である。 成分A:25℃における粘度が150ポイズ以上の、1
分子中に少なくとも2個のグリシジルエーテル基を有
し、かつ、このグリシジルエーテル基が芳香環に直接結
合したエポキシ樹脂 成分B:沸点が140℃以上、かつ、分子量が500以
下のオキシラン環含有化合物 成分C:熱潜在性カチオン重合開始剤
【0010】本発明において、成分Aのエポキシ樹脂
は、主硬化成分であり、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等のように、25℃
における粘度が150ポイズ以上の1分子中に2個以上
の芳香環に直結したグリシジルエーテル基を有する多官
能エポキシ樹脂である。具体的には、下記の市販品を例
示することができる。
【0011】(1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (a) 油化シェルエポキシ(株)社製 商品名:エピコート830、同834、同836、同8
40、同1001、同1002、同1004、同100
7、同1009、同1010 (b) チバガイギー社製 商品名:アラルダイドYG280、同6010、同60
20、同6030、同6040、同6060、同607
1、同6075、同6084、同6097、同706
5、同7071、同7072、同7097 (c) ダウ・ケミカル社製 商品名:DER337、同557、同660、同66
1、同662、同664、同668、同669
【0012】(d) 大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:エピクロン860、同900、同1050、同
3050、同4050、同7050 (e) 東都化成(株)社製 商品名:エポトートYD−128S、同YD−134、
同YD−011、同YD−012、同YD−014、同
YD−017、同YD−019同YD−020、同YD
−7011、同YD−7014、同YD−7017、同
YD−7019、同YD−7020 (f) ユニオンカーバイト社製 商品名: ベークライトEKR−2002、同EKR−2
003、同ERR−2010、同EKRB−2014、
同EKRA−2018、同EKRA−2053、同ER
LA−2600
【0013】(g) セラニーズ社製 商品名: エピリッツ515B、同520−C、同522
−C、同530−C、同540−C、同550、同56
0 (h) リチャード・ケミカル社製 商品名: エポタフ37−141、同37−144、同3
7−300、同37−301、同37−302、同37
−304、同37−307、同37−309 (i) 三井石油化学エポキシ(株)社製 商品名:エポミックR−144、同R−301、同R−
302、同R−304、同R−307、同R−309
【0014】(2) ノボラック型エポキシ樹脂 (a) 油化シェルエポキシ(株)社製 商品名:エピコート154 (b) チバガイギー社製 商品名:EPN−1138、ECN−1235、同12
73、同1280、同1299、XU−158 (c) ダウ・ケミカル社製 商品名:DEN−438、同439
【0015】(d) 大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:エピクロンN−673、同N−680、同N−
695、同N−740 (e) 東都化成(株)社製 商品名:エポトートYDCN−701、同YDCN−7
02、同YDCN−703、同YDCN−704、同Y
DPN−601、同YDPN−602、同YDPN−6
38 (f) ユニオンカーバイト社製 商品名:EPR−0100、ERLB−0447、同0
448
【0016】(g) セラニーズ社製 商品名:エピリッツ5155、同5156 (h) リチャード:ケミカル社製 商品名:エポタフ37−170 (i) 日本化薬(株)社製 商品名:EOCN−102、同103、同104
【0017】また、前記例示した以外でも、例えば、レ
ゾルシノール、ビスフェノールF、フロログリシノー
ル、その他のフェノール系化合物を縮合して得られる樹
脂を骨格とし、分子中にグリシジルエーテル基を2個以
上有するエポキシ樹脂で、25℃における粘度が150
ポイズ以上のものも使用することができる。これらのエ
ポキシ樹脂は、1種の単独系又は2種以上の混合系で使
用することができる。特に、多官能のノボラック型エポ
キシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に比較し
て架橋密度が大きく、内部硬化性が良好であることによ
り、厚膜の形成が可能なばかりでなく、硬化速度が速く
強靭な皮膜が得られるため、好ましく使用される。
【0018】成分Bのオキシラン環含有化合物は、組成
物の粘度調整を目的とする反応性希釈剤として使用され
る、沸点が140℃以上、分子量500以下の分子内に
オキシラン環を有する前記成分Aのエポキシ樹脂と相溶
