JPH05170363A - ウェブ自動巻取機における巻芯管整列・供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のストリップを同一巻軸上に巻取る巻取
機に対し、各ストリップ巾に対応した巻芯管をストリッ
プの横並び順に合致した順序で整列させ、供給する。 【構成】 巻芯管ホッパー（６），（６´）と横送りコ
ンベア（７）と整列コンベア（８）及び制御装置よりな
り、巻芯管ホッパー（６），（６´）は巻取機における
スリット巾の種類だけ設けられていて、ストリップの横
並び順に合致した順序で各巻芯管を横送りコンベア
（７）上に送出する。横送りコンベア（７）がこれらの
巻芯管を順次整列コンベア（８）に移送すると、整列コ
ンベア（８）は走行方向に傾動して、巻芯管をその軸方
向に一列に整列させる。そして次に整列コンベア（８）
が走行方向と直交する方向に回動して、一列に並んだ巻
芯管を一斉に巻芯管棚（１）へ移送する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はウェブ自動巻取機におけ
る巻芯管整列・供給装置に関するもので、詳しくはウェ
ブを巻取り直前で流れ方向に沿って複数条にスリット
し、そのスリットした各ストリップを同時に１巻軸上に
巻取るウェブ巻取機において、その巻取りに当たり、各
ストリップの巾に対応した巾の巻芯管を、ストリップ巾
の横並び順に合致した順序で巻軸線上に配列するための
巻芯管整列・供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複数のストリップを同一巻軸上に巻取る
ウェブ自動巻取機は、その巻取りにあたり、各ストリッ
プ巾に対応した巻芯管を、ストリップの横並び順に合致
した順序で巻軸上に予め装着しておく必要があり、その
ため巻取機本体に対して巻芯管自動供給装置を備えてい
る。例えば図６はウェブ自動巻取機の１例である多軸タ
ーレット巻取機を示したものであるが、この巻取機にお
いて、ウェブ（Ｗ）はスリット装置（２）で複数条のス
トリップに分割された後、各ストリップが同時に巻軸
（３）上に巻きとられるようになっており、巻取機本体
（１）の下方には、巻芯管棚（４）と受皿（５）よりな
る巻芯管自動供給装置が配置されている。そして、巻芯
管棚（４）の上には、各ストリップの巾に対応した複数
の巻芯管が、ストリップの横並び順にストリップの数だ
け軸方向に整列して並べられ、これが複数列載置されて
いて、巻芯管棚（４）の傾斜に沿って巻芯管棚（４）の
終端より一列ずつ送り出され、回動昇降する受皿（５）
によって巻芯軸挿入位置（５´）まで持ち上げられ、さ
らに該位置で巻芯管に巻芯軸の挿入がなされて、巻軸
（３´）へ供給され、巻取りの為の準備がなされるよう
になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記の如き一
連の巻芯管供給作業において、巻芯管棚（４）上へ巻芯
管を載置する作業は、従来人為作業によっており、巻取
作業者は自らの手で巻芯管をストリップ巾及び配列順に
整列し、巻芯管棚に載せていた。このためこうした手作
業が、巻取り作業における人員削減、高速化の阻害要因
になり、問題となっていた。

【０００４】本発明はかかる実状に鑑みて、ストリップ
の巾に対応した巻芯管を、その横並び順序に合致する如
く自動的に整列させて前記巻芯管棚上へ載置する巻芯管
整列・供給装置を提案し、前記問題の解決を図ることを
目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本発明の特徴は、巻芯管自動供給装置を有し、巻取り
直前でウェブの流れ方向に沿ってウェブを複数条にスリ
ットし、このスリットされた各ストリップを、同一巻軸
上に装着された各ストリップ巾に対応する巾を有する巻
芯管上に巻取るウェブ自動巻取機において、各ストリッ
プ巾に対応した巾の巻芯管を所要数収容し、かつ、その
開口部より巻芯管を１本宛送出可能となした前記ストリ
ップ巾の種類数と同数の巻芯管ホッパーと、各巻芯管ホ
ッパーの各開口部に沿い、その送出方向に直交して設置
された横送りコンベアと、該横送りコンベアに続いて設
けられ、コンベアの走行方向に傾動可能及び該走行方向
と直交する方向に回動可能な整列コンベアと、前記スリ
ットした各ストリップの横並び順に合致した順序で巻芯
管送出指令を発する制御装置とを設け、かつ、前記整列
コンベアを前記巻取機における巻芯管自動供給装置と連
結する如く配置してウェブ自動巻取機における巻芯管整
列・供給装置を構成したことにある。

