JP2631663B2 - 所望画像信号範囲決定方法 - Google Patents

所望画像信号範囲決定方法

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JP2631663B2
JP2631663B2 JP62207212A JP20721287A JP2631663B2 JP 2631663 B2 JP2631663 B2 JP 2631663B2 JP 62207212 A JP62207212 A JP 62207212A JP 20721287 A JP20721287 A JP 20721287A JP 2631663 B2 JP2631663 B2 JP 2631663B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蓄積性蛍光体シート等の記録媒体に記録
(撮影)された多値画像を担持する全ての多値信号のう
ち上記画像中の診断等に必要な所望画像部分を担持する
多値画像信号の範囲である所望画像信号範囲を決定する
方法に関する。
(従来の技術) ある種の蛍光体に放射線(X線、α線、β線、γ線、
電子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギ
ーの一部が蛍光体中に蓄積され、この蛍光体に可視光等
の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギーに応じて
蛍光体が輝尽発光を示すことが知られており、このよう
な性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)と
呼ばれる。
この蓄積性蛍光体を利用して、人体等の被写体の放射
線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体に記録し、そ
の後、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で
走査して輝尽発光光を生ぜしめ、この輝尽発光光を光電
的に読み取って多値画像信号を得、この多値画像信号に
画像処理を施し、この画像処理が施された画像信号に基
づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材料、
CRT等の表示装置に可視像として出力させる放射線画像
情報記録再生システムが本出願人によりすでに提案され
ている。(特開昭55−12429号、同56−11395号など)。
上記の如き撮影画像においては、一般にその画像全体
の情報が必ずしも必要なものではなく、その中の一部分
の情報のみが必要である場合が多い。
例えば、人体の頚部を撮影した画像は概略第3図に示
すようなものとなり、この様な頚部撮影画像において
は、通常診断に必要な情報は頚椎部Aおよびその周囲の
軟部の画像情報のみであり、他の部分即ち放射線が直接
蓄積性蛍光体シートに入射した素抜け部B(画像信号レ
ベルが一番高い部分)、顎部Cおよび肩部Dの画像情報
は特に必要としない。この様な場合には、可視出力画像
においては予め定められた診断に適した適正濃度範囲が
存在し、画像全体をその範囲内に再生するのではなくな
るべく診断に必要な所望画像部分である頚椎部Aおよび
軟部のみをその範囲内に再生し、コントラクト分解能等
の観察読影適性の向上を図ることが望ましい。
その様な要望に答えるため、従来例えば特開昭60−15
6055号公報に記載の方法が本出願人によって提案されて
いる。この方法は、同じく本出願人によって提案された
特開昭58−67240号公報等に開示されている「先読
み」、即ち放射線画像情報が蓄積記録されている蓄積性
蛍光体シートを励起光により走査し、この走査により前
記シートから発せられた輝尽発光光を光電読取手段によ
り読み取って診断用可視像を再生するための電気的画像
信号を得る「本読み」に先立って、予めこの本読みに用
いられる励起光よりも低レベルの励起光により前記シー
