JPH05168402A - 低カロリースプレッド組成物 - Google Patents

低カロリースプレッド組成物

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JPH05168402A
JPH05168402A JP3296324A JP29632491A JPH05168402A JP H05168402 A JPH05168402 A JP H05168402A JP 3296324 A JP3296324 A JP 3296324A JP 29632491 A JP29632491 A JP 29632491A JP H05168402 A JPH05168402 A JP H05168402A
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JP
Japan
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water
soluble hemicellulose
spread composition
weight
fat
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JP3296324A
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English (en)
Inventor
Takuji Goto
拓司 後藤
Shiro Watanabe
史朗 渡辺
Michiyo Shibata
実千代 柴田
Hiroaki Ota
裕章 太田
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Terumo Corp
Taiyo Yushi Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Taiyo Yushi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプレッド組成物に要求される塗布性、風
味、テクスチャー、口触り、滑らかさ、安定性等を満足
するとともに、摂取後の生体に対する影響、特に血中コ
レステロールの上昇を抑制することができる低カロリー
スプレッド組成物を提供する。 【構成】 本発明の低カロリースプレッド組成物は、連
続脂肪相および分散水相からなる油中水型スプレッド組
成物である。脂肪相は、スプレッド全量に対して20〜
33重量%で、かつ乳化剤を含有している。水相は、穀
物由来の水溶性ヘミセルロースをスプレッド組成物の全
量に対して10〜20重量%含有している。水溶性ヘミ
セルロースは、分子量10万以下のものが水溶性ヘミセ
ルロースの全量の60重量%以上、水溶性ヘミセルロー
スの10重量%溶液の粘度が30cp以下のものを用い
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低カロリースプレッド
に関する。特に、バター、マーガリンの代用品として使
用される低カロリーなスプレッド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高脂肪食品の摂取は虚血性疾患等の原因
になるため、近年その抑制が盛んに叫ばれている。この
ような傾向は、通常80%以上という高い脂肪分を有す
るスプレッドと称されるマーガリン類においても、その
低脂肪化が望まれている。これまでに知られている低脂
肪分の油中水型スプレッドとしては、例えば、水相に変
性澱粉、ハイドロコロイド、食用可塑性分散体等を添加
して水相の粘度を特定の範囲に調整したスプレッド(特
開昭62−232335号公報、特開昭63−4264
7号、特開昭63−248342号公報、特開昭63−
294743号公報、特開昭64−86831号公報、
特開平1−128744号公報、特開平1−98441
号公報、特開平2−5823号公報)がある。
【0003】これらはいずれも、水相の粘度を調整する
ことにより、脂肪相中での水相の分散安定性を向上さ
せ、脂肪分を従来の半分またはそれ以下に減少させたも
