JPH05168445A - 食品の製造方法 - Google Patents

食品の製造方法

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JPH05168445A
JPH05168445A JP34094891A JP34094891A JPH05168445A JP H05168445 A JPH05168445 A JP H05168445A JP 34094891 A JP34094891 A JP 34094891A JP 34094891 A JP34094891 A JP 34094891A JP H05168445 A JPH05168445 A JP H05168445A
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carbon dioxide
pressure
weight
parts
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JP34094891A
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Masayuki Takahashi
正之 高橋
Shusaku Hasegawa
周作 長谷川
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Taiyo Fishery Co Ltd
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Taiyo Fishery Co Ltd
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の加熱処理と同等の殺菌効果が得られ、
組織あるいはビタミンなどの栄養分の破壊、褐変による
変色などの品質低下を生ずることのない、食品の製造方
法を提供することにある。 【構成】 本発明の食品の製造方法は、二酸化炭素の存
在下に500〜8000Kg/cm2 の圧力で加圧処理
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品の製造方法に関
し、詳しくは、食品に圧力を加えることにより、食品の
物性、香味などの本来の性質を保持しつつ、食品中の微
生物を殺菌する食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品の殺菌方法としては、加熱処
理による方法や薬品(各種抗菌剤、アルコール等)処理
による方法等が知られており、特に加熱処理による方法
が一般的である。これらに加えて、近年、超高圧処理に
よる食品の殺菌方法が盛んに研究されており、実用化さ
れはじめている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】加熱処理による食品の
殺菌方法は、殺菌効果が高い利点があるが、通常、処理
温度は60℃以上の高温であるため、食品中のタンパク
質の変性などの物性が変化したり、さらには、ビタミン
類その他の栄養成分の損失が生じ、食品の品質低下をも
たらす場合が多い欠点があった。
【0004】また、薬品処理による方法は、食品の表面
に付着している微生物には効果的であるが、短時間に食
品の内部まで薬品を浸透させることができないため、確
実な殺菌効果を有するには至らない。これに加えて、食
品の品質や風味が劣化する欠点もあった。一方、超高圧
処理による食品の殺菌方法においては、加熱処理等の場
合に比べて、上述のようなタンパク質の変性などの物性
の変化やビタミン類その他の栄養成分の損失は少なく、
食品の品質低下が少ないという特長を有する。
【0005】しかしながら、超高圧処理による食品の製
造方法では、加熱処理等に比べて殺菌効果が不十分であ
るという欠点があった。上述のように超高圧による殺菌
が不十分であるのは、通常、食品中には、大腸菌(E.co
li)のように現在実用されている超高圧処理の圧力の大
きさである4000Kg/cm2 程度の加圧で殺菌可能
なものだけでなく、ブドウ球菌(S.aureus)のように6
000〜8000Kg/cm2 またはそれ以上の加圧で
ようやく殺菌可能な微生物が存在するためである。
【0006】上記ブドウ球菌のような菌をも殺菌可能な
圧力の大きさ、すなわち、6000〜8000Kg/c
2 程度の圧力による処理も、可能ではあるが、装置の
コストがかさむ等の問題のため実用的とは言えないのが
現状であり、そのため、殺菌数の基準が設けられている
チルド食品や冷凍食品等の製造においては、超高圧処理