トを走査してこのシートに蓄積記録された画像情報の概
略を読み取る「先読み」を行い、この先読みにより得ら
れた画像信号(画像信号レベル)のヒストグラムを求め
ると共にこのヒストグラムからこのヒストグラムにおけ
る所望画像信号範囲の最大画像信号レベルSmaxおよび
最小画像信号レベルSminを求め、このSmaxおよびSmi
nがそれぞれ、可視出力画像における適正濃度範囲の最
大濃度Dmaxおよび最小濃度Dminによって決定される画
像処理手段における所望入力信号範囲の最大信号レベル
Qmaxおよび最小信号レベルQminに対応する様に本読み
の読取条件を決定し、この様にして決定された読取条件
に従って本読みを行なうものである。
また、上記要望に答えるための他の方法として、例え
ば上記先読みにより得られた画像信号のヒストグラムを
求めると共にこのヒストグラムにおける所望画像信号範
囲の最大画像信号レベルSmaxおよび最小画像信号レベ
ルSminを求め、このSmaxおよびSminがそれぞれ、可
視出力画像における適正濃度範囲の最大濃度Dmaxおよ
び最小濃度Dminによって決定される画像再生手段(可
視像出力手段)における所望入力信号範囲の最大信号レ
ベルRmaxおよび最小信号レベルRminに対応するように
階調処理条件を決定し、この様にして決定された階調処
理条件に従って階調処理を施す方法が考えられる。
なお、この方法においては上記先読みにより得られた
画像信号の代りに本読みにより得られた画像信号を使用
することも可能であり、その場合においても、例えば前
記の場合と同様に本読みにより得られた画像信号のヒス
トグラムを作成し、このヒストグラムから前記Smaxお
よびSminを求め、このSmaxおよびSminがそれぞれ前
記RmaxおよびRminに対応するように階調処理条件を決
定すれば良い。
なお、上記において読取条件とは読取手段における入
力と出力との関係、例えば上記においては光電読取手段
における入力(輝尽発光光量)と出力(電気的画像信号
レベル)との関係に影響を及ぼす各種の条件を総称する
ものであり、例えば入出力の関係を定める読取ゲイン
(感度)、スケールファクタ(ラチチュード)あるい
は、読取りにおける励起光のパワー等を意味するもので
ある。
また、上記において画像処理条件とは、画像処理手段
における入力と出力との関係に影響を及ぼす各種の条件
を総称するものであり、例えば階調処理条件や空間周波
数処理条件等を意味する。
さらに、上記において先読みに用いられる励起光が本
読みに用いられる励起光よりも低レベルであるとは、先
読みの際に蓄積性蛍光体シートが単位面積当りに受ける
励起光の有効エネルギーが本読みの際のそれよりも小さ
いことを意味する。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の各方法を実施するにあたっては、まず上記所望
画像信号範囲つまり上記SmaxおよびSminを適正に決定
する必要がある。しかしながら、例えば上記頚部の画像
の場合は所望画像部分である頚椎部Aおよび軟部の画像
信号レベルよりも顎部Cや肩部Dのそれの方が低くな
り、この様な場合には上記特開昭60−156055号公報に開
示されている様な全画像信号のヒストグラムから撮影部
位や撮影方法等を参照しつつ適当に定められた頻度しき
い値を用いてSmax、Sminを決定する方法では十分に適
正なSmax、Sminを決定することはできない。
即ち、上記頚部画像の全面像信号ヒストグラムは第1
図に示す様な形になり、もし例えば所望画像部分が顎及
び肩部I、頚椎部IIおよび皮膚等の軟部IIIから成りヒ
ストグラムの形態上明らかに区別し得る素抜け部IVを除
きヒストグラムのほぼ全域に亘る場合、つまり所望画像
部分よりも低レベル側に非所望画像部分が存在しない場
合には、このヒストグラムからその形に基づいて適当に
設定された頻度しきい値を用いてその所望画像部分を担
持する所望画像信号範囲Smax、Sminをほぼ適正に決定
することができるが、この場合の様に所望画像部分が頚