【０００６】

【作用】本発明巻芯管整列・供給装置において、各巻芯
管ホッパーの中には、夫夫、各ストリップ巾に対応した
巻芯管が収容されていて、スリットされた各ストリップ
の横並び順に合致する順序で各ホッパーから送り出され
る。そして送り出された巻芯管は、横送りコンベアを介
して整列コンベア上に横送りされ、さらに整列コンベア
の走行方向への傾動により軸方向に一列に並べられた
後、同コンベアの走行方向と直行する方向への回動によ
り、巻芯管棚に向かって一斉に移送される。この結果、
巻芯管棚には、所望巾の巻芯管が、所要数だけ軸方向に
並べられて載置されることとなる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本発明実施例の概要を示す側面図、図２は同
平面図、図３は同正面図である。これらの図において、
（Ｉ）は、本発明巻芯管整列・供給装置を適用したウェ
ブ自動巻取機の１例であり、前記したのと同様の多軸タ
ーレット巻取機である。この巻取機（Ｉ）において、ウ
ェブ（Ｗ）はその流れ方向に沿ってスリット装置（２）
により複数条に分割された後、各ストリップが同時に巻
芯（３）に巻取られるようになっており、そのため、巻
取機本体（１）の下方に設置された巻芯管棚（４）の上
に、ストリップの巾と横並び順とに対応して複数の巻芯
管が整列され、載置されていて、巻芯管棚（４）の終端
より一列ずつ送り出され、受皿（５）により巻芯軸挿入
位置（５´）まで持ち上げられ、巻芯軸を挿入されて、
次回巻取りのための巻軸（３´）に対して供給されるよ
うになっている。

【０００８】一方、以上の如き巻取機（Ｉ）に対して本
発明巻芯管整列・供給装置（ＩＩ）は、１台或は複数台
（巻取機におけるスリット巾が一定の場合は１台、数種
の場合はその数だけ）の巻芯管ホッパー（６），（６
´）と、該ホッパー（６），（６´）より繰り出される
巻芯管をウェブの流れに対し横方向に移送するコンベア
（７）と、巻芯管を整列し、この整列した巻芯管を前記
巻芯管棚（４）へ一斉に送り出す傾動、回動可能な整列
コンベア（８）及びこれら各装置を巻取機の巻取り動作
と関連付けてシーケンシャルに作動させる制御装置より
なる。

【０００９】巻芯管ホッパー（６），（６´）は、この
実施例の場合、スリット巾が２種類あるため、巻取機
（Ｉ）の側方に２台設置されるが、各巻芯管ホッパー
（６）は、図１に示す如く底面が傾斜し、その１面が開
口しており、内部には、開口部（１２）に面してドラッ
グコンベア（９）が装備されている。ドラッグコンベア
（９）は、やや前傾姿勢を取り、図示矢印方向に走行す
るもので、ホッパー（６），（６´）内の巻芯管は、こ
のドラッグコンベア（９）に空巻芯の直径よりやや広い
間隔で装着されているフック（１０）（１０´）に引っ
かけられ、図示しない駆動装置により、矢印方向に運ば
れる。なお、（１１）はドラッグコンベア（９）の上部
から前面を覆う巻芯管脱落防止板で、その一部に前記開
口部（１２）を有する。また、開口部（１２）にはエア
ーシリンダで開閉するシャッタ（１３）が装備され、開
口部（１２）底部からは横送りコンベア（７）と連絡す
るブリッジ（１４）が固定されている。

