JPH05166127A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

Info

Publication number
JPH05166127A
JPH05166127A JP35968891A JP35968891A JPH05166127A JP H05166127 A JPH05166127 A JP H05166127A JP 35968891 A JP35968891 A JP 35968891A JP 35968891 A JP35968891 A JP 35968891A JP H05166127 A JPH05166127 A JP H05166127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
gap
magnetic
bonding
softening point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35968891A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Kondo
由喜雄 今藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP35968891A priority Critical patent/JPH05166127A/ja
Publication of JPH05166127A publication Critical patent/JPH05166127A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ギャップ長精度や抗折強度を確保することが
でき、ガラス中に気泡が発生することのない磁気ヘッド
の製造方法を提供する。 【構成】 磁気コアの磁気ギャップ形成面にスパッタに
より接合用ガラス膜を成膜し、当該接合用ガラス膜の軟
化点未満、屈伏点以上の温度に加熱し接合一体化する。
スパッタにより成膜された接合用ガラス膜の表層にはN
a、K等の金属が偏析して低融点化されており、前記軟
化点未満の温度でも十分に接合強度が得られ、したがっ
て接合用ガラス膜が押し潰されることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの製造方法
に関するものであり、いわゆるスパッタガラスによって
磁気コアを接合一体化しギャップ形成する磁気ヘッドの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドを製造する上で、ガラス融着
による磁気コアの接合一体化及びギャップ形成は不可欠
であり、従来、ギャップ長に相当するスペーサ(金属
箔、蒸着膜、スパッタ膜等)を配し、ギャップ形成部分
に融着ガラスを低粘度になるまで加熱して流し込むとい
う方法が広く行われている。
【0003】しかしながら、前述の方法では、非常に狭
い隙間にガラスを流し込むため、ガラスの粘度を低くす
る必要があり、融着時の加熱温度を非常に高く設定する
必要が生ずる。このような高温下で磁気コアの接合を行
うと、磁気コアを構成する磁性体の磁気特性の劣化の原
因となる。また、ガラスによる前記磁性体の浸食によっ
て、ギャップのバラツキが大きくなり、特に光学ギャッ
プ長と実効ギャップ長の差が大きくなる傾向にある。
【0004】ギャップ形成の手法としては、前記融着ガ
ラスによる方法の他、ギャップ長に相当するスペーサ自
体をギャップ充填材とする方法も知られている。しかし
ながら、この方法を採用した場合、ギャップ形成部がガ
ラスによって融着されないことになり、強度不足が問題
となる。
【0005】このような状況から、スパッタガラスによ
るギャップ形成法が提案され、注目を集めている。この
スパッタガラスによるギャップ形成法は、磁気コアの突
き合わせ面に形成されたギャップスペーサ上に接合用ガ
ラス膜をスパッタにより形成しておき、この接合用ガラ
ス膜によって接合強度を確保するとともに、ギャップ長
精度を確保するというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
スパッタガラスによるギャップ形成法においては、接合
に際して当然のことのようにスパッタガラスの軟化点以
上の温度に加熱しており、接合時の加圧によってスパッ
タガラスが押し潰され、ギャップ長精度が不安定なもの
となっている。また、スパッタガラス内に気泡が発生す
るという現象も見られる。
【0007】ギャップ長には、これまで以上に厳しい精
度が要求されてきており、前記不安定さや気泡の発生は
好ましいものではない。
【0008】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであって、ギャップ長精度を確保する
ことができ、気泡の発生を抑制することができる磁気ヘ
ッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の目的
を達成せんものと長期に亘り検討を重ねてきた。その結
果、スパッタガラスの軟化点温度より低い温度でもスパ
ッタガラスによる接合強度を確保することができ、スパ
ッタガラスが押し潰されることによるギャップ長の変動
や気泡の発生を抑えることができるとの結論を得た。
【0010】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであって、一対の磁気コアの少なくともいず
れか一方の磁気ギャップ形成面に接合用ガラスをスパッ
タにより形成し、これら磁気コアを加熱接合して磁気ヘ
ッドを製造するに際し、接合時の加熱温度を該接合用ガ
ラスの軟化点未満、屈伏点以上とすることを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】一般に、ガラスの表層はNa、K等の金属原子
が偏析しており、内部に比べて低融点化している。した
がって、ガラス全体としての軟化点以下の加熱でもガラ
ス表層は十分に活性化される。本発明は、この現象を利
用して軟化点未満の加熱でスパッタガラスによる接合を
行うもので、この活性化したガラス表層の結合によって
十分な接合強度が確保される。
