JP3092253U

JP3092253U - 上衣

Info

Publication number: JP3092253U
Application number: JP2002005273U
Authority: JP
Inventors: 恭平中塚
Original assignee: 中塚被服株式会社
Priority date: 2002-08-22
Filing date: 2002-08-22
Publication date: 2003-03-07
Anticipated expiration: 2008-08-22

Abstract

(57)【要約】【課題】裾部がずれ上がったり、身頃部分がごわつい
たりしないで、上衣の裾幅を適宜簡便に調整でき、しか
も収納物を分別収納できる上衣の提供。【解決手段】前後身頃の裾部に対し腰ベルト布を備
え、又前身頃の片脇或いは両脇腹付近に対し脇ポケット
を備えた上衣に於いて、前後身頃の両脇裾端縁部に高さ
方向へ一定長のスリットを形成する脇開き部を形成する
と共に、腰ベルト布を前腰ベルト部と後腰ベルト部の対
向状態に分離形成し、且つ前腰ベルト部と後腰ベルト部
の何れか、或いは双方を一定巾と長さの帯体に形成する
と共に、これにより上記脇開き部を挟窄する止着手段を
取り付けて、裾幅を調整可能になす。この際、脇ポケッ
トのポケット袋を前身頃布地の裏面側へ縫着なさしめ
て、該ポケット袋を利用して２つのポケットを作成した
りする

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、裾幅を調整できる上衣に関するものであり、詳しくは、着崩れせず肥満体型の人でも安心して着用できる上衣に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、ジャンパーなどの裾部を絞った型の上衣は、該裾部の全長或いは両脇腹等の部分長にゴムなどの伸縮部材を適宜用いて、着用者の体形に応じた裾幅に調整できるようになされている。これは、裾幅の調整手段として伸縮部材を使用しているため、かなり広範囲の裾幅寸法に対して使用可能であり、体へのフィット感にも優れている。これに対し、ほぼ寸胴型の上衣で、裾部の両脇腹付近にドットボタンや小型のバックルベルトなどを取り付けてこれらを適宜係合させ、身頃布を身頃内にタック状或いはギャザー状に納めることにより裾幅を調整するようになしたものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来品の内、裾部に伸縮部材を組み込んだものは、体の屈伸や手の上げ下げなどの動作で、裾部が身体に沿ってずれ上がったままとなり、その都度手で引っ張り下ろさなくてはならないという煩わしさがあった。また、寸胴型のものは、身頃内に納められた身頃布がごわつくため、使用する布地の厚さに制限を受けたり、着心地が著しく損なわれることもあった。とりわけ、身頃内にポケット袋を備える脇ポケットが形成されたものは、収納された身頃布が邪魔になってポケット内への物の出し入れが行い難くなったり、収納物を安定的に保持できない等の問題もあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点を解決せんとするものであって、その特徴とするところは、前後身頃の裾部に対し腰ベルト布を備え、又前身頃の片脇或いは両脇腹付近に対し脇ポケットを備えた上衣に於いて、前後身頃の両脇裾端縁部に高さ方向へ一定長のスリットを形成する脇開き部を形成すると共に、腰ベルト布を前腰ベルト部と後腰ベルト部の対向状態に分離形成し、且つ前腰ベルト部と後腰ベルト部の何れか、或いは双方を一定巾と長さの帯体に形成すると共に、これにより上記脇開き部を挟窄する止着手段を取り付けて、裾幅を調整可能になしたことである。

【０００５】また、脇ポケットは、そのポケット口を前身頃布地の脇腹付近の高さ方向へ、長さ寸法１２ｃｍ〜１６ｃｍとなる状態に穿設し、該脇ポケットのポケット袋の上縁部を除く自由端縁部の全体を前身頃布地裏面側箇所へ縫着させ、且つ該ポケット袋の上端縁部と前身頃布地裏面間をポケット口となした内ポケットを形成し、脇ポケットのポケット袋を利用して前身頃布地の裏面側へ２つのポケットを作成したりする。この際、ポケット袋の上縁部を除く自由端縁部を腰ベルト布及び前立て部へ縫着させて、ポケット袋の収容量を大きくなすと共に、前身頃布地の表面側への縫い目の露出を少なくなしたりする。

