JP2896804B2 - 放射線画像撮影読取再生方法における条件決定方法 - Google Patents

放射線画像撮影読取再生方法における条件決定方法

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JP2896804B2 JP2161594A JP16159490A JP2896804B2 JP 2896804 B2 JP2896804 B2 JP 2896804B2 JP 2161594 A JP2161594 A JP 2161594A JP 16159490 A JP16159490 A JP 16159490A JP 2896804 B2 JP2896804 B2 JP 2896804B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蓄積性蛍光体シート、X線フイルム等の記
憶シートに放射線画像を撮影記録し、該記録シートから
放射線画像を読み取って画像信号を得、該画像信号に基
づいて再生画像を得る放射線画像撮影読取再生方法に関
するものである。
(従来の技術) 記録シートに放射線画像を蓄積記録し、該記録された
放射線画像を読み取って画像信号を得、この画像信号に
適切な画像処理を施した後、画像を再生記録することは
種々の分野で行なわれている。たとえば、後の画像処理
に適合するように設計されたガンマ値の低いX線フイル
ムを用いてX線画像を記録し、このX線画像が記録され
たフイルムからX線画像を読み取って電気信号に変換
し、この電気信号(画像信号)に画像処理を施した後コ
ピー写真等に可視像として再生することにより、コント
ラスト,シャープネス,粒状性等の画質性能の良好な再
生画像を得ることが行なわれている(特公昭61−5193号
公報参照)。
また本願出願人により、放射線(X線,α線,β線,
γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの放射線エネ
ルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照
射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す
蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被
写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体に
記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起
光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光
光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に
基づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材
料、CRT等に可視像として出力させる放射線画像記録再
生システムがすでに提案されている(特開昭55−12429
号,同56−11395号,同55−163472号,同56−104645
号,同55−116340号等)。
このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真
システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって
画像を記録しうるという実用的な利点を有している。す
なわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量に対し
て蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光の光量が極
めて広い範囲にわたって比例することが認められてお
り、従って種々の撮影条件により放射線露光量がかなり
大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射される
輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定して光
量変換手段により読み取って電気信号に変換し、この電
