JPH05170516A - セラミックスラリー組成物及びセラミック焼結体の製造方法 - Google Patents

セラミックスラリー組成物及びセラミック焼結体の製造方法

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JPH05170516A
JPH05170516A JP3338185A JP33818591A JPH05170516A JP H05170516 A JPH05170516 A JP H05170516A JP 3338185 A JP3338185 A JP 3338185A JP 33818591 A JP33818591 A JP 33818591A JP H05170516 A JPH05170516 A JP H05170516A
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JP
Japan
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ceramic
weight
parts
slurry composition
ceramic slurry
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JP3338185A
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English (en)
Inventor
Kazuo Isobe
和雄 磯部
Takao Taniguchi
高雄 谷口
Hiroyuki Mitobe
裕之 水戸部
Seiji Hashimoto
誠司 橋本
Sumio Kamiya
純生 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Kao Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸化物系焼結助剤を含む窒化珪素粉末100 重
量部、溶解度パラメーター10.0〜15.0の範囲から選ばれ
るアルコール系有機溶剤15〜55重量部、一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R3は水素原子または炭素数2〜4のアルキ
ル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、nは10〜2000
の整数を表す。)で表されるポリアルキレンイミンある
いはそれらのアルキレンオキシド付加体からなる分散剤
0.1 〜5重量部、及び一般式(II) 【化2】 (式中、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル
基、mは1〜6の整数を表す。)で表されるヒドロキシ
化合物と炭素数12〜20の飽和脂肪酸あるいは水酸基を有
する脂肪酸とのエステル化物からなる固化剤0.5 〜10重
量部からなるセラミックスラリー組成物を用いて、セラ
ミック焼結体を製造する。 【効果】 セラミック成形体の乾燥時、乾燥時間が短
く、しかも気孔の発生を抑えることができ、脱脂時間の
短縮、生産性の向上及び品質の向上を計ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックスラリー組成
物及びこのセラミックスラリー組成物を用いたセラミッ
ク焼結体の製造方法に関する。更に詳しくは特定の固化
剤、分散剤、有機溶剤の存在下にて調製されたセラミッ
クスラリー組成物、及びこのセラミックスラリー組成物
を冷却、固化させて得られる成形体を脱脂、焼結するこ
とを特徴とするセラミック焼結体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックの成形方法としては多
量の高分子バインダー中にセラミック粉末を添加、混練
りしたコンパウンドを、高温、高圧にて射出成形する方
法が一般的であるが、このような方法では高粘度のため
金型の摩耗が激しく、また装置も高価なものとなる等の
欠点を有する。この改良法として、セラミック粉末をパ
ラフィン系ワックスに混合し、低圧にて金型に射出し、
冷却固化して成形する方法が知られているが、この場合
においても多量のワックスを使用する必要があり、後の
脱脂が非常に難しい。そこでさらにこの改良法が提案さ
れている。例えば、特開平1−320104号公報には、セラ
ミック粉末と溶剤、分散剤、及び低温でゲル化するゲル
化成分からなる添加剤とを混合、加熱して原料のスラリ
ーを調製し、加熱スラリーを型に鋳込み、冷却して固化
させ成形体を形成する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらバインダーやワ
