JPH0580995U - 作業用救命衣 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスボンベを装填した充気装置を空気膨脹気
室体の襟首となる箇所に設け、この空気膨脹気室体を収
納袋に納めてなる作業用救命衣を両肩に掛けて前記ガス
ボンベと充気装置を背負うように着衣できるようにす
る。 【構成】 ガスボンベを装填した充気装置を空気膨脹気
室体の襟首となる箇所に設け、この空気膨脹気室体は外
縁全体を着脱自在に開放したＵ字状の収納袋の中に、前
記ガスボンベとガス充気装置とを収納袋の後襟に位置さ
せて納め、垂直ベルトの一端を前記収納袋の後襟の裏布
に固着し、且つ下端を空気膨脹気室体に備えられて前記
収納袋の裾から外方へ突出するバンド通しに挿着した胴
廻りバンドに遊挿してなるショルダ−型の作業用救命
衣。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はショルダ−型の作業用救命衣、特に、肩掛け方式を採用した新規な作 業用救命衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ショルダ−型の作業用救命衣として、図４乃び図５に示すように、表布 （ａ）と裏布（ｂ）とを内側縁で縫着して一体とすると共に外側縁全体を開放し て、この外側縁をベルベットファスナ−のような係着部材（ｃ）で着脱自在にし たＵ字状の収納袋（ｄ）の中に、空気膨脹気室体（ｅ）が収められ、前記空気膨 脹気室体（ｅ）は一方の胸部の位置にガスボンベ（ｆ）を装填するガス充気装置 （ｇ）が設けられ、他方の腹部の位置に送気管（ｈ）が設けられ、左右の裾部に 設けられたベルト通し（ｊ）に胴廻りバンド（ｋ）が遊挿されてなり、その着用 において、図６、図７に示すように、収納袋（ｄ）の襟刳で身体の首筋に吊るし 、そして収納袋（ｄ）の裾から突出するベルト通し（ｊ）が身体の前面になるよ うにして胴回りバンド（ｋ）で身体のウエスト位置に締めて着用する首掛け方式 の救命衣Ｓが提供されていることは良く知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたショルダ−型の作業用救命衣において、救命衣Ｓを着用し たとき、ガスボンベ（ｆ）及びガス充気装置（ｇ）が重く感じられ、特に、空気 膨脹気室体（ｅ）の一方の腹部にのみ設けられたガスボンベ（ｆ）及びガス充気 装置（ｇ）が片寄りの荷重を与え、この片寄りの荷重が欝陶しさを増幅し、感覚 的に、作業の邪魔となる違和感を与えて重く感じられ、更に、図６、図７に示す ように、首掛け式の救命衣Ｓは、収納袋（ｄ）の襟刳が身体の首筋に接してこの 首筋に荷重が集中するために、襟刳の接触感があって不快であり、しかも、身体 の首筋に接触する襟刳及び後襟部分が垢で汚れ、不特定多数の人々が使用する場 合にこの襟刳や後襟部分の垢汚れは不潔感を与える等の問題点があった。

【０００４】 本考案は、従来の技術の有する上記の点に鑑みてなされたものであって、その 目的とするところは、ガス充気装置を空気膨脹気室体の襟部に設置し、前記ガス 充気装置が収納袋の襟部に位置させて収納し、収納袋の襟部を垂直ベルトで身体 の背中へ強制的に引き下げて襟刳が首筋に接触しないで肩に掛けた状態で着衣で きるようにし、身体の首筋に掛かるガスボンベ及びガス充気装置の重量感や、不 快な接触感から解放すると同時に、襟刳から後襟部分の垢汚れを解消した清潔感 のある作業用救命衣を提供しようとするものである。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る作業用救命衣は、外縁全体を着脱自 在に開放したＵ字状の収納袋の中に空気膨脹気室体を収め、この空気膨脹気室体 の両側端に備えるベルト通しを前記収納袋の裾から外方へ突出させて胴廻りバン ドを遊挿してなるショルダ−型の作業用救命衣において、空気膨脹気室体の襟部 となる箇所にガスボンベとガス充気装置を設け、この空気膨脹気室体を前記ガス ボンベを装填したガス充気装置と収納袋の後襟に位置させて収納袋に納め、前記 収納袋の後襟を身体の背中へ強制的に引き下げるための垂直ベルトはその一端で 前記収納袋の後襟の裏布の開放部分に固着し、且つ下端を胴廻りバンドに遊挿し 、前記収納袋の後襟の開放縁部分をドットボタンにより着脱自在にしてなるもの である。

