JPH0712378Y2 - 巻取りユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ワインダ等の巻取りユニットに係り、特に給
糸ボビンをトレイに載せて供給し、給糸ボビンの糸が空
になると、給糸ボビンの交換とノッティングを自動的に
行う巻取りユニットに関する。

［従来の技術］ ワイダンの巻取りユニットは、例えば特開昭59−230973
号公報に示されるように給糸ボビンをトレイに載せて待
機位置を経て巻返し位置に供給し、巻返し位置の給糸ボ
ビンから糸を引出してパッケージに巻取り、給糸ボビン
の糸が空になると、その空の給糸ボビンを払出すと共に
待機位置の給糸ボビンを巻返し位置に移動させ（これを
給糸ボビン交換という）、その給糸ボビンの糸端とパッ
ケージ側の糸端とをノッティングして巻取りを再開する
ようになっている。巻取りユニットは、上記動作を順次
繰返して複数本の給糸ボビンから大きなパッケージを形
成することになる。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上記巻取りユニットは、巻返し位置の給糸ボ
ビンの糸が空になると、自動的に給糸ボビン交換とノッ
ティングを行うようになっていることから、給糸ボビン
が供給されない場合には給糸ボビンが供給されるまでこ
れらの無駄な動作を何度も繰返す問題がある。特に、ノ
ッティングミスが所定回数連続した場合に、運転を停止
するように構成された巻取りユニットにおいては、オペ
レータが処理するまで運転が停止したままとなるため、
その間に給糸ボビンが供給されても巻取りを行うことが
できず、運転効率の低下を将来する。

そこで、本考案の目的は、上記課題を解決し、待機位置
に給糸パッケージが無い場合には無駄な給糸ボビン交換
動作およびノッティング動作を行わず、また給糸ボビン
が供給された場合には直ちにこれらの動作を行うことが
でき、運転効率の向上が図れる巻取りユニットを提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本考案は、ボビン搬送路か
ら巻返し位置に連通するボビン導入路と、巻返し位置か
ら空ボビン搬送路に連通するボビン排出路とを備え、給
糸ボビンを載せたトレイを、ボビン搬送路からボビン導
入路に設けた待機位置を経て巻返し位置に供給し、巻返
し位置の給糸ボビンが空であることを検出すると、巻返
し位置のトレイ空ボビン搬送路へ払出すと共に待機位置
のトレイを巻返し位置に移動させる給糸ボビン交換動作
を行い、次いで給糸ボビンの糸端とパッケージ側の糸端
とをノッティングするノッティング動作を行う巻取りユ
ニットにおいて、待機位置の給糸ボビン又はトレイの有
無を検出するセンサと、前記センサが給糸ボビン又はト
レイの無いことを検出したときは給糸ボビン交換動作が
必要な場合であっても、給糸ボビン交換動作とノッティ
ング動作とを禁止するよう制御する制御部とを備えたも
のである。

［作用］ センサが待機位置の給糸ボビンの有無を検出し、待機位
置に給糸ボビンが有る場合には、巻返し位置の給糸ボビ
ンの糸が空になると、その空の給糸ボビンと待機位置の
給糸ボビンとの交換を行うと共に、交換された巻返し位
置の給糸ボビンの糸端とパッケージ側の糸端とのノッテ
ィングを行う。

待機位置に給糸ボビンが供給されていない場合には、セ
ンサが給糸ボビンを検出しないので、巻返し位置の給糸
ボビンの糸が空になっても給糸ボビン交換を行わない。
従って、給糸ボビン交換およびそれに引き続くノッティ
ングの無駄な動作が回避される。また、ノッティングミ
スが所定回数連続すると運転を停止する巻取りユニット
においては、運転が停止されないので、給糸ボビンが供
給された場合にはオペレータの処理を必要としないで直
ちに巻取りを再開することができ、運転効率が向上す
る。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

第１図において、１はワインダの巻取りユニットで、こ
の巻取りユニット１を複数台横列に並設することにより
ワインダが構成されている。巻取りユニット１の後側お
よび前側にはその配列方向に沿ってベルトコンベアから
なるボビン搬送路２と空ボビン搬送路３とが設けられ、
給糸ボビン４は円形の基板上にベッグを形成してなるト
レイ５に挿立されてボビン搬送路２上を移送され、各巻
取りユニット１に供給されるようになっている。