気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表
示装置に放射線画像を可視像として出力させることによ
って、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像を
得ることができる。
上記システムにおいて、最終的に得られる再生画像が
最良の画像となるように、放射線画像が蓄積記録された
蓄積性蛍光体シートにまず低レベルの光ビームを照射し
て輝尽発光光の一部を放出させる先読みを行なって先読
画像信号を得、該先読画像信号に基づいて、このシート
に照射された放射線の強度、ダイナミックレンジ等を知
り、その後上記シートに上記先読みに用いた光ビームよ
り高レベルの光ビームを照射して蓄積記録されている放
射線画像を読み取って画像信号を得る本読みの際の読取
条件、もしくは本読み読取後において画像信号に画像処
理を施す際の画像処理条件を自動的に決定するように構
成されたシステムがある(たとえば、特開昭58−6724
2)。
ここで、読取条件,画像処理条件とは、再生画像の感
度および階調に影響を及ぼす、それぞれ読取り,画像処
理の際の各種の条件を総称するものであり、たとえば読
取りにおけるゲイン,スケールファクタ,光ビームのパ
ワー等の画像処理における画像信号のスケール変換等を
意味するものである。
また、光ビームの高レベル/低レベルとは、それぞ
れ、上記シートの単位面積当りに照射される光ビームの
エネルギーの大/小、もしくは上記シートから発せられ
る輝尽発光光のエネルギーが上記光ビームの波長に依存
する(波長感度分布を有する)場合は、上記シートの単
位面積当りに照射される光ビームのエネルギーを上記波
長感度で重みづけした後の重みづけエネルギーの大/小
をいい、光ビームのレベルを変える方法としては、異な
る波長の光ビームを用いる方法、レーザ光源等から発せ
られる光ビームの強度そのものを変える方法、光ビーム
の光路上にNDフィルター等を挿入,除去することにより
光ビームの強度を変える方法、光ビームのビーム径を変
えて走査密度を変える方法、走査速度を変える方法等、
公知の種々の方法を用いることができる。
また、この先読みを行なわずに、得られた画像信号を
分析し、画像信号に画像処理を施す際の最適な画像処理
条件を決定するようにしたシステムもある。この画像信
号に基づいて最適な画像処理条件を決定する方法は、蓄
積性蛍光体シートを用いるシステムに限られず、たとえ
ば従来のX線フイルム等の記録シートに記録された放射
線画像から画像信号を得るシステムにも適用されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記の各システムにおいては、個々の再生画像が最良
となるように読取条件または画像処理条件が決定されて
いるため、個々の再生画像のみを観察するには最適では
あるが、たとえば同一被写体の過去に撮影し保存してお
いた画像と、現在の状態を撮影した画像とを比較し、両
画像の濃度変化等を調べる場合に、画像の読取りおよび
画像処理の条件が異なると、濃度変化の程度を正確に把
握することが難かしくなることがあるという問題点を生
ずる。
この問題点の具体的な例について、第3A図〜第3B図、
第4A図〜第4B図を参照して説明する。
第3A図は、写真フイルム5に再生表示された人体の一
部(胸部正面)の放射線画像6を示した図である。この
放射線画像6の正常な部分6bはほぼ同一の濃度を示して
いるが病気の部分6aだけ他の部分とは濃度が薄くなって
いる。
第3B図は、第3A図に示す被写体について、経時的に複
数枚の放射線画像を撮影、再生記録したときの病気の部
分6aの濃度異常の程度を示したグラフである。経時的に
上記病気は治癒の方向に向かっている。グラフAは、病
気の部分6aの濃度が、病気の治癒の進度から本来このよ
うに再生されるべき理想の線を示している。ところが、
一枚ずつの再生画像がそれぞれ最適となるように上記読
取りおよび画像処理を行なうと、病気の部分6aの濃度変
化やその他の外乱的な要因により、最終的に再生された
画像における病気の部分6aの濃度異常がグラフBのよう
になることがある。この場合に病変の程度は病気の部分
6aの濃度と正常な部分6bの濃度の差により判断される。
すなわち、時刻T1において撮影した画像からは、グラフ
Aのように本来濃度差ΔD1(濃度差第:かなり異常)と
