JPH0516859B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、放射線画像情報読取装置に関する。
さらに詳しくは、特に蓄積性螢光体シートを利用
する放射線画像情報記録再生システムにおける該
シートに蓄積記録された放射線画像情報を読み取
つて画像信号を出力する読取装置として好適な装
置に関する。

（発明の技術的背景および従来技術） ある種の螢光体に放射線（Ｘ線、α線、β線、
γ線、電子線、紫外線等）を照射すると、この放
射線エネルギーの一部が螢光体中に蓄積され、こ
の螢光体に可視光等の励起光を照射すると、蓄積
されたエネルギーに応じて螢光体が輝尽発光を示
すことが知られており、このような性質を示す螢
光体は蓄積性螢光体と呼ばれる。

この蓄積性螢光体を利用して、人体等の被写体
の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性螢光体
に記録し、この蓄積性螢光体シートをレーザ光等
の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得ら
れた輝尽発光光を光電的に読み取つて画像信号を
得、この画像信号に基づき被写体の放射線画像を
写真感光材料等の記録材料、CRT等に可視像と
して出力させる放射線画像情報記録再生システム
が本出願人によりすでに提案されている。（特開
昭55−12429号、同56−11395号など。） 上記放射線画像情報記録再生システムにおいて
は、上述した蓄積性螢光体シートを励起光で走査
し、その走査によつて上記シートから発せられた
輝尽発光光を光電的に読み取つて画像信号を出力
する読取手段を備えて成る放射線画像情報読取装
置が使用される。

しかるに、上記システムは、通常人体等の医療
診断に用いられる場合が多く、従つて上記システ
ムでは診断目的に適した、観察読影適性の優れた
可視像を出力できることが要求される。この場合
において、どの様な可視像が診断目的に適してい
るのか、例えばどの様な出力濃度レベル、あるい
は濃度レベルの範囲さらにはコントラストであれ
ば診断に好適であるかは、それぞれの診断目的に
よつて異なる。

従つて、より好ましい可視像を得るためには、
上記読取手段によつて上記シートに記録された放
射線画像情報を読み取るにあたつて、より診断目
的に適した可視像を出力することができる画像信
号を得るべく、診断目的に応じた読取条件に従つ
て読み取りを行なうことが望ましい。

また、通常読取手段によつて出力された画像信
号は、そのまま可視像として出力されるものでは
なく、画像処理手段によつて、個々の診断目的に
適した可視像を得るべく、階調処理や空間周波数
処理等の信号処理が行なわれた上で可視像として
出力される。この場合においても、この画像処理
手段によつて行なわれる画像処理は極めて複雑な
ものであるから、それぞれの診断目的に応じた画
像処理が容易に行なえる様にある程度前処理した
状態で画像信号をその画像処理手段に入力させる
ことが望ましく、その様な前処理を施した画像信
号を画像処理手段に向けて出力させるためにも、
上記読取手段においては個々の診断目的に応じた
読取条件に従つて読み取りを行ない、画像信号を
出力するのが望ましい。

（発明の目的） 本発明の目的は、上記事情に鑑み、診断目的に
適した可視像を得るため、あるいはそのために行
なう画像処理手段での画像処理を容易にするた
め、個々の診断目的に応じた読取条件に従つて読
み取りを行なうことができるように構成した放射
線画像情報読取装置を提供することにある。

（発明の構成） 本発明に係る放射線画像情報読取装置は、上記
目的を達成するため、被写体の撮影部位および撮
影方法に関する情報を入力する入力手段と、該入
力手段によつて入力された情報に基づいて読取手
段による読み取りの際の読取条件を決定し、その
決定された読取条件を読取手段に向けて出力する
制御手段とを備えて成ることを特徴とする。

即ち、本発明は、診断目的は撮影部位と撮影方
法とに対応することに着目し、それらの撮影部位
と撮影方法とに関する情報を入力させてその入力
された情報に基づいて適当な読取条件を決定し、
この読取条件に従つて読み取りを行なう様に構成
したことを特徴とする。