のであるが、従来の高脂肪分のスプレッドに比し、成分
の種類や量関係が大きく異なるため、塗布性、食感等の
品質のみならず、製造時においても、未だ解決すべき問
題が多い。例えば、本願発明者らの実験によれば、上記
の低脂肪分スプレッドでは、その多くがAユニット、B
ユニットまたはCユニットを有する通例のマーガリンま
たはスプレッド製造装置を使用して連続生産する場合に
おいて、途中、離水を生ずるか、脂肪相と水相が逆転す
る転相が生じ、良好な分散状態のスプレッドを得ること
はできず、また、比較的安定な分散状態で得られたスプ
レッドでも、実際に食する場合に重視される塗布性、食
感等に難点があるほか、澱粉、タンパク等を成分として
いるため、それらの固有の風味によりスプレッド自体の
風味が影響を受け、スプレッドに自由な風味を施すのに
限界がある。また、低カロリースプレッド組成物として
は、上記のように低脂肪化してもある程度の脂肪分を含
有せざるをえないので、その脂肪分を摂取しても生体に
対する影響をより少なくすることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、スプレッド組成物に要求される塗布性、風味、テク
スチャー、口触り、滑らかさ、安定性等を満足するとと
もに、摂取後の生体に対する影響、特に血中コレステロ
ールの上昇を抑制することができる低カロリースプレッ
ド組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、連続脂肪相および分散水相からなる油中水型スプレ
ッド組成物であり、前記スプレッド組成物中の前記脂肪
相は、スプレッド組成物の全量に対して20〜33重量
%であり、かつ乳化剤を含有しており、さらに、前記水
相は、穀物由来の水溶性ヘミセルロースをスプレッド組
成物の全量に対して10〜20重量%含有しており、さ
らに、該水溶性ヘミセルロースは、穀物外皮より抽出さ
れた水溶性ヘミセルロースであり、分子量10万以下の
ものが水溶性ヘミセルロースの全量の60重量%以上で
あり、かつ水溶性ヘミセルロースの10重量%溶液の粘
度が30cp以下のものである低カロリースプレッド組
成物である。
【0006】また、前記水相は、スプレッド組成物の全
量に対して0.1〜6.0重量%のゲル化剤を含有して
いることが好ましい。さらに、前記乳化剤は、スプレッ
ド組成物の全量に対して0.1〜1.5重量%含有され
ていることが好ましい。
【0007】以下、本発明の低カロリースプレッド組成
物について説明する。本発明の低カロリースプレッド組
成物は、連続脂肪相および分散水相からなる油中水型ス
プレッド組成物であり、前記スプレッド組成物中の前記
脂肪相は、スプレッド組成物の全量に対して20〜33
重量%であり、かつ乳化剤を含有しており、さらに、前
記水相は、穀物由来の水溶性ヘミセルロースをスプレッ
ド組成物の全量に対して10〜20重量%含有してお
り、さらに、該水溶性ヘミセルロースは、穀物外皮より
抽出された水溶性ヘミセルロースであり、分子量10万
以下のものが水溶性ヘミセルロースの全量の60重量%
以上であり、かつ水溶性ヘミセルロースの10重量%溶
液の粘度が30cp以下のものである。
【0008】この低カロリースプレッド組成物は、脂肪
含量が従来のマーガリンに比べ、約1/3に低減化され
ており、低カロリーである。さらに、天然の食物繊維の
一種である水溶性ヘミセルロースを含有している。保健
栄養上の効果、具体的には、血中コレステロール値の上
昇を抑制し、脂肪分の摂取による生体への影響を抑制す
ることができる。
【0009】本発明の低カロリースプレッド組成物中の
脂肪相の重量は、全組成物の20〜33重量%である。
脂肪相を形成する油脂としては、通常のマーガリンに使
用される食用油脂が使用できる。具体的には、動物油
脂、植物油脂およびそれらの加工油脂(硬化油、エステ
ル交換油)等を単独ないし組み合わせて使用できる。よ
り具体的には、大豆油、菜種油、米油、綿実油、サフラ
ワー油、ヒマワリ油、コーン油、バーム油、バーム核
油、ヤシ油、魚油、牛脂、豚脂、乳脂等の天然油脂、お
よび、大豆油、菜種油、コーン油等の天然油脂を水素添