判断すべきところを、グラフBのように濃度差ΔD1
(濃度差小:かなり治癒された)と判断する恐れがあ
る。また時刻T2において撮影した画像からは、本来濃度
差ΔD2(ΔD2<ΔD1)と判断すべきところを、濃度差Δ
D2′(ΔD2′<ΔD1′)と判断することとなり、時刻T2
においては、時刻T1′と比べ病気が治癒の方向に向かっ
ている(ΔD2<ΔD1)にもかかわらず、病気が進行して
いる(ΔD2′<ΔD1′)かのような誤った診断がなされ
る恐れがある。
第4A図は、写真フイルム5′に再生表示された、第3A
図とは異なる人体の一部(腰椎側面)の放射線画像6′
を示した図である。画像6′に表わされた骨の部分6a′
の濃度が高くなってあらわれる病気の診断を行なう場合
において、骨の部分6a′と骨以外の部分6b′とは、第3A
図の場合と異なり、互いに異なる器官であるため、この
2つの部分の濃度差は診断の根拠とならず、骨の部分6
a′の濃度自身で診断しなければならない。
ところがこのような再生画像を得る場合、通常、骨の
部分6a′の濃度が一定となるように画像を再生するよう
に条件が設定される。
第4B図は、第4A図に示す被写体について、経時的に複
数枚の放射線画像を撮影、再生記録したときの、骨の部
分6a′の濃度異常の程度を示したグラフである。第3図
の場合と同様に経時的に病気は治癒の方向に向かってい
る。グラフA′は、骨の部分6a′の濃度が、病気の治癒
の進度から本来このように再生されるべき理想の線を示
している。ところが上述したように、一枚ずつの再生画
像の骨の部分6a′が同一の濃度となるように前記読取り
および画像処理を行なうと、骨の部分6a′の濃度はグラ
フB′のように外乱的な要因を除き、正常な場合と略同
一の濃度となるように再生され、この場合、骨の部分6
a′の濃度異常を判断することが不可能となる恐れがあ
る。
上記のような問題を解決する手段のひとつとして、放
射線撮影時に放射線の透過率が段階的に異なる段階ウェ
ッジの像を被写体像とともに記録しておき、比較観察し
ようとしている画像の段階ウェッジの各ステップの濃度
が過去の画像と同一となるように読取条件等を定める方
法が提案されている(特開平2−14378号公報参照)。
しかしこの方法では被写体とともに常に同一の段階ウェ
ッジを撮影記録する必要があるため、段階ウェッジの管
理や撮影の作業性が問題であり、またこれを読み取って
得た画像信号(先読みにより得られた先読画像信号を含
む)に基づいて読取条件等を求める際に段階ウェッジの
像を抽出し、この各ステップの画像信号の値に基づいて
読取条件等を求める必要があるため読取条件等を定める
処理が複雑となるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑み、基準となる段階ウェッジ
等を用いることなく、過去の再生画像と比較観察のでき
る再生画像を得るように各条件を決定する、放射線画像
撮影読取再生方法における条件決定方法を提供すること
を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のひとつは、前述した蓄積性螢光体シートを用
い、いわゆる先読みを行なうシステムに適用されるもの
である。すなわち本発明の第一の条件決定方法は、 被写体に放射線を照射し該被写体を透過した放射線を
蓄積性蛍光体シートに照射することにより該被写体の放
射線画像を蓄積性蛍光体シートに記録する放射線撮影を
実行し、 前記蓄積性蛍光体シートに励起光を照射し該蓄積性蛍
光体シートから発せられた輝尽発光光を読み取る先読み
により前記放射線画像を表わす第一の画像信号を得、該
第一の画像信号に基づいて、前記蓄積性蛍光体シートに
再度励起光を照射し該蓄積性蛍光体シートから発せられ
た輝尽発光光を読み取って前記放射線画像を表わす第二
の画像信号を得る本読みの際の読取条件を求め、該読取
条件に従って前記本読みを行なう読取りを実行し、 前記本読みにより得られた前記第二の画像信号に必要
に応じて画像処理を施した後該第二の画像信号に基づく
再生画像を出力する放射線画像撮影読取再生方法におけ
る前記放射線影響の際の影響条件および前記本読みの際
の読取条件を求める条件決定方法において、 過去に行なわれた前記放射線撮影の撮影条件、該放射
線撮影における被写体を互いに識別する情報、および過
去に行なわれた前記読取りにおける前記本読みの読取条