ックス類はセラミック粉末相互を結合するものであり、
成形時において成形体の強度を向上させるといった有益
な役割を果たすが、セラミック本来の性質からは無用な
ものであるため、分解、燃焼して除去する脱脂工程が必
要である。従来の方法では前記のようにバインダーやワ
ックス類を多量に使用するため脱脂時間が長くなる、あ
るいはそれらの分解に伴う発生ガスによりクラックが発
生する等の多くの欠点、問題を有する。また、高強度の
セラミック焼結体を得るには、セラミック粉体を一次粒
子化させる必要があり、さらにかかる成形法においては
高濃度のセラミックスラリーを調製する必要がある。し
かるに、従来の前記方法ではセラミック粉末の充分な分
散が高粘度であるため難しく、これを解決するために溶
剤存在下で粉末を分散させ、スプレードライ等により一
旦粉末化した後、バインダーあるいはワックスと混合す
るという煩雑な工程を経なければならない。
【0004】これらの問題点を解決するため、特開平1
−320104号公報では低温でゲル化するゲル化成分を加
え、ゲル化する温度以下まで冷却しスラリーを固化させ
成形体を得る方法を開示している。この発明において本
文中に有機溶剤が使用できると記載されているものの、
添加剤として使用される分散剤及びゲル化剤として明記
されている化合物は全て水溶性の化合物であることより
有機溶剤系での発明には至っていないものである。セラ
ミック粉末の中には例えば窒化珪素のように水と反応す
るものがあり、これらのセラミック粉末を使用して特開
平1−320104号公報の発明を実施した場合、焼結体強度
は著しく低下するという問題がある。本発明はかかる現
状に鑑み、前記問題を解決しうるセラミックスラリー組
成物及びセラミック焼結体を提供するものである。特に
本発明の特徴としてはセラミック製造時に一般的に使用
される有機溶剤を用いて前記問題を解決しうるセラミッ
クスラリー組成物及びそれを用いて製造したセラミック
焼結体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、特定の分散剤、特定の固化
剤、特定の有機溶剤の存在下、窒化珪素粉末を分散させ
て高濃度スラリーとし、得られたスラリーを有機溶剤含
有系で冷却・固化し、脱脂・焼結することにより、窒化
珪素のように水と反応するものを用いても、焼結体強度
の高いセラミック焼結体が得られることを見出し、本発
明を完成した。即ち、本発明は、(A) 酸化物系焼結助剤
を含む窒化珪素粉末 100 重量部、(B) 溶解度パラメー
ター10.0〜15.0の範囲から選ばれるアルコール系有機溶
剤15〜55重量部、(C) 一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1,R3は水素原子または炭素数2
〜4のアルキル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、
nは10〜2000の整数を表す。)で表されるポリアルキレ
ンイミンあるいはそれらのアルキレンオキシド付加体か
らなる分散剤 0.1 〜5重量部、及び(D) 一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R4は水素原子または炭素数1〜20
のアルキル基、mは1〜6の整数を表す。)で表される
ヒドロキシ化合物と炭素数12〜20の飽和脂肪酸あるいは
水酸基を有する脂肪酸とのエステル化物からなる固化剤
0.5 〜10重量部からなることを特徴とするセラミック
スラリー組成物、及びこのセラミックスラリー組成物を
加温溶融スラリーの状態で金型に注入した後、冷却して
固化させることにより成形体を得、得られた成形体を脱
脂、焼結することを特徴とするセラミック焼結体の製造
方法を提供するものである。
【0010】本発明のセラミックスラリー組成物を製造
する際には、(B) 成分及び(C) 成分の存在下、(A) 成分
を分散・混合時に(D) 成分を添加しても、あるいは(B)
成分及び(C) 成分の存在下、(A) 成分を分散・混合して
得られるセラミックスラリーに(D) 成分を添加しても良
い。
【0011】本発明におけるセラミックスラリー組成物
中の(A) 成分は酸化物系焼結助剤を含む窒化珪素粉末で
あり、窒化珪素粉末の粒径としては1μm 以下のものが
特に好ましい。酸化物系焼結助剤としては酸化アルミ
ナ、酸化マグネシウム、酸化イットリウム等から選ばれ
た1種または2種以上が好ましく、酸化物系焼結助剤の
含有量は、窒化珪素粉末 100重量部に対し 0.1〜20重量
部の割合が好ましい。
【0012】本発明における(B) 成分の溶解度パラメー
ターが10.0〜15.0の範囲から選ばれるアルコール系有機
