JPH067669B2 - エネルギ−サブトラクシヨン画像の画質改善方法および装置 - Google Patents

エネルギ−サブトラクシヨン画像の画質改善方法および装置

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JPH067669B2
JPH067669B2 JP59206517A JP20651784A JPH067669B2 JP H067669 B2 JPH067669 B2 JP H067669B2 JP 59206517 A JP59206517 A JP 59206517A JP 20651784 A JP20651784 A JP 20651784A JP H067669 B2 JPH067669 B2 JP H067669B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は放射線画像のサブトラクション処理、詳細には
蓄積性蛍光体シートを用いて行なう放射線画像のデジタ
ルサブトラクション処理において、サブトラクション画
像の画質を改善する方法およびその装置に関するもので
ある。
(発明の技術的背景および先行技術) 従来より放射線画像のデジタルサブトラクションが公知
となっている。この放射線画像のデジタルサブトラクシ
ョンとは、異なった条件で撮影した2つの放射線画像を
光電的に読み出してデジタル画像信号を得た後、これら
のデジタル画像信号を両画像の各画素を対応させて減算
処理し、放射線画像中の特定の構造物の画像を形成する
ための差信号を得る方法であり、このようにして得た差
信号を用いて特定構造物のみが抽出された放射線画像を
再生することができる。
このサブトラクション処理には、基本的に次の2つの方
法がある。即ち、造影剤注入により特定の構造物が強調
された放射線画像の画像信号から、造影剤が注入されて
いない放射線画像の画像信号を引き算(サブトラクト)
することによって特定の構造物を抽出するいわゆる時間
サブトラクション処理と、同一の被写体に対して相異な
るエネルギー分布を有する放射線を照射し、それにより
特定の構造物が特有の放射線エネルギー吸収特性を有す
ることを利用して特定構造物が異なる画像を2つの放射
線画像間に存在せしめ、その後この2つの放射線画像の
画像信号間で適当な重みづけをした上で引き算(サブト
ラクト)を行ない特定の構造物の画像を抽出するいわゆ
るエネルギーサブトラクション処理である。
このサブトラクション処理は特に医療用のX線写真の画
像処理において診断上きわめて有効な方法であるため、
近年大いに注目され、電子工学技術を駆使してその研
究、開発が盛んに進められている。
さらに最近では例えば特開昭58−163340号公報
に示されるように、きわめて広い放射線露出域を有する
蓄積性蛍光体シートを使用し、これらの蛍光体シートに
前述のように異なった条件で同一の被写体を透過した放
射線を照射して、これらの蛍光体シートに特定構造物の
画像情報が異なる放射線画像を蓄積記録し、これらの蓄
積画像を励起光による走査により読み出してデジタル信
号に変換し、これらデジタル信号により前記デジタルサ
ブトラクションを行なうことも提案されている。上記蓄
積性蛍光体シートとは、例えば特開昭55−12429
号公報に開示されているように放射線(X線、α線、β
線、γ線、電子線、紫外線等)を照射するとその放射線
エネルギーの一部を蛍光体中に蓄積し、その後可視光等
の励起光を照射すると蓄積された放射エネルギー量に応
じて蛍光体が輝尽発光を示すもので、きわめて広いラチ
チュード(露出域)を有し、かつ著しく高い解像力を有
するものである。したがって、この蛍光体シートに蓄積
記録された放射線画像情報を利用して前記デジタルサブ
トラクションを行なえば、放射線量が変動しても常に十
分な画像情報を得ることができ、診断能の高い放射線画
像を得ることができる。
しかしながら、前述のような2枚の蓄積性蛍光体シート
に骨と軟部組織とを含む被写体の放射線画像を蓄積記録
し、エネルギーサブトラクションを行なって軟部組織消
去画像すなわち骨のみが抽出されたサブトラクション画
像を得た場合、抽出された骨の画像信号は、サブトラク
ションという演算処理で生成された差信号であるためS