【0012】また、スパッタガラス内部には変化はな
く、接合時の加熱によって押し潰されたり気泡が発生す
ることはない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。スパッタガラスに
よる磁気コアの接合を行うには、先ず、図1に示すよう
に、一対の磁気コアI,IIを用意する。
【0014】この磁気コアI,IIは、フェライトからな
る酸化物コア部1,2を主体とするもので、本例では、
一方の磁気コアIのフロントギャップ形成面とバックギ
ャップ形成面にFe−Ga−SiあるいはFe−Ga−
Si−Ru等の軟磁性金属膜3が成膜され、いわゆる片
側MIG構造とされている。
【0015】また、これら磁気コアI,IIの突き合わせ
面には、それぞれギャップスペーサであるSiO2
4,5が成膜され、さらにこのSiO2 膜4,5上には
スパッタガラス膜6,7がスパッタ法により成膜されて
いる。したがって、これら磁気コアI,IIを突き合わせ
たときには、前記SiO2 膜4,5及びスパッタガラス
膜6,7によって磁気ギャップが形成されることにな
る。なお、前記スパッタガラス膜6,7をギャップスペ
ーサとして利用すれば、SiO2 膜4,5は省略するこ
とも可能であるが、スパッタガラスの成膜レートが小さ
いため、生産性の点等からメリットは少ない。
【0016】ギャップ形成の際には、上述の磁気コア
I,IIを図2に示す如く突き合わせ、加熱することによ
ってスパッタガラス膜6,7の表面を活性化し接着す
る。このとき、加熱温度を軟化点未満、屈伏点以上とす
ることで、良好なギャップ形成が行われる。加熱温度が
軟化点以上であると、スパッタガラス膜6,7が押し潰
されて変形し、ギャップ長が変動する虞れがある。ま
た、屈伏点以下であると、接合強度を確保することが難
しい。
【0017】ここで、軟化点Tsとは、リトルトン温度
とも呼ばれるもので、ガラスの粘度が107.65ポイズに
なる温度であり、直径0.55〜0.75mm、長さ2
3.5cmのガラス棒を炉の中に吊るして加熱したと
き、それが軟化して伸びる速度が1mm/分となるよう
な温度である。
【0018】一方、屈伏点とは、図3に示す熱膨張曲線
において、Tcで示される温度である。すなわち、ガラ
スを加熱していくと、図3に示すように、ガラス転移点
Tgで伸びの傾きが変化する。ガラスは、ガラス転移点
以下の温度ではガラス状態(固体)で、ガラス転移点を
越えると過冷却液体と呼ばれる状態になり、粘度が下が
ってくる。ガラス転移点におけるガラスの粘度は1013
〜1014ポイズである。そして、さらに加熱していく
と、Tcを越えた時点からガラスが軟化し始めて縮まっ
ていく。前記Tc以下の温度の加熱であれば、その後冷
却すると元の形状に復帰するが、Tcを越えてしまうと
ガラスが軟化して変形するため、冷却しても元の形状に
戻らない。この温度Tcは、屈伏点や初発軟化点、徐冷
温度等、呼び名が多いが、前述の軟化点と区別するた
め、ここでは屈伏点と呼ぶ。屈伏点Tcにおけるガラス
粘度は1011〜1012ポイズである。
【0019】ところで、先にも述べたように、軟化点未
満の温度で前記スパッタガラス膜6,7が接着されるの
は、これらスパッタガラス膜6,7の表面にNaやK等
の金属が偏析していることが大いに寄与しているものと
考えられるが、前記NaやKの偏析は、スパッタガラス
膜6,7を成膜する際のスパッタ条件に依存する。そこ
で、前記スパッタガラス膜6,7の成膜に際しては、ス
パッタガス圧を適切な範囲に設定することが好ましい。
【0020】図4は、スパッタガス圧2.5×10-3To
rrとしたときのESCAでの分析結果を示すもので、図
5は、スパッタガス圧9.3×10-3Torrとしたときの
ESCAでの分析結果を示すものである。スパッタガス
圧2.5×10-3Torrとしたときには、表面にNaの偏
析が見られるが、スパッタガス圧9.3×10-3Torrと
したときには、このような偏析はほとんど見られない。
【0021】したがって、スパッタガラス膜6,7の表
層を十分に低融点化するためには、スパッタ時のガス圧
を1.0×10-3〜5.0×10-3Torrとするのが良
い。なお、スパッタ時の雰囲気は、Arのみでもよい
が、この場合にはスパッタガラス膜6,7が金属化して
ギャップ内の気泡の原因となる虞れがあるので、酸素を
適当な割合(例えばAr:O2 =10:1)で混合させ
ることが好ましい。
【0022】以下、具体的な実験結果について説明す
る。本実験でスパッタガラス膜をスパッタリングするた
めに用いたターゲットは、Na2 O、CaO、Al2
3 、SiO2 からなるものであり、ターゲット寸法は縦
5インチ×横15インチ×厚さ5mmである。成膜され
るスパッタガラス膜のガラス転移点Tgは583℃、屈
伏点Tcは638℃、軟化点Tsは730℃である。ま
た、スパッタ条件は下記の通りである。
【0023】基板加熱温度 : 200℃ 到達真空度 : 3.0×10-6Torr スパッタガス : Ar+O2 (10:1) スパッタガス圧: 2.5×10-3Torr 投入パワー : 1kW
【0024】ギャップスペーサとなる各膜の膜厚構成
は、SiO2 膜4,5の膜厚の合計が0.58μm、ス
パッタガラス膜6,7がそれぞれ0.05μmである。
前記スパッタガラス膜6,7の膜厚は、スパッタレート
が非常に低いことからなるべく薄く設定することが望ま
しいが、膜としての信頼性や測定精度等を考慮して、こ
こでは0.05μmとした。なお、スパッタガラス膜
6,7の膜厚を0.1μm以上にすると、ギャップ内に
気泡が多発する。
【0025】融着に際しては、磁気コアI,IIをアルミ
ナ当て板間に挟んでアルミナ治具ベースに取付け、加圧
力を加えた。このときの荷重は4kg・fであり、突き
合わせ面の単位荷重は約25kg・f/cm2 である。
なお、荷重が±20%程度の範囲でばらついてもギャッ
プ長精度に影響は無い。温度条件としては、先ず昇温速
度10℃/分で550℃まで昇温し、1時間保持した
後、5℃/分の割合で再び昇温し、軟化点未満である7
00℃まで昇温した。この状態を1時間保った後、−5
℃/分で徐冷した。
【0026】以上の条件で一次融着を行ったところ、ギ