件を互いに対応づけて記憶手段に蓄積しておき、 所望とする被写体の前記放射線撮影および前記読取り
を実行するにあたり、過去に前記所望とする被写体と同
一の被写体について前記放射線撮影および前記読取りが
実行されたか否かを検索し、 過去に前記所望とする被写体と同一被写体について前
記放射線撮影および前記読取りが実行されていた場合
に、前記撮影条件を前記同一の被写体の前記放射線撮影
の際の撮影条件に調整するとともに、前記読取条件を、
前記第一の画像信号に基づいて求めることに代え、前記
同一の被写体の放射線画像の前記本読みの際の読取条件
に調整して、前記所望とする被写体の前記放射線撮影お
よび前記読取りを実行することを特徴とするものであ
る。
また、本発明の他のひとつは放射線画像が撮影記録さ
れる記録シートならばよく蓄積性蛍光体シートに限定さ
れるものではない。すなわち本発明の第二の条件決定方
法は、 被写体に放射線を照射し該被写体を透過した放射線を
蓄積性蛍光体シートに照射することにより該被写体の放
射線画像を記録シートに記録する放射線撮影を実行し、 前記記録シートに記録された前記放射線画像を光電的
に読み取って前記放射線画像を表わす画像信号を得る読
取りを実行し、 前記読取りにより得られた前記画像信号に基づいて、
該画像信号のうち所望とする画像情報を担持する画像信
号のみを抽出する規格化を行なう際の規格化条件を求め
て該規格化条件に従って前記規格化を実行し、 前記規格化により抽出された前記画像信号に必要に応
じて画像処理を施した後該画像信号に基づく再生画像を
出力する放射線画像撮影読取再生方法における前記放射
線撮影の際の撮影条件および前記規格化の際の規格化条
件を求める条件決定方法において、 過去に行なわれた前記放射線撮影の撮影条件、該放射
線撮影における被写体を互いに識別する情報、および過
去に行なわれた前記規格化の規格化条件を互いに対応づ
けて記憶手段に蓄積しておき、 所望とする被写体の前記放射線撮影、前記読取り、お
よび前記規格化を実行するにあたり、過去に前記所望と
する被写体と同一の被写体について前記放射線撮影、前
記読取り、および前記規格化が実行されたか否かを検索
し、 過去に前記所望とする被写体と同一被写体について前
記放射線撮影、前記読取り、および前記規格化が実行さ
れていた場合に、前記撮影条件を前記同一の被写体の前
記放射線撮影の際の撮影条件に調整するとともに、前記
規格化条件を、前記画像信号に基づいて求めることに代
え、前記同一の被写体の画像信号の前記規格化の際の規
格化条件に調整して、前記所望とする被写体の前記放射
線撮影、前記読取り、および前記規格化を実行すること
を特徴とするものである。
ここで、上記第一および第二の条件決定方法における
記録手段は、多数の被写体の情報を集中的に記録するも
のであってもよく、互いに別体の多数の記憶媒体から構
成されていてもよい。互いに別体の多数の記録媒体から
構成した場合は、被写体を識別する情報のうち被写体名
毎に記憶媒体を用意することが好ましい。
(作 用) 本発明は、先読みを行なうシステムにおいては撮影条
件と本読みの際の読取条件とを同一の被写体について過
去に得られた放射線画像のそれらと合わせるようにした
ため、また先読みの行なわないシステムにおいては撮影
条件と規格化条件とを過去に得られた同一の被写体の放
射線画像のそれらと合わせるようにしたため、階段ウェ
ッジ等を用いることなく比較観察に適した再生画像を得
ることができる。
ここで過去の画像に関する情報を被写体名毎に互いに
別体に構成された多数の記憶媒体に該被写体名に対応す
る情報を記録するようにすると、ハードディスク装置等
を用いて集中的に記録しておく場合と比べ、大容量の記
憶装置を必要としない、オンラインでの情報のやりとり
が少ない等により装置を簡単な構成とすることができる
というメリットがあり、一方、多数の被写体に関する情
報を集中的に記憶しておくようにすると、多数の記憶媒
体のうちの一つもしくはいくつかを紛失してしまうこと
等が防止される等のメリットがあり、いずれを採用する
こともできる。
(実 施 例) 以下本発明の実施例についてい説明する。
第1図は本発明の条件決定方法を用いたシステムの一
例の全体概略斜視図である。尚ここでは蓄積性蛍光体シ
ートを用い、先読みを行なうシステムについて説明す
る。
先ずカード記録読取装置50にメモリカード51が挿入さ
