JPH0516592U - 作業用救命衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ショルダ−型の作業用救命衣を着衣した状態
において、後襟刳及び後襟の部分が人体の後首に接触さ
せないように離す。 【構成】 外縁全体を着脱自在に開放したＵ字状の収納
袋の中に空気膨脹気室体を収め、この空気膨脹気室体の
両側端に備えるベルト通しを前記収納袋の裾から外方へ
突出させて胴廻りバンドに遊挿してなるショルダ−型の
作業用救命衣において、垂直ベルトの一端を前記収納袋
の後襟の裏布の開放部分に固着し、且つ下端を胴廻りバ
ンドに遊挿し、前記収納袋の後襟の開放縁部分をドット
ボタンにより着脱自在にしてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はショルダ−型の作業用救命衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ショルダ−型の作業用救命衣として、図３に示すように、表布ａと裏布 ｂとを内側縁で縫着して一体とすると共に外側縁全体を開放し、前記外側縁をベ ルベットファスナ−のような係着部材ｃで着脱自在にしたＵ字状の救命衣Ａを形 成し、この救命衣Ａの中に空気膨脹気室体ｄを収め、前記救命衣Ａは左右の裾部 にベルト通しｅを突設し、このベルト通しｅを胴廻バンドｆに遊挿して着用する ものが提供されていることは良く知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたショルダ−型の作業用の救命衣において、救命衣を着用し た状態において、救命衣の後襟刳から後襟にかけて身体のうなじに接してこの後 首に荷重が集中するために、後襟の接触感があって不快であり、うなじに接触す る後襟刳及び後襟部分が垢で汚れ、不特定多数の人々が使用する場合にこの後襟 部分の垢汚れは不潔感を与える等の問題点があった。

【０００４】 本考案は、従来の技術の有する上記の点に鑑みてなされたものであって、その 目的とするところは、救命衣の後襟を垂直ベルトで身体の背中へ強制的に引き下 げて後襟が首裏に接触しないで肩にかけた状態で着衣できるようにし人体の後首 にかかる不快な接触感から解放すると同時に、後襟部分の垢汚れを解消した作業 用救命衣を提供しようとするものである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

本考案の作業用救命衣は、外縁全体を着脱自在に開放したＵ字状の収納袋の中 に空気膨脹気室体を収め、この空気膨脹気室体の両側端に備えるベルト通しを前 記収納袋の裾から外方へ突出させて胴廻りバンドに遊挿してなるショルダ−型の 作業用救命衣において、垂直ベルトの一端を前記収納袋の後襟の裏布の開放部分 に固着し、且つ下端を胴廻りバンドに遊挿し、前記救命衣の後襟の開放縁部分を ドットボタンにより前襟から着脱自在にしてなるものである。

【０００６】

【作用】

救命衣の着用時において、救命衣の後襟刳及び後襟の部分が垂直ベルトにより 、身体の背中で下方へ強制的に引き下げるので救命衣の後襟刳及び後襟の部分は 身体のうなじや後首すじから離れて身体の肩にかけられた状態で背中に接するよ うな位置に保持される。その結果、後襟刳や後襟が後首すじに接触する不快感か ら開放されるばかりでなく、後襟を垢で汚すこともなくなる。そしてドットボタ ンにより止着された後襟の開放縁部分は裏布を垂直ベルトで強制的に下方へ引か れていても開放されることなく止着状態を確実に確保する。しかも、緊急事態発 生により空気膨脹気室体を膨脹させた際には、ドットボタンは膨脹圧力によって 容易に外され、空気膨脹気室体を確実に膨脹させることができる。

【０００７】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、図１はショルダ−型の救命衣Ｓを 示し、この救命衣Ｓは、表布２と裏布３とを内側縁で縫着して一体とすると共に 外側縁全体を着脱自在な開放縁４としたＵ字状に形成された収納袋１の中に空気 膨脹気室体５が収められて成る。前記空気膨脹気室体５には、左右の下端にバン ド通し６が突設され、前記バンド通し６を収納袋１の両側の裾から突出させて胴 廻りバンド７に遊挿される。

