JPS6329056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建築用内装材の取付具に関し、断熱
材等の板状の内装材の取付けを簡単に行なえるよ
うにしたものである。

従来における内装材の取付けは、コンクリート
壁あるいは鋼製折版屋根等の基礎構造に対して木
製の桟木をボルト取付した後、この桟木に内装材
を取付ける方法が広く採用されているが、上記桟
木の加工および取付には非常に手数を要しコスト
高になると共に、可燃性の高い木製の桟木を用い
る点で防火上の問題もあつた。

その為、上記桟木に代え、金属板製の取付プレ
ートを用いる方法も提案されているが、内装材の
取付固定が面倒で作業能率が悪かつたり、取付プ
レートの構造によつては内装材を緊密に敷設でき
ず〓間が生ずるなどの欠点があり、満足のできる
ものが無い現状であつた。

そこで、この考案においては上記した内装材の
取付に関する従来の取付プレートの欠点および不
便を解消でき、取付容易であると共に内装材の性
能を充分に発揮させることのできる取付具を提供
するものであり、その構成は、二枚のＬ型プレー
トを、垂直板部に設けた連結部にて互いの背面同
士を当接して連結自在になし、両Ｌ型プレートの
水平板部において、垂直板部と直交する方向には
Ｈ型ジヨイナーの挿入溝を上面側へ凹入形成する
と共に、挿入溝の外側先端にＨ型ジヨイナーの上
辺を両側から挾入支持する一対の支持片を形成し
てあり、垂直板部に沿つた方向には上記Ｈ型ジヨ
イナーの挿入溝およびその両外側先端の一対の支
持片のうち、片側半分のみを形成してあり、さら
に両Ｌ型プレートのうち片方のＬ型プレートには
基礎構造への取付部を設けてなることを特徴とし
ている。

次いで、この考案の実施態様について図を参照
しながら以下に例示する。

取付具Ａは、金属薄板等を折曲および打抜形成
した二枚のＬ型プレートａ，a′からなり、両Ｌ型
プレートａ，a′の垂直板部１，１′の背面同士を
当接して連結固定できる連結部３を設けると共
に、両者ａ，a′の水平板部２，２′を同一平面上
で突き合せて一枚のプレート状に組合せ、その下
面に内装材を取付け得るようになつている。また
両Ｌ型プレートａ，a′のうち、どちらか一方のプ
レート〔図の場合Ｌ型プレートａ〕には金属製折
版等の基礎溝造Ｂに取付具Ａを取付固定する為の
取付ボルト部材Ｃの取付部４が設けてある。

連結部３としては、一方のＬ型プレートａの垂
直板部１上方にＴ型の掛止孔３０を打抜き形成す
ると共に、他方のＬ型プレートa′には垂直板部
１′上方にＴ型の掛止片３０′を、掛止片３０′の
先端が垂直板部１′の背面側へ少し突出するよう
に折曲して設けられている。そして上記掛止片３
０′を掛止孔３０を通して反対側へ挿通し、掛止
片３０′の先端幅広部３１′を掛止孔３０の下端垂
直溝部３１に掛止することによつて、両Ｌ型プレ
ートａ，a′が連結できるようになつている。１
０′，１０′は一方のＬ型プレートa′に形成した連
結後における位置ズレ防止用の八字状の当接片で
あり、相手側のＬ型プレートａの斜状辺１０，１
０に当接して、両プレートａ，ａの垂直面内での
移動または位置ズレを防止するものである。また
５は固定部材であり、板状の固定部材５の両端に
設けた嵌合溝部５０，５０を、重ね合された両方
の垂直板部１，１′の両端肩部１１，１１，１
１′，１１′に嵌合可能になつており、上記当接片
１０′と同様に位置ズレ防止用となり、特に連結
後に両プレートａ，a′の下端において互いの垂直
板部１，１′が離反する方向へ移動するのを防止
する為に有効である。

