JPH05166103A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリトランスの線輪数を越える回転磁気
ヘッドの搭載を可能にする。 【構成】 ３倍モードの自己記録再生用の回転磁気ヘッ
ド３ａ，３ｂと３倍モードの互換再生用の回転磁気ヘッ
ド４ａ，４ｂを、外部指令により切り替わる切り替えス
イッチ１２，１３を介してロータリトランス１４の可動
線輪１４ａに接続することにより、切り替えスイッチ１
２，１３により択一される複数の回転磁気ヘッド３ａ，
３ｂと４ａ，４ｂが可動線輪１４ａを共用し、ヘッドド
ラム１９に対しロータリトランス１４の線輪数を越える
回転磁気ヘッドの搭載を可能にし、平面対向型のロータ
リトランスの適用範囲を拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ロータリトランスの
線輪数を越える回転磁気ヘッドの搭載を可能にした磁気
記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ヘリカルスキャン方式のビデオテープレ
コーダは、ヘッドドラムに半周程度巻き付けた状態で磁
気テープを走行させ、ヘッドドラム内に組み込まれた回
転磁気ヘッドが磁気テープを斜交走査することで信号を
記録又は再生する構成とされている。ヘッドドラムは、
上下一対のドラムを同軸結合させた構成であり、上ドラ
ムに組み付けられた回転磁気ヘッドは、上ドラムと下ド
ラムに対向配置した可動線輪と固定線輪からなるロータ
リトランスを介して、ヘッドドラム内外に信号授受を行
う。

【０００３】図３に示す磁気記録再生装置１は、標準モ
ードでの記録再生に用いる一対の回転磁気ヘッド２ａ，
２ｂと３倍モードの自己記録再生に用いる一対の回転磁
気ヘッド３ａ，３ｂ及び３倍モードにおける互換再生に
用いる一対の回転磁気ヘッド４ａ，４ｂを有する。標準
モードにおける記録再生のための回転磁気ヘッド２ａ，
２ｂのヘッド幅は、４６μｍと５８μｍである。また、
３倍モードにおける自己記録再生用の回転磁気ヘッド３
ａ，３ｂのヘッド幅は、記録トラック幅と同じ１９μｍ
である。ただし、他の磁気記録再生装置により３倍モー
ドで記録された磁気テープを再生するための互換再生用
の回転磁気ヘッド４ａ，４ｂのヘッド幅は、自己記録再
生用に比べ７μｍだけ大きな２６μｍのヘッド幅として
ある。また、本例の場合、磁気テープ５の深層部分にハ
イファイ音声を重ね書き記録する音声深層記録方式を採
用しているため、ヘッドドラムには上記の映像信号用に
加え音声信号用に一対の回転磁気ヘッド（図示せず）が
搭載され、全部で８本の線輪をもったロータリトランス
６が必要になる。ロータリトランス６は、上ドラムとと
もに回転する可動線輪６ａと下ドラムと同じく静止した
ままの固定線輪６ｂを互いに対向して配置したものであ
り、磁気結合された線輪６ａ，６ｂ間で互いに非接触で
信号の授受が行われる。ロータリトランス６の固定線輪
６ｂは、回転磁気ヘッド２ａ，２ｂと３ａ，３ｂそして
４ａ，４ｂの各組ごとに３本の線路を介して記録再生回
路７に接続してある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁気記録再
生装置１は、回転磁気ヘッド２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，
４ａ，４ｂが記録再生する映像信号用に６本とその他に
音声信号用に２本の計８本の線輪をもったロータリトラ
ンス６が必要である。ただし、可動線輪６ａと固定線輪
６ｂを互いに対向する平面に設ける平面対向型の場合、
実装密度の制約から搭載できる線輪は７本が限界であ
り、８本以上の線輪を用いる場合は、円筒状の内周面と
外周面に可動線輪６ａと固定線輪６ｂを対向配置させる
同軸型を用いなければならない。しかし、同軸型のロー
タリトランス６は、線輪数の制約は受けないものの、線
輪数が増えるにつれて軸方向に長大化するため、ヘッド
ドラムの軸方向のコンパクト化が困難であり、磁気記録
再生装置１の薄型化にも支障をきたすといった課題を抱
えていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決したものであり、複数の回転磁気ヘッドがロータリ
トランスを介してヘッドドラム内外に信号授受を行う磁
気記録再生装置において、前記ヘッドドラムに設けら
れ、外部指令を受けて切り替わり、前記複数の回転磁気
ヘッドを択一的に前記ロータリトランスに接続する切り
替えスイッチを具備することを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】この発明は、回転磁気ヘッドとロータリトラン
スの間に切り替えスイッチを設け、外部指令により切り
替えスイッチを切り替えて複数の回転磁気ヘッドを択一
的にロータリトランスに接続することにより、ロータリ
トランスの線輪数を削減する。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例について、図１，２
を参照して説明する。図１は、この発明の磁気記録再生
装置の一実施例を示す要部回路図、図２は、図１に示し
た磁気記録再生装置のヘッドドラム部分の平面図であ
る。