加して得られる硬化油、さらに、上記天然油脂を適当な
触媒でエステル交換して得られるエステル交換油を使用
することができる。しかし、これらに限定されるもので
はない。また、油脂は単独で使用しても2つ以上を混合
して使用してもよい。
【0010】さらに、本発明のスプレッド組成物中の脂
肪相は、一定の範囲の融点及び固体脂指数(SFI)を
有することが好ましく、日本油化学協会編「基準油脂分
析法」の2.3.4.2−71および2.4.19.2
−81に記載の方法に従って測定した場合、 例えば、融点:19〜36℃、SFI: 5℃ 32〜5 10℃ 29〜4 15℃ 24〜3 20℃ 20〜1 25℃ 16〜0 30℃ 14〜0 35℃ 11〜0 40℃ 9〜0 特に融点:28〜33℃、SFI: 5℃ 15〜10 10℃ 13〜9 15℃ 12〜8 20℃ 11〜6 25℃ 10〜5 30℃ 9〜3 35℃ 6〜1 40℃ 4〜0
【0011】固体脂量の割合は乳化の安定性、風味、塗
布性に影響するおそれがあり、一定の範囲に抑えること
が望ましい。液状油と硬化油の組み合わせは、上記の条
件を容易に満足させることができ、好ましい。さらに、
保健・栄養上の観点より、リノール酸やリノレン酸等の
必須脂肪酸を含有する液状油を使用することがより好ま
しい。
【0012】また、脂肪相に添加される乳化剤として
は、例えば、炭素数14以上の飽和または不飽和の脂肪
酸のモノグリセリド(例えば、サフラワー油モノグリセ
リド)またはジグリセリド、リシノレイン酸ポリグリセ
リド、炭素数12以上の飽和または不飽和の脂肪酸のシ
ョ糖エステル、炭素数12以上の飽和または不飽和の脂
肪酸のソルビタンエステルまたは大豆レシチンが挙げら
れ、好ましくはリシノレイン酸ポリグリセリド、ショ糖
脂肪酸エステル、大豆レシチンである。これらは単独で
使用しても2つ以上を混合して使用してもよく、その添
加量は、スプレッド全量に対して、0.1〜1.5重量
%、好ましくは0.3〜0.7重量%である。
【0013】そして、本発明の低カロリースプレッド組
成物の水相は、水溶性ヘミセルロースを5〜20重量%
含有している。水溶性ヘミセルロースは、穀類外皮、具
体的には、穀類の種皮、ぬか等から公知の方法により得
ることができる。例えば、とうもろこし種子の外皮を稀
苛性ソーダ溶液に浸漬し、澱粉、脂肪、リグニンなどの
夾雑物を除去したものから、硫酸、塩酸等の酸性下(P
H1〜5)で加熱抽出を行い、抽出液部にアルカリを加
えて中和し、続いて限外濾過膜、電気透析膜、イオン交
換樹脂、逆透析膜により脱塩、脱色などを行うことによ
り、水溶性ヘミセルロースを抽出することができる。
【0014】水溶性ヘミセルロースの主成分は、原料に
よって若干事なるが、主にキシランからなり、より具体
的にはアラビノースの結合したアラビノキシランである
が、これに限られるものではない。そして、水溶性ヘミ
セルロースとしては、スプレッド組成物に要求されるテ
クスチャー、口触り等に支障を来さないことが好まし
く、そのためには、水溶性ヘミセルロース溶液の粘度が
低いことが望ましい。具体的には、穀物外皮より抽出さ
れた水溶性ヘミセルロースであり、分子量10万以下の
ものが水溶性ヘミセルロースの全量の60重量%以上、
より好ましくは、70重量%以上であり、かつ水溶性ヘ
ミセルロースの10重量%溶液の粘度が30cp以下、
特に、20cp以下のものであることが好ましい。な
お、ヘミセルロースの定量法は公知の方法、即ち、米国
のAOACの公定法として公認されている酵素重量法
(プロスキナー法)によって測定される。
【0015】上記のような性質を有する水溶性ヘミセル
ロースは、以下のようにして得ることができる。最初
に、穀類外皮、例えば、トウモロコシ、麦、米、大豆等
の外皮粉を、コロイドミル、ジェットミル、ピンミル、
コーヒーミル等を用いて湿式あるいは乾式粉砕した後、
水洗浄し、遠心分離を行い澱粉等を含む可溶性画分を除
き不溶性繊維質を分離する。上記の穀類外皮とは、トウ
モロコシ、麦、米および大豆等の種実の外皮、いわゆる
「ふすま」部分を意味しており、イネ科、マメ科、タデ
科の雑穀の外皮を含むものである。穀類外皮はもともと