/Nが低く、したがって該骨抽出画像の画質が劣るとい
う問題がある。
(発明の目的) そこで本発明は、上述のような骨抽出画像の画質を十分
に改善することができるエネルギーサブトラクション画
像の画質改善方法、およびその方法を実施する装置を提
供することを目的とするものである。
(発明の構成) 本発明のエネルギーサブトラクション画像の画質改善方
法は、2枚以上の蓄積性蛍光体シートを用い、骨と軟部
組織とを含む被写体の放射線画像から軟部組織が消去さ
れた画像を形成する差信号を得るエネルギーサブトラク
ションにおいて、放射線画像のうち所定厚み以上の軟部
組織が存在している部分の画素には前記差信号を用い、
その他の部分(すなわち、所定の厚み未満の軟部組織が
存在している部分および被写体が存在しない部分がある
場合にはその部分)の画素には前記シートから読み出さ
れた原画像信号を用いて放射線画像を再生するようにし
たことを特徴とするものである。
上記原画像信号としては、1枚の蓄積性蛍光体シートか
ら読み出されたデジタル画像信号そのもの、あるいは複
数の蓄積蛍光体シートそれぞれから読み出されたデジタ
ル画像信号を加算平均した信号等が用いられうる。
そして上記方法は、 放射線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに励起
光を走査し、それによって前記蓄積性蛍光体シートから
発せられた輝尽発光光を光電的に読み出してデジタル画
像信号に変換する画像読取手段と、 骨および軟部組織を含む同一の被写体を透過したエネル
ギーの互いに異なる放射線の照射により該被写体の少な
くとも一部の画像情報が互いに異なる放射線画像が蓄積
記録された2枚以上の前記蓄積性蛍光体シートそれぞれ
から前記画像読取手段によって得た各デジタル画像信号
の対応する画素間で減算を行ない、それによって前記骨
が消去された画像を形成する差信号および前記軟部組織
が消去された画像を形成する差信号を得るサブトラクシ
ョン演算手段と、 前記骨が消去された画像を形成する差信号に基づいて前
記放射線画像の所定厚み以上の軟部組織が存在している
部分を識別してその位置信号を出力する識別手段と、 前記シートから読み出された原画像信号と、前記軟部組
織が消去された画像を形成する差信号とが入力されると
ともに、前記識別手段から前記位置信号が入力され、こ
の位置信号を参照して前記放射線画像の所定厚み以上の
軟部組織が存在している部分の画素信号として前記軟部
組織が消去された画像を形成する差信号を出力する一
方、その他の部分の画素信号として前記原画像信号を出
力する信号選択手段とからなる本発明のエネルギーサブ
トラクション画像の画質改善装置によって実施されう
る。
なお上述のように本発明方法においては、サブトラクシ
ョンにより得られた差信号と、原画像信号とによって1
枚の放射線画像が形成されるから、所定厚み以上の軟部
組織が存在している部分とそれ以外の部分とが違和感無
く合成されるように、両信号の少なくとも一方を他方の
濃度範囲あるいはコントラスト範囲あるいは濃度範囲お
よびコントラスト範囲に合わせて濃度補正(画像をCR
Tに表示する場合等においては輝度補正)あるいはコン
トラスト補正あるいは濃度およびコントラスト補正する
のが好ましい。
(実施態様) 以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明を詳細に説
明する。
第1図は2枚の蓄積性蛍光体シートA,Bに、肺野や血
管等の軟部組織と骨とを有する同一の被写体1を透過し
たX線2を、それぞれエネルギーを変えて照射する状態
を示す。すなわち第1の蓄積性蛍光体シートAに被写体
1のX線透過像を蓄積記録し、次いで短時間内で蓄積性
蛍光体シートA,Bを素早く取り替えると同時に、X線
源3の管電圧を変えて、透過X線のエネルギーが異なる
被写体1のX線画像を蓄積性蛍光体シートBに蓄積記録
する。このとき蓄積性蛍光体シートAとBとで被写体1
の位置関係は同じとする。
このようにして、少なくとも一部の画像情報が異なる2
つの放射線画像を2枚の蓄積性蛍光体シートA,Bに蓄
積記録する。次にこれら2枚の蓄積性蛍光体シートA,
Bから、第2図に示すような画像読取手段によってX線
画像を読み取り、画像を表わすデジタル画像信号を得