【０００８】図１に示す磁気記録再生装置１１は、ヘッ
ドドラムの上ドラムに外部指令を受けて切り替わる一対
の切り替えスイッチ１２，１３を設け、３倍モードの自
己記録再生用の回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと３倍モード
の互換再生用の回転磁気ヘッド４ａ，４ｂの一方を、ロ
ータリトランス１４の可動線輪１４ａに選択的に接続す
るよう構成したものである。さらに、自己記録再生用の
回転磁気ヘッド３ａ，３ｂを記録と再生の両方に用いる
ことを考慮し、記録モード（Ｒ）と再生モード（Ｐ）の
モードに応じて外部指令により開閉される２種類の開閉
スイッチ１５，１６を、計８個ヘッドドラム上に設けて
ある。ここでは、開閉スイッチ１５が記録モードにおい
て閉じるのに対し、開閉スイッチ１６は再生モードにお
いて閉じる。

【０００９】また、標準モードのための回転磁気ヘッド
２ａ，２ｂについては、そのままでも十分な再生出力が
得られるため、直接ロータリトランス１４の可動線輪１
４ａに接続してあるが、３倍モードの自己記録再生用と
互換再生用の各回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと４ａ，４ｂ
については、それぞれ耐ノイズ性能を高めるためステッ
プアップトランス１７と再生プリアンプ１８を介してロ
ータリトランス１４の可動線輪１４ａに接続するように
してある。再生プリアンプ１８の電源は、図２に示した
ように、ヘッドドラム１９の上ドラムの回転軸２０に嵌
着したスリップリング２１と、このスリップリング２１
に当接するブラシ２２を経由して外部から供給される。
また、実施例では、再生プリアンプ１８の電源用と切り
替えスイッチ１２，１３及び開閉スイッチ１６のための
外部指令用に２本、開閉スイッチ１５のための外部指令
用に１本、そしてグランド用に１本のスリップリング２
１を用いており、計４本のスリップリング２１に対しそ
れぞれ専用のブラシ２２を当接させてある。

【００１０】自己記録再生用の回転磁気ヘッド３ａ，３
ｂに関しては、ステップアップトランス１７の一次側巻
き線の一端を記録モード時に閉じる開閉スイッチ１５を
介して接地するとともに、他端を開閉スイッチ１５を介
してロータリトランス１４の可動線輪１４ａの一端に接
続し、さらにこの開閉スイッチ１５とロータリトランス
１４の可動線輪１４ａの一端を結ぶ線路を、再生時に閉
じる開閉スイッチ１６を介して接地してある。また、ス
テップアップトランス１７の二次側巻き線に接続された
再生プリアンプ１８の出力端子は、切り替えスイッチ１
２又は１３を介してロータリトランス１４の可動線輪１
４ａの他端に接続してあり、この切り替えスイッチ１２
又は１３とロータリトランス１４の可動線輪１４ａの他
端を結ぶ線路を、記録時に閉じる開閉スイッチ１５を介
して接地してある。

【００１１】ここで、３倍モードで自己記録を行う場
合、開閉スイッチ１５が閉じて開閉スイッチ１６は開
く。このためステップアップトランス１７の一次側巻き
線は一端が接地され、他端が開閉スイッチ１５を介して
ロータリトランス１４の可動線輪１４ａの一端に接続さ
れる。ただし、再生プリアンプ１８は電源の供給を断た
れた上で、出力端子が開閉スイッチ１５を介して接地さ
れるため、記録信号の伝送には一切関与しない。このた
め、ロータリトランス１４の固定線輪１４ｂから可動線
輪１４ａに非接触で伝送された記録信号は、開閉スイッ
チ１５を介して回転磁気ヘッド３ａ，３ｂに伝送され、
回転磁気ヘッド３ａ，３ｂは信号電流に応じて磁気テー
プ５を磁化する。

