JPH0516831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、住居の木質系壁体の内部に配設され
た配線等を保護する金具に関する。

［従来の技術］ 従来、2′×4′工法やパネル工法等における外壁
などには、芯材を組み付けた骨組みに面板を取り
付けて構成された壁パネルが用いられている。こ
の種の壁パネルを用いて外壁あるいは間仕切壁を
構成した場合に、屋内電気配線やテレビアンテナ
線、あるいはガス配管（以下配線等という）をパ
ネル壁内に配設するには、第５図に示すように壁
パネル１内の芯材２に形成した切欠部３に配線４
等を挿通し、その後に芯材２の表面に面板５を釘
６により取り付け、切欠部３の開口面を掩蔽して
行つている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで配線４等を配設した片面パネルに面板
５を取り付けたり、壁パネル１に棚等の造作物を
後付けすることがあるが、この場合に、壁パネル
１の芯材２に釘６やネジを打ち込むことになる。
そしてこの釘６やネジは、打ち込み場所によつて
は壁パネル１内の配線４や配管に達して、これら
を損傷させる虞れがあり、場合によつては断線を
引き起こしたり、配管に亀裂を生じさせてしまう
という問題があつた。

また芯材２に切欠部３が形成されているため、
芯材２が強度的に不十分となるとともに、壁パネ
ル１内においても前記切欠部３が一方向に並ぶた
め、壁パネル１が構造的に強度不十分となるとい
う問題があつた。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、内部に配線等が配設された壁パネルに釘やネ
ジを打ち込む場合も、配線等を損傷させることが
ないとともに、芯材や壁パネルの補強材にもなる
保護金具を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、複数の芯材を組み付けた骨組みに
面板を取り付けて構成される壁パネルの前記芯材
にこの芯材の表面に開口するようにして形成した
配線等挿通用の切欠部に取り付けられる配線等の
保護金具であつて、前記保護金具を、前記切欠部
の開口面を掩蔽する保護基板と、この保護基板の
両側縁に互いに対向して取り付けられかつ切欠部
側面に当接する側板とによりほぼコ字状に形成
し、前記両側板に、この側板と直角となるように
して側板の外方に向けて延出しかつ芯材上面より
芯材に打ち込まれて固定される取付片を設け、か
つこの取付片全体を自身の長さ方向に沿つて波状
に形成してなるものである。

［作用］ 切欠部の開口面に取り付けられた保護基板が釘
やネジの打ち込み阻止し、内部の配線部分等への
釘やネジの到達を阻止する。また切欠部に取り付
けられた保護金具が、芯材の上下、前後方向への
折曲げ等に対する強度を補強する。

［実施例］ 以下この考案に係る配線等の保護金具の実施例
について、第１図ないし第４図を参照しながら説
明する。図中符号７は、壁パネルである。壁パネ
ル７は、長方形状に組み付けられた外芯材８ａ
と、この外芯材８ａの内側に格子状に組み付けら
れた芯材８ｂとからなる骨組み８の正面及び背面
にそれぞれ薄板状の面板９が取付けられることに
より構成されている。

上記ように構成された壁パネル７の芯材８ｂに
は、切欠部１０が形成されており、この切欠部１
０には電線１１が挿通されている。

前記切欠部１０には、切欠部１０の開口面１２
を掩蔽するようにして保護金具１３が取付けられ
ている。

この保護金具１３は、銅板等の金属板が折曲さ
れたもので、前記切欠部１０の開口面１２と略同
一大きさに形成された方形状の保護基板１４と、
この保護基板１４と一体としてコ字状になるよう
その両側縁から同一方向に折り曲げられて形成さ
れた互いに対向する２個の側板１５，１５と、こ
の２個の側板１５，１５のそれぞれの一側縁側
を、一方は図示で上方を、他方は下方を各々外方
側に向けて側板１５と直角となるように折曲し、
かつこの折曲された面を波状に形成した取付片１
６，１６とからなつている。そして前記側板１５
の保護基板１４面からの高さ１５ｈは、前記切欠
部１０の深さ１０ｄよりも低くなるように形成さ
れている。

次に、この保護金具１３の取付け手順について
説明する。まず取付片１６の側縁を芯材８ｂの切
欠部開口面１２近傍に当て、金ずちなどで叩き取
付片１６を芯材８ｂに打ち込む。この場合、側板
１５の高さ１５ｈが切欠部１０の深さよりも低く
形成されているので、第４図に示すように保護基
板１４の外表面が芯材８ｂの手前表面と面一にな
るよう打ち込むことができる。