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ール、 sec−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタ
ノールなどが、分散剤の効果の面、及び溶剤の揮発性の
面より好ましい。その他、溶解度パラメーターが10.0〜
15.0の範囲内に含まれるものにケトン類等があるが、ア
ルコール系溶剤よりも高濃度なスラリーが得られない。
しかし、高濃度を要求されない場合は同様に用いること
ができる。
【0013】溶解度パラメーターが10.0〜15.0の範囲外
にあるアルコール系有機溶剤を使用すると、(C) 成分の
分散剤、(D) 成分の固化剤が溶けにくくなり、分散不良
や固化後の強度が低下する等の問題が生ずる。また、ア
ルコール系有機溶剤の使用量としては、(A) 成分100 重
量部に対して15〜55重量部、好ましくは20〜40重量部で
あり、15重量部未満ではセラミックスラリーの粘度が高
くなり、流動性がなくなるため、後の成形が困難あるい
は不可能となり、55重量部を越えるとセラミックスラリ
ー中の(A) 成分の割合が少なくなり、焼結後の強度が著
しく低下するという問題がある。
【0014】本発明における(C) 成分の分散剤として
は、高濃度スラリーを得るためのイミン系含窒素分散剤
が用いられる。具体的には、一般式(I)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R1,R3は水素原子または炭素数2
〜4のアルキル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、
nは10〜2000の整数を表す。)で表されるポリアルキレ
ンイミンあるいはそれらのアルキレンオキシド付加体で
あり、例えばポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミ
ン、ポリブチレンイミン等、あるいはそれらのアルキレ
ンオキシド付加体を挙げることができる。(C) 成分の分
散剤の配合割合は(A) 成分 100重量部に対して0.1 〜5
重量部、好ましくは0.5 〜3重量部である。(C) 成分を
0.1重量部より少なくあるいは5重量部より多く使用す
るとセラミックスラリーの粘度が高くなるため成形が困
難となる。
【0017】本発明における(D) 成分の固化剤はセラミ
ックスラリーを冷却することにより、溶剤を含有したま
まセラミックスラリーを 100℃以下、好ましくは80℃以
下、更に好ましくは60℃以下で固化させて成形体と成す
ものである。この様な固化剤は、一般式(II)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R4は水素原子または炭素数1〜20
のアルキル基、mは1〜6の整数を表す。)で表される
ヒドロキシ化合物と炭素数12〜20の飽和脂肪酸あるいは
水酸基を有する脂肪酸とのエステル化物である。一般式
(II)で表されるヒドロキシ化合物としては、炭素数1
〜21の1価アルコール、エチレングリコール、グリセリ
ン、ソルビトール等の2〜6価の多価アルコールが挙げ
られる。固化剤の具体例としては、例えば、炭素数12〜
20の飽和脂肪酸のエステル化物、硬化ヒマシ油、ヒドロ
キシステアリン酸のエステル化物、エチレングリコー
ル、グリセリンあるいはソルビトールと炭素数14〜20の
脂肪酸とのエステル化物等を挙げることができる。
【0020】本発明において、(A) 〜(D) 成分の配合割
合としては、(A) 窒化珪素粉末 100重量部に対し、(B)
有機溶剤15〜55重量部、(C) 分散剤 0.1〜5重量部、
(D) 固化剤0.5 〜10重量部である。更に本発明のセラミ
ックスラリー組成物中の窒化珪素粉体の配合割合は65重
量%以上が好ましく、70重量%以上が更に好ましい。窒
化珪素粉体の配合割合がこれ未満であると、得られる焼
結体の密度が小さくなりよって高強度の焼結体を得るこ
とはできない。
【0021】さらに、スラリーの調製時において、分散
効果が損なわれない範囲でバインダーやワックス類を添
加しても良い。具体的には、バインダーとしてはポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタール等のビニル
系高分子化合物、ヒドロキシプロピルセルロース等のセ
ルロース系高分子化合物が挙げられ、ワックスとしては
炭素数20〜60の直鎖または側鎖状飽和炭化水素であるパ
ラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスあ
るいは平均分子量1000以上の常温で固体のポリアルキレ
ングリコール等を挙げることができる。
【0022】本発明においては、上記のようにして得ら
れたセラミックスラリー組成物を用い、成形工程、脱脂