【０００６】また、スリットの長さ寸法を３ｃｍ〜１０ｃｍになしたり、止着手段として２対のドットボタンを用い、且つこれらドットボタン間隔を３ｃｍ〜５ｃｍとなしたりする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案に係る上衣の一実施態様を説明する。図１は本考案に於ける上衣の止着手段を係合させた状態を示す側面図であり、図２は図１の止着手段の係合を解除した状態を示す部分詳細図である。図面に於いて、１ａは前身頃布地、１ｂは後身頃布地であり、２は該前後身頃布地１ａ、１ｂの裾部に取り付けられた腰ベルト布である。

【０００８】腰ベルト布２は、幅寸法Ｗを３ｃｍ〜７ｃｍ程度となして前後身頃布地１ａ、１ｂの裾部に縫着されるが、前後身頃の両脇裾端縁部に高さ方向へ一定長のスリット３を形成する脇開き部３’を形成されて、前腰ベルト部２ａと後腰ベルト部２ｂの対向状態に分離形成されている。この際、前腰ベルト布２ａ及び後腰ベルト布２ｂは任意に設計されるが、例えば、前腰ベルト布２ａの後腰ベルト布２ｂとの対向側端部を一定長さ延出させて、帯体２ｃに形成する。該延出帯体２ｃの長さＳは４ｃｍ〜８ｃｍ程度になす。

【０００９】一方、前後身頃布地１ａ、１ｂの両脇裾端縁部に形成されるスリット３は任意に設計されるが、該両脇裾端縁部の高さ方向へ長さ寸法ｈを３ｃｍ〜１０ｃｍとなして形成される。この際、前後身頃布地１ａ、１ｂの接合側裾端縁部を一部切除して上記長さ寸法ｈを高さとする略三角形状のスリット３に形成してもよい。この場合、前後の腰ベルト部２ａ、２ｂを接合させて脇開き部３’を挟窄する際、前後身頃布地の重なり合う部分が少なくなり、着用時のごわつきがより解消されるので厚手生地のものでもスリットの効果を充分に発揮できるものとなる。

【００１０】４ａ、４ｂは上記帯体２ｃ及び後腰ベルト部２ｂに取り付けられた止着手段であり、面ファスナーや各種ボタンが使用される。とりわけドットボタンは、止着強度や取り扱いの簡便性が良好であるほか、アクセントとしての装飾効果を付与できる上で優れる。

【００１１】また、上記止着手段として複数個のドットボタンを用い、後腰ベルト部２ｂ及び帯体２ｃの夫々れへ適当間隔で取り付けることにより、上衣の裾幅を適宜変更可能になさしめてもよい。この際、隣り合うドットボタンの間隔幅Ｐは、ドットボタンの個数や上記スリット３の長さ寸法ｈに応じて適宜設定されるのであるが、通常３ｃｍ〜５ｃｍ程度になされる。例えば、スリット３の長さ寸法ｈを３．５ｃｍ程度となし、２対のドットボタンの凹部４ａ_１、４ａ_２及び凸部４ｂ_１、４ｂ_２の間隔幅Ｐを夫々れ４ｃｍ程度となしたものは、最大８ｃｍ程度の裾幅が止着時の外観形状を損なうことなく調整可能となった。

【００１２】５は前身頃布地１ａの脇腹付近に形成した脇ポケットであり、図１、図３に示すように、該脇ポケット５は前身頃布地１ａの脇腹付近の高さ方向へ切り口５ａを穿設し、該切り口５ａをポケット口となし、前身頃布地１ａ裏面側へ表布Ａと裏布Ｂとからなるポケット袋５ｂを縫着してなる。ここに、ポケット口５ａの長さ寸法Ｌは１２ｃｍ〜１６ｃｍとなす。

【００１３】上記ポケット袋５ｂの縫着に際し、ポケット袋５ｂの上端縁部ｄを除く自由端縁部の全体を前身頃布地１ａ裏面側箇所へ縫着させ、該ポケット袋の上端縁部ｄと前身頃布地１ａ裏面間をポケット口７ａとなした内ポケット７を形成する。これにより、脇ポケット５のポケット袋５ｂを利用して、前身頃布地１ａの裏面側へ２つの収納部が形成されるものとなり、収納物を用途に応じて適宜分別収納できる。