不溶性の繊維質であり、不溶性性質の強い繊維成分であ
るセルロースと、比較的親水性が高く、可溶化されうる
繊維成分であるヘミセルロースを多量に含んでいる。
【0016】続いて、得られた不溶性繊維質を部分加水
分解処理する。具体的な部分加水分解処理は、穀類外皮
由来の食物繊維原料を、pH3.0以下において、60
〜100℃で酸加温処理することにより行われることが
好ましい。より具体的には、上述のように遠心分離を行
い澱粉等を含む可溶性画分を除いた不溶性繊維質に、ク
エン酸、硫酸などの性溶液を加えて、繊維質固形分が、
5〜30%、好ましくは10〜25%、懸濁液のpH
が、3.0以下、より好ましくは0.4〜3.0以下と
なるように懸濁する。pHが0.4以上であれば、中和
に多量のアルカリを加える必要もなく、pHが3.0以
下であれば、処理温度をあまり高くする必要がなく、部
分加水分解処理された不溶性食物繊維の変性着色、臭い
の悪化等の問題が生じない。好ましくは、pHが1.0
〜2.5である。
【0017】そして、部分加水分解処理温度としては、
60〜100℃であり、100℃以下にて部分加水分解
処理を行えば、部分加水分解処理された不溶性食物繊維
の変性着色、臭いの悪化等の問題が生じることがなく好
ましい。そして、部分加水分解処理後、室温まで冷却
し、例えば、水酸化ナトリウムを用いて中和する。
【0018】上述の部分加水分解処理工程が終了した
後、不溶性成分を除去するため、濾過または遠心分離し
た後、濃縮(脱水)を行い、続いて、酸とアルカリの中
和工程により産出された塩を除去した後、乾燥すること
により得ることができる。脱塩は限外濾過膜、電気透析
膜、イオン交換樹脂、逆透析膜等を用いて行われる。水
溶性ヘミセルロースの味、臭いの点より、部分加水分解
処理工程において産出された低分子物質を除去すること
が好ましく、そのためには、透析処理により脱塩ととも
に低分子物質の除去を行うことが好ましい。また、乾燥
は、凍結乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥、気流
乾燥等により行われる。
【0019】また、本発明の水相中には水溶性ヘミセル
ロース以外の水溶性多糖類を含有させてもよい。そのよ
うな水溶性多糖類としては、例えば、分岐状デキストリ
ン、ガラクトマンナン、ガラクトマンナンの酵素分解
物、キサンタンガム、サイリウムシードガム、グルコマ
ンナン、ローカストビーンガム、タマリントガム、トラ
ガントガム、グアーガム、タラガムまたはアラビノガラ
クタン等の食物繊維(難消化性多糖類)が挙げられ、好
ましくは、分岐状デキストリン、ガラクトマンナンの酵
素分解物またはキサンタンガム等が挙げられる。
【0020】このような難消化性多糖類はスプレッドに
分散安定性を付与するのみならず、便秘改善、整腸等の
生理作用をも有するものである。これらの水溶性多糖類
は、単独で使用しても2つ以上を混合して使用してもよ
いが、通常は、2つ以上の混合系で使用される。
【0021】また、本発明のスプレッド組成物中の水相
には、ゲル化剤を添加する事が好ましく、ゲル化剤とし
ては、例えば、ゼラチン、カラギーナンまたは寒天等が
挙げられ、ゼラチンまたはカラギーナンが特に好まし
い。これらのゲル化剤は、単独で使用しても2つ以上を
混合して使用してもよく、その使用量は、スプレッド全
量に対して、0.1〜6.0重量%、好ましくは0.8
〜3.0重量%の範囲内である。
【0022】本発明の組成物に添加される香料として
は、例えば、バターフレーバー、ミルクフレーバーが挙
げられ、色素としては、例えば、ビタミンA、β−カロ
チン,アナットーが挙げられ、呈味剤としては、例え
ば、ミルク成分の酵素分解物、粉末生クリームが挙げら
れる。さらに、安定剤、保存剤、防腐剤等の各種添加物
を添加してもよい。そして、これら添加物のうち、水溶
性物質は本発明の低脂肪分スプレッドの水相中に添加さ
れ、一方、油溶性物質は脂肪相中に添加される。
【0023】さらに、本発明のスプレッド組成物の風味
を良好にするために、食塩等の塩類、脱脂粉乳等を配合
してもよい。それらの添加剤は、通常のスプレッド組成