る。先ず、蓄積性蛍光体シートAを矢印Yの方向に副走
査のために移動させながら、レーザー光源10からのレー
ザー光11を走査ミラー12によってX方向に主走査させ、
蛍光体シートAから蓄積X線エネルギーを、蓄積記録さ
れたX線画像にしたがって輝尽発光光13として発散させ
る。輝尽発光光13は透明なアクリル板を成形して作られ
た集光板14の一端面からこの集光板14の内部に入射し、
中を全反射を繰返しつつフォトマル15に至り、輝尽発光
光13の発光量が画像信号Sとして出力される。この出力
された画像信号Sは増幅器とA/D変換器を含む対数変
換器16により対数値(logS)のデジタル画像信号l
ogSに変換される。このデジタル画像信号logS
は例えば磁気ディスク等の記憶媒体17に記憶される。
次に、全く同様にして、もう1枚の蓄積性蛍光体シート
Bの記録画像が読み出され、そのデジタル画像信号lo
gSが同様に記憶媒体17に記憶される。
次に、上述のようにして得られたデジタル画像信号lo
gS、logSを用いてサブトラクション処理を行
なう。第3図は本発明方法の一実施態様によるエネルギ
ーサブトラクション画像の画質改善方法を適用して行な
われるサブトラクション処理の流れを示している。まず
前記記憶媒体17内の画像ファイル17Aと、画像ファイル
17Bからそれぞれ、前記デジタル画像信号logS
logSが読み出され、サブトラクション演算回路18
に入力される。該サブトラクション演算回路18は、上記
2つのデジタル画像信号logSとlogSを適当
な重みづけをした上で対応する画像毎に減算し、デジタ
ルの差信号 Ssub=a・logS−b・logS+c (a、bは重みづけ係数、cは概略一定濃度にするよう
なバイアス成分である) を求める。この差信号Ssubは一たん画像ファイル19
Aに記憶されてから、後述する信号選択回路20を通して
例えばCRT等のディスプレイ装置や、走査記録装置等
の再生記録装置21に入力され、該差信号Ssubによっ
てサブトラクション画像が再生記録される。第4図はサ
ブトラクション画像再生記録システムの一例として、画
像走査記録装置を示すものである。感光フィルム30を矢
印Yの副走査方向へ移動させるとともにレーザービーム
31をこの感光フィルム30上にX方向に主走査させ、レー
ザービーム31をA/O変調器32により画像信号供給器33
からの画像信号によって変調することにより、感光フィ
ルム30上に可視像を形成する。この変調用画像信号とし
て、前記差信号Ssubを使用すれば、デジタルサブト
ラクション処理による所望の特定構造物のみの画像を感
光フィルム30上に再生記録することができる。
ここで上記差信号Ssubによる画像は、前記画像ファ
イル17Aあるいは画像ファイル17Bに記憶されている被
写体1のX線画像が例えば第5図の(A)に示されるよ
うに、軟部組織5と骨6とが撮影されてなるものである
とすると、上記重みづけ係数a、bを適当に選択するこ
とにより、第5図の(B)に示されるように軟部組織5
が消去されて骨6のみが抽出されたものとなる。上記差
信号Ssubは一たん画像ファイル19Aに記憶される。
次に上述のサブトラクション演算回路18により前記と同
様の演算 Ssub′=a′・logS−b′・logS+c′ (a′、b′は重みづけ係数、c′は概略一定濃度にす
るようなバイアス成分である。) を行なう。ここで上記係数a′、b′、c′が適当に選
択されることにより、該差信号Ssub′を上記のよう
な再生記録装置21に入力してX線画像を再生するとその
画像は第5図の(C)に示されるように、骨6が消去さ
れて軟部組織5のみが抽出されたものとなる。しかしこ
の差信号Ssub′は再生記録装置21には入力されず、
画像ファイル19Bに記憶される。
前述したように、 Ssub=a・logS−b・logS+cなる演
算を行ない、この差信号SsubによりX線画像を再生
すれば、軟部組織5が消去されて骨6のみが抽出され診
断能に優れた画像が得られるのであるが、この軟部組織
消去画像の骨6の部分の画質は、原画像すなわち前記デ
ジタル画像信号logSあるいはデジタル画像信号l
ogSから形成された画像における骨6の部分の画質
よりも劣る。すなわち上記軟部組織消去画像を形成する
画像信号(つまり差信号Ssub)は、上記デジタル画