次に両プレートａ，a′の水平板部２，２′にお
いて、２０，２１，２０′，２１′は各プレートの
三方へＴ字状に設けられたＨ型ジヨイナーＨの挿
入溝であつて水平板部２，２′を上面側へ凹入形
成してあり２２，２３，２２′，２３′は上記挿入
溝２０，２１，２０′，２１′の端部に設けた各々
一対の支持片であり、挿入溝２０…との間にＨ型
ジヨイナーＨの上辺ｈが挾入できる〓間を有する
と共に、一対の支持片２２，２２……の間にＨ型
ジヨイナーＨの垂直辺h′が挿入できるようになつ
ており、上記挿入溝２０，２１……と支持片２
２，２３…とでＨ型ジヨイナーＨを挾入して取付
具Ａへ取付できることになる。なお、上記挿入溝
２０，２１，２０′，２１′および支持片２２，２
３，２２′，２３のうち、各プレートａ，a′の垂
直板部１，１′に沿つた方向のものにおいては、
各水平板部２，２′には挿入溝２１，２１′および
支持片２３，２３′の片側半分だけしか形成して
おらず、両側の水平板部２，２′を組合せ連結す
ることによつて一本の挿入溝および一対の支持片
が構成できるようになつている。

２４，２４′は補強用支持バーの係合用爪部で
あり、水平板部２，２′の挿入溝のうち、垂直板
部１，１′と直交する方向の挿入溝２０，２０′上
面に起上形成してあり、爪部２４，２４′と挿入
溝２０，２０′上面との間に支持バーＤを爪部２
４，２４′の弾性を利用して挾入取付できるよう
になつており、支持バーＤに設けた突条ｄと爪部
２４，２４′下面の条溝２５，２５′を係合するこ
とにより、支持バーＤが確実に位置決めされて固
定取付できることになる。

次に基礎構造Ｂへの取付部４としては、一方の
Ｌ型プレートａの垂直板部１を上方へ延設してフ
ツク状に折曲し、その先端の水平部分に取付ボル
ト挿通孔４０を形成したものであり、上記孔４０
の周囲を上方側へ円錐状に突出形成してあるが、
これは取付ボルト部材Ｃの軸心と取付具Ａの中心
が若干ズレたり傾いても、取付具Ａを正しい位置
および姿勢に調整して取付けできるために好適と
なる。

さらに両プレートａ，a′の各折曲部分等には補
強のためにリブ突条６が形成されてあり、また水
平板部２，２′のうちＴ型に設けた挿入溝２０…
の間となる角部は斜めに切落されてあつて軽量化
を図つており、その他プレートａ，a′各部の形
状、細部構造については、図示した実施例に限ら
ず種々変更して実施できる。

例えば連結部３としては、前記掛止孔３０およ
び掛止片３０′の形状を適宜変更したり、図示し
た当接片１０′や固定部材５以外の形状および構
造を有する位置ズレ防止機構を設けても良いが、
但し上記位置ズレ防止機構としては両プレート
ａ，a′の垂直面内での移動およびこれと直交する
方向に両プレートが離反することの、何れをも阻
止できる構造であることが必要である。さらに連
結部３としては掛止片３０′等を用いず、両プレ
ートａ，a′の垂直板部１，１′を直接ボルト結合
するものであれば位置ズレは起り難く好適であ
り、その他ピンと嵌合孔による連結等、既知の
様々な連結手段が適宜採用できる。

またＨ型ジヨイナーＨの挿入溝２０，２０′上
面に形成する支持バーＤの係合用爪部２４，２
４′としては、支持バーＤの形状によつて種々変
更して実施できると共に、施工時に取付具Ａ間の
矩離が短かければ、支持バーＤによる補強は不要
であるから爪部２４，２４′の形成を省くことも
可能である。

上述のごとき取付具Ａを用いる内装材の取付施
工の一例について説明すると、先ず第３図および
第４図に図示した施工は倉庫などの天井におい
て、鋼板製折版（デツキプレート）Ｂからなる屋
根の下部に、内装材として断熱ボートＥを吊設す
る場合を例示している。

初めに基礎構造となる鋼板製折版Ｂの適宜個所
に取付ボルト部材Ｃを吊設しておく。この取付ボ
ルト部材Ｃは略全体が金属製であるが、中途部分
に合成樹脂製のヒートカツトナツトC′を設けるこ
とによつて、上記金属製取付ボルト部材Ｃによる
伝熱（ヒートブリツジ作用）を防止している。