物に使用される添加量でよく、全組成物重量の10重量
%以下であることが好ましい。
【0024】そして、本発明の低カロリースプレッド組
成物の代表的な組成配合は以下の通りである。 水 50 % 油脂 27 % 水溶性ヘミセルロース 15 % 呈味料 4 % 食塩 1 % 乳化剤・糊料・香料・色素等 3 %
【0025】次に、本発明の低カロリースプレッド組成
物の製造方法について説明する。まず、本発明のスプレ
ッド組成物の水相成分は、一定量の水を50〜60℃に
加熱し、撹拌下、所定量のゲル化剤を同温度にて添加、
溶解し、さらに同温度にて、準備した水溶性ヘミセルロ
ース、さらには必要に応じて水溶性多糖類および増粘性
多糖類を添加、溶解することにより調整される。なお、
水相成分中に乳蛋白、香料、呈味剤、食塩等を加える場
合には、これらは水溶性多糖類を添加する前に加える必
要がある。そして、調整した溶液または分散液は、通
常、滅菌のため60〜80℃で一定時間維持する。
【0026】そして、本発明のスプレッド組成物の脂肪
相成分は、例えば、天然油脂、天然油脂の水素添加油
脂、エステル交換油またはそれらの混合油脂を60〜8
5℃に過熱し、ゆっくり撹拌しながら、乳化剤を添加、
溶解することにより作成される。この脂肪相成分中に香
料、色素等を添加する場合、それらは、上記の乳化剤の
添加、溶解後に添加、混合する。
【0027】そして、本発明の低脂肪分スプレッド組成
物は、以上のようにして得られた水相および脂肪相を分
散、乳化することにより、作成される。具体的には、ま
ず、45〜50℃の水相を同じ温度範囲内にある脂肪相
中に添加し、一定時間強力に撹拌して予備乳化する。そ
して、乳化物を滅菌のために70〜80℃に加熱し、1
0〜30分間保持する。次いで、Aユニット、Bユニッ
ト又はCユニットを有する通例のマーガリンまたはスプ
レッド製造装置に連続的に通して、冷却、固化、練圧す
ることによって行われる。水相と脂肪相の混合比は、目
的とするスプレッドの脂肪分により異なり、例えば、目
的とするスプレッドの脂肪分をより低くする場合には、
水溶性多糖類の添加量を多くしたものを使用すればよ
い。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 (水溶性ヘミセルロース1の抽出)粒径1.25mm以
下の乾燥したトウモロコシ外皮粉末を水に懸濁して固形
分濃度10%とし、90℃に加温して30分間維持し
た。その後、連続式遠心分離器(3000G)により固
形分を回収し、加熱により可溶化する成分を除去した。
この際の固形分回収率は、90〜95%程度であった。
また、この処理により得られたトウモロコシ外皮粉末中
の食物繊維含有量は85%であった。上記のようにして
得たトウモロコシ外皮を、固形分10%となるように
0.1N硫酸溶液(pH1.4)中に分散し、80℃ま
で加温し、60分間維持し、部分加水分解処理を行っ
た。その後、60℃まで冷却し、水酸化ナトリウムより
pH6に調整した。これを遠心分離(3000G)し
て、上澄み部分を採取し、フラッシュエバポレーターを
用いて濃縮を行い、続いて、電気透析器(商品名 TS
−2−10,徳山ソーダ株式会社製)を用いて、脱塩し
たのち、噴霧乾燥機を用いて乾燥し、水溶性ヘミセルロ
ースの乾燥粉末を得た。
【0029】(水溶性ヘミセルロース2の抽出)水溶性
ヘミセルロース1の抽出における電気透析器のかわりに
セルロース系チューブ透析膜(シームレスセルロースチ
ュービング:VISKASE SALES社)を用いた
以外は、同様に行い、水溶性ヘミセルロースの乾燥粉末
を得た。そして、上記の水溶性ヘミセルロース1,2の
分子量分布割合及び粘度を測定したところ、表1に示す
とおりであった。
【0030】
【表1】
【0031】なお、分子量分布割合は、分子量標準品を
高速液体クロマトグラフに注入して検量線を作成し、そ
して、それぞれの水溶性ヘミセルロース溶液を高速液体
クロマトグラフに注入し、解析することにより算出し
た。また、水溶性ヘミセルロース10重量%溶液の粘度
は、B型粘度計を用いて、室温6rpmの条件にて測定
した。
【0032】(実施例1)融点41℃の大豆硬化油7.