性があり、かつ、反応性のある化合物である。例えば、
エポキシモノマー及び高沸点、低分子量のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げら
れ、これらは、1種の単独または2種以上の混合系で使
用される。
【0019】特に、成分Aのエポキシ樹脂との相溶性及
び反応性に優れ、かつ、粘度の低いエポキシモノマー、
例えば、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグ
リシジルエーテル、グリセリングリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、グ
リセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル等が好ましく使用され
る。更に好ましくは、分子内に芳香環を有するグリシジ
ルエーテルが使用される。
【0020】成分Cの熱潜在性カチオン重合開始剤は、
印刷温度では安定で活性種が実質的に発生せず、更に高
温の特定の温度以上で急激にカチオンを発生してカチオ
ン重合反応を開始させ、インキ状樹脂組成物を硬化せし
める化合物であり、各種スルホニウム塩、ピリジニウム
塩やアンモニウム塩等の各種窒素系化合物、ホスホニウ
ム塩等が提案されている。すなわち、印刷温度ではイン
キ状樹脂組成物の粘度が殆ど変化せず安定して印刷がで
き、その後の加熱処理によって、従来の熱重合開始剤よ
りも遙かに短時間で硬化できるものである。印刷温度で
の粘度安定性は、数時間以上必要であるが、特に常温で
数カ月以上の安定性のあるものは1液型組成物とするこ
とができ好適である。
【0021】熱潜在性カチオン重合開始剤の例として
は、以下の含窒素化合物及びスルホニウム塩、アンモニ
ウム塩又はホスホニウム塩である。含窒素化合物とし
て、下記の一般式(1) 〜(6) で示されるものが挙げられ
る。
【0022】
【化1】 〔式中、R1 ,R2 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル
基、カルバモイル基又はアルカノイル基を表し、R3
水素原子、アルキル基又は置換されてもよいフェニル基
を表し、R4 ,R5 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル
基、−CH2 CN、−CONR1 2 、−COR1 、−
COOR1 (R1 ,R2 はそれぞれ水素原子、アルキル
基、置換されてもよいフェニル基又は置換されてもよい
ベンジル基を表す)及び置換若しくは未置換のフェニル
基又はベンジル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、P
6 又はBF4 を表す。〕
【0023】
【化2】 〔式中、R1 は、水素原子、アルキル基又はシアノ基を
表し、R2 はアルキル基又は置換されてもよいフェニル
基を表し、R3 ,R4 は、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル
基、−CH2 CN、−CONR1 2 、−COR1 、−
COOR1 (R1 ,R2 はそれぞれ水素原子、アルキル
基、置換されてもよいフェニル基又は置換されてもよい
ベンジル基を表す)及び置換若しくは未置換のフェニル
基又はベンジル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、P
6 又はBF4 を表す。〕
【0024】
【化3】 〔式中、R1 ,R2 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基又はアルコキシ基を表し、R3 ,R4 は、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、−CH
2 CN、シアノ基、ビニル基、ニトロ基、−CONR1
2 、−COR1 、−COOR1 (R1 ,R2 はそれぞ
れ水素原子、アルキル基、置換されてもよいフェニル基
又は 置換されてもよいベンジル基を表す)及び置換若
しくは未置換のフェニル基又はベンジル基を表し、Xは
SbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4 を表す。〕
【0025】
【化4】 〔式中、R1 ,R1 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル
基、カルバモイル基又はアルカノイル基を表し、R3
水素原子、アルキル基又は置換されてもよいフェニル基
を表し、R4 は水素原子、アルキル基、置換されてもよ
いフェニル基又はアルキルチオ基を表し、R5 は、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニト
ロ基、シアノ基、フェニル基、カルバモイル基又はアル