そして、この取付ボルト部材Ｃの下端に取付具
Ａのうちの一方のＬ型プレートａを、上端の取付
部４を利用してボルトナツト止めする。

こうして片側のＬ型プレートａのみが取付られ
た状態で、Ｈ型ジヨイナーＨを垂直板部１に沿つ
た挿入溝２１および支持片２３の間に挾入する。
なおＨ型ジヨイナーＨとしては、上辺ｈおよび垂
直辺h′にＴ字形の金属素材Ｍが露出すると共に、
下辺h″は金属素材Ｍを覆う合成樹脂素材Ｐが一体
形成されたものからなるものが使用されていて、
金属素材Ｍの強度および剛性を利用すると共に、
金属素材Ｍによる天井裏側への室内からの伝熱
（ヒートブリツジ作用）を断熱性のよい合成樹脂
素材Ｐにて遮断でき、しかも全体の軽量化も図れ
る。また室内側へは合成樹脂素材Ｐのみが露出す
るので室内の外観上も体裁良く好適となる。但し
単なる金属素材Ｍあるいは合成樹脂素材Ｐのみか
らなるＨ型ジヨイナーも使用可能である。

次に残りの相手方Ｌ型プレートa′を連結部３と
なる掛止孔３０および掛止片３０′を利用して連
結する。この際に予め取付けられたＨ型ジヨイナ
ーＨが連結する残りのＬ型プレートa′の挿入溝２
１′および支持片２３′の間にスムーズに挾入され
るように、当該Ｌ型プレートa′が略楕円状軌跡を
描くように回動して、Ｈ型ジヨイナーＨの側方か
ら当接させて連結作業を行なう。

その後、固定部材５を取付けて両プレートａ，
a′を完全に固定すれば、取付具Ａが完成すると共
に、Ｈ型ジヨイナーＨは両側の挿入溝２１，２
１′および支持片２３，２３′にて完全に取付ら
れ、使用時に断熱ボード等の荷重が加わつても外
れなくなる。なお、上記Ｈ型ジヨイナーＨと直交
する方向には、Ｌ型プレートａ，a′の垂直板部
１，１′と直交する方向に設けた挿入溝２０，２
０′および支持片２２，２２′間にＨ型ジヨイナー
Ｈを端部から挿入して挾入取付しておき、また、
必要に応じて補強用の支持バーＤを爪部２４，２
４′を利用して各取付具Ａ間に張設しておく。

以上のようにして各取付具Ａ間に縦横に交差さ
せてＨ型ジヨイナーＨを取付けると共に、Ｈ型ジ
ヨイナーＨの間に発泡体やグラスウール等からな
る断熱ボードＥを挾入取付して順次天井面全体の
断熱施工を果すものである。なおＨ型ジヨイナー
Ｈの垂直辺ｈの両面あるいは断熱ボードＥの端面
にスポンジ状のパツキンＦを貼着しておけば両者
間に〓間が生じず好適となる。また縦横に交差す
るＨ型ジヨイナーＨのうち、各Ｌ型プレートａ，
a′の垂直板部１，１に沿う方向に関しては、多数
の列設された取付具Ａに対して共通する一本の長
尺のＨ型ジヨイナーＨを取付けて全体の一体性お
よび強度を高めており、これはＨ型ジヨイナーＨ
を予め片側のＬ型プレートａの分割形成された挿
入溝２１に取付けた後、残りのＬ型プレートa′を
連結してＨ型ジヨイナーＨを両側から完全に支持
できる構造である為、長尺のＨ型ジヨイナーＨで
あつても容易に取付けることが可能になるのであ
る。これに対して上記と直交する方向に関して
は、隣接する取付具Ａのみを連結できる短尺のＨ
型ジヨイナーＨを使用し、Ｌ型プレートａ，a′の
垂直板部１，１′と直交する方向に設けた挿入溝
２０，２０′および支持片２２，２２′間へ先端か
らＨ型ジヨイナーＨを挿入して挾入取付してお
り、短尺のＨ型ジヨイナーＨである為に強度が不
足する場合には、支持バーＤ等の補強材を設ける
ことが有効になる。

