JPH0516786U - 吊り具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 被吊り上げ物を吊り上げる際に、被吊り上げ
物の移動を確実に規制し、かつ設置後に被吊り上げ物へ
の移動規制が容易に解除できる吊り具を提供する。 【構成】 吊り上げ物２の底面を当接させる底面支持部
６と該被吊り上げ物の両側面８を挟み込む側面支持部
９，１０とにより形成されたコ字状の支持部により被吊
り上げ物を挿入して下側から抱え込んで支持し、前記一
方の側面支持部に支持部側に突出引込み自在に設けられ
て前記被吊り上げ物の側面と係合することにより該被吊
り上げ物の移動を規制する係止部１４が設けられてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、被吊り上げ物、特にＢ梁などを吊り上げる際に使用される吊り具に 関し、Ｂ梁を容易かつ確実に移動規制することができ、かつ設置後に容易にＢ梁 への移動規制を解除してＢ梁から取り外すことが可能な吊り具に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来より一般に、工場から運ばれたＢ梁などの部材を、トラックより荷卸して 所定位置に設置する際には、現場で作業員がＢ梁の両端部にワイヤーやアントク ランプ等を掛けた後、これをクレーンにより玉掛け、吊り上げるという方法が採 用されている。そして、Ｂ梁を所定位置に設置した後には、該Ｂ梁から前記ワイ ヤーやアントクランプを外すという作業が行なわれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のワイヤーやアントクランプ等の吊り具にあっては、 吊り上げ中に風などによって横振れが生じた場合、吊り具をＢ梁に確実に締付け 固定していなければ、吊り具固定位置のズレが生じ、さらには吊り具からＢ梁が 外れて落下するしてしまうおそれがあった。

【０００４】 また、Ｂ梁からワイヤーを外す作業は、必然的に建物の小屋組み部分等の高所 において行わなくてはならなず、熟練した作業員がこの小屋組み部分の上に乗っ てこの作業を行うことが通常であり、このようにＢ梁からワイヤーを外す作業は 、作業性の悪いものである。

【０００５】 本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被吊り上げ物、特 にＢ梁などを吊り上げる際に、B梁の移動を確実に規制し、かつ設置後に容易に Ｂ梁の移動規制を解除してＢ梁から取り外すことが可能な吊り具を提供すること を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る吊り具は、吊り上げ物の底面を当接させる底面支持部と、被吊り 上げ物の両側面を挟み込む側面支持部とによりコ字状の支持部が形成され、この 支持部に被吊り上げ物を挿入して下側から抱え込んで支持する吊り具本体と、一 方の側面支持部を支持部側に突出して設けられて被吊り上げ物の側面と係合する ことにより被吊り上げ物の移動を規制する係止部と、この係止部に連結して設け られて吊り上げ物の移動規制を解除させる操作部とを具備したことを特徴とする ものである。

【０００７】

【作用】

本考案の吊り具によれば、吊り具本体の支持部にＢ梁等の被吊り上げ物を挿入 して、底面を底面支持部に当接させ、両側面を側面支持部に挟み込んで支持した 後、一方の側面支持部に支持部側に突出して設けられた係止部が被吊り上げ物の 側面と係合することにより被吊り上げ物の移動を規制するようにすれば、被吊り 上げ物がこの吊り具によって固定される。よって、この状態で被吊り上げ物を吊 り上げて所定位置に設置した後に、地上から操作部材を操作することにより、係 止部の被吊り上げ物への移動規制を解除させて被吊り上げ物から吊り具本体を外 す。こうすることによって、高所に位置している被吊り上げ物からでも、地上か らの操作によって容易に吊り具を取り外すことができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例について説明する。

【０００９】 図１および図２は、本考案の吊り具の一実施例を示すもので、図中符号１は吊 り具本体を示し、図１中２点鎖線で示されている部材は被吊り上げ物としてのＢ 梁２を示している。

【００１０】 吊り具本体１は、略Ｌ字状に形状された二枚の金属板３の間にスペサー部材４ が介装されて形成され、Ｂ梁２の底面５が当接する底面支持部６と、Ｂ梁２の両 側面７、８を挟み込んで支持する側面支持部９、１０とにより上方に開口するコ 字状の支持部１１が形成されたものである。また、他方の側面支持部１０より上 方に延びる一方の側面支持部９の上端部には、、フック形状の吊り上げ部１２が 設けられている。この吊り上げ部１２には、クレーン(図示略)等によって吊り上 げられるワイヤー１３が固定されている。そして、Ｂ梁２は、上方から支持部１ １内部に挿入されてワイヤー１３が上方に引き上げられることにより、下側から 抱え込まれた状態で支持される。

【００１１】 そして、一方の側面支持部９には、支持部１１内方に向けて設けられてＢ梁２ の移動を規制する係止部１４が設けられている。すなわち、側面支持部９の下部 には、二枚のプレート１５、１６が並行配置されている。そして、このプレート １５、１６の間には軸１７が固定され、この軸１７に偏心カム状の係合板１８が プレート１５、１６間で回転自在となるように配設されている。この係合板１８ の大半径側にはギア状の複数の引っ掛けつめ１９が、先端を矢印Ａ方向に向けて 設けられている。また、棒状の弾性部材２０が、プレート１５、１６と係止板１ ８に両端部が付勢された状態で係合することにより、引っ掛けつめ１９を支持部 １１側に突出させている。そして、支持部１１にＢ梁２が挿入されることにより 、係合板１８はＢ梁２を他方の側面支持部１０に押圧しながら矢印Ａ方向に回転 する。そして、引っ掛けつめ１９がＢ梁２の側面７に噛み込んでＢ梁２の移動規 制がなされるようになっている。