椎部IIおよび軟部IIIのみであってその所望画像部分よ
りも低レベル側に非所望画像部分である顎及び肩部Iが
存在する場合には、上記の単に所定の頻度しきい値を用
いて画像全体のヒストグラムから決定する方法ではその
所望画像部分を担持する所望画像信号範囲Smax、Smin
を適正に決定することは困難である。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、画像中に所望画像
部分よりも画像信号レベルの低い非所望画像部分が存在
している場合においてもその所望画像部分を担持する所
望画像信号範囲を適正に決定することのできる所望画像
信号範囲決定方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明に係る所望画像信号範囲決定方法は、被写体部
と該被写体部によって分離された2つの素抜け部とを有
し、上記被写体部には所望画像部分と該所望画像部分よ
りも画像信号レベルが低い非所望画像部分とが存在し、
かつ上記所望画像部分は上記2つの素抜け部に接してそ
れらを連結し得る位置にある多値画像における上述の如
き所望画像信号範囲を決定する方法であって、 まず上記画像を担持する多値画像信号を所定のしきい
値を用いて被写体部対応信号と素抜け部対応信号とに2
値化することにより該被写体部対応信号によって担持さ
れる1つの被写体部対応部分と該素抜け部対応信号によ
って担持される上記被写体部対応部分によって分離され
た2つの素抜部対応部分とから成る2値画像を形成し、
次いで上記2値画像における2つの素抜け部対応部分が
連結されるまで上記しきい値を順次下げながら上記2値
画像の形成を繰り返し、上記2つの素抜け部対応部分が
連結されたらその連結された時点における素抜け部対応
部分内の画素の多値画像信号に基づいて所望画像信号範
囲を決定することを特徴とする。
上記素抜け部対応部分内の画素の画像信号に基づく所
望画像信号範囲の決定は、素抜け部対応部分内の画素の
画像信号のヒストグラムを求め、このヒストグラムから
所定の頻度しきい値を用いて所望画像信号範囲の最大お
よび最小画像信号レベルを決定する方法、および素抜け
部対応部分内の画素の画像信号の最大レベルと最小レベ
ルとを求め、この最大レベルと最小レベルに基づいて所
望画像信号範囲の最大および最小画像信号レベルを決定
する方法により行うことができる。
上記所望画像信号範囲を決定するとは、必ずしも該範
囲の最大画像信号レベルSmaxと最小画像信号レベルSm
inの双方を決定する場合に限らず、いずれか一方のみを
決定する場合も含むものである。例えば上記Sminを本
発明に係る方法によって決定し上記Smaxは他の方法に
よって決定しても良い。
上記被写体部対応信号とは2値化前の画像信号レベル
が上記所定のしきい値以下もしくはそれより低いレベル
の画像信号を意味し、上記素抜け部対応信号とは2値化
前の画像信号レベルが上記所定のしきい値よりも大きい
もしくはそれ以上のレベルの画像信号を意味する。両信
号を集めると常に上記画像を担持する全画像信号とな
る。被写体部を担持する画像信号は低レベル側に、素抜
け部を担持する画像信号は高レベル側に位置するので、
画像信号を所定のしきい値で2分した場合の低レベル側
の信号を被写体部対応信号と、高レベル側の信号を素抜
け部対応信号と称するものである。
(作用) 前述の頚部画像の場合のように中央部分に被写体部が
存在し該被写体部の左右に該被写体部によって分離され
た素抜け部が存在する画像の場合、該画像を担持する画
像信号を所定のしきい値によって2値化することにより
被写体対応部分とその左右に分離された2つの素抜け部
対応部分とから成る2値画像を形成することができる。
この2値画像の形成は、素抜け部は放射線が直接入射
する部分であってその画像信号レベルは全画像中最も高
くなるという前提に基づけば例えば全画像信号の最大画
像信号レベルから一定値を差し引いた値を所定のしきい
値とする等によって極めて容易にかつ確実に行なうこと
ができる。