以上のごとく構成されたこの考案の取付具によ
れば、二枚のＬ型プレートを連結自在に組合せ、
予め片側のＬ型プレートのみを基礎構造側へ取付
けておき、このＬ型プレートへ内装材取付用のＨ
型ジヨイナーを仮取付けした後、残りのＬ型プレ
ートを連結してＨ型ジヨイナーを完全に固定取付
するので、多数の取付具にまたがる長尺のＨ型ジ
ヨイナーであつても片側のＬ型プレートへ側面か
ら挿入すれば容易に取付けられ、その後残りのＬ
型プレートで完全にＨ型ジヨイナーを取付固定す
れば、取付作業は非常に簡単で面倒が無いと共
に、長尺のＨ型ジヨイナーを使用できるので全体
の強度に優れ、しかもＨ型ジヨイナーの継ぎ目で
段がつく可能性も少なくなつて全体の平面度が良
好になり、内装施工後の仕上りも優れたものとな
る。

またＨ型ジヨイナーの取付けは、各Ｌ型プレー
トの挿入溝と一対の支持片の間にてＨ型ジヨイナ
ーの上辺を挾入すると共に、両側の支持片間にＨ
型ジヨイナーの垂直辺を挿入することにより、確
実で安定した支持が果せ、特別な止定具や連結部
材も不要で能率良く張設していくことができ、し
かも下方の内装材側へ止定具等が突出して敷設作
業の邪魔になることも無い。

さらに上記構造を有する取付具は、金属板など
をプレス成形すれば製造も容易でコスト安価にな
り、従つて内装材の取付施工の能率向上と共に施
工コスト全体の低減化も図れることになり、実用
的価値の非常に高いものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は分解斜視図、第２図は使用時の斜視
図、第３図および第４図は各々Ｌ型プレート連結
前後の断面図、第５図は取付具のみの組立状態を
示す正面図、第６図はＨ型ジヨイナーの配置図で
ある。 Ａ……取付具、ａ，a′……Ｌ型プレート、１，
１′……垂直板部、２，２′……水平板部、２０，
２１，２０′，２１′……Ｈ型ジヨイナー挿入溝、
２２，２３，２２′，２３′……支持片、２４，２
４′……支持バー係合用爪部、３０……掛止孔、
３０′……掛止片、４……取付部、５……固定部
材、Ｂ……基礎構造、Ｃ……取付ボルト部材、Ｄ
……支持バー、Ｅ……内装材、Ｈ……Ｈ型ジヨイ
ナー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 二枚のＬ型プレートを、垂直板部に設けた連
   結部にて互いの背面同士を当接して連結自在に
   なし、両Ｌ型プレートの水平板部において、垂
   直板部と直交する方向にはＨ型ジヨイナーの挿
   入溝を上面側へ凹入形成すると共に、挿入溝の
   外側先端にＨ型ジヨイナーの上辺を両側から挾
   入支持する一対の支持片を形成してあり、垂直
   板部に沿つた方向には上記Ｈ型ジヨイナーの挿
   入溝およびその両外側先端の一対の支持片のう
   ち、片側半分のみを形成してあり、さらに両Ｌ
   型プレートのうち片方のＬ型プレートには基礎
   構造への取付部を設けてなることを特徴とする
   建築用内装材の取付具。 ２ 連結部としては、一方のＬ型プレートの垂直
   板部には掛止孔を形成し、他方のＬ型プレート
   の垂直板部には掛止片を形成し、上記掛止孔に
   対する掛止片の掛合作用によつて両Ｌ型プレー
   トを連結自在になし、さらに他方のＬ型プレー
   トには位置ズレ防止用の当接片を形成すると共
   に、連結した両Ｌ型プレートの重ね合された垂
   直板部に嵌合可能な嵌合溝部を有する固定部材
   を備えた上記実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の建築用内装材の取付具。 ３ 各Ｌ型プレートにおいて、垂直板部と直交す
   る方向に形成した挿入溝の上面に支持バーの係
   合用爪部を起上形成した上記実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の建築用内装材の取付具。