【０００８】 本考案においては、垂直ベルト８の上端を前記収納袋１の裏布３の後襟部分に 位置する開放縁４の部分に縫着９し、前記垂直ベルト８の下端にはバンド通し１ ０を設けてこのバンド通し１０を前記胴廻りバンド７に遊挿し、前記収納袋１の 開放縁４には、後襟部分でドットボタン１１を設け、後襟部分を除く他の開放縁 全体にベルベットファスナ−１２を設けて着脱自在に形成する。

【０００９】 前記後襟部分は垂直ベルト８で下方へ強制的に引かれても離反せず且空気膨脹 気室体５の膨脹に際しては容易に外れるものであれば、必ずしもドットボタンに 限らず、他の係着部材を用いても良く、また、後襟を除く他の開放縁には、作業 中に内部に収納される空気膨脹気室体５が飛び出すことのないように、開放縁４ を係着できる係着部材であればベルベットファスナ−に限らない。

【００１０】 従って、本考案に係る救命衣Ｓを着用する場合、救命衣Ｓを人体の両肩にかけ て胴廻りバンド７を締めると、救命衣Ｓの前面は空気膨脹気室体５のバンド通し ６で下方に引かれ、そして後襟は垂直ベルト８によって人体の背面で下方へ引か れて後襟刳及び後襟が人体の後首から離れた状態で肩から背中に接するように保 持される。このような状態で着衣されているので救命衣Ｓの後襟刳及び後襟は人 体の後首すじに接触することがないので、着心地がすこぶる良好であり、救命衣 Ｓの着用に煩わされることなく仕事に専念するこができ、しかも、救命衣Ｓの後 襟刳及び後襟が首すじに流れる汗等によって垢で汚れることがなくなる。また、 空気膨脹気室体５が膨脹したとき、膨脹圧力により後襟に設けられたドットボタ ン１１が簡単に外され、膨脹気室体５は着用者をその首部を所定の角度で水面上 に支えて浮遊させることができ、救命衣Ｓの機能は損なわれることなく有効に作 用する。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は上記のような構成であるから、救命衣は後襟刳及び後襟か人体の後首 すじから離れて人体の肩にかけられた状態で背中に接するように位置し、その結 果、後襟が人体の後首すじにまつわるような接触感から開放され、同時に襟垢の 付着も生じることがなく不特定多数の人が使用する際の不潔感からも解消される 。また、空気膨脹気室体の膨脹機能も損なわれることもなく、膨脹作用も有効に 確保できる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る救命衣の表布を一部まくり上げて
示す斜視図である。

【図２】本考案の救命衣を着用したときの後襟の状態を
示す使用状態図である。

【図３】従来の救命衣に係るもので表布を一部まくり上
げて示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 収納袋 ２ 表布 ３ 裏布 ４ 開放縁 ５ 空気膨脹気室体 ６ バンド通し ７ 胴廻りバンド ８ 垂直ベルト ９ 縫着 １０ バンド通し １１ ドットボタン １２ ベルベットファスナ−

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 川原 昭三 東京都港区虎ノ門一丁目２番８号 虎門琴 平会館ビル４階 社団法人 日本埋立浚渫 協会内 (72)考案者 長谷 久仁和 福島県福島市宮代字堂前28番地 東洋ゴム 工業株式会社福島工場内 (72)考案者 木村 実 東京都渋谷区千駄ケ谷４丁目24番15号 東 洋ゴム工業株式会社東京本社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外縁全体を着脱自在に開放したＵ字状の
   収納袋の中に空気膨脹気室体を収め、この空気膨脹気室
   体の両側端に備えるベルト通しを前記収納袋の裾から外
   方へ突出させて胴廻りバンドに遊挿してなるショルダ−
   型の作業用救命衣において、垂直ベルトの一端を前記収
   納袋の後襟の裏布の開放部分に固着し且つ下端を胴廻り
   バンドに遊挿し、前記収納袋の後襟の開放縁部分をドッ
   トボタンにより前襟から着脱自在にしたことを特徴とす
   る作業用救命衣。