巻取りユニット１の下部にはボビン搬送路２から巻取り
ユニット１の巻返し位置イに給糸ボビン４を取込むため
の回転円板６が設けられ、この回転円板６の上位には２
つのガイド板7,8がボビン搬送路２と空ボビン搬送路３
間に跨がるように配置されている。ボビン搬送路２側に
は両ガイド板7,8と他のガイド板９とによってボビン取
込み口10および余剰ボビン送出し口11が形成され、両ガ
イド板7,8間には第２図に示すようにボビン取込み口10
から上記回転円板６の周縁部に沿って巻返し位置イまで
連通したボビン導入溝12およびその巻返し位置イから空
ボビン搬送路３へ連通したボビン排出溝13が形成されて
いる。

一方のガイド板７上にはボビン導入溝12内に導入された
給糸ボビン４を待機位置ロに停止させる停止レバー14が
軸15により回動自在に設けられ、他方のガイド板８には
待機位置ロから糸の空になった給糸ボビン（空ボビン）
あるいは半玉ボビンをボビン排出溝13を通って空ボビン
搬送路３へ払出す払出しレバー16が軸17により回動自在
に設けられている。この払出しレバー16にはトレイ５の
ペッグ付根部分5aを係止するフック部18およびこのフッ
ク部18より払出し回転方向後方に連続した円弧部19が形
成されている。この払出しレバー16にはこれを実線位置
から仮想線位置に往復回動させる図示しない駆動部が連
結されている。

停止レバー14にはボビン導入溝12を移送されるトライ５
のベッグ付根部分5aを係止するフック部20が形成され、
停止レバー14はそのフック部20がボビン導入溝12に延出
するように図示しないバネによって付勢されている。停
止レバー14の一端14aには払出しレバー16の円弧部19上
を転動するローラ21が取付けられ、払出しレバー16が作
動すると、ローラ21を介して停止レバー14の一端14aが
押され、フック部20からトレイが解放されると共に、停
止レバー14の他端14bがボビン導入溝12の入口を遮断す
るようになっている。

巻返し位置イのトレイ５の下方には第１図に示すように
圧気噴射ノズル22が設けられ、このノズル22から噴射さ
れる圧気が回転円板６に形成された図示しない円弧状ス
リットおよびトレイ５のペッグ内空間を通って給糸ボビ
ン４の軸孔内に噴出し、給糸ボビン４内にその上端から
挿入されている糸端を上方へ吹上げるようになってい
る。巻取りユニット１はその吹上げられた糸端を中継ぎ
パイプ23によって図示しないノッターに導くと共に図示
しないサクションマウスによってパッケージ24側の糸端
をノッターに導いて糸端のノッティングを行い、巻取り
を開始するようになっている。25はパッケージ24を回転
駆動する綾振りドラムである。また、巻取りユニット１
はノッティングミス回数をカウントし、ノッティングミ
スが３回連続すると停止表示ボタン26を突出させて運転
を停止するように構成されている。

巻取りユニット１はパッケージ24が所定の巻量になった
かを綾振りドラム25の回転数によって検出する定長装置
および給糸ボビン４の糸が空になったかを走行糸に対す
る接触により検出するフィーラを有し、パッケージ24が
所定の巻量になるまで、給糸パッケージ４の糸が空にな
る度に払出しレバー16を駆動して給糸ボビン交換を行
い、かつ給糸ボビン交換の度にノッティングを行うよう
に設定されている。

そして、巻取りユニット１には待機位置ロの給糸ボビン
４の有無を検出するセンサ27が設けられると共に、この
センサ27が給糸ボビン４を検出したときにのみ上記給糸
ボビン交換を通常通り行わせる制御部28が設けられてい
る。従って、待機位置ロに給糸ボビン４が無い場合に
は、巻返し位置イの給糸ボビン４の糸が空になっても給
糸ボビン交換は行われない。なお、上記センサ27は待機
位置ロのトレイ５の有無を検出するものであってもよ
い。

次に上記実施例の作用を述べる。

ボビン搬送路２、空ボビン搬送路３および回転円板６は
常時駆動されている。今、巻返し位置イの給糸ボビン４
から糸が引出されてパッケージ24に巻取られているとす
る。この状態で、給糸ボビン４がボビン搬送路２上を順
次搬送されて来る場合には、これらの給糸ボビン４はボ
ビン取込み口10からボビン導入溝12に回転円板６によっ
て順次導入され、先行の給糸ボビン４は停止レバー４の
フック部20によって待機位置ロに停止され、後続の給糸
ボビン４は先行の給糸ボビン４の後に直列に並ぶ。この
場合、待機位置ロの給糸ボビン４の後に後続の給糸ボビ
ン４が１個並ぶと満杯になるため、以後の給糸ボビン４
は余剰ボビンとして余剰ボビン送出し口11を通過するよ
うになる。