カノイル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、PF6
はBF4 を表す。〕
【0026】
【化5】 〔式中、R1 は水素原子、アルキル基またはシアノ基を
表し、R2 はアルキル基又は置換されてもよいフェニル
基を表し、R3 は、水素原子、アルキル基又は置換され
てもよいフェニル基又はアルキルチオ基を表し、R4
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
ニトロ基、シアノ基、フェニル基、カルバモイル基又は
アルカノイル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、PF
6 又はBF4 を表す。〕
【0027】
【化6】 〔式中、R1 ,R2 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基又はアルコキシ基を表し、R3 は、水素原子、ア
ルキル基又は置換されてもよいフェニル基又はアルキル
チオ基を表し、R4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、フェニル
基、カルバモイル基又はアルカノイル基を表し、XはS
bF6 、AsF6 、PF6 又はBF4 を表す。〕
【0028】また、スルホニウム塩として、下記の一般
式(7) 〜(11)で示されるものが挙げられる。
【0029】
【化7】 〔式中、R1 ,R2 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル
基、カルバモイル基又はアルカノイル基を表し、R3
水素原子、アルキル基又は置換されてもよいフェニル基
を表し、R4 ,R5 は、同一又は異なる直鎖又は分岐の
アルキル基であり、R4 とR5 は一体となって結合して
もよく、XはSbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4
表す。〕
【0030】
【化8】 〔式中、R1 は水素原子、アルキル基、アルキルカルボ
ニル基、ベンジル基、フェニル基、ベンジルカルボニル
基又はベンゾイル基を表し、R2 ,R3 は,水素原子、
ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R4 は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基ビニル基又は
ニトロ基を表し、R5 はアルキル基又は置換されてもよ
いベンジル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、PF6
又はBF4 を表す。〕
【0031】
【化9】 〔式中、R1 は水素原子、アルキル基又はシアノ基を表
し、R2 はアルキル基又は置換されてもよいフェニル基
を表し、R3 ,R4 は、同一又は異なる直鎖又は分岐の
アルキル基であり、R3 とR4 は一体となって結合して
もよく、XはSbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4
表す。〕
【0032】
【化10】 〔式中、R1 ,R2 は、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基又はアルコキシ基を表し、R3 ,R4 は、同一又
は異なる直鎖又は分岐のアルキル基であり、R3 とR4
は一体となって結合してもよく、XはSbF6 、AsF
6 、PF6 又はBF4 を表す。〕
【0033】
【化11】 〔式中、R1 は水素原子、アルキル基、アルキルカルボ
ニル基、ベンジル基、フェニル基、ベンジルカルボニル
基又はベンゾイル基を表し、R2 ,R3 は,水素原子、
ハロゲン原子又はアルキル基を表し、R4 ,R5 は、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を
表し、R6 はアルキル基又は置換されてもよいベンジル
基を表し、XはSbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4
を表す。〕
【0034】アンモニウム塩として、下記の一般式(12)
で示されるものが挙げられる。
【0035】
【化12】 〔式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル基、カルバ
モイル基又はアルカノイル基を表し、R2 は、水素原
子、アルキル基又は置換されてもよいフェニル基を表
し、R3 は、置換されてもよい直鎖又は分岐のアルキル
基又は置換されてもよいフェニル基を表し、R 4 、R5
は、直鎖又は分岐のアルキル基で一体となって結合して
もよく、XはSbF6 、AsF6 、PF6 又はBF4
表す。〕
【0036】ホスホニウム塩として、下記の一般式(13)
で示されるものが挙げられる。