ャップ長の平均値が0.60μm、ばらつきが約0.0
2μmであった。これは、ギャップ長精度に対して非常
に良い結果であり、軟化点未満の温度(700℃)では
膜厚にほとんど変化が無い状態でボンディングされるこ
とがわかった。また、抗折強度についても、高温に加熱
してガラスをギャップに流し込むガラス融着法に比べ
て、強度が30%程度向上していた。また、試験後のチ
ップを観察すると、軟磁性金属膜3の剥離によって割れ
ており、スパッタガラス膜6,7による接合強度は軟磁
性金属膜3の付着強度以上であり、十分な接合強度が確
保されたことが確認された。
【0027】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、磁気コアの磁気ギャップ形成面に接合用
ガラスをスパッタにより形成し、軟化点未満の温度で接
合一体化するようにしているので、ギャップ長精度を確
保することが可能であり、気泡の発生も抑制することが
できる。また、接合強度も十分確保することができるの
で、磁気ヘッドを製造する上で非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各磁気コアの概略構成を示す斜視図である。
【図2】磁気コアの突き合わせ状態を示す概略側面図で
ある。
【図3】ガラスの熱膨張曲線を示す特性図である。
【図4】スパッタガス圧2.5×10-3Torrとして成膜
されたスパッタガラスのESCAでの分析結果を示す特
性図である。
【図5】スパッタガス圧9.3×10-3Torrとして成膜
されたスパッタガラスのESCAでの分析結果を示す特
性図である。
【符号の説明】
I,II・・・磁気コア 4,5・・・SiO2 膜 6,7・・・スパッタガラス膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コアの少なくともいずれか一
    方の磁気ギャップ形成面に接合用ガラスをスパッタによ
    り形成し、これら磁気コアを加熱接合して磁気ヘッドを
    製造するに際し、 接合時の加熱温度を該接合用ガラスの軟化点未満、屈伏
    点以上とすることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
JP35968891A 1991-12-11 1991-12-11 磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH05166127A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35968891A JPH05166127A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 磁気ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35968891A JPH05166127A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 磁気ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05166127A true JPH05166127A (ja) 1993-07-02

Family

ID=18465789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35968891A Pending JPH05166127A (ja) 1991-12-11 1991-12-11 磁気ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05166127A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7279432B2 (ja) 複合基板、電子デバイス、複合基板の製造方法及び電子デバイスの製造方法
GB1237672A (en) Method for bonding a crystal to a solid delay medium
JPS61233405A (ja) 磁気ヘツド
JPH0462408B2 (ja)
JPS59155976A (ja) ガスレ−ザ−とその製造方法
JPH05166127A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPS60193389A (ja) ガラスセラミツク材体上の金属物体のストービング処理可能の流体シーリングの製造法
EP1375442A1 (en) Method of direct bonding and crystallisation of Glass
JPH10105915A (ja) ガラス封着体及びその製造方法
JP2868131B2 (ja) 電子部品用基板の製造方法
JPH04253323A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH02258614A (ja) 低アルゴン含有SiO↓2析着膜とその製造方法
JP2821182B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2008514532A (ja) ガラスセラミック複合成形体の製造法及び複合成形体
JP4276129B2 (ja) 磁気ヘッド用ガラス組成物および磁気ヘッド
JP2754405B2 (ja) 電子部品用基板の製造方法
JP3282197B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0477963B2 (ja)
JP2000160334A (ja) スパッタリングターゲット組立体
JP2874787B2 (ja) 合金磁性薄膜積層体の製造方法
JPS6020306A (ja) 磁気ヘッド
JPH06274815A (ja) 磁気ヘッド
JPS59231714A (ja) 磁気ヘツド
JPS58130426A (ja) 磁気ヘツドコアのギヤツプ形成方法
JPS6360444B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020129