像信号logSとデジタル画像信号logSに対し
て前述のような演算(サブトラクション)を施して得ら
れたものであって、当然デジタル画像信号logS
るいはデジタル画像信号logSよりもS/Nが低下
しているためである。
そこで第3図に示されるように、デジタル画像信号lo
gSと、デジタル画像信号logSは加算平均回路
22に入力され、両信号logS、logSは適当な
重みづけがなされた上で加算平均され、その加算平均信
号は次に濃度および/またはコントラスト補正回路23に
おいて適当な濃度および/またはコントラスト補正がな
された上で一たん画像ファイル24に記憶される。この
加算平均信号は原画像を示すもので、原画像信号log
として信号選択回路20に入力される。
またこの信号選択回路20には、画像ファイル19Bに記憶
された差信号Ssub′(軟部組織5のみが抽出された
画像を担持するものである)を受ける識別回路25が出力
する位置信号Spが入力されるようになっている。識別
回路25はX線画像における所定厚み以上の軟部組織5が
存在している部分を識別する。すなわち、上記差信号S
sub′を所定の閾値と比較し、ある画素の画像信号S
sub′が該閾値を超えたならばその画素における軟部
組織5の厚みが所定値以上と判断する。このようにし
て、所定厚み以上の軟部組織5が存在する位置が識別さ
れ、その位置を示す位置信号Spが前述のように信号選
択回路20に入力される。
信号選択回路20は上記のような位置信号Spを受け
て、X線画像の全画素のうち、上記位置信号Spが指定
する位置の画素については画像ファイル24からの前記差
信号Ssubを、またそれ以外の部分(所定の厚み未満の
軟部組織が存在している部分および被写体が存在しない
部分がある場合にはその部分)の画素については画像フ
ァイル19Aからの前記原画像信号logSをそれぞれ選
択して出力する。
このように画素に応じて適宜選択された差信号Ssub
あるいは原画像信号logSを用いて、再生記録装置
21により再生されたX線画像において、所定厚み以上の
軟部組織5(例えば縦隔部等)が存在している部分は、
前記の通り差信号Ssubによって形成されるから骨6
のみが抽出される。一方骨6と所定厚み未満の軟部組織
5(例えば肺野等)とが重なっている部分は、前記の通
り原画像信号logSによって形成されるが、重なっ
ている軟部組織5が薄くて該軟部組織5による放射線吸
収が少ないから、この原画像信号logSを用いても
骨6は明確に示される。そしてこの骨6と所定の厚み未
満の軟部組織5とが重なっている部分を含む、所定厚み
以上の軟部組織5とが存在している部分以外の部分は、
2つの原画像信号logS、logSを演算処理し
て得られた差信号Ssubよりも当然S/Nの高い原画
像信号logSにより形成されるから、再生X線画像
は全画素に上記差信号Ssubを用いて再生される骨抽
出画像よりも全体として画質が向上している。つまりこ
の再生X線画像においては、サブトラクションという演
算処理に起因して画質劣化が生じる部分が、所定厚み以
上の軟部組織5が存在している部分のみに抑えられるこ
とになる。
なお前述のように原画像信号logSは濃度および/
またはコントラスト補正回路23により濃度および/また
はコントラストの補正を受けるが、この補正は該原画像
信号logSによる所定厚み以上の軟部組織5が存在
している部分以外の部分と、差信号Ssubによる所定
厚み以上の軟部組織5が存在している部分とが、1つの
X線画像内において画像濃度および/またはコントラス
ト上自然な感じに合成されるように行なわれるものであ
る。この濃度および/またはコントラストの補正は経験
をもとにマニュアル操作で行なわれてもよいし、また該
原画像信号logSと差信号Ssubによる画像をC
RT等に表示しながらマニュアル操作で行なわれてもよ
い。さらにはあらかじめ定めた骨6の特定点の画素の差
信号Ssubを濃度および/またはコントラスト補正回
路23に入力し、この差信号Ssubと上記特定点の画素
の原画像信号logSとが同値になるように該原画像
信号logSを自動補正してもよい。またこのような
濃度および/またはコントラストの補正は、原画像信号
logSに対して施す代りに、差信号Ssubに対し
て施してもよいし、場合によっては原画像信号logS