【０００６】

【作用】

救命衣の着用時において、胴回りバンドを締めたとき、救命衣の襟刳及び後襟 の部分が垂直ベルトにより、身体の背中で下方へ強制的に引き下げられて、収納 袋の左右部が身体の両肩に掛けられる肩掛け式の救命衣として提供され、救命衣 の襟刳及び後襟の部分は、身体のうなじや首すじから離されて背中に接するよう な位置に保持される。その結果、後襟に設けられたガス充気装置は、背中に背負 った状態となって、ガスボンベやガス充気装置が与える重量感が減少し、特に、 ガスボンベ及びガス充気装置が与える襟刳や後襟の首筋に接触する不快感から開 放されるばかりでなく、襟刳や後襟を垢で汚すこともなくなる。そしてドットボ タンにより止着された後襟の開放縁部分は裏布を垂直ベルトで強制的に下方へ引 かれていても開放されることなく止着状態を確実に確保する。しかも、緊急事態 発生により空気膨脹気室体を膨脹させた際には、ドットボタンは膨脹圧力によっ て容易に外され、空気膨脹気室体を確実に膨脹させることができる。

【０００７】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、図１はショルダ−型の救命衣Ｓを 示し、この救命衣Ｓは、表布２と裏布３とを内側縁で縫着して一体とすると共に 外側縁全体を着脱自在な開放縁４としたＵ字状に形成された収納袋１の中に空気 膨脹気室体５が収められて成る。前記空気膨脹気室体５には、左右の下端にバン ド通し６が突設され、前記バンド通し６を収納袋１の両側の裾から突出させて胴 廻りバンド７に遊挿される。

【０００８】 本考案においては、図２に示すように、空気膨脹気室体５はその襟部位置にガ ス充気装置８が設置され、このガス充気装置８にガスボンベ９が設置される。そ して一方の胸部位置には送気管１０が設けられる。この実施例では、送気管１０ は着用者の左側胸部位置に設けてある。

【０００９】 前記収納袋１は裏布３の後襟部分に位置する開放縁４の部分に垂直ベルト１１ の上端を縫着１２し、前記垂直ベルト１１の下端にはバンド通し１３を設けてこ のバンド通し１３に前記胴廻りバンド７を遊挿し、前記収納袋１の開放縁４の、 後襟部分にはドットボタン１４を設け、後襟部分を除く他の開放縁全体にベルベ ットファスナ−のような係着部材１５を設けて着脱自在に形成する。

【００１０】 前記垂直ベルト１１は、胴廻りバンド７を締めて着用したとき、図３に示すよ うに、収納袋１の襟部が背中へ強制的に引き下げられ、そして襟刳が身体の首筋 から離されて収納袋１の左右部が身体の両肩に掛けられるような長さ寸法として 設け、いわゆる肩掛け方式を採用した救命衣Ｓとして提供できるようにするのが 好ましい。

【００１１】 前記収納袋１の後襟部分は垂直ベルト１１で下方へ強制的に引かれても離反せ ず且空気膨脹気室体５の膨脹に際しては容易に外れるものであれば、必ずしもド ットボタンに限らず、他の係着部材を用いても良いがその他の解放縁の係着部材 よりも強い力をもつものが必要である。また、後襟を除く他の開放縁には、作業 中に内部に収納される空気膨脹気室体５が飛び出すことのないように、開放縁４ を係着できる係着部材であればベルベットファスナ−に限らない。