れ、コンピュータシステム40のキーボード43を操作する
ことによりこのメモリカード51に記録された内容が読み
取られ、またこのメモリカード51に新たな情報が記録さ
れる。このメモリカードは患者別(被写体名別)に用意
されており、初診の場合は新たなメモリカード51が挿入
され、このメモリカード51に何も記録されていないこと
から初診であることが認識される。キーボード43から被
写体に関する情報、例えば被写体名,性別,病名,撮影
部位等が入力され、初診の場合はこれらの入力された情
報がメモリカード記録されるとともにこの情報からX線
撮影装置1でX線撮影を行なう際の撮影条件、例えばX
線管2の管電圧(線質を決定する)や照射時間(線量を
決定する)等が定められる。また再診の場合は既に作成
されている患者用のメモリカード51がカード記録読取装
置50に挿入され、これにより前回既に撮影が行なわれた
ことが認識され、前回と同一の撮影条件が定められる。
尚、再診の場合であっても、前回と異なる病気について
診断を求める場合はキーボード43からその旨入力され、
新たな撮影条件が定められる。
以上の準備が終了した後、次にX線撮影装置1により
被写体のX線撮影が行なわれる。このX線撮影装置1の
X線管2からX線3が人体4の胸部4aに向けて照射さ
れ、人体4を透過したX線3aが蓄積性蛍光体シート11に
照射されることにより、人体の胸部4aの透過X線画像が
蓄積性蛍光体シート11に蓄積記録される。
X線画像が記録された蓄積性蛍光体シート11は、まず
弱い光ビームで走査してこの蓄積性蛍光体シート11に蓄
積された放射線エネルギーの一部のみを放出させて先読
みを行なう先読手段100の所定位置にセットされる。こ
の所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シート11は、モ
ータ12により駆動されるエンドレスベルト等のシート搬
送手段13により、矢印Y方向に搬送(副走査)される。
一方、レーザー光源14から発せられた弱い光ビーム15は
モータ23により駆動され矢印方向に高速回転する回転多
面鏡16によって反射偏向され、fθレンズ等の集束レン
ズ17を通過した後、ミラー18により光路を変えて前記蓄
積性蛍光体シート11に入射し副走査の方向(矢印Y方
向)と略垂直な矢印X方向に主走査する。蓄積性蛍光体
シート11の、この光ビーム15が照射された箇所からは、
蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量の輝尽
発光光19が発散され、この輝尽発光光19は光ガイド20に
よって導かれ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)
21によって光電的に検出される。上記光ガイド20はアク
リル板等の導光性材料を成形して作られたものであり、
直線状をなす入射端面20aが蓄積性蛍光体シート11上の
主走査線に沿って延びるように配され、円環状に形成さ
れた射出端面20bに上記フォトマルチプライヤ21の受光
面が結合されている。上記入射端面20aから光ガイド20
内に入射した輝尽発光光19は、該光ガイド20の内部を全
反射を繰り返して進み、射出端面20bから射出してフォ
トマルチプライヤ21に受光され、放射線画像を表わす輝
尽発光光19の光量がフォトマルチプライヤ21によって電
気信号に変換される。
フォトマルチプライヤ21から出力されたアナログ出力
信号Sは対数増幅器26で対数的に増幅され、A/D変換器2
7でディジタル化され、先読画像信号SPが得られる。こ
の先読画像信号SPの信号レベルは、蓄積性蛍光体シート
11の各画素から発せられた輝尽発光光19の光量の対数と
比例している。
上記先読みにおいては、蓄積性蛍光体シート11に蓄積
された放射線エネルギーの広い領域にわたって読み取る
ことができるように、読取条件即ちフォトマルチプライ
ヤ21に印加する電圧値や対数増幅器26の増幅率等が定め
られている。
得られた先読画像信号SPは、コンピュータシステム40
に入力される。このコンピュータシステム40は、CPUお
よび内部メモリが内蔵された本体部41,補助メモリとし
てのフロッピィディスクが挿入されドライブされるドラ
イブ部42,オペレータがこのコンピュータシステム40に
必要な指示等を入力するためのキーボード43および必要