7部および大豆油19.9部からなる油脂にサフラワー
油由来のモノグリセライド0.4部、β−カロチン0.
002部及び香料0.2部を溶解し、脂肪相成分を調整
し、60〜70℃に保持した。一方、キサンタンガム
0.2部、脱脂粉乳5部、食塩1.5部及び上記の水溶
性ヘミセルロース2を15部を、水50.3部に溶解し
て水相成分を調整し、60〜70℃に保持した。そし
て、上記脂肪相成分を、撹拌しながら、脂肪相成分中に
上記水相成分を添加して油中水形エマルジョンとし、こ
のエマルジョンを75℃に加熱して15分間保持し、殺
菌を行った後、マーガリン製造装置(コンビネーター)
で冷却、捏和することにより、脂肪分28%及び水溶性
ヘミセルロース15%含むスプレッド組成物(実施例
1)を得た。このスプレッド組成物は、乳化安定性、風
味、塗布性とも優れたものであった。
【0033】(実施例2)融点40℃の綿実硬化油8.
8部及びサフラワー油20.7部からなる油脂にサフラ
ワー油由来のモノグリセライド0.5部、β−カロチン
0.002部及び香料0.02部を溶解し、脂肪相成分
を調整し、60〜70℃に保持した。一方、キサンタン
ガム0.2部、ゼラチン1.4部、脱脂粉乳5部、食塩
1.5部及び実施例1にて用いたものと同じ水溶性ヘミ
セルロース2を11部、水50.9部に溶解して水相成
分を調整し、60〜70℃に保持した。そして、脂肪相
成分を撹拌しながら、脂肪相成分中に上記水相成分を添
加して油中水形エマルジョンとし、このエマルジョンを
75℃に加熱15分間保持し、殺菌を行った後、マーガ
リン製造装置(コンビネーター)で冷却、捏和すること
により、脂肪分30%及び水溶性ヘミセルロース11%
含むスプレッド組成物(実施例2)を得た。このスプレ
ッド組成物は、乳化安定性、風味、塗布性とも優れたも
のであった。
【0034】(実施例3)融点42℃のコーン硬化油
6.1部及びコーン油18.4部からなる油脂にリシノ
レイン酸ポリグリセリンエステル0.3部、ショ糖脂肪
酸エステル0.2部、β−カロチン0.002部及びα
−トコフェロ−ル0.02部を溶解し、脂肪相成分を調
整し、60〜70℃に保持した。一方、脱脂粉乳4部、
食塩1.2部、香料0.3部及び上述の水溶性ヘミセル
ロース1を19部を水45.5部に溶解して水相成分を
調整し、60〜70℃に保持した。そして、脂肪相成分
を撹拌しながら、脂肪相成分中に水相成分を徐々に添加
して油中水形エマルジョンとし、このエマルジョンを7
5℃に加熱して15分間保持し、殺菌を行った後、マー
ガリン製造装置(コンビネーター)で冷却、混和するこ
とにより、脂肪分25%及び水溶性ヘミセルロース19
%含むスプレッド組成物(実施例3)を得た。このスプ
レッド組成物は、乳化安定性、風味、塗布性ともすぐれ
たものであった。
【0035】(比較例)融点41℃の大豆硬化油7.7
部および大豆油19.9部からなる油脂にサフラワー油
由来のモノグリセライド0.4部、β−カロチン0.0
02部及び香料0.02部を溶解し、脂肪相成分を調整
し、60〜70℃に保持した。一方、キサンタンガム
0.2部、脱脂粉乳5部、食塩1.5部及びデキストリ
ン15部を水50.3部に溶解して水相成分を調整し、
60〜70℃に保持した。そして、上記脂肪相成分を、
撹拌しながら、脂肪相成分中に上記水相成分を添加して
油中水形エマルジョンとし、このエマルジョンを75℃
に加熱して15分間保持し、殺菌を行った後、マーガリ
ン製造装置(コンビネーター)で冷却、混和することに
より、脂肪分28%及びデキストリン15%含むスプレ
ッド組成物(比較例)を得た。
【0036】[実験]実施例および比較例のスプレッド
組成物を用いて以下の実験を行った。 (実験1)表2に示す組成の配合飼料を作成した。
【0037】
【表2】
【0038】SD系雄性ラット(4周令)20匹に標準
飼料を1周間自由摂取させた後、尾静脈採血し、血中コ
レステロール値を測定し、初期値とした。続いて、各1
0匹に配合飼料1,2を与えて2周間飼育し、その間1
日毎に尾採血し、血中コレステロール値を測定した。な
お、各飼料は、よく練り込んで固形状として与えた。そ
の結果は飼料1を与えた系は供与開始後、血中コレステ