上記のようにして保護金具１３の取付けが終了
したら、面板９を取付ける。

上記のように、切欠部１０に保護金具１３を取
り付けておくと、棚等の造作物を後付けするため
に、壁パネル７の芯材８ｂに釘やネジを打ち込む
場合に、保護金具１３の部分に打ち込もうとして
も、保護基板１４により電線１１側への釘やネジ
の打ち込みが阻止され、電線１１の損傷が防止さ
れる。また芯材８ｂの切欠部１０に保護金具１３
を取り付けたので、この保護金具１３が、芯材８
ｂの切欠部１０における上下あるいは前後方向へ
の折り曲げ等に対する補強材になるとともに、壁
パネル７をも補強することにもなる。

また保護金具１３の保護基板１４の外表面が、
芯材８ｂの手前表面と面一になるように取り付け
ることができるので、取付けられた面板９の室内
側の表面が不陸にならず、きれいに仕上がるなど
意匠性が高められる。

なお、上記実施例においては側板１５，１５に
おける取付片１６，１６の形成位置を、互いに上
方、下方に形成するようにしたが、共に同じ側に
形成してもよい。また各側板１５，１５の上方、
下方をそれぞれ折曲して上下に２個の取付片１
６，１６を形成してもよい。また取付片１６は側
板１５を折曲して形成するだけでなく、側板１５
に溶接等により接合することにより形成してもよ
い。また取付片１６の側板１５に対する角度も直
角に限られるものではなく、任意の傾斜角度にす
ることができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案は、複数の芯材
を組み付けた骨組みに面板を取り付けて構成され
る壁パネルの前記芯材にこの芯材の表面に開口す
るようにして形成した配線等挿通用の切欠部に取
り付けられる配線等の保護金具であつて、前記保
護金具を、前記切欠部の開口面を掩蔽する保護基
板と、この保護基板の両側縁に互いに対向して取
り付けられかつ切欠部側面に当接する側板とによ
りほぼコ字状に形成し、前記両側板に、この側板
と直角となるようにして側板の外方に向けて延出
しかつ芯材上面より芯材に打ち込まれて固定され
る取付片を設け、かつこの取付片全体を自身の長
さ方向に沿つて波状に形成してなるものであるか
ら次のような優れた効果を奏することができる。

(イ) 壁パネルの芯材の切欠部に取り付けられた保
護金具は、その保護基板と両側板とが切欠部に
嵌まり込んで、切欠部に集中する芯材の長さ方
向に作用する圧縮力に対抗し、また、保護金具
の波型に形成された取付片が、芯材の切欠部両
側にくい込んで保護金具を芯材に確実に固定し
た状態とし得て、保護金具全体で、切欠部に集
中する芯材の長さ方向に作用する引つ張り力に
対抗するので、芯材の切欠部に集中する応力に
対抗することができ、芯材の切欠部における補
強をなすことができる。

(ロ) また本考案は、保護金具の取付片を芯材に打
ち込む操作だけで芯材の切欠部に保護金具をは
め込んだ状態で取り付けることができるので、
パネル組み付けの際の操作性が良好で、作業能
率を向上することができる。

(ハ) さらに本考案では、切欠部に配線等が挿通さ
れていても、切欠部の開口部が保護金具の保護
基板により覆われているので、棚等の造作物を
後付けするために、壁パネルの芯材に釘やネジ
を打ち込む場合に、保護金具の部分に打ち込も
うとしても、保護基板により電線側への釘やね
じの打ち込みが阻止され、電線の損傷を未然に
防止できるといつた効果もある。また金属板を
折曲するなどして形成することができるので、
製作が簡単であり、低コストが図れるなどの効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案に係る配線等の
保護金具の実施例を示すもので、第１図は壁パネ
ルへの取付け状態を示す一部破断斜視図、第２図
はこの実施例に係る保護金具の斜視図、第３図は
芯材への取付け途中の状態を示す斜視図、第４図
は壁パネルへの取付け状態を示す平面図、第５図
は従来例を示すもので、壁パネル内における配線
の配設状態を示す一部破断斜視図である。 ７……壁パネル、８ａ，８ｂ……芯材、１０…
…切欠部、１１……電線、９……面板、１２……
開口面、１３……保護金具、１４……保護基板、
１５……側板、１６……取付片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の芯材を組み付けた骨組みに面板を取り付
   けて構成される壁パネルの前記芯材にこの芯材の
   表面に開口するようにして形成した配線等挿通用
   の切欠部に取り付けられる配線等の保護金具であ
   つて、 前記保護金具は、前記切欠部の開口面を掩蔽す
   る保護基板と、この保護基板の両側縁に互いに対
   向して取り付けられかつ切欠部側面に当接する側
   板とによりほぼコ字状に形成され、前記両側板に
   は、この側板と直角となるようにして側板の外方
   に向けて延出しかつ芯材上面より芯材に打ち込ま
   れて固定される取付片が設けられ、かつこの取付
   片は全体が自身の長さ方向に沿つて波状に形成さ
   れていることを特徴とする配線等の保護金具。