な情報を表示するためのCRTディスプレイ44から構成さ
れている。
カード読取記録装置50からコンピュータシステム40に
入力された情報に基づいて、この被写体(患者)が初診
であることが認識されていた場合、本読みの際の読取条
件、即ち本読みの際の感度およびコントラストが求めら
れ、この感度,ラチュードに従ってたとえばフォトマル
チプライヤ21′に印加する電圧値や対数増幅器26′の増
幅率等が制御される。
ここでコントラストとは、本読みの際に画像信号に変
換される最も微弱な輝尽発光光に対する最も強大な輝尽
発光光の光量比に対応するものであり、感度とは所定の
光量の輝尽発光光をどのレベルの画像信号とするかを定
める光で変換率をいう。
第2図は先読画像信号SPのヒストグラムの一例を表わ
した図である。横軸は先読画像信号SPの各値、縦軸(上
方)は各値の先読画像信号の出現頻度を表わしている。
また縦軸(下方)は本読みにより得られる画像信号SQ
表わしている。この図を用いて本読みの際の読取条件の
求め方の一例について説明する。
ヒストグラム70は被写体像を表わす先読画像信号から
形成された山70aとX線が被写体を透過することなく、
蓄積性蛍光体シートに直接照射されることにより形成さ
れた直接X線部に対応する山70bとから形成されてい
る。ここで本読みにおいて必要となるのは被写体像に対
応する画像信号のみである。そこで、しきい値Tで先読
画像信号SPの値の小さい方(左方)から大きい方(右
方)に向かってサーチし、ヒストグラム70と最初に交叉
した点aと次に交叉した点bとに対応する先読画像信号
SP1,SP2が求められ、これらの先読画像信号SP1,SP2が本
読みの際のそれぞれ最小の画像信号SQ1,最大の画像信号
SQ2に対応するように、即ち直線Gに沿うように本読み
の際の読取条件が求められる。このようにして求められ
た本読みの際の読取条件は、カード読取記録装置50によ
りメモリカード51に記録される。
また、被写体(患者)が初診でない場合は、上記のよ
うにして先読画像信号Spに基づいて本読みの読取条件を
求めることに代え、メモリカード51から前回の撮影読取
りの際に用いられた本読みの読取条件が読み出される。
このようにして本読みの際の読取条件が求められ、も
しくはメモリカード51から読み出されると、先読みの終
了した蓄積性蛍光体シート11′が本読手段100′の所定
位置にセットされ、上記先読みに使用した光ビームより
強い光ビーム15′によりシート11′が走査され、上記の
ようにして求められた読取条件により画像信号SQが得ら
れるが、本読手段100′の構成は上記先読手段100の構成
と略同一であるため、先読手段100の各構成要素と対応
する構成要素には先読手段100で用いた番号にダッシュ
を付して示し、説明は省略する。
A/D変換器27′でディジタル化されることにより得ら
れた画像信号SQは、再度コンピュータシステム40に入力
される。コンピュータシステム40内では画像信号SQに適
切な画像処理が施され、この画像処理の施された画像信
号はレーザプリンタ90に送られ、レーザプリンタ90にお
いてこの画像信号に基づくX線画像がフイルム91上に再
生記録される。
上記実施例においては患者毎にその患者に関する情報
を記録しておくメモリカード51を用意し、再診の場合は
前回撮影,読取り,再生記録したときと同一の撮影条件
で撮影し、かつ同一の読取条件で読取るようにしたた
め、前回得られた再生画像と比較観察するに適した再生
画像を得ることができる。尚初診の場合はそのX線画像
自身で最良の再生画像となるように撮影条件,読取条件
が設定される。
尚、上記実施例では患者毎にメモリカード51を用意し
たため、大容量の記憶装置が不要となり、またオンライ
ンでの情報のやりとりが少なくなること等によりシステ
ムの簡単化を図ることができるが、一方メモリカード51
が紛失してしまう危険性があるため、ハードディスク等
の大容量の記憶装置52を備えて多数の患者の情報を集中
的に管理するようにしてもよい。
また、上記実施例では、先読手段100と本読手段100′
とが別々に構成されているが、前述したように先読手段
100と本読手段100′の構成は略同一であるため、先読手
段100と本読手段100′とを一体にして兼用してもよい。
この場合、先読みを行なった後、蓄積性蛍光体シート11
を一回バックさせ、再度走査して本読みを行なうように
すればよい。