【0037】
【化13】 〔式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ビニル基、カルバ
モイル基又はアルカノイル基を表し、R2 は水素原子、
アルキル基又は置換されてもよいフェニル基を表し、R
3 、R4 、R5 は置換されてもよいフェニル基及びアル
キル基を表し、XはSbF6 、AsF6 、PF6 又はB
4 を表す。〕
【0038】以上のような一般式(1) 〜(13)のものが熱
潜在性カチオン重合開始剤として、それらの単独若しく
は2種以上の併用で使用することができる。
【0039】本発明において、前記成分以外に所望によ
り各種の樹脂分及び反応促進剤、充填剤、着色料、粘度
調整剤、消泡剤、レベリング剤、溶剤等の添加剤を添加
することができる。これらの樹脂分として、組成物の硬
化性、印刷特性やレジスト物性の改善が期待できる前記
成分以外のカチオン重合可能な化合物、例えば、各種ビ
ニルエーテル化合物、ラクトン類の様な各種環状化合
物、あるいは、(メタ)アクリレートのようなラジカル
重合可能な化合物が使用でき、これらは成分Aのエポキ
シ樹脂100重量部に対し、100重量部を越えない範
囲で使用される。また、成分Cの他成分への相溶性を向
上させるために、成分Cの溶剤として、アセトニトリ
ル、プロピレンカーボネート、セロソルブ類等が使用さ
れる。
【0040】反応促進剤として、例えば、フェロセン等
の金属錯体、有機過酸化物を用いることができる。充填
剤として、例えば、シリカ,親油性シリカ、ベントナイ
ト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラス等を挙げるこ
とができる。着色料として、例えば、アルミナ白、クレ
ー、炭酸バリウム,硫酸バリウム等の体質顔料;亜鉛
華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロ
ム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;
ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドR、ベ
ンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシア
ニングリーン等の有機顔料;マゼンタ、ローダミン等の
塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレ
ンジ等の直接染料;ローセリン、メタニルイエロー等の
酸性染料などが挙げられる。
【0041】粘度調整剤として、ベントナイト、シリカ
ゲル、酸化アルミニウム粉末等を、消泡剤として、シリ
コンオイルを、また、レベング剤として、フッ素系界面
活性剤、シリコーン系界面活性剤、非水系のアクリル共
重合体等を挙げることができる。これらの添加剤は、組
成物の本質的な特性を損なわない範囲、好ましくは、全
樹脂分100重量部に対し200重量部以下、更に好ま
しくは100重量部以下の範囲で添加使用することがで
きる。
【0042】本発明において、前記成分A,B及びCの
配合割合は、成分AとBとの合計100重量部中、成分
A90〜40重量部であり、成分AとBとの合計又はそ
の他の樹脂分を加えた全樹脂分100重量部に対し、成
分C 0.1〜10重量部である。本発明の組成物は、その
塗布皮膜を50℃以上の熱潜在カチオン重合開始剤の種
類に応じた温度に加熱して、硬化皮膜とすることができ
る。
【0043】
【作用】本発明は、前記したように多官能エポキシ樹脂
(成分A)、反応性希釈剤(成分B)及び熱潜在性カチ
オン重合開始剤(成分C)からなる基本組成を特徴とす
るアディティブ法によるプリント配線板の製造に使用さ
れる化学銅めっき用の熱硬化性レジストインキ組成物で
ある。
【0044】本発明において、成分Aの多官能エポキシ
樹脂は、カチオン重合性に優れ、架橋密度の大きな強靭
な硬化皮膜(レジスト皮膜)を形成する。この硬化皮膜
は、使用条件下の前記化学銅めっき液に対して極めて安
定である。更に、これらのものは、一般に常温において
高粘度液体又は固体であり、また、常温付近での粘度の
温度依存性が小さいので、組成物を適当な希釈剤を用い
てスクリーン印刷用インキとして好適な粘度に調整する
ことが容易である。25℃における粘度が150ポイズ
未満の、すなわち、エポキシ当量の小さい低分子量エポ
キシ樹脂のみの使用は、強靭な硬化皮膜が得られるもの
被覆時にハジキ等の欠陥を生じ易く、平滑な硬化皮膜を
形成するには適当ではない。また、スクリーン印刷用イ
ンキとした場合、粘度が低く、かつ粘度の温度依存性が
大きいため、印刷時のニジミ、ハジキ、ダレなどにより
解像性が低下する。したがって、低分子量エポキシ樹脂
の単独使用では、目的とする化学めっき用レジストとし
ての性能を充足する硬化皮膜を得ることができない。
【0045】成分Bのオキシラン環含有化合物は、前記