工程及び焼結工程を経てセラミック焼結体を得る。成形
工程は上記のようにして調製したセラミックスラリー組
成物を加温溶融スラリーの状態で低圧にて金型に注入・
成形し、金型をある一定温度以下に冷却することによ
り、溶剤を含有した状態で固化させて、成形体を得る工
程である。この様な成形方法としては低圧射出成形法が
適している。固化温度については作業の面より 100℃以
下、好ましくは80℃以下、特に好ましくは60℃以下で0
℃以上が良い。脱脂工程は、金型より成形体を取り出し
乾燥により溶剤を除去した後、徐々に昇温、加熱するこ
とにより分散剤、固化剤等の有機物を分解、燃焼させて
除去する工程である。かかる工程の温度としては 600℃
以下が好ましい。焼結工程は、脱脂後、一定の焼結温度
に保持し焼結を行う工程である。焼結温度は1600〜1900
℃が好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、例中の部及び%は特記しない限り重量基準であ
る。
【0024】実施例1 セラミック粉末として窒化珪素(粒径 0.2μm)、焼結助
剤として酸化イットリウム(粒径 0.8μm)、酸化アルミ
ニウム(粒径 0.9μm)の粉末を重量%で93:5:2の比
率で配合したものを原料とした。上記セラミック配合原
料 500部をポリエチレンイミン(MW 10000)7.5 部、n
−プロパノール117.5 部とプレミックスした後、ボール
ミルにより所定時間ミリングしてスラリーを得た。この
スラリーを60℃に加熱し、固化剤として硬化ヒマシ油20
部を添加し、密閉下、硬化ヒマシ油が溶解するまで60℃
にて攪拌を行った。得られたセラミックスラリーの固形
分は82.4%であり、これよりセラミック粉体濃度が約78
%のセラミックスラリーが調製できた。このセラミック
スラリーを60℃に保ったまま金型に2気圧の圧力で押し
出し、金型にスラリーを鋳込んだ。その後、金型を20℃
に冷却しスラリーを固化させた。得られた成形体を金型
より脱型し、60℃で4時間加熱乾燥させた後、 600℃で
4時間脱脂を行った。次に、窒素ガス雰囲気下、1750℃
にて焼成しセラミック焼結体を得た。得られた焼結体の
性状を調べると、割れ、クラックの発生等の異常は全く
見られなかった。
【0025】実施例2 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
した。セラミック配合原料 500部をポリプロピレンイミ
ン(MW 8000)7.5 部、n−ブタノール117.5 部とプレミ
ックスした後、ボールミルにより所定時間ミリングして
スラリーを得た。このスラリーを60℃に加熱し、固化剤
としてヒドロキシステアリン酸エチル20部を添加し、密
閉下、ヒドロキシステアリン酸エチルが溶解するまで60
℃にて攪拌を行った。得られたセラミックスラリーの固
形分は82.0%であり、これよりセラミック粉体濃度が約
78%のセラミックスラリーが調製できた。このセラミッ
クスラリーを60℃に保ったまま金型に2気圧の圧力で押
し出し、金型にスラリーを鋳込んだ。その後、金型を20
℃に冷却しスラリーを固化させた。得られた成形体を金
型より脱型し、60℃で4時間加熱乾燥させた後、 600℃
で4時間脱脂を行った。次に、窒素ガス雰囲気下、1750
℃にて焼成しセラミック焼結体を得た。得られた焼結体
の性状を調べると、割れ、クラックの発生等の異常は全
く見られなかった。
【0026】実施例3 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
し、分散剤としてポリブチレンイミン(MW 8000)、固化
剤としてソルビタンジベヘレート、有機溶剤としてイソ
プロパノールを使用し、実施例1と同様にしてセラミッ
ク焼結体を製造した。
【0027】実施例4 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
し、分散剤としてポリエチレンイミン(MW 1000)、固化
剤としてステアリン酸ステアリル、有機溶剤としてn−
オクタノールを使用し、実施例1と同様にしてセラミッ
ク焼結体を製造した。
【0028】実施例5 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
し、分散剤としてポリエチレンイミン(MW 30000)、固
化剤としてヒドロキシステアリン酸ヒドロキシステアリ
ル、有機溶剤としてn−プロパノールを使用し、実施例
1と同様にしてセラミック焼結体を製造した。
【0029】実施例6 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
し、分散剤としてポリエチレンイミン(MW 1000) にエチ
レンオキシドを活性水素1モルあたり3モル付加した化