この様な方法でまず最初の2値画像を形成した後、順
次しきい値を下げながら2値画像の形成を繰り返すと、
2値画像中の素抜け部対応部分が徐々に広がり、画像信
号レベルの高い画像部分から順番に徐々に素抜け部対応
部分に取り込まれていく。
そして、頚部画像の様に頚椎部およびその周囲に位置
する軟部から成る所望画像部分が2つに分離された素抜
け部に直接接して両素抜け部を連結し得る位置関係にあ
る場合は、上記しきい値を順次下げてゆくとこの軟部お
よび頚部も徐々に素抜け部対応部分に取り込まれてゆ
き、遂には両素抜け部対応部分は連絡されて1つの素抜
け部対応部分となる。
この時点における素抜け部対応部分は素抜け部の他所
望画像部分である頚部および軟部を含んでいるがその所
望画像部分よりも画像信号レベルの低い非所望画像部分
である顎および肩部は含んでいない。
従って、上記2つの素抜け部対応部分が連結した時点
における素抜け部対応部分の画素の画像信号は、上記非
所望画像部分の画像信号を排除した残りの画像信号とな
る。
(発明の効果) 本発明に係る所望画像信号範囲決定方法は、上述の様
に、画像信号を所定のしきい値を用いて2値化して2値
画像を形成すると共にそのしきい値を順次下げながら当
初分離していた2つの素抜け部対応部分が連結するまで
2値画像の形成を繰り返し、連結した時点における素抜
け部対応部分の画素の画像信号、即ち所望画像部分より
も画像信号レベルの低い非所望画像部分の画像信号を排
除した画像信号に基づいて所望画像信号範囲を決定する
ので、低レベル側に位置する非所望画像部分の画像信号
によって惑わされることなく容易かつ適正に所望画像信
号範囲を決定することができる。
(実 施 例) 以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳
細に説明する。
以下に説明する実施例は前記蓄積性蛍光体シートを用
いて頚部撮影を行なった場合に本発明を適用したもので
ある。また頚部画像中の所望画像部分は頚椎部およびそ
れを取り囲む軟部であり、この所望画像部分を担持する
画像信号レベルの範囲が決定しようとする所望画像信号
範囲である。
まず、撮影済の蓄積性蛍光体シートから前述した先読
みを行なうことにより頚部画像を担持する先読み画像信
号を求める。つまり上記シートを先読み用の励起光によ
り走査し、該シートから発せられる輝尽発光光を光電変
換手段により読み取って該シート上の各走査点(各画
素)毎の輝尽発光光量に対応する電気信号から成る画像
信号を求める。なお、この画像信号から成る頚部画像は
前述した第3図に示す如きものである。
次に、この画像信号を所定のしきい値を用いて被写体
部対応信号と素抜け部対応信号とに2値化することによ
り、該被写体部対応信号によって担持される1つの被写
体部対応部分と該素抜け部対応信号によって担持される
上記被写体部対応部分によって分離された2つの素抜け
部対応部分とから成る2値画像を形成する。
この2値画像を第2図(a)に示す。この図において
非斜線部が(0)値を与えられた被写体部対応部分Gで
あり、斜線部が(1)値を与えられた素抜け部対応部分
Fであり、かつこの素抜け部対応部分Fは被写体部対応
部分Gによって左右に分離されている。
上記所定のしきい値は、要するにそのしきい値によっ
て2値化した場合2値画像が第2図(a)の如く被写体
部対応部分Gと該被写体部対応部分Gによって分離され
た2つの素抜け部対応部分Fとから成るようなものであ
れば良く、例えば第3図に示す頚部画像の画像信号ヒス
トグラム(画像信号レベル範囲S1〜S2)を実線で示す第
1図における軟部IIIと素抜け部IVとの境界近傍の画像
信号レベル値を所定のしきい値(Th)として設定すれば
第2図(a)に示す様な第3図とほぼ一致する2値画像
が得られるが、このしきい値は必ずしもその境界部分の
レベル値である必要はなく、第1図における素抜け部IV
の範囲内のレベル値であれば良いことは勿論、さらには
例えば頚椎部の画像信号レベル範囲の最小値が図示のS