【００１２】 従って、本考案に係る救命衣Ｓを着用する場合、救命衣Ｓを人体の両肩にかけ て胴廻りバンド７を締めると、救命衣Ｓは前面で空気膨脹気室体５のバンド通し ６で下方に引かれ、そして後襟は垂直ベルト１１によって人体の背面で下方へ引 かれて襟刳及び後襟が人体の首筋から離れた状態で肩から背中に接するように保 持され、そして救命衣Ｓは左右部を身体の両肩で背負う状態となる。このような 状態で着衣されているので空気膨脹気室体５の襟部に設けたガスボンベ９及びガ ス充気装置８は身体の背中で背負う位置となってガスボンベ９やガス充気装置８ の重量を特に感じなくなり、また、救命衣Ｓの襟刳及び後襟は人体の首筋に接触 することがないので、着心地がすこぶる良好であり、救命衣Ｓの着用感を忘れて 仕事に専念するこができ、しかも、救命衣Ｓの襟刳及び後襟が首すじに流れる汗 等によって垢で汚れることがなくなる。また、空気膨脹気室体５が膨脹したとき 、膨脹圧力により後襟に設けられたドットボタン１４が簡単に外され、膨脹気室 体５は着用者をその首部を所定の角度で水面上に支えて浮遊させることができ、 救命衣Ｓの機能は損なわれることなく有効に作用する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は上記のような構成であるから、救命衣は後襟刳及び後襟か人体の後首 すじから離れて人体の肩にかけられた状態で背中に接するように位置し、その結 果、ガスボンベやガス充気装置は背負う状態となって重量感を感じることがなく 、後襟が人体の後首すじにまつわるような接触感から開放され、同時に襟垢の付 着も生じることがなく不特定多数の人が使用する際の不潔感からも解消される等 の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る救命衣の表布を一部まくり上げて
示す斜視図である。

【図２】本考案の空気膨脹気室体の正面図である。

【図３】本考案の救命衣を着用したときの後襟の状態を
示す使用状態図である。

【図４】従来の救命衣に係るもので表布を一部まくり上
げて示す斜視図である。

【図５】従来の空気膨脹気室体の正面図である。

【図６】従来の救命衣の着用状態を示す斜視図である。

【図７】従来の救命衣を着用したときの後襟の状態を示
す使用状態図である。

【符号の説明】

１ 収納袋 ２ 表布 ３ 裏布 ４ 開放縁 ５ 空気膨脹気室体 ６ バンド通し ７ 胴廻りバンド ８ ガス充気装置 ９ ガスボンベ １１ 垂直ベルト １２ 縫着 １３ バンド通し １４ ドットボタン １５ 係着部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 川原 昭三 東京都港区虎ノ門一丁目２番８号 虎門琴 平会館ビル４階 社団法人 日本埋立浚渫 協会内 (72)考案者 長谷 久仁和 福島県福島市宮代字堂前28番地 東洋ゴム 工業株式会社福島工場内 (72)考案者 木村 実 東京都渋谷区千駄ケ谷４丁目24番15号 東 洋ゴム工業株式会社東京本社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外縁全体が着脱自在になるように表布と
   裏布とでＵ字状に形成した収納袋の中に空気膨脹気室体
   を収め、この空気膨脹気室体の両側端に備えるベルト通
   しを前記収納袋の裾から外方へ突出させて胴廻りバンド
   を遊挿してなるショルダ−型の作業用救命衣において、
   前記空気膨脹気室体の襟部となる箇所にガスボンベを装
   填した充気装置を設け、前記空気膨脹気室体を、前記充
   気装置が前記収納袋の後襟に位置するように収納袋に納
   め、前記収納袋の後襟を身体の背中へ強制的に引き下げ
   るための垂直ベルトの一端を前記収納袋の後襟の裏布に
   固着し、他端を胴廻りバンドに遊挿し、前記収納袋の後
   襟の開放縁部分をドットボタンにより着脱自在に構成し
   た作業用救命衣。