合物、固化剤として硬化ヒマシ油、有機溶剤としてエタ
ノールを使用し、実施例1と同様にしてセラミック焼結
体を製造した。
【0030】比較例1 実施例1と同じ配合比率のものをセラミック配合原料と
した。セラミック配合原料 500部をポリエチレンイミン
(MW 10000)7.5 部、n−プロパノール117.5 部とプレ
ミックスした後、ボールミルにより所定時間ミリングし
てスラリーを得た。このスラリーをスプレードライする
ことにより乾燥させた後、融点60℃のパラフィンワック
ス 125部に混合した。このスラリーを80℃に加熱したま
ま、80℃に保温した金型に、加圧ニーダーにて 300kg/
cm2 の圧力で鋳込んだ。その後、金型を20℃まで冷却し
スラリーを固化させた。得られた成形体を金型より脱型
した後、 600℃で所定時間脱脂した。次に、窒素ガス雰
囲気下、1750℃にて焼成し、セラミック焼結体を得た。
得られた焼結体の性状に関して、割れ、クラック等を発
生させないためには徐々に脱脂する必要があり、そのた
めには48時間を要した。
【0031】実施例1〜6及び比較例1で得られたセラ
ミック焼結体をJIS R 6041に定められている方法で室温
での4点曲げ強度を測定した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1〜6の
本発明のセラミック焼結体は1000MPa 以上の強度が得ら
れた。
【0034】
【発明の効果】本発明のセラミックスラリー組成物を用
いることにより、高濃度のセラミックスラリーを、固化
剤により溶剤を含有したままの状態で成形することがで
きる。その効果としては有機溶剤の使用により窒化珪素
のごとき水と反応するセラミック粉体が使用でき、成形
体の乾燥時、乾燥時間が短く、しかも気孔の発生を抑え
ることができる。また、溶剤以外の有機成分を少なくで
きるという利点のため、脱脂時間の短縮、及びそれらの
分解に伴う発生ガスの量を少なくできることにより生産
性の向上及び品質の向上を計ることができる。更に、セ
ラミックスラリーを高濃度化することにより緻密な焼結
体が得られるとともに、寸法精度の不良も発生しにくい
等の効果を示す。又、本発明はアルミナ、ムライト、ジ
ルコニアのごとき、酸化物系セラミックにおいても分散
剤を選定することにより同様の効果が発揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 誠司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 神谷 純生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 酸化物系焼結助剤を含む窒化珪素粉末
    100 重量部、(B) 溶解度パラメーター10.0〜15.0の範
    囲から選ばれるアルコール系有機溶剤15〜55重量部、
    (C) 一般式(I) 【化1】 (式中、R1,R3は水素原子または炭素数2〜4のアルキ
    ル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、nは10〜2000
    の整数を表す。)で表されるポリアルキレンイミンある
    いはそれらのアルキレンオキシド付加体からなる分散剤
    0.1 〜5重量部、及び(D) 一般式(II) 【化2】 (式中、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル
    基、mは1〜6の整数を表す。)で表されるヒドロキシ
    化合物と炭素数12〜20の飽和脂肪酸あるいは水酸基を有
    する脂肪酸とのエステル化物からなる固化剤 0.5 〜10
    重量部からなることを特徴とするセラミックスラリー組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミックスラリー組成
    物を加温溶融スラリーの状態で金型に注入した後、冷却
    して固化させることにより成形体を得、得られた成形体
    を脱脂、焼結することを特徴とするセラミック焼結体の
    製造方法。
JP3338185A 1991-12-20 1991-12-20 セラミックスラリー組成物及びセラミック焼結体の製造方法 Pending JPH05170516A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100665122B1 (ko) * 2005-04-22 2007-01-09 삼성전기주식회사 화학적 작용기를 도입하여 세라믹 분말 및 슬러리를안정화시키는 방법
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