ロール値が低下したのに対し、飼料2を与えた系は低下
しなかった。
【0039】(実験2)表3に示す配合飼料を作成し
た。
【0040】
【表3】
【0041】SD系雄性ラット(4周令)20匹に、表
1に示した標準飼料を1周間自由摂取させた後、尾静脈
採血し、血中コレステロール値を測定し、初期値とし
た。続いて、各10匹に配合飼料3,4を与えて2周間
飼育し、その間1日毎に尾採血し、血中コレステロール
値を測定した。なお、各飼料は、よく練り込んで固形状
として与えた。その結果は配合飼料4を与えた系に比べ
て配合飼料3を与えた系はあきらかに血中コレステロー
ル値の上昇が抑制されていることが確認された。
【0042】
【発明の効果】本発明のスプレッド組成物は、連続脂肪
相および分散水相からなる油中水型スプレッド組成物で
あり、前記スプレッド組成物中の前記脂肪相は、スプレ
ッド組成物の全量に対して20〜33重量%であり、か
つ乳化剤を含有しており、さらに、前記水相は、穀物由
来の水溶性ヘミセルロースをスプレッド組成物の全量に
対して10〜20重量%含有しており、さらに、該水溶
性ヘミセルロースは、穀物外皮より抽出された水溶性ヘ
ミセルロースであり、分子量10万以下のものが水溶性
ヘミセルロースの全量の60重量%以上であり、かつ水
溶性ヘミセルロースの10重量%溶液の粘度が30cp
以下のものであるので、スプレッド組成物に要求される
塗布性、風味、テクスチャー、口触り、滑らかさ、安定
性等を満足するとともに、摂取後の生体に対する影響、
特に血中コレステロールの上昇を抑制することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 史朗 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の 1 テルモ株式会社内 (72)発明者 柴田 実千代 山梨県中巨摩郡昭和町築地新居1727番地の 1 テルモ株式会社内 (72)発明者 太田 裕章 神奈川県横浜市神奈川区守屋町2−7 太 陽油脂株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続脂肪相および分散水相からなる油中
    水型スプレッド組成物であり、前記スプレッド組成物中
    の前記脂肪相は、スプレッド組成物の全量に対して20
    〜33重量%であり、かつ乳化剤を含有しており、さら
    に、前記水相は、穀物由来の水溶性ヘミセルロースをス
    プレッド組成物の全量に対して10〜20重量%含有し
    ており、さらに、該水溶性ヘミセルロースは、穀物外皮
    より抽出された水溶性ヘミセルロースであり、分子量1
    0万以下のものが水溶性ヘミセルロースの全量の60重
    量%以上であり、かつ水溶性ヘミセルロースの10重量
    %溶液の粘度が30cp以下のものであることを特徴と
    する低カロリースプレッド組成物。
  2. 【請求項2】 前記水相は、スプレッド組成物の全量に
    対して0.1〜6.0重量%のゲル化剤を含有している
    請求項1に記載の低カロリースプレッド組成物。
  3. 【請求項3】 前記乳化剤は、スプレッド組成物の全量
    に対して0.1〜1.5重量%含有されている請求項1
    または2に記載の低カロリースプレッド組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3313114B2 (ja) * 1992-06-16 2002-08-12 不二製油株式会社 乳化剤及び乳化組成物並びに粉末化組成物
KR101316129B1 (ko) * 2012-05-15 2013-10-15 한국식품연구원 미강유를 포함하는 가공버터 및 이의 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3313114B2 (ja) * 1992-06-16 2002-08-12 不二製油株式会社 乳化剤及び乳化組成物並びに粉末化組成物
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