上記の場合、待機位置ロに給糸ボビン４が有ることがセ
ンサ27によって検出されているので、制御部28により給
糸ボビン交換がいつでも可能な状態とされている。従っ
て、巻返し位置イの給糸ボビン４の糸が空になった場合
には、払出しレバー16が駆動され、空ボビンを巻返し位
置イから空ボビン搬送路３に払出し、更に払出しレバー
16によって停止レバー14が駆動され、待機位置ロの給糸
ボビン４が巻返し位置イに供給され、給糸ボビン交換が
完了する。給糸ボビン４が巻返し位置イに供給される
と、圧気噴射ノズル22からの圧気の噴射による糸端の吹
上げが行われ、次いでノッティングが行われて巻取りが
再開される。

ところで、例えば上流側の巻取りユニット１への給糸ボ
ビン４の取込みが重なって、下流側の巻取りユニット１
への給糸ボビン４の供給が遅れ、待機位置ロには給糸ボ
ビン４が供給されていない場合がある。この場合、セン
サ27が待機位置ロに給糸ボビン４は無いことを検出する
ので、巻返し位置イの給糸ボビン４の糸が空になって
も、制御部28により給糸ボビン交換が阻止される。従っ
て、給糸ボビン交換動作およびそれに引き続くノッティ
ング動作が行われないので、これらの無駄な動作が回避
され、省エネが図れる。その後、給糸ボビン４が待機位
置ロに供給されると、これをセンサ27が検出し、制御部
28により給糸ボビン交換が許容されるので、給糸ボビン
交換およびノッティングが行われて巻取りが再開される
ことになる。特に、本実施例のようにノッティングミス
が所定回数連続すると運転を停止する巻取りユニット１
においては、待機位置ロに給糸ボビン４が無いと給糸ボ
ビン交換が行われず、従ってノッティングも行われない
ので、ノッティングミスが連続して運転が停止されるよ
うなことはなく、給糸ボビン４が供給された場合にはオ
ペレータの処理を必要としないで直ちに巻取りを再開す
ることができ、運転効率が向上する。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば、待機位置に給糸ボビンが
供給されない場合には、巻返し位置の給糸ボビンの糸が
空になっても給糸ボビン交換およびノッティングが行わ
れないので、無駄な動作を回避できると共に、ノッティ
ングミスが所定回数連続すると運転を停止する巻取りユ
ニットにあっては、運転が停止されないので、給糸ボビ
ンが供給された場合にはオペレータの処理を必要としな
いで直ちに巻取りを再開することができ、運転効率が向
上する。待機位置に給糸ボビンが無いとき給糸交換とノ
ッティング動作が繰り返し行われないため、繰り返し行
わせるノッティング動作でパッケージ側の糸を無駄に消
費することがなく、パッケージ側の糸が無駄なノッティ
ングでダメージを受けることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す巻取りユニットの斜視
図、第２図は同要部拡大平面図である。 図中、１は巻取りユニット、４は給糸ボビン、５はトレ
イ、24はパッケージ、27はセンサ、28は制御部、イは巻
返し位置、ロは待機位置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボビン搬送路から巻返し位置に連通するボ
   ビン導入路と、巻返し位置から空ボビン搬送路に連通す
   るボビン排出路とを備え、給糸ボビンを載せたトレイ
   を、ボビン搬送路からボビン導入路に設けた待機位置を
   経て巻返し位置に供給し、巻返し位置の給糸ボビンが空
   であることを検出すると、巻返し位置のトレイ空ボビン
   搬送路へ払出すと共に待機位置のトレイを巻返し位置に
   移動させる給糸ボビン交換動作を行い、次いで給糸ボビ
   ンの糸端とパッケージ側の糸端とをノッティングするノ
   ッティング動作を行う巻取りユニットにおいて、待機位
   置の給糸ボビン又はトレイの有無を検出するセンサと、
   前記センサが給糸ボビン又はトレイの無いことを検出し
   たときは給糸ボビン交換動作が必要な場合であっても、
   給糸ボビン交換動作とノッティング動作とを禁止するよ
   う制御する制御部とを備えたことを特徴とする巻取りユ
   ニット。