【００１４】この際、図３に示すように、ポケット袋５ｂを比較的大きな長方形状に形成し、その上端縁部ｄを除く自由端縁部の内、底側下縁部ａ及び垂直側縁部ｂを前身頃布地１ａと腰ベルト布２及び前立て部６の縫着箇所へ縫合させ、且つ挿入口側側縁部ｃを上記切り口５ａの上端から腰ベルト布２との縫着箇所まで該切り口５ａに沿って前身頃布地１ａへ縫着させるものとする。この場合、比較的大きなポケット袋が形成されて収納量が増大するだけでなく、通常の縫合箇所を利用して同時に内ポケット７を縫着形成するので、簡単に作成できるほか前身頃布地１ａの表面側に露出する縫い目が少ないのですっきりとした外観に形成することができる。

【００１５】上記実施例に於いては、前腰ベルト部２ａを延出させて帯体２ｃを形成したものについて説明したが、後腰ベルト部２ｂを延出させて同様に帯体２ｃを形成してもよく、また、前後の腰ベルト部２ａ、２ｂの双方に帯体２ｃを形成するようになしてもよい。また、帯体２ｃの巾寸法を腰ベルト布２の幅寸法Ｗより狭くなしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上の通り、前後身頃の両脇裾端縁部に高さ方向へ一定長のスリットを形成する脇開き部を形成すると共に、腰ベルト布を前腰ベルト部と後腰ベルト部の対向状態に分離形成し、且つ前腰ベルト部と後腰ベルト部の各端部に取り付けた止着手段を介して、脇開き部を前後身頃布の適宜重なり状態に挟窄させるので、従来品のように裾部がずれ上がったり、身頃内に納められた身頃部分がごわついたりしないで、上衣の裾幅を適宜簡便に調整できるものとなる。従って、肥満体型の人でも安心して快適に着用できる。とりわけ、脇ポケットのポケット袋を前身頃布地の裏面側へ縫着させることで、厚手生地の上衣の場合にも、常に身頃内は整然とした状態になされるのであり、上記スリットの効果と相俟って身頃内のごわつきは改善される。この場合、脇ポケットのポケット袋を利用して２つのポケットが形成されるので収納物を分別収納できる上でも著効を奏する。更に、止着手段にドットボタンを使用することで、上衣全体のシルエットを損なうことなく迅速且つ簡便に裾幅を調整できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る上衣の止着手段を係合させた状態
を示す側面図である。

【図２】図１の止着手段の係合を解除した状態を示す部
分詳細図である。

【図３】前身頃布の裏面側から見た部分説明図である。

【符号の説明】

１ａ前身頃布地１ｂ後身頃布地２腰ベルト布２ａ前腰ベルト部２ｂ後腰ベルト部２ｃ帯体３スリット３’ 脇開き部４ａ、４ｂドットボタン（止着手段）５脇ポケット５ａ切り口（脇ポケットのポケット口）５ｂポケット袋６前立て部７内ポケット７ａポケット口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前後身頃の裾部に対し腰ベルト布を備
え、又前身頃の片脇或いは両脇腹付近に対し脇ポケット
を備えた上衣に於いて、前後身頃の両脇裾端縁部に高さ
方向へ一定長のスリットを形成する脇開き部を形成する
と共に、腰ベルト布を前腰ベルト部と後腰ベルト部の対
向状態に分離形成し、且つ前腰ベルト部と後腰ベルト部
の何れか、或いは双方を一定巾と長さの帯体に形成する
と共に、これにより上記脇開き部を挟窄する止着手段を
取り付けて、裾幅を調整可能になしたことを特徴とする
上衣。
【請求項２】脇ポケットは、そのポケット口を前身頃
布地の脇腹付近の高さ方向へ、長さ寸法１２ｃｍ〜１６
ｃｍとなる状態に穿設し、該脇ポケットのポケット袋の
上端縁部を除く自由端縁部の全体を前身頃布地裏面側箇
所へ縫着させ、且つ該ポケット袋の上縁部と前身頃布地
裏面間をポケット口となした内ポケットを形成し、脇ポ
ケットのポケット袋を利用して前身頃布地の裏面側へ２
つのポケットを作成したことを特徴とする請求項１記載
の上衣。
【請求項３】ポケット袋の上縁部を除く自由端縁部
を腰ベルト布及び前立て部へ縫着させたことを特徴とす
る請求項２記載の上衣。
【請求項４】スリットの長さ寸法を３ｃｍ〜１０ｃｍ
になしたことを特徴とする請求項１〜３何れかに記載の
上衣。
【請求項５】止着手段として２対のドットボタンを用
い、且つこれらドットボタン間隔を３ｃｍ〜５ｃｍとな
したことを特徴とする請求項１〜４何れかに記載の上
衣。