による殺菌方法は、必ずしも適しているとは言い難かっ
た。
【0007】従って、本発明の目的は、従来の加熱処理
と同等の殺菌効果が得られ、組織あるいはビタミンなど
の栄養分の破壊、褐変による変色などの品質低下を生ず
ることのない、食品の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、食品を二酸化炭素の存在下で高圧で加圧処理
することにより、食品を単に加圧処理するだけでは完全
に死滅しない微生物をも死滅させることができ、上記目
的が達成されることを知見した。本発明は、上記知見に
基づいてなされたもので、食品を、二酸化炭素の存在下
に500〜8000Kg/cm2 の圧力で加圧処理する
ことを特徴とする食品の製造方法を提供するものであ
る。
【0009】以下、本発明の食品の製造方法について詳
述する。本発明の食品の製造方法において用いられる二
酸化炭素は、炭酸ガス、ドライアイスなどのように、単
体で存在し得るすべての状態、及び炭酸水などのような
水溶液中などにおいて存在し得る状態、すなわち、炭酸
(H2 CO3 )、あるいは、炭酸イオン(HCO3 -
CO3 2-)などの形にある二酸化炭素をすべて包含す
る。(以下、特に断らない限り、単に、二酸化炭素とい
う。)本発明の食品の製造方法を実施する際に、食品を
二酸化炭素の存在下におく方法としては、特に制限はな
く、例えば、以下のような方法が挙げられる。
【0010】すなわち、処理対象の食品が、固体食品の
場合、高圧に耐え得る袋(例えば、ポリエチレン製の
袋)の中に、該固体食品とともに、炭酸ガスを一定量、
好ましくは食品の2〜4倍量(体積基準)以上封入する
方法、及び高圧に耐え得る袋の中に、適宜な濃度の炭酸
水、通常、飽和濃度の炭酸水を、該固体食品の1/2〜
2倍(体積基準)入れた後、該固体食品を入れ、十分に
シールする方法等である。
【0011】また、処理対象の食品が、炭酸飲料のよう
な液体食品の場合、上述の固体食品の場合と同様にして
も良いし、あるいは、高圧容器に、好ましくは該液体食
品の1/10〜1/2量(体積基準)の二酸化炭素とと
もに、直接その液体食品を封入してもよい。上述のよう
な方法で、食品を二酸化炭素の存在下においた後、加圧
処理を行う。
【0012】本発明の食品の製造方法において、食品に
加える圧力の大きさは、食品の種類や殺菌したい微生物
の種類によっても異なるが、500〜8000Kg/c
2 である。500Kg/cm2 未満であると、充分な
殺菌効果は得られず、8000Kg/cm2 超である
と、食品の物性の変化が著しく食品として適さないもの
も生ずるため好ましくない。また、1000Kg/cm
2 未満の加圧では、殺菌効果が比較的小さいため、10
00Kg/cm2 以上の加圧が好ましく、また、食品の
物性の変化の観点から、4000Kg/cm2 以下の加
圧が好ましい。
【0013】本発明の食品の製造方法において、食品に
圧力を加える装置としては、公知の種々の高圧発生装置
がいずれも適用できる。本発明の食品の製造方法による
食品の加圧処理時間は、対象となる食品の種類などに応
じて異なるが、通常、1〜60分程度が好ましい。ま
た、本発明の食品の製造方法を実施する際の温度は、食
品の品質低下を防ぐために、60℃以下とすることが望
ましい。
【0014】本発明の食品の製造方法の対象となる食品
としては、特に制限はなく、その形態も固体、液体、ゾ
ル状、ゲル状及びこれらが複合されたものでも良く、例
えば、魚肉、畜肉、貝、シチュー、果汁等が挙げられ
る。本発明の食品の製造方法においては、必要に応じて
各種抗菌剤やアルコール等を処理対象の食品に添加した
り、二酸化炭素とともに、オゾンを併用することによっ
て、より効果的に殺菌を行うことも可能である。
【0015】上記抗菌剤としては、例えば、酢酸、乳
酸、クエン酸、d,lリンゴ酸、d,l酒石酸、コハク
酸、フマル酸、ソルビン酸、プロピオン酸、安息香酸、
フィチン酸、グルコノデルタラクトン、等の有機酸類、
プロタミン、ポリリジン、キトサン、リゾチーム、竹抽
出物、甘草抽出物、茶抽出物、ヒノキ抽出物(ヒノキチ
オール)、香辛料抽出物(ワサビなど)、カフェイン抽
出物、等の天然系抗菌剤、グリシン、アラニン、酢酸ナ
トリウム、脂肪酸エステル等の単体、あるいはこれらの
混合体等が挙げられる。また、上記アルコールとして
は、例えば、液状、粉末状のエタノール、及び、それら
を含む各種製剤、あるいは、グリセリン等が挙げられ
る。
【0016】上記抗菌剤又は上記アルコールの添加方法
としては、特に制限はなく、例えば、食品に直接添加す
る方法が挙げられ、また、処理対象の食品が固体であれ