minであったとするとこのSminより大きいレベル値であ
れば良い。
上述の様に、このしきい値は図中のSmin〜S2の範囲
内に入るように設定する必要があるが、その様な設定
は、Smin〜S2の範囲が非常に広く、またその範囲ある
いは素抜け部IVの画像信号レベル範囲の広さは実験的、
経験的にある程度把握できるので、例えば全画像信号レ
ベルの最大値S2を求め、このS2から実験あるいは経験等
に基づいて定められた確実にSmin〜S2の範囲の広さ内
に入り得る一定値、例えば素抜け部IVの画像信号レベル
範囲の広さに略一致する一定値を差し引いた値を所定の
しきい値として設定する等の方法によって容易かつ確実
に行なうことができる。
この様にして最初の2値画像を形成したら、次にしき
い値を順次下げながら同様の2値画像を繰り返し形成す
る。すると、素抜け部対応部分Fは徐々に広くなり、例
えばしきい値を第1図における頚椎部IIと軟部IIIとの
境界付近のレベル値にまで下げると概略軟部までもが素
抜け部対応部分Fに取り込まれ、その2値画像は第2図
(b)の様になる。そして、さらに引き続きしきい値を
下げて行きそのしきい値が頚椎部の画像信号範囲の最小
値にまで達するとその2値画像は第2図(c)の如くな
り、それまで分離していた2つの素抜け部対応部分Fが
該素抜け部対応部分に頚椎部が完全に取り込まれること
によって連結され、1つの素抜け部対応部分Fとなる。
つまり、両素抜け部対応部分Fが連結した時点におい
てはその連結された素抜け部対応部分Fには素抜け部の
外所望画像部分である頚椎部および軟部が完全に取り込
まれていると共に非所望画像部分である顎および肩部は
この素抜け部対応部分Fからほぼ排除された状態となっ
ている。
次に、上記の如く両素抜け部対応部分が連結したらそ
の時点における連結した両素抜け部対応部分中の画素の
画像信号を抽出し、この画像信号のみのヒストグラムを
作成し、このヒストグラムに基づいて所望画像信号範囲
のSmax、Sminを決定する。
このヒストグラムは、第1図中の1点鎖線Hで示す様
な形となり、そのヒストグラムは非所望画像部分である
顎および肩部の画像信号が排除されると共に所望画像部
分にある頚椎部や軟部の画像信号は含まれているもので
ある。従って、このヒストグラムにおける最小画像信号
レベル値はほぼ頚椎部の最小画像信号レベル値と一致
し、よってこのヒストグラムに基づけば所望画像部分で
ある頚椎部および軟部を担持する所望画像信号範囲のう
ち従来の全画像信号ヒストグラムに基づいて決定する方
法では適正に決定することが困難であったSminを適正
に決定することができる。
このSmin、Smaxの決定は上記ヒストグラムHから所
定の頻度しきい値を用いて決定すれば良い。より具体的
には、例えばSminとしては所定の頻度しきい値として1
20(零)を用いることによってヒストグラムHの最小画
像信号レベル値を採用し、Smaxとしてはヒストグラム
において素抜け部が明確な形で表わされるのでこのヒス
トグラムの形に基づいて従来と同様の方法でこの素抜け
部とそれ以外の部分の境界部の画像信号レベル値を求め
て、即ち素抜け部とそれ以外の部分の境界部の頻度しき
い値は大体どの程度になるかは経験的に求めることがで
きるので、その予め経験的に求められた所定の頻度しき
い値を用い、かつヒストグラムの最大画像信号レベル側
には素抜け部領域を示す一つの山が存在するので、ヒス
トグラムを最大画像信号レベル側から走査していって最
初に頻度が上記所定の頻度しきい値となっている画像信
号レベルは無視して次に頻度が上記所定の頻度しきい値
となっている画像信号レベル値を求めてそれを採用すれ
ば良い。
次に、他の実施例として腹部撮影を行なった場合にお
ける本発明の適用例について説明する。
第4図は腹部撮影画像の一例を示す図であり、Aは胸
腰椎部、Bは素抜け部、Cは内臓等の軟部、Dは小骨板
部である。素抜け部Bは被写体部A,C,Dの両側に2つ存
在する。
第6図は第5図に示す画像を担持する全画像信号のヒ
ストグラムを示す図であり、図中Iは上記骨板部、IIは