成分Aと相溶性を有する反応性希釈剤であり、最小限の
使用量で樹脂組成物の粘度を調整する。したがって、前
記成分Aの多官能エポキシ樹脂の特性を低下させること
なく樹脂組成物の粘度を調整することができる。反応性
希釈剤として、低沸点のオキシラン環含有化合物は、樹
脂組成物の調製時に蒸発し組成が変化し易いので、目的
とする樹脂組成を構成するのが困難である。また、粘度
が過大なオキシラン環含有化合物は、それ自体の粘度が
大きく樹脂組成物の粘度調整には適当ではない。したが
って、成分Bとしては、沸点が140℃以上、分子量が
500以下のオキシラン環含有化合物が好適である。
【0046】成分Cの熱潜在性カチオン重合開始剤は、
常温では、安定で、ある温度以上に加熱されると、急激
にカチオンを発生し、成分AおよびBのオキシラン環を
開環し、重合を開始させる速硬化性熱カチオン重合開始
剤である。本発明において、前記選択された成分Aの多
官能エポキシ樹脂と成分Bのオキシラン環含有化合物と
成分Cの熱潜在性カチオン重合開始剤の組み合わせによ
り、常温では安定で粘度変化が殆どなく、特定の温度以
上に加熱することにより、急激にカチオン重合を開始し
て硬化することができ、インキの流動や浸透による解像
性の低下を防止することができると同時に厚膜硬化も可
能となる。更に、過酷な条件下にある化学銅めっき液に
対し、極めて安定な硬化皮膜が得られアディティブ法に
よる高密度で厚い導体の回路形成を工業的に行うことが
できる。
【0047】
【実施例】本発明を実施例及び比較例により、更に具体
的に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例
により何等限定されるものではない。なお、以下の例
中、「部」及び「%」は、特に断りのない限り重量基準
である。
【0048】〔1〕化学めっき用レジスト樹脂組成物の
調製 成分Aに相当する多官能エポキシ樹脂、成分Bに相当す
るオキシラン環含有化合物を、表1に示す中から選択
し、これらに成分Cの熱潜在性カチオン重合開始剤及び
各種添加剤を加え、スクリーン印刷用インキとしての使
用形態の化学めっき用レジスト樹脂組成物の本発明試料
(A−1)〜(A−6)及び比較試料(C−1)〜(C
−5)を調製した。樹脂組成物の調製に用いた各成分と
配合を表1に示す。各試料は、表1に示す成分A〜Cの
所定量を添加して撹拌溶解し、次いで、その他の成分を
添加混合した後、三本ロールを用いて混練して試料とし
た。
【0049】
【表101】
【0050】
【表102】
【0051】〔2〕硬化性試験及び硬化皮膜の形成 スクリーン印刷と硬化 化学めっき用紙フェノール基材(日立化成工業社製ACL-
141 )に回路巾、回路間隔ともに200 μm、乳剤厚70μ
mのパターンを有する250 メッシュのステンレススクリ
ーンを用いて印刷、次いで、熱風循環式オーブンで150
℃、30分で加熱硬化した。比較例のアミン硬化型の熱硬
化インキの硬化は、同一オーブンで150℃、50分で加熱
硬化した。また、紫外線硬化型インキは、高圧水銀灯
(80W/cm×2灯)を用いて活性光線を10秒間照射
し、硬化させた。
【0052】〔3〕粗化 下記粗化液組成と浸漬条件で〔2〕のレジスト塗布基板
を処理した。 (粗化液組成) 三酸化クロム : 30 g/l 濃硫酸 :300ml/l フッ化ナトリウム : 30 g/l (浸漬条件) 粗化液温度 :40 ℃ 浸漬時間 :15分 攪拌 :空気吹き込み
【0053】〔4〕化学銅めっき試験体の調製 前記〔3〕項で処理した各試料に、下記の条件で化学銅
めっきを施し、化学銅めっき試験体を調製した。 (a) 化学銅めっき液組成 硫酸銅 : 8 g/l エチレンジアミン4酢酸:30 g/l 37%ホルマリン液 : 3ml/l ポリエチレングリコール:15ml/l α−α’ジピリジル :20ml/l 水酸化ナトリウム :pH12.8 (25℃)に調整
する量 水 :全体を1lに調整する量 (b) 浸漬条件 化学銅めっき液温度 :70 ℃ 浸漬時間 :20時間 撹拌 :空気吹き込み
【0054】〔5〕試験体の試験 前記〔2〕項で形成した硬化皮膜、第〔4〕項の化学銅
めっき処理後、硬化皮膜について、下記の試験を行い、
その結果を表2に示した。 (a)粘度 三本ロールで混練した試料をガラスびん中に密封して恒
温水槽中で25℃に保持し、ビスコテスターVT-04 型(リ
オン社製)2号ローターでその粘度を測定した。次い
で、翌日、同様にして1日後の粘度を測定した。 (b)印刷硬化皮膜の外観と厚さ 印刷及び硬化皮膜について、平滑性、光沢性及びハジキ
の有無を目視観察した。また、ニジミ、解像性及び印刷
パターンエッジ部の直線性を顕微鏡観察した。次いで、
ダイヤルゲージで基板とレジスト塗布部の厚さを測定
し、その差からレジスト膜厚の最大値を求めた。解像性
は、回路幅及び回路間隔を実測し、回路幅0.18〜0.20m