先読手段と本読手段とを兼用した場合、先読みの場合
と本読みの場合とで光ビームの強度を切替える必要があ
るが、この切替えの方法としては、前述したように、レ
ーザー光源からの光強度そのものを切替える方法等、種
々の方法を使用することができる。
また、上記実施例では、本読みの際の読取条件を調整
するシステムについて説明したが、本読みの際は、先読
画像信号SPにかかわらず、また前回の撮影に拘らず所定
の読取条件で読取ることとし、初診の場合はコンピュー
タシステム40で先読画像信号SPに基づいて、画像信号SQ
から所望とする被写体像に対応する信号のみを抽出して
該抽出した信号をレーザプリンタ90に送るに適合した信
号となるように規格化する際の規格化条件を求め、また
再診の場合はこの画像処理条件をメモリカード51から読
み出すようにしてもよく、また、上記読取条件と規格化
条件の双方を管理するようにしてもよい。
さらに、上記実施例は、先読みを行なうシステムにつ
いて説明したが、本発明は先読みを行なわずにいきなり
上記本読みに相当する読取りを行なうシステムにも適用
することができる。この場合、読取りの際は所定の読取
条件で読み取られて画像信号が得られ、この画像信号に
基づいて、コンピュータシステム40内で規格化条件が求
められ、またメモリカード51にはこの規格化条件の記録
・読出しが行なわれ、この規格化条件に従って画像信号
の規格化が行なわれる。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明は、撮影条件と読
取条件等の両者について前回再生画像を得た場合と同一
の条件を用いるようにしたため、階段ウェッジ等を用い
ることなしに前回得られた再生画像と比較観察に適した
再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の条件決定方法を用いたシステムの一
例の全体概略斜視図、 第2図は、先読画像信号のヒストグラムの一例を表した
図、 第3A図は、再生表示された人体の放射線画像を示した
図、 第3B図は、第3A図に示す被写体についてい経時的に複数
枚の放射線画像を撮影、再生記録したときの画像の一部
分の濃度を示したグラフ、 第4A図は、第3A図と同様に再生表示された人体の放射線
画像を示した図、 第4B図は、第3B図と同様に第4A図に示す被写体について
経時的に複数枚の放射線画像を撮影、再生記録したとき
の画像の一部分の濃度を示すグラフである。 1……X線撮影装置、2……X線管 11,11′……蓄積性蛍光体シート 19,19′……輝尽発光光 21,21′……フォトマルチプライヤ 26,26′……対数増幅器 27,27′……A/D変換器 40……コンピュータシステム 50……カード記録読取装置 51……メモリカード、52……磁気ディスク 90……レーザプリンタ、100……先読手段 100′……本読手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 弘 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 菱沼 和弘 東京都港区西麻布2丁目26番30号 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 原 昌司 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−14378(JP,A) 特開 昭58−72040(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体に放射線を照射し該被写体を透過し
    た放射線を蓄積性蛍光体シートに照射することにより該
    被写体の放射線画像を蓄積性蛍光体シートに記録する放
    射線撮影を実行し、 前記蓄積性蛍光体シートに励起光を照射し該蓄積性蛍光
    体シートから発せられた輝尽発光光を読み取る先読みに
    より前記放射線画像を表わす第一の画像信号を得、該第
    一の画像信号に基づいて、前記蓄積性蛍光体シートに再
    度励起光を照射し該蓄積性蛍光体シートから発せられた
    輝尽発光光を読み取って前記放射線画像を表わす第二の
    画像信号を得る本読みの際の読取条件を求め、該読取条
    件に従って前記本読みを行なう読取りを実行し、 前記本読みにより得られた前記第二の画像信号に必要に