および差信号Ssubの双方に対して施してもよい。
上記濃度および/またはコントラストの補正は必ずしも
必要なものでは無いが、実施されればそれら異なった信
号による2つの部分が違和感無く組み合わされた自然な
感じの再生画像が得られる。
また、識別回路25において、所定の厚さの軟部組織5を
示す閾値は、固定されたものであってもよいし、あるい
は原画像信号logSによる画像をCRT等に表示し、
その表示を見ながらオペレータが対話的に変えることが
できるようになされてもよい。すなわち、軟部組織5に
おける所定の厚さは予め決められて固定されたものであ
ってもよいし、あるいは各々の放射線画像に応じて適宜
変えられてもよい。
さらに、識別回路25は、前述のように画像信号Ssub
を所定の閾値と比較することにより自動的に所定厚み以
上の軟部組織5が存在している部分を識別する他、画像
信号Ssubによる画像をCRT等に表示し、その表示
を見ながらオペレータがマニュアルで所定厚み以上の軟
部組織5が存在している部分の位置情報を入力しうるよ
うに形成されてもよい。
なお上記実施態様においては、原画像信号logSとし
て2枚の蓄積性蛍光体シートそれぞれから得られたデジ
タル画像信号logSおよびlogSの加算平均信号が用
いられるが、logSとしてlogSおよびlogSのい
ずれか一方が用いられてもよいことは言うまでもない。
以上2枚の蓄積性蛍光体シートA,Bを使用する実施態
様について説明したが、3枚以上の蓄積性蛍光体シート
にそれぞれ異なるエネルギーで放射線撮影し、それらシ
ートから得られるデジタル画像信号を減算処理して差信
号logSを得ることも可能であり(例えば3枚のシー
トが用いられる場合logS=alogS+blogS
clogSc+d、ここでa,b,cは重み係数であり、
dは差信号logSを概略一定濃度にするようなバイア
ス成分である)、従って本発明はこのような3枚以上の
蓄積性蛍光体シートを使用する場合に適用可能である。
また、上述の実施態様においては、2枚のシートA,B
への放射線画像の蓄積記録は、それぞれのシートにエネ
ルギーの異なる放射線を別個に照射することによって行
なわれるが、複数枚のシートへの放射線画像の蓄積記録
の方法はこれに限られるものではなく、特開昭59-83486
号に開示されているように、蓄積性蛍光体シート積層体
あるいは蓄積性蛍光体シート−フィルタ積層体を用いて
一回の放射線照射で行なってもよい。すなわち、複数の
蓄積性蛍光体シートそれぞれに、同一の被写体を透過し
たエネルギーが互いに異なる放射線が照射される限りに
おいて、特に撮影方法に制限はない。
なお以上、「骨」と「軟部組織」という用語を使用して
本発明を説明したが、蓄積性蛍光体シートを用いたエネ
ルギーサブトラクションは例えば、治療用金具等が埋め
込まれた人体の放射線画像から上記金具を消去した画像
を得るため、造影剤が注入された人体の放射線画像から
造影剤を消去した画像を得るため等にも適用されうるも
のであり、本明細書において「骨」とは本発明を実施す
る上で骨と同等の要素とみなせる金属、造影剤等も含む
ものとし、また「軟部組織」とは上記「骨」と放射線吸
収特性が異なって、エネルギーサブトラクションにより
放射線画像上で抽出されうるものすべてを含むものとす
る。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明によれば、エネルギーサ
ブトラクションにより軟部組織が消去された軟部消去画
像の画質を確実に改善することが可能であり、エネルギ
ーサブトラクション画像の診断能が今までに無く十分な
高められるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法における放射線画像の蓄積記録ステ
ップを示す説明図、 第2図は上記蓄積記録がなされた蓄積性蛍光体シートか
らの放射線画像情報読取りを説明する概略図、 第3図は本発明方法の一実施態様方法を適用して行なわ
れるエネルギーサブトラクション処理の概要を説明する
概略図、 第4図はサブトラクション画像の再生記録システムの一
例を示す概略図、 第5図は本発明に係わるエネルギーサブトラクションを