m、回路間隔0.20〜0.22mmの範囲にあるものを合格と
した。前記〔4〕項で調製した試験体について、以下の
評価をした。
【0055】(b) 耐銅めっき液性 1) 表面絶縁抵抗 硬化皮膜表面に導電ペーストを用い、JIS Z−31
97の図2に準拠して櫛型回路パターンを形成し、DC
500V×1分印加の条件で初期表面絶縁抵抗値及び4
0℃×95%RH×24時間の吸湿試験後の表面絶縁抵
抗値を実測した。 2) 密着性 試験体を260℃の半田浴に10秒間フローした後、硬
化皮膜に1mm角のクロスカットを入れ、セロテープに
よる剥離試験を行った。 3) 耐溶剤性 試験体をメチルエチルケトンに3時間浸漬した後、外観
の変色及び変質の有無を目視観察した。
【0056】(c) めっき析出状態 1) 回路間異常析出 顕微鏡を用い、回路間に析出した銅粒子の有無を観察し
た。 2) パターンエッジの直線性 化学銅めっきにより析出した銅回路のエッジ部を顕微鏡
観察し、その直線性を評価した。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の化学めっき用レジスト樹脂組成
物を用いて製造したプリント配線板においては、前記実
施例〔表2〕に示したように、成分Aの多官能エポキシ
樹脂、成分Bのオキシラン環含有化合物及び成分Cの熱
潜在性カチオン重合開始剤からなる基本組成物をスクリ
ーン印刷インキとすることにより、導体厚みの高いアデ
ィティブ法のプリント配線板が容易に製造できるように
なった。すなわち、本発明の化学めっき用レジスト樹脂
組成物を用いることにより、厚膜、速硬化性で高解像度
の化学めっき用レジストパターンをスクリーン印刷法で
形成することが可能となり、導体厚みの大きい回路パタ
ーンを形成することができ、解像性などの印刷特性、耐
めっき液性、めっき液汚染性などの諸特性の何れもが、
極めて優れている。
【0059】更に、本発明の化学めっき用レジストイン
キは、従来の30μm程度の膜厚では、更に高解像性と速
硬化性が得られるので、従来の光硬化エポキシ樹脂や熱
硬化エポキシ樹脂からなる化学めっき用レジストインキ
が用いられていたプロセスにも使用し得るものである。
本発明は、アディティブ法によるプリント配線板の工業
的な製造において従来困難で量産性の乏しかった導体厚
みの大きいプリント配線板分野の新たな発展に寄与する
化学めっき用レジスト樹脂組成物を提供するものであ
り、その産業的意義は極めて大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分A、B、及びCを含有することを
    特徴とする化学めっき用レジスト樹脂組成物。 成分A:25℃における粘度が150ポイズ以上の、1
    分子中に少なくとも2個のグリシジルエーテル基を有
    し、かつ、このグリシジルエーテル基が芳香環に直接結
    合したエポキシ樹脂 成分B:沸点が140℃以上、かつ、分子量が500以
    下のオキシラン環含有化合物 成分C:熱潜在性カチオン重合開始剤
  2. 【請求項2】成分Aと成分Bとの合計100重量部中、
    成分Aが90〜40重量部であり、かつ、成分Aと成分
    Bとの合計にその他の樹脂分を加えた全樹脂分100重
    量部に対し、成分Cが 0.1〜10重量部である請求項1
    記載の化学めっき用レジスト樹脂組成物
JP35499091A 1991-12-20 1991-12-20 化学メッキ用レジスト樹脂組成物 Pending JPH05171083A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6794451B2 (en) * 2001-02-13 2004-09-21 Toagosei Co., Ltd. Cationically polymerizable liquid composition and tacky polymer
JP2012171980A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hitachi Chemical Co Ltd 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及びその製造方法、並びに半導体装置
WO2020075590A1 (ja) * 2018-10-11 2020-04-16 株式会社ダイセル インク、焼結体、及び装飾ガラス

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JP2012171980A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Hitachi Chemical Co Ltd 接着剤組成物、回路接続材料、接続体及びその製造方法、並びに半導体装置
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