【００１２】 また、係止部１４には、紐、ロープ、ワイヤーなどの引紐（操作部材）２１が 下方に下がった状態で連結されている。この引紐２１が引かれることにより、係 止板１８が矢印Ａ方向にさらに回転して引っ掛けつめ１９のＢ梁２への噛み込み がなくなり、Ｂ梁２の移動規制が解除されるようになっている。

【００１３】 次に、本実施例の吊り具の作用について説明する。

【００１４】 ここで、被吊り上げ物としてのＢ梁１５は、主に、寄棟屋根などに用いられる 梁材であって、図３に示すように、略矩形板状の上部板状体２２と、略矩形板状 の下部板状体２３とが、互いに所定の角度を有するように、それぞれの端部を突 き合わせて接合され、両者の接合部が両面側から補強板２４、２４によって補強 された構成を有するものである。そして、通常、上部板状体２２の長さが、下部 板状体２３の長さより短く設定されていることにより、その重心が定めにくく左 右が不均等荷重形状を有している。そして、このＢ梁２は、通常、その上部板状 体２２を水平に配置した状態で、寄棟屋根の小屋裏に配設されて用いられるもの である。

【００１５】 まず、工場より現場へ運搬されてきた前記構成のＢ梁２の一方の端部付近に、 吊り具の吊り具本体１を固定する。具体的には、吊り具本体１のコ字状の支持部 １１内部にＢ梁２を挿入する。そして、Ｂ梁２の挿入により係止板１８が矢印Ａ 回転して引っ掛けつめ１９がＢ梁２の側面７に噛み込むことにより、吊り具は、 Ｂ梁２に下側から抱え込むように固定される。

【００１６】 また、Ｂ梁２の他方の端部付近にも、同様にして吊り具を取り付ける。

【００１７】 この状態で、両方の吊り具の吊り上げ部１２、１２に固定されたワイヤー１３ 、１３をそれぞれクレーンによって吊り上げて、建物の小屋裏の所定位置まで運 んで設置する。

【００１８】 Ｂ梁２の設置が終了した後には、支持部１１に固定された引紐２１を、地上よ り引っ張る。これにより、係合板１８が矢印Ａ方向にさらに回転してＢ梁２の側 面７に噛み込んでいた引っ掛けつめ１９の係合状態が解除され、Ｂ梁２からこれ らの吊り具を取り外す。

【００１９】 以上、述べたことから容易に理解できるように、本実施例の吊り具によれば、 下側から抱え込まれるようにＢ梁２が底面５を支持部１１の底面支持部６に当接 させ、両側面７、８が側面支持部９、１０に挟み込まれた状態で挿入され、さら に係止部１４の引っ掛けつめ１９を側面７に噛み込ませてＢ梁２の移動を規制す ることができるので、吊り上げ中に風などによって横振れが生じた場合でも、Ｂ 梁２をしっかりと保持してこの横振れから防護することができる。

【００２０】 また、Ｂ梁２に固定してＢ梁２を所定位置に設置した後、地上からの操作、す なわち、引紐２１を引っ張ることによって、簡単にＢ梁２から吊り具を取り外す ことができる。したがって、建物の小屋組みの上に載って作業を行っていた従来 の施工法に比べて、安全性が向上し、また作業性も良くなる。

【００２１】 なお、本考案の吊り具は、前記実施例に限られるものではなく、各部材の形状 、寸法、材質等の具体的構成要件は、実施に当たり適宜変更可能である。

【００２２】 たとえば、前記実施例では、吊り具本体１を、二枚の金属板３、３から形成し たものとしたが、Ｂ梁２の底面５及び両側面７、８を支持できるものであれば、 前記構成に限定されない。

【００２３】 また、前記実施例では、被吊り上げ物としてＢ梁２を吊り上げる場合を例に挙 げて説明したが、Ｂ梁２以外の建築用部材などを吊り上げる場合にも使用可能で あることはもちろんである。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の吊り具によれば、Ｂ梁を支持部に挿入して下側 から抱え込み、側面支持部に設けられた係止部によりＢ梁の移動を規制すること ができるため、吊り上げ中に風などに良って横揺れが生じた場合でも、Ｂ梁を確 実に保持して吊り上げることができる。

【００２５】 また、Ｂ梁に固定して該Ｂ梁を所定位置に設置した後、地上からの操作部材の 操作によって、簡単にＢ梁から吊り具を取り外すことができる。したがって、建 物の小屋組みの上に載って作業を行う必要がなくなり、作業性の向上を図ること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の吊り具の一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】同吊り具の使用方法を説明する斜視図である。

【図３】本考案の吊り具を使用した被吊り上げ物の吊り
上げ状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 吊り具本体 ２ Ｂ梁（被吊り上げ物） ５ Ｂ梁の底面 ６ 吊り具の底面支持部 ７ Ｂ梁の側面 ８ Ｂ梁の側面 ９ 吊り具の側面支持部 １０ 吊り具の側面支持部 １１ 支持部 １４ 係止部 １８ 係合板 １９ 引っ掛けつめ ２１ 引紐（操作部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊り上げ物の底面を当接させる底面支持
   部と、該被吊り上げ物の両側面を挟み込む側面支持部と
   によりコ字状の支持部が形成され、この支持部に該被吊
   り上げ物を挿入して下側から抱え込んで支持する吊り具
   本体と、 前記一方の側面支持部に支持部側に突出して設けられて
   前記被吊り上げ物の側面と係合することにより該被吊り
   上げ物の移動を規制する係止部と、 この係止部に連結して設けられて前記吊り上げ物の移動
   規制を解除する操作部とを具備したことを特徴とする吊
   り具。