【００１２】一方、こうして３倍モードで自己記録した
磁気テープ５を再生する場合は、切り替えスイッチ１２
は磁気ヘッド３ａ，３ｂのための再生プリアンプ１８側
に切り替えられ、今度は開閉スイッチ１５が開いて開閉
スイッチ１６は閉じる。このため、ステップアップトラ
ンス１７の一次側巻き線は回転磁気ヘッド３ａ，３ｂに
のみ接続され、他との接続は遮断される。そして、再生
プリアンプ１８は電源の供給を受けた上で、出力端子が
切り替えスイッチ１２又は１３を介してロータリトラン
ス１４の可動線輪１４ａに接続される。しかも、可動線
輪１４ａの一端側は開閉スイッチ１６を介して接地され
るために、回転磁気ヘッド３ａ，３ｂが磁気テープ５か
ら読み取った再生信号は、ステップアップトランス１７
と再生プリアンプ１８を介してロータリトランス１４の
可動線輪１４ａに供給される。そして、可動線輪１４ａ
から固定線輪１４ｂにロータリトランス１４を非接触で
伝送された再生信号は、記録再生回路７において再生処
理にかけられる。

【００１３】また、上記とは異なり、他の磁気記録再生
装置が３倍モードで記録した磁気テープ５を再生する場
合は、切り替えスイッチ１２，１３は回転磁気ヘッド４
ａ，４ｂのための再生プリアンプ１８側に切り替えられ
る。この場合、開閉スイッチ１５が開き開閉スイッチ１
６は閉じており、再生プリアンプ１８は電源の供給を受
けた上で、出力端子が切り替えスイッチ１２，１３を介
してロータリトランス１４の可動線輪１４ａに接続され
る。可動線輪１４ａは、一端側が開閉スイッチ１６を介
して接地されているため、回転磁気ヘッド４ａ，４ｂが
磁気テープ５から読み取った再生信号は、ステップアッ
プトランス１７と再生プリアンプ１８を介してロータリ
トランス１４の可動線輪１４ａに供給される。そして、
ロータリトランス１４を非接触で伝送された再生信号
は、記録再生回路７に供給される。

【００１４】このように、上記磁気記録再生装置１１に
よれば、回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと４ａ，４ｂを切り
替えスイッチ１２，１３を介してロータリトランス１４
に接続し、外部指令により切り替えスイッチ１２，１３
を切り替えることで、一方の回転磁気ヘッド３ａ，３ｂ
又は４ａ，４ｂをロータリトランス１４に接続する構成
としたから、従来は回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと４ａ，
４ｂにそれぞれ１対１で対応する線輪から構成されてい
たロータリトランスを、回転磁気ヘッド２ａ〜４ｂの数
よりも線輪数の少ないロータリトランス１４に仕様変更
することができる。従って、線輪数の物理的な限界から
搭載可能な回転磁気ヘッドの数に一定の制約を抱える平
面対向型のロータリトランス１４を用いながら、標準モ
ードや３倍モード或は自己記録再生や互換再生のための
多数の回転磁気ヘッド２ａ〜４ｂを、線輪数の超過を恐
れることなく無理なく搭載することができ、これにより
これまで実装密度の関係で平面対向型を諦めて同軸型の
ロータリトランスを使用していたようなケースにあって
も、軸方向のコンパクト性に優れた平面対向型のロータ
リトランスを使用することができる。

【００１５】さらにまた、標準モードでの記録再生に用
いる回転磁気ヘッド２ａ，２ｂのヘッド幅のほぼ１／３
のヘッド幅をもった３倍モードのための自己記録再生用
の回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと、他の磁気記録再生装置
により３倍モードで記録された磁気テープを再生すると
きに用いる互換再生用の回転磁気ヘッド４ａ，４ｂと
を、切り替えスイッチ１２，１３によって選択的に使用
する構成としたから、３倍モードのためガードバンドな
しで密に記録された磁気テープ５を、自己記録再生と互
換再生とでそれぞれに最適な再生方法でもって再生し、
再生画質を最大限にまで高めることができる。

【００１６】また、スリップリング２１とこれに当接す
るブラシ２２を経由する外部指令により、切り替えスイ
ッチ１２，１３を切り替える構成としたから、切り替え
スイッチ１２，１３の切り替えに必要な電気信号を、ロ
ータリトランス１４以外の経路を使って切り替えスイッ
チ１２，１３に伝送することができ、また切り替えスイ
ッチ１２，１３を切り替えるための外部指令に関して
は、回転磁気ヘッド２ａ〜４ｂの記録再生信号のような
厳密な伝送品位が要求されないので、摺動ノイズによる
汚染が懸念されるスリップリング２１とブラシ２２とい
った可動部と固定部の接触伝送によっても、十分にその
目的を果すことができる。