    応じて画像処理を施した後該第二の画像信号に基づく再
    生画像を出力する放射線画像撮影読取再生方法における
    前記放射線影響の際の影響条件および前記本読みの際の
    読取条件を求める条件決定方法において、 過去に行なわれた前記放射線撮影の撮影条件、該放射線
    撮影における被写体を互いに識別する情報、および過去
    に行なわれた前記読取りにおける前記本読みの読取条件
    を互いに対応づけて記憶手段に蓄積しておき、 所望とする被写体の前記放射線撮影および前記読取りを
    実行するにあたり、過去に前記所望とする被写体と同一
    の被写体について前記放射線撮影および前記読取りが実
    行されたか否かを検索し、 過去に前記所望とする被写体と同一被写体について前記
    放射線撮影および前記読取りが実行されていた場合に、
    前記撮影条件を前記同一の被写体の前記放射線撮影の際
    の撮影条件に調整するとともに、前記読取条件を、前記
    第一の画像信号に基づいて求めることに代え、前記同一
    の被写体の放射線画像の前記本読みの際の読取条件に調
    整して、前記所望とする被写体の前記放射線撮影および
    前記読取りを実行することを特徴とする放射線画像撮影
    読取再生方法における条件決定方法。
  2. 【請求項2】被写体に放射線を照射し該被写体を透過し
    た放射線を記録シートに照射することにより該被写体の
    放射線画像を記録シートに記録する放射線撮影を実行
    し、 前記記録シートに記録された前記放射線画像を光電的に
    読み取って前記放射線画像を表わす画像信号を得る読取
    りを実行し、 前記読取りにより得られた前記画像信号に基づいて、該
    画像信号のうち所望とする画像情報を担持する画像信号
    のみを抽出する規格化を行なう際の規格化条件を求めて
    該規格化条件に従って前記規格化を実行し、 前記規格化により抽出された前記画像信号に必要に応じ
    て画像処理を施した後該画像信号に基づく再生画像を出
    力する放射線画像撮影読取再生方法における前記放射線
    撮影の際の撮影条件および前記規格化の際の規格化条件
    を求める条件決定方法において、 過去に行なわれた前記放射線撮影の撮影条件、該放射線
    撮影における被写体を互いに識別する情報、および過去
    に行なわれた前記規格化の規格化条件を互いに対応づけ
    て記憶手段に蓄積しておき、 所望とする被写体の前記放射線撮影、前記読取り、およ
    び前記規格化を実行するにあたり、過去に前記所望とす
    る被写体と同一の被写体について前記放射線撮影、前記
    読取り、および前記規格化が実行されたか否かを検索
    し、 過去に前記所望とする被写体と同一被写体について前記
    放射線撮影、前記読取り、および前記規格化が実行され
    ていた場合に、前記撮影条件を前記同一の被写体の前記
    放射線撮影の際の撮影条件に調整するとともに、前記規
    格化条件を、前記画像信号に基づいて求めることに代
    え、前記同一の被写体の画像信号の前記規格化の際の規
    格化条件に調整して、前記所望とする被写体の前記放射
    線撮影、前記読取り、および前記規格化を実行すること
    を特徴とする放射線画像撮影読取再生方法における条件
    決定方法。
  3. 【請求項3】前記記憶手段が、多数の被写体の情報を集
    中的に記録するものであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の放射線画像撮影読取再生方法における条件決
    定方法。
  4. 【請求項4】前記被写体を識別する情報が該被写体の被
    写体名を識別する情報と前記放射線撮影において撮影対
    象とされた被写体部位を識別する情報とからなり、 前記記憶手段が、前記被写体名毎に用意された互いに別
    体の多数の記憶媒体から構成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の放射線画像撮影読取再生方法に
    おける条件決定方法。
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