説明する説明図である。 1……被写体、2……X線 3……X線源、5……軟部組織 6……骨、10……レーザー光源 11……レーザー光、12……走査ミラー 13……輝尽発光光、15……フォトマル 18…サブトラクション演算回路 20……信号選択回路、21……再生記録装置 25……識別回路 A,B……蓄積性蛍光体シート logS,logS……デジタル画像信号 Ssub,Ssub′……デジタル画像信号の差信号 logS……原画像信号、Sp……位置信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚以上の蓄積性蛍光体シートのそれぞれ
    に、骨と軟部組織とを含む被写体を透過したそれぞれエ
    ネルギーが異なる放射線を照射して得られた、前記被写
    体の少なくとも一部の画像情報が互いに異なる放射線画
    像を蓄積記録してなるこれらの蛍光体シートに、励起光
    を走査して前記放射線画像を輝尽発光光に変換し、 この輝尽発光光の発光量を光電的に読み出してデジタル
    画像信号に変換し、 各画像の対応する画素間でこのデジタル画像信号の減算
    を行なって放射線画像の前記軟部組織が消去された画像
    を形成する差信号を得るエネルギーサブトラクションに
    おいて、 前記放射線画像の所定厚み以上の前記軟部組織が存在す
    る部分の画素には前記差信号を用い、その他の部分の画
    素には前記シートから読み出された原画像信号を用いて
    放射線画像を再生することを特徴とするエネルギーサブ
    トラクション画像の画質改善方法。
  2. 【請求項2】前記差信号および原画像信号の少なくとも
    一方が他方の濃度範囲および/またはコントラスト範囲
    に合わせて濃度および/またはコントラスト補正される
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のエネルギ
    ーサブトラクション画像の画質改善方法。
  3. 【請求項3】前記原画像信号として、前記2枚のシート
    から読み出されたそれぞれのデジタル画像信号の加算平
    均信号を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    または第2項記載のエネルギーサブトラクション画像の
    画質改善方法。
  4. 【請求項4】放射線画像が蓄積記録された蓄積性蛍光体
    シートに励起光を走査し、それによって前記蓄積性蛍光
    体シートから発せられた輝尽発光光を光電的に読み出し
    てデジタル画像信号に変換する画像読取手段と、 骨および軟部組織を含む同一の被写体を透過したエネル
    ギーの互いに異なる放射線の照射により、該被写体の少
    なくとも一部の画像情報が互いに異なる放射線画像が蓄
    積記録された2枚以上の前記蓄積性蛍光体シートそれぞ
    れから、前記画像読取手段によって得た各デジタル画像
    信号の対応する画素間で減算を行ない、それによって前
    記骨が消去された画像を形成する差信号および前記軟部
    組織が消去された画像を形成する差信号を得るサブトラ
    クション演算手段と、 前記骨が消去された画像を形成する差信号に基づいて前
    記放射線画像の所定厚み以上の軟部組織が存在している
    部分を識別してその位置信号を出力する識別手段と、 前記シートから読み出された原画像信号と、前記軟部組
    織が消去された画像を形成する差信号とが入力されると
    ともに、前記識別手段から前記位置信号が入力され、こ
    の位置信号を参照して前記放射線画像の所定厚み以上の
    軟部組織が存在している部分の画素信号として前記軟部
    組織が消去された画像を形成する差信号を出力する一
    方、その他の部分の画素信号として前記原画像信号を出
    力する信号選択手段とからなるエネルギーサブトラクシ
    ョン画像の画質改善装置。
JP59206517A 1984-10-02 1984-10-02 エネルギ−サブトラクシヨン画像の画質改善方法および装置 Expired - Fee Related JPH067669B2 (ja)

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