なお、上記撮影部位とは、被写体の撮影対象部
分を意味し、例えば被写体が人間の場合は頭部、
胸部、腹部等を意味し、あるいは頭部をさらに細
かく分類した頭部全体、眼球、鼻、骨、耳等を意
味し、さらには頭部における正面あるいは側面等
を意味する。

上記撮影方法とは、被写体を撮影する際の撮影
の仕方をいい、例えば通常撮影、造影撮影、拡大
撮影等をいう。

上記撮影部位および撮影方法には、それが変化
することによつて最適であるべき読取条件が変化
する全ての撮影に関するパラメータが含まれる。
しかしながら、上記撮影部位および撮影方法に関
する情報を入力する入力手段は、それら全てのパ
ラメータを入力し得るものである必要はなく、そ
の中から適当に選ばれたパラメータのみを入力し
得る手段であつても良い。

また、上記読取条件とは、記録媒体に記録され
た放射線画像情報を読み取つて画像信号を出力す
る読取手段における入力と出力との関係に影響を
与える各種の条件を総称するものであり、例えば
読取ゲイン、スケール係数あるいは読取りにおけ
る励起光のパワー等を意味する。

なお、撮影部位および撮影方法に関する情報に
基づいて読取条件を決定するとは、それらの情報
のみに基づいて決定する場合に限らず、他の情報
も同時に考慮し、それらの全情報に基づいて決定
する場合も含む意味である。

（実施態様） 以下、図面を参照しながら本発明の実施態様に
ついて説明する。

第１図は、本発明に係る装置の一実施態様を示
すブロツク図である。

図示の如く、本発明に係る装置は、撮影部位お
よび撮影方法に関する情報を入力する入力手段１
と、該入力手段１によつて入力された情報に基づ
いて読取条件を決定し、該読取条件を読取手段３
に向けて出力する制御手段２とを備えて成る。

上記入力手段１は、例えば第２図に示す様なキ
ー配列のコンソールから成る。例えば、頭部の単
純撮影の場合は、頭部キーと単純キーを操作する
ことによつて頭部の単純撮影という情報が制御手
段２に入力される。どの様な種類の撮影部位およ
び方法に関する情報を入力可能に構成するか、あ
るいはそれらの情報をどの様な態様で入力可能に
構成するかは必要に応じて適宜に定めれば良い。
なお、制御手段２で読取条件を決定する場合、前
述の様に撮影部位および方法のみに基づいて決定
するものではなく、他の情報も考慮して決定する
場合がある。この様な他の情報としては、例えば
先読みによつて得られた情報（先読みとは、可視
像出力用画像信号を得るための読み取りに先立つ
て、予め記録媒体に記録されている放射線画像情
報を概略的に読み取ることをいい、例えば特開昭
58−67240号公報に記載された方法で行なうこと
ができる）や診断目的に応じた可視像に対する希
望情報等がある。これらの情報も適宜制御手段２
に入力可能に構成することも可能であり、例えば
この入力手段１を、第２図に示す様に、撮影部位
や方法のみでなく上記可視像に対する希望情報で
ある骨部強調や軟部強調という情報を入力可能に
構成しても良い。

上記制御手段２は、入力手段１から入力された
撮影部位および撮影方法に関する情報に基づい
て、場合によつては更に他の情報、例えば前述し
た先読み情報や可視像に対する希望情報等をも考
慮して読取条件を決定する。制御手段２は記憶手
段（図示せず）を有し、上記撮影部位および撮影
方法に関する情報や先読み情報その他の読取条件
を決定する際に配慮すべき種々の情報（種々の手
段によつて制御手段２に入力された情報）を記憶
しておき、必要に応じてこれらの情報を引き出
し、読取条件を決定するように構成しても良い。