【００１０】次に、横送りコンベア（７）はホッパー
（６），（６´）の前方から巻取機の機側まで延長して
設備されたもので、公知のベルトコンベアが適用され
る。そしてこの横送りコンベア（７）の下流側に巻芯管
整列コンベア（８）が設けられるが、該巻芯管整列コン
ベア（８）は、図３に示す如く巻取機本体（Ｉ）の中心
線（Ｃ−Ｃ）上に傾動中心を有して、巻芯管走行方向に
傾動可能となっている。巻芯管整列コンベア（８）の構
造について、さらに図４に基づき詳説すると、コンベア
本体（８´）は公知のころコンベアであるが、入口側
（横送りコンベア（７）に近い側）の数個のコロ（１
６）（実施例では３個）は図示しない駆動装置で積極駆
動され、以降のコロ（１７）・・・はすべてフリー回転
する単なるコロで構成されている。そしてこのコンベア
本体（８´）がフレーム（１８）によって支承され、該
フレーム（１８）の中央がヒンヂ（１５）を介して固定
フレーム（Ｆ）に装着されていて、エアーシリンダ（１
９）により、フレーム（１８）とコンベア本体（８´）
とが一体的に傾動させられ、この傾動により、コンベア
本体（８´）は、図４に実線で示す水平位置と鎖線で示
す傾斜位置の２位置が取らされ、傾斜位置を取ったと
き、コンベア本体（８´）の入口先端が前記の横送りコ
ンベア（７）と同じ高さになる構造となっている。ま
た、コンベア本体（８´）は、上記の如き走行方向への
傾動だけでなく、走行方向と直行する方向に対して回動
するが、その回動機構は図５に示す通りで、コンベア本
体（８´）が、機械中心線（Ｃ−Ｃ）と対称位置の２箇
所で、フレーム（１８）上のヒンヂ（２０）（２０´）
により、回動自在に装着され、エアーシリンダ（２１）
（２１´）により、コンベアの流れ方向に対し、直交し
た方向に回動させられるようになっている。

【００１１】次に、以上のように構成された巻芯管整列
・供給装置の作動を以下に説明する。なおここで、巻取
機でスリットされるストリップの巾が前記したように２
種類あるため、各巾のストリップをＡ，Ｂとし、その横
並び順を、例えばＡ，Ａ，Ｂ，Ａ，Ｂ，Ｂ，であるとす
る。そして、Ａ巾のストリップ用巻芯管は、巻芯管ホッ
パー（６）に、Ｂ巾のストリップ用の巻芯管は、巻芯管
ホッパー（６´）に収容されているとする。このとき巻
取機の操作盤（図示省略）上には、上記の横並び順が設
定されている。今、巻取機で巻替え動作が行われ、巻芯
管棚（４）上への巻芯管供給の必要が生じたとすると、
このとき、巻取機側から巻芯管整列・供給装置に向かっ
て巻芯管補給信号が発信される。上記信号を受けて巻芯
管整列・供給装置は起動し、まず２台のホッパー
（６），（６´）が前記の如く設定されたストリップ巾
の横並び順に従って、以下の如く作動して行く。

【００１２】まず、前記順序設定で指定された該当ホッ
パー（６）において、そのドラッグコンベア（９）が走
行し、ホッパー（６）内の巻芯管をフック（１０）・・
・で引っかけて開口部（１２）へ運ぶ。通常、開口部
（１２）はシャッタ（１３）で閉鎖されているが、巻芯
管が該開口部（１２）に到着すると、適宜検出装置でそ
れを検知し、ドラッグコンベア（９）の走行を停止する
と同時に、シャッタ（１３）を開放するので、フック
（１０）で運ばれて来た巻芯管はブリッジ（１４）上を
転落して横送りコンベア（７）上へ運び出される。横送
りコンベア（７）は、前記の補給信号により起動されて
いるので、前記巻芯管は整列コンベア（８）へ向かって
運ばれていく。

【００１３】さらにこうしたホッパー（６）による巻芯
管送出が、次に配列されるべき巻芯管を収納しているホ
ッパー（６´）により引き続き行われる。この際、次の
ホッパー（６´）は、横送りコンベア（７）上で先行巻
芯管と次に送り出す巻芯管とが干渉しないだけのタイミ
ングをとって作動する。このようにして、先に設定され
た横並び順通りに巻芯管が横送りコンベア（７）上に運
び出されると、巻芯管は、次に横送りコンベア（７）上
を、整列コンベア（８）へ向かって運ばれて行く。

