JPH0516508U - バツテリ固定用スペーサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッテリ固定用スペーサを、小型にしてその
外観を良くすると共に着脱時の作業性を向上させ、しか
も軽量化を図れ且つ価格を安価にする。 【構成】 Ｃ型チャンネル状のスペーサ本体６ａの開口
両縁部に挿入辺６ｂを片持状に取付け、該挿入片６ｂの
突出端に矢鏃状のフック６ｃを取付ける。又全体を合成
樹脂性とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バッテリ固定用スペーサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車両に搭載するバッテリは、通常は標準品が使用されるが、寒冷地等で車両の 始動性を向上させる必要がある場合、電気容量の大きい大型のバッテリが使用さ れる。而して、大型のバッテリと標準のバッテリでは、高さ及び長さは同じであ るが、幅は大型のバッテリの方が２個で数十ｍｍ程大きい。

【０００３】 一方、バッテリを収納するバッテリキャリアは、従来から標準のバッテリ、大 型のバッテリの何れをも収納し得るよう大型のバッテリに合せて作成され、標準 のバッテリを収納する場合には２個のバッテリの間にバッテリ固定用スペーサを 挿入してバッテリを固定するようにしている。

【０００４】 斯かる従来のバッテリ固定用スペーサを備えたバッテリキャリアは図４及び図 ５に示されており、図４及び図５中、ａは車両フレーム、ｂは上面及び前面が開 口したバッテリキャリアであり、該バッテリキャリアｂは車両フレームａの前面 にボルトを介して或いは溶接されて取付けられている。

【０００５】 バッテリキャリアｂには、バッテリｃ₁が奥に、又、バッテリｃ₂が前面の開口 側に位置するよう２個のバッテリｃ₁，ｃ₂が平行且つ所定の間隔ｄを隔てて収納 されており、バッテリキャリアｂの前面開口上部には、バッテリｃ₂がバッテリ キャリアｂから落下しないよう、バッテリキャリアｂの幅方向へ延びる押えビー ムｅが配設され、バッテリキャリアｂの幅方向外方へ突出した押えビームｅの両 端部には、フックボルトｆが固定され、フックボルトｆの先端フック部は、バッ テリキャリアｂの両側面に設けた長孔ｇに係合されている。

【０００６】 両バッテリｃ₁，ｃ₂間の間隔ｄには、両バッテリｃ₁，ｃ₂を固定するためのバ ッテリ固定用スペーサｈが配設されている。而して上記バッテリ固定用スペーサ ｈは、両バッテリｃ₁，ｃ₂の間の間隔ｄに嵌まるチャンネル部ｈ₁と、該チャン ネル部ｈ₁の上端両縁部に一体的に固着され且つバッテリｃ₁，ｃ₂の上面縁部に 当接し得るようにしたフランジ部ｈ₂を備えており、バッテリ固定用スペーサｈ のチャンネル部ｈ₁の底面に設けたボルト孔ｉには縦向きのボルトｊが挿通され 、該ボルトｊはその下端をナットｋを介してバッテリキャリアｂの底面に固定さ れることにより、バッテリ固定用スペーサｈを押えている。

【０００７】 なお、２個のバッテリが標準品でない大型のバッテリの場合には、ボルトｊ及 びバッテリ固定用スペーサｈは不要で、両バッテリｃ₁，ｃ₂の相対向面は図５の 一点鎖線ｌに示すように略接触した状態になっている。

【０００８】 上述のように標準のバッテリｃ₁，ｃ₂はバッテリ固定用スペーサｈにより固定 されているため、車両走行時の安全性が確保される。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

上述のバッテリ固定用スペーサｈは鉄板製であるため、大型で外観も悪く、又 着脱もボルトｊ及びナットｋにより行うため作業性が悪く、更に重量も重く価格 も高い、等の問題がある。

【００１０】 本考案は上述の実情に鑑み、小型軽量で外観が良く且つ着脱時の作業性が良く しかも安価なバッテリ固定用スペーサを提供することを目的としてなしたもので ある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、Ｃ型チャンネル状のスペーサ本体の開口両縁部に、開口両縁部から 離れる方向へ突出する挿入片を取付け、該挿入片の突出端に、被係合部材の長孔 の縁部に係合し得る矢鏃状のフックを取付け、且つ前記スペーサ本体及び挿入片 並にフックを合成樹脂により形成したものである。