ば、上記抗菌剤又は上記アルコールの溶液を該固体食品
に噴霧する方法、該溶液中に該固体食品を一定時間浸漬
する方法及び該溶液の一定量を該固体食品に注水する方
法等も挙げられる。これらの方法により上記抗菌剤又は
上記アルコールを処理対象の食品に添加した後に、加圧
処理を行えばよい。
【0017】上記抗菌剤の添加量は、処理対象の食品の
種類、形状、大きさ等及び抗菌剤の種類等によって異な
るが、食品に直接添加する場合には、官能的に問題のな
い範囲で、通常、処理対象の食品100重量部に対し、
好ましくは0.0004〜4重量部、さらに好ましくは
0.001〜2重量部であり、噴霧により添加する場合
には、官能的に問題のない範囲で、処理対象の食品10
0重量部に対し、好ましくは0.001〜10重量部、
さらに好ましくは0.01〜5重量部、注水により添加
する場合には、官能的に問題のない範囲で、処理対象の
食品100重量部に対し、好ましくは0.0004〜4
重量部、さらに好ましくは0.001〜2重量部であ
る。また、浸漬により添加する場合には、官能的に問題
のない範囲で、該食品を、通常、0.0001〜5重量
%の抗菌剤に、好ましくは0〜20℃で1〜60分程度
浸漬させることにより添加を行う。
【0018】上記アルコールの添加量は、処理対象の食
品の種類、形状、大きさ等及びアルコールの種類等によ
って異なるが、食品に直接添加する場合には、官能的に
問題のない範囲で、通常、処理対象の食品100重量部
に対し、好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ま
しくは0.01〜3重量部であり、噴霧により添加する
場合には、官能的に問題のない範囲で、処理対象の食品
100重量部に対し、好ましくは0.01〜10重量
部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。また、
浸漬により添加する場合には、官能的に問題のない範囲
で、該食品を、通常、1〜20重量%のアルコールに、
好ましくは0〜20℃で1〜30分程度浸漬させること
により添加を行う。
【0019】また、上記オゾンの二酸化炭素に対する混
合量は、特に制限はなく、処理対象の食品の種類によっ
ても異なるが、通常、二酸化炭素とオゾンとの混合比
が、(前者)/(後者)=1/9〜9/1(体積基準)
とすることが適当である。
【0020】
【作用】二酸化炭素自体の作用として、常温、常圧下に
おいて静菌作用があることは知られているが、殺菌作用
を有するまでには至らない。本発明の食品の製造方法に
おける二酸化炭素は、加圧により食品の内部にまで短時
間に浸透し、また、加圧により水と反応して炭酸となる
ため、反応系のpHが低下すること等と、加圧自体の作
用との相乗作用により、著しい殺菌作用を発揮するもの
と考えられる。
【0021】また、必要に応じて用いられる各種抗菌
剤、アルコール、オゾン等についても、上記二酸化炭素
と同様に、加圧により食品の内部にまで短時間に浸透す
るために、本発明の食品の製造方法における殺菌作用の
発揮に寄与するものと考えられる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の食品の製造方
法を更に詳しく説明する。 実施例1 脱穀、腹開きしたエビを高圧に耐え得るポリエチレン袋
に入れ、これにエビの4倍量(体積基準)の二酸化炭素
を封入したもの、及びこれに、卵白リゾチームを各々エ
ビ100重量部に対し、0.0001、0.0004、
0.001、0.01、0.5、2、4重量部添加した
ものについて、常温下で各々1000、2000、30
00、4000Kg/cm2 の圧力で10分間加圧処理
し、官能試験を行った。
【0023】その結果、官能的には、いずれの場合もエ
ビの生の風味は保持され、ボイルエビとは全く異なった
ジューシーな食感が得られた。卵白リゾチームによる異
味は、2重量部添加したものについてまでは感じられな
かった。尚、4重量部添加したものについてのみ、多少
異味を感じたが、官能的に問題のない程度であった。ま
た、本発明の食品の製造方法による殺菌効果を調べるた
めに、上記のエビに大腸菌(E.coli)、腸炎ビブリオ
V.parahaemolyticus)及びブドウ球菌(S.aureus)を
接種し、これに二酸化炭素を封入したもの、及び二酸化
炭素を封入し、卵白リゾチームを各々エビ100重量部
に対し、0.0001、0.0004、0.001、
0.01、0.5、2、4重量部添加したものについ
て、上述の官能試験を行った場合と同様に加圧処理し、
加圧処理後の残菌数を測定した。また、比較のため、二