【００１４】整列コンベア（８）は、このとき図４に鎖
線で示すごとく傾斜して、入口側が横送りコンベア
（７）と同じ高さになっており、しかも、該コンベアの
入口側のころ（１６）が積極駆動されているので、巻芯
管は円滑に整列コンベア（８）へ移送され、傾斜に沿っ
てころ（１７）上を転落し、最終点でストッパ（２２）
により転落が阻止される。さらに次に横送りされて来る
巻芯管も同様にして整列コンベア（８）へ移送され、こ
ろ（１７）上を転落し、先行巻芯管に突き当り、転落が
阻止される。このようにして所要本数の巻芯管が同図鎖
線で示すように整列コンベア（８）上に整列される。

【００１５】この整列が終ると、続いてコンベア本体
（８´）が、傾動用エアシリンダ（１９）により同図実
線で示す通り水平位置に傾動し、さらに図５に示す如く
回動用シリンダ（２１），（２１´）によりコンベアの
長手方向軸心に対して直交した方向に回動する。この結
果、コンベア（８）上に整列された巻芯管が一斉に巻取
機の巻芯管棚（４）へ移行し、図１に示す如く巻芯管棚
（４）上に載置された状態となり、その後、前述したよ
うに受皿（５）によって一列宛、巻軸（３´）に供給さ
れることとなる。なお、以上の各作動は、全て図示しな
い制御装置により、シーケンシャルに制御されるもので
あることはいうまでもない。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係る巻芯管整
列・供給装置は、巻芯管ホッパーと横送りコンベアと整
列コンベア及び制御装置よりなり、巻芯管ホッパーは巻
取機におけるスリット巾の種類だけ設けられていて、各
巻芯管ホッパーからは、ストリップの横並び順に合致し
た順序で各巻芯管が次々と送出され、これが横送りコン
ベアを介して整列コンベアに移送され、該整列コンベア
上で軸方向に整列された後、一斉に巻芯管棚に載置され
るものであるから、巻芯管棚にはストリップの横並び順
に合致して整列した巻芯管が適時、次々と供給されるこ
ととなり、従来、人手を介して行っていた巻芯管棚への
巻芯管整列・供給作業が完全に自動化される。このた
め、各ストリップを同一巻軸上に巻取る巻取作業におい
て、人員削減と、作業の高速化に対する顕著な効果が奏
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明巻芯管整列・供給装置の概要を示す側面
図である。

【図２】図１に示す巻芯管整列・供給装置の平面図であ
る。

【図３】図１に示す巻芯管整列・供給装置の正面図であ
る。

【図４】本発明巻芯管整列・供給装置の１構成要素であ
る整列コンベアの正面図である。

【図５】図４に示す整列コンベアの回動機構の説明図で
ある。

【図６】従来の巻取機の概要を示す側面図である。

【符号の説明】

（１） 巻取機本体 （４） 巻芯管棚 （５） 受皿 （６）（６´）巻芯管ホッパー （７） 横送りコンベア （８） 整列コンベア （１２） 開口部 （Ｗ） ウェブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻芯管自動供給装置を有し、巻取り直前
   でウェブの流れ方向に沿ってウェブを複数条にスリット
   し、このスリットされた各ストリップを、同一巻軸上に
   装着された各ストリップ巾に対応する巾を有する巻芯管
   上に巻取るウェブ自動巻取機において、各ストリップ巾
   に対応した巾の巻芯管を所要数収容し、かつ、その開口
   部より巻芯管を１本宛送出可能となした前記ストリップ
   巾の種類数と同数の巻芯管ホッパーと、各巻芯管ホッパ
   ーの各開口部に沿い、その送出方向に直交して設置され
   た横送りコンベアと、該横送りコンベアに続いて設けら
   れ、コンベアの走行方向に傾動可能及び該走行方向と直
   交する方向に回動可能な整列コンベアと、前記スリット
   した各ストリップの横並び順に合致した順序で巻芯管送
   出指令を発する制御装置とを設け、かつ、前記整列コン
   ベアを前記巻取機における巻芯管自動供給装置と連結す
   る如く配置してなることを特徴とするウェブ自動巻取機
   における巻芯管整列・供給装置。