本制御手段２による読取条件の決定は、例えば
予め各種の撮影部位と撮影方法との組合せにおけ
る最適読取条件を予めデータとして記憶してお
き、入力手段１によつて撮影部位および撮影方法
が入力されるとそれに応じて上記記録データの中
から最適読取条件を選定することによつて、ある
いは入力手段１によつて入力された撮影部位およ
び撮影方法に基づいて演算することによつて行な
うことができる。もちろん、撮影部位および撮影
方法に関する情報以外の情報が制御手段２に入力
される場合は、それらの情報に関する項目も考慮
して形成された蓄積データによりあるいはそれら
の情報をも考慮した演算により読取条件を決定す
ることもできる。

読取条件を決定するにあたつては、必ずしも全
ての読取条件を撮影部位および撮影方法に関する
入力情報に基づいて決定する必要はなく、特に重
要な幾くつかの読取条件のみを決定しても良い。
その様な読取条件として、例えば読取ゲインとス
ケール係数とがある。読取ゲインは、第３図にお
ける読取条件を示す線の左右位置を示すパラメー
タであり、読取手段へ入力される所定レベルの入
力信号（例えば所定の輝尽発光光量）がどの程度
のレベルの出力信号（画像信号）として出力され
るかを規律するものである。また、スケール係数
は、第３図における読取条件を示す線の傾きを示
すパラメータであり、読取手段へ入力される入力
信号のレベル範囲の大きさと出力信号のレベル範
囲の大きさとの関係を規律するものである。

上記読取手段３は、蓄積性螢光体シート等の記
録媒体４に記録された放射線画像情報を読み取つ
て画像信号を出力するものであり、例えば励起光
光源と、該光源から発せられる励起光を蓄積性螢
光体シート上に走査させるガルバノメータミラー
等の走査手段と、該走査によつて上記シートから
発せられる輝尽発光光を光電的に読み取つて電気
的画像信号を出力する光検出器とを備えて成る。
もちろん、この読取手段３による読み取りは、上
記制御手段２によつて決定された読取条件に従つ
て行なわれる。

本発明は、蓄積性螢光体シート以外の記録媒体
に記録された放射線画像情報の読取装置に適用す
ることも勿論可能である。

（発明の効果） 本発明に係る放射線画像情報読取装置は、上記
の如く、撮影部位と撮影方法とに関する情報を入
力させてその入力された情報に基づいて適当な読
取条件を決定し、その読取条件に従つて読み取り
を行なう様に構成されている。

しかるに、今までのデータから、各撮影部位を
診断する場合の標準的な適性画像あるいは所定撮
影部位をある特殊な診断目的の下に所定撮影方法
で撮影した場合のその診断に適した標準的な適正
画像はどういうものであるかということを知るこ
とができ、従つて、撮影部位と撮影方法とを知る
ことができればその撮影における診断目的に適し
た可視像はどの様なものであるかということを正
確に判断することができる。

即ち、本発明に係る装置は、診断目的に対応す
る撮影部位と撮影方法とに関する情報に基づいて
決定される読取条件に従つて読み取りを行なうよ
うに構成されているので、診断目的に適した可視
像を得ることのできる状態で画像信号を出力する
ことができ、あるいは診断目的に適した可視像を
得るために行なわれる画像処理を容易に遂行し得
る状態の画像信号を出力することができるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の一実施態様を示す
ブロツク図、第２図は第１図における入力手段を
構成するコンソールのキー配列の一例を示す図、
第３図は読取条件の一例を示す図である。 １……入力手段、２……制御手段、３……読取
手段、４……記録媒体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録媒体に記録された放射線画像情報を読み
   取つて画像信号を出力する読取手段を備えて成る
   放射線画像情報読取装置において、 被写体の撮影部位および撮影方法に関する情報
   を入力する入力手段と、該入力手段によつて入力
   された情報に基づいて上記読み取りの際の読取条
   件を決定し、その決定された読取条件を上記読取
   手段に向けて出力する制御手段とを備えて成るこ
   とを特徴とする放射線画像情報読取装置。