【００１７】なお、上記実施例では、３倍モードのため
の回転磁気ヘッド３ａ，３ｂと４ａ，４ｂを、自己記録
再生か互換再生かによって切り替える構成としたが、標
準モードのための回転磁気ヘッド２ａ，２ｂと回転磁気
ヘッドヘッド３ａ，３ｂを、切り替えスイッチ１２又は
１３により選択的にロータリトランス１４に接続する構
成とすることもできる。ただし、回転磁気ヘッド４ａ，
４ｂのように、特殊再生時に回転磁気ヘッド２ａ，２ｂ
を組み合わせて使用するものについては、切り替えスイ
ッチ１２又は１３による選択可能性を考慮する必要はな
い。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は、回転
磁気ヘッドとロータリトランスの間に切り替えスイッチ
を設け、外部指令により切り替えスイッチを切り替えて
複数の回転磁気ヘッドを択一的にロータリトランスに接
続する構成としたから、従来回転磁気ヘッドと１対１で
対応する線輪から構成されていたロータリトランスを、
回転磁気ヘッドの数よりも線輪数の少ないロータリトラ
ンスに仕様変更することができ、これにより線輪数の物
理的な限界から搭載可能な回転磁気ヘッドの数に一定の
制約を抱える平面対向型のロータリトランスを安心して
用いることができ、標準モードや３倍モード或は自己記
録再生や互換再生のための多数の回転磁気ヘッドを、線
輪数の超過を恐れることなく無理なく搭載することがで
き、これにより実装密度の関係で平面対向型を諦めて同
軸型のロータリトランスを使用していたようなケースに
おいても、軸方向のコンパクト性に優れた平面対向型の
ロータリトランスを使用することができ、特に標準モー
ドや３倍モードといったモード指定がなされたときに同
時使用のないことがはっきりとしている回転磁気ヘッド
どうしを切り替えスイッチを介してロータリトランスに
接続することで、従来と変わらない記録再生機能を保証
することができる等の優れた効果を奏する。

【００１９】また、この発明は、スリップリングとこれ
に当接するブラシを経由する外部指令により、切り替え
スイッチを切り替える構成とすることにより、切り替え
スイッチの切り替えに必要な電気信号を、ロータリトラ
ンス以外の経路を使って切り替えスイッチに伝送するこ
とができ、切り替えスイッチを切り替えるための外部指
令に関しては、回転磁気ヘッドの記録再生信号のような
厳密な伝送品位が要求されないので、摺動ノイズによる
汚染が懸念されるスリップリングとブラシといった可動
部と固定部の接触伝送によっても、十分にその目的を果
すことができ、さらにまた外部指令と電源を共用して接
触伝送により供給することで、回転磁気ヘッドの再生出
力をヘッドドラム上で増幅し、耐ノイズ性能を向上させ
ることもできる等の優れた効果を奏する。

【００２０】さらにまた、この発明は、切り替えスイッ
チにより、３倍モードの自己記録再生用の回転磁気ヘッ
ドと３倍モードの互換再生用の回転磁気ヘッドの一方を
ロータリトランスに選択的に接続する構成とすることに
より、標準モードでの記録再生に用いる回転磁気ヘッド
のヘッド幅のほぼ１／３のヘッド幅をもった３倍モード
のための自己記録再生用の回転磁気ヘッドと、他の磁気
記録再生装置により３倍モードで記録された磁気テープ
を再生するときに用いる互換再生用の回転磁気ヘッドと
を、切り替えスイッチによって選択的に使用することが
でき、３倍モードのためガードバンドなしで密に記録さ
れた磁気テープを、自己記録再生と互換再生とでそれぞ
れに最適な再生方法でもって再生することで、再生画質
を最大限にまで高めることができる等の優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の磁気記録再生装置の一実施例を示す
要部回路図である。

【図２】図１に示した磁気記録再生装置のヘッドドラム
部分の平面図である。

【図３】従来の磁気記録再生装置の一例を示す要部回路
図である。

【符号の説明】

２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ，４ａ，４ｂ 回転磁気ヘッド １１ 磁気記録再生装置 １２，１３ 切り替えスイッチ １４ ロータリトランス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の回転磁気ヘッドがロータリトラン
   スを介してヘッドドラム内外に信号授受を行う磁気記録
   再生装置において、前記ヘッドドラムに設けられ、外部
   指令を受けて切り替わり、前記複数の回転磁気ヘッドを
   択一的に前記ロータリトランスに接続する切り替えスイ
   ッチを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 前記切り替えスイッチは、スリップリン
   グと該スリップリングに当接するブラシを経由する外部
   指令を受けて切り替わることを特徴とする請求項１記載
   の磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 前記切り替えスイッチは、３倍モードの
   自己記録再生用の回転磁気ヘッドと３倍モードの互換再
   生用の回転磁気ヘッドの一方を、前記ロータリトランス
   に選択的に接続することを特徴とする請求項１記載の磁
   気記録再生装置。