胸腰椎部、IIIは内臓等の軟部、IVは素抜け部である。
上記各部のうち、第5図に示すヒストグラムにおける
胸腰椎部IIと内臓等の軟部IIIが所望画像部分である
が、それよりも低レベル側に非所望画像部分である骨盤
部Iが存在している。
本実施例の場合も、前記実施例の場合と同様にして腹
部画像を担持する先読み画像信号を求め、該画像信号を
所定のしきい値(Th)を用いて被写体部対応信号と素抜
け部対応信号とに2値化することにより、該被写体部対
応信号によって担持される1つの被写体部対応部分と該
素抜け部対応信号によって担持される上記被写体部対応
部分によって分離された2つの素抜け部対応部分とから
成る2値画像を形成する。
この2値画像を第6図(a)に示す。この図において
非斜線部が(0)値を与えられた被写体部対応部分Gで
あり、斜線部が(1)値を与えられた素抜け部対応部分
Fであり、かつこの素抜け部対応部分Fは被写体部対応
部分Gによって左右に分離されている。
この様にして最初の2値画像を形成したら、次にしき
い値を順次下げながら同様の2値画像を繰り返し形成す
る。すると、素抜け部対応部分Fは徐々に広くなり、例
えばしきい値を第5図における胸腰椎部IIと軟部IIIと
の境界付近のレベル値にまで下げると概略軟部までもが
素抜け部対応部分Fに取り込まれ、その2値画像は第6
図(b)の様になる。そして、さらに引き続きしきい値
を下げて行きそのしきい値が胸腰椎部の画像信号範囲の
最小値にまで達するとその2値画像は第6図(c)の如
くなり、それまで分離していた2つの素抜け部対応部分
Fが該素抜け部対応部分に胸腰椎部が完全に取り込まれ
ることによって連結され、1つの素抜け部対応部分Fと
なる。
つまり、両素抜け部対応部分Fが連結した時点におい
てはその連結された素抜け部対応部分Fには素抜け部の
外所望画像部分である胸腰椎部および軟部が完全に取り
込まれていると共に非所望画像部分である骨盤部はこの
素抜け部対応部分Fからほぼ排除された状態となってい
る。
次に、上記の如く両素抜け部対応部分が連結したらそ
の時点における連結した両素抜け部対応部分中の画素の
画像信号を抽出し、この画像信号のみのヒストグラム
(第5図中の一転鎖線H)を作成し、このヒストグラム
に基づいて所望画像信号範囲のSmax、Sminを決定す
る。
上記最初の所定のしきい値(Th)および上記ヒストグ
ラムに基づくSmax、Sminの決定は上記頚部画像の場合
と同様にして行なえば良い。
なお、Smax、Sminの決定は上記いずれの実施例の場
合も必ずしも上記連結した両素抜け部対応部分中の画素
の画像信号のヒストグラムに基づいて決定する必要はな
く、例えば該画像信号の最小レベル(これは連結時にお
ける所定のしきい値Thと一致する)や最大レベルに基づ
いて決定しても良い。この場合には例えば最小レベルや
最大レベルをそのままSmax、Sminとしても良いし、最
小レベルや最大レベルに一定値を加えたり引いたりある
いはそれらを係数倍する等してSmax、Sminを決定して
も良い。
上記実施例では先読み画像信号に基づいて所望画像信
号範囲を決定しているが、本発明は本読み画像信号に基
づいて決定することも可能であるし、もちろん蓄積性蛍
光体シート以外の記録媒体から読み取った画像信号に基
づいて決定することも可能である。
本発明に係る方法によって決定された所望画像信号範
囲は例えば前述の如く読取条件や画像処理条件を決定す
る場合に使用し得るが、勿論その他の種々の目的のため
にも使用し得るものである。
また、上記実施例は頚部画像や腹部画像の場合であっ
たが、本発明に係る方法は、要するに、被写体部と該
被写体部によって分離された2つの素抜け部とを有する
画像であり、画像中に所望画像部分よりも画像信号レ
ベルの低い非所望画像部分が存在し、所望画像部分は
2つの素抜け部に接してそれらを連結し得るものである
という3つの前提を備えた画像であればどの様な画像に