酸化炭素を封入しない場合についても同様の測定を行っ
た。それらの結果を下記表1及び表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】 実施例2 内臓を取り除き、よく水洗いした赤貝を高圧に耐え得る
ポリエチレン袋に入れ、これに赤貝の4倍量(体積基
準)の二酸化炭素を封入したもの、及びこれにポリリジ
ンを赤貝100重量部に対し、0.05重量部添加した
ものについて、常温下で各々500、1000、200
0、3000、4000Kg/cm2 の圧力で10分間
加圧処理し、官能試験を行った。
【0026】その結果、官能的には、4000Kg/c
2 の加圧を行ったものについては、加圧しないものに
比べ多少肉質が柔らかく感じられたが、いずれの場合も
加圧前のものとほとんど変わらず、赤貝の生の風味は保
持されていた。また、本発明の食品の製造方法による殺
菌効果を調べるために、上記の赤貝に大腸菌(E.col
i)、腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)及びブドウ
球菌(S.aureus)を接種し、これに二酸化炭素を封入し
たもの、及び二酸化炭素を封入し、ポリリジンを赤貝1
00重量部に対し、0.05重量部添加したものについ
て、上述の官能試験を行った場合と同様に加圧処理し、
加圧処理後の残菌数を測定した。また、比較のため、二
酸化炭素を封入しない場合についても同様の測定を行っ
た。それらの結果を下記表3に示す。
【0027】
【表3】 実施例3 さけの切り身を高圧に耐え得るポリエチレン袋に入れ、
これにさけの切り身の2倍量(体積基準)の二酸化炭素
を封入したもの、及び二酸化炭素を封入し、ポリリジン
をさけの切り身100重量部に対し、0.5重量部、及
び酢酸ナトリウムを同じく1重量部添加したものについ
て、常温下で各々500、1000、1500、200
0Kg/cm2 の圧力で30分間加圧処理し、官能試験
を行った。
【0028】その結果、官能的には、いずれの場合もさ
けの生の風味は保持され、加圧前のものとほとんど変わ
らなかった。また、本発明の食品の製造方法による殺菌
効果を調べるために、上記のさけに大腸菌(E.coli)、
腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)及びブドウ球菌
S.aureus)を接種し、これに二酸化炭素を封入したも
のとしないもの、及び、二酸化炭素を封入したものにポ
リリジンをさけの切り身100重量部に対し、0.5重
量部、及び酢酸ナトリウムを同じく1重量部添加(表3
中には、単に「抗菌剤」として示す)したものについ
て、上述の官能試験を行った場合と同様に加圧処理し、
加圧処理後の残菌数を測定した。また、比較のため、二
酸化炭素を封入しない場合についても同様の測定を行っ
た。それらの結果を下記表4に示す。
【0029】
【表4】 実施例4 飽和炭酸水を、リンゴ果汁100重量部に対し、10重
量部加えたもの、及び炭酸水の他に、更にポリリジンを
リンゴ果汁100重量部に対し、0.05重量部添加し
たリンゴ果汁を、各々高圧に耐え得るポリエチレン袋に
いれ、常温下で各々3000Kg/cm2 の圧力で5分
間加圧処理し、官能試験を行った。
【0030】その結果、官能的には、いずれの場合もリ
ンゴ果汁の生の風味は保持されており、ポリリジンを添
加したものについても特に異味は感じられなかった。ま
た、本発明の食品の製造方法による殺菌効果を調べるた
めに、上記のリンゴ果汁に大腸菌(E.coli)、腸炎ビブ
リオ(V.parahaemolyticus)及びブドウ球菌(S.aureu
s)を接種し、炭酸水を加えたもの、及び、炭酸水を加
え、さらにポリリジンをリンゴ果汁100重量部に対
し、0.05重量部添加したものについて、上述の官能
試験を行った場合と同様に加圧処理し、加圧処理後の残
菌数を測定した。また、比較のため、炭酸水を加えない
場合についても同様の測定を行った。それらの結果を下
記表5に示す。
【0031】
【表5】 実施例5 ビーフシチューを高圧に耐え得るポリエチレン袋に入
れ、これにビーフシチューの10分の1量(体積基準)
の二酸化炭素を封入したもの、及び二酸化炭素を封入
し、エタノールをビーフシチュー100重量部に対し、
0.5重量部添加したものについて、常温下で各々20
00、4000、6000、8000Kg/cm2 の圧
力で5分間加圧処理し、官能試験を行った。
【0032】その結果、官能的には、いずれの場合も加
熱前と同様の食感を有していた。また、本発明の食品の
製造方法による殺菌効果を調べるために、上記のビーフ
シチューに大腸菌(E.coli)、腸炎ビブリオ(V.paraha
emolyticus)及びブドウ球菌(S.aureus)を接種し、こ
れに二酸化炭素を封入したもの、及び二酸化炭素を封入
し、エタノールをビーフシチュー100重量部に対し
0.5重量部添加したものについて、上述の官能試験を
行った場合と同様に加圧処理し、加圧処理後の残菌数を
測定した。また、比較のため、二酸化炭素を封入しない
場合についても同様の測定を行った。それらの結果を下
記表6に示す。
【0033】
【表6】 実施例6 ステーキ用の牛肉モモ肉を高圧に耐え得るポリエチレン
袋に入れ、これに牛肉モモ肉と同量(体積基準)の二酸
化炭素を封入したもの、及び二酸化炭素とオゾンとを
1:1の割合(体積基準)で封入したものについて、常
温下で各々3000、6000Kg/cm2 の圧力で5
分間加圧処理し、官能試験を行った。
【0034】その結果、官能的には、いずれの場合も食
感は柔らかく、牛肉の生の風味は保持されていた。ま
た、6000Kg/cm2 の圧力で加圧処理した肉にお
いてのみ、タンパク質の変性から肉色の変化があったも
のの、ごくわずかな変化で、問題のない程度であった。
また、本発明の食品の製造方法による殺菌効果を調べる
ために、上記の牛肉に大腸菌(E.coli)、腸炎ビブリオ
V.parahaemolyticus)、ブドウ球菌(S.aureus)を接
種し、これに二酸化炭素を封入したもの、及び二酸化炭
素とオゾンとを1:1の割合で封入したものについて、
上述の官能試験を行った場合と同様に加圧処理し、加圧
処理後の残菌数を測定した。また、比較のため、二酸化
炭素を封入しない場合についても同様の測定を行った。
それらの結果を下記表7に示す。
【0035】
【表7】 上記実施例の結果から、本発明の食品の製造方法によっ
て食品を処理することにより、二酸化炭素を用いないで
加圧処理した場合に比べていずれの微生物に対しても高
い殺菌効果が得られ、このため、実用可能な4000K
g/cm2 程度の圧力では、加圧処理のみでは完全には
死滅させられなかったブドウ球菌(S.aureus)のような
微生物が、4000Kg/cm2 以下の圧力の加圧で死
滅させることができたことがわかる。
【0036】さらに、各種抗菌剤、アルコール及びオゾ
ン等の添加により、さらに殺菌効果を高めることができ
たこともわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明の食品の製造方法によれば、従来
の加熱処理と同等の殺菌効果が得られ、更には、加熱処
理で生ずる組織あるいはビタミンなどの栄養分の破壊、
褐変による変色などの品質低下を生ずることなく、食品
の製造を行うことが可能である。
【0038】本発明は、食品の新しい殺菌法を含めた食
品の製造方法として、幅広く利用できる有意義な技術で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品を、二酸化炭素の存在下に500〜
    8000Kg/cm2 の圧力で加圧処理することを特徴
    とする食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 食品に抗菌剤を添加することを特徴とす
    る、請求項1記載の食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 食品にアルコールを添加することを特徴
    とする、請求項1又は2記載の食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 二酸化炭素とともにオゾンを存在させる
    ことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の食品の製
    造方法。
JP34094891A 1991-12-24 1991-12-24 食品の製造方法 Pending JPH05168445A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532513A (ja) * 2005-03-08 2008-08-21 フォンテラ コ−オペレイティブ グループ リミティド 金属イオンラクトフェリンの高圧処理
JP2010207127A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Lion Corp 食品の洗浄方法

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