も好適に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は第3図に示す頚部画像の画像信号ヒストグラム
の一例を示す図、 第2図(a)、(b)、(c)はそれぞれ第3図に示す
頚部画像について異なるしきい値を用いて形成した2値
画像の一例を示す図、 第3図は頚部画像の一例を示す図、 第4図は腹部画像の一例を示す図、 第5図は第4図に示す腹部画像の画像信号ヒストグラム
の一例を示す図、 第6図(a)、(b)、(c)はそれぞれ第4図に示す
腹部画像について異なるしきい値を用いて形成した2値
画像の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−211272(JP,A) 特開 昭59−90175(JP,A) 特開 昭56−47873(JP,A) 特開 昭61−285587(JP,A) 特開 昭61−255486(JP,A) 特開 昭61−95484(JP,A) 実開 昭57−118466(JP,U) 実開 昭61−60364(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体部と該被写体部によって分離された
    2つの素抜け部とを有し、上記被写体部には所望画像部
    分と該所望画像部分よりも画像信号レベルが低い非所望
    画像部分とが存在し、かつ上記所望画像部分は上記2つ
    の素抜け部に接してそれらを連結し得る位置にある多値
    画像中の上記所望画像部分を担持する多値画像信号の範
    囲である所望画像信号範囲を決定する方法であって、 まず上記画像を担持する多値画像信号を所定のしきい値
    を用いて被写体部対応信号と素抜け部対応信号とに2値
    化することにより該被写体部対応信号によって担持され
    る1つの被写体部対応部分と該素抜け部対応信号によっ
    て担持される上記被写体部対応部分によって分離された
    2つの素抜部対応部分とから成る2値画像を形成し、 次いで上記2値画像における2つの素抜け部対応部分が
    連結されるまで上記しきい値を順次下げながら上記2値
    画像の形成を繰り返し、 上記2つの素抜け部対応部分が連結されたらその連結さ
    れた時点における素抜け部対応部分内の画素の多値画像
    信号のヒストグラムを求め、このヒストグラムから所定
    の頻度しきい値を用いて所望画像信号範囲の最大および
    最小画像信号レベルを決定することを特徴とする所望画
    像信号範囲決定方法。
  2. 【請求項2】被写体部と該被写体部によって分離された
    2つの素抜け部とを有し、上記被写体部には所望画像部
    分と該所望画像部分よりも画像信号レベルが低い非所望
    画像部分とが存在し、かつ上記所望画像部分は上記2つ
    の素抜け部に接してそれらを連結し得る位置にある多値
    画像中の上記所望画像部分を担持する多値画像信号の範
    囲である所望画像信号範囲を決定する方法であって、 まず上記画像を担持する多値画像信号を所定のしきい値
    を用いて被写体部対応信号と素抜け部対応信号とに2値
    化することにより該被写体部対応信号によって担持され
    る1つの被写体部対応部分と該素抜け部対応信号によっ
    て担持されると上記被写体部対応部分によって分離され
    た2つの素抜部対応部分とから成る2値画像を形成し、 次いで上記2値画像における2つの素抜け部対応部分が
    連結されるまで上記しきい値を順次下げながら上記2値
    画像の形成を繰り返し、 上記2つの素抜け部対応部分が連結されたらその連結さ
    れた時点における素抜け部対応部分内の画素の多値画像
    信号の最大レベルと最小レベルとを求め、この最大レベ
    ルと最小レベルに基づいて所望画像信号範囲の最大およ
    び最小画像信号レベルを決定することを特徴とする所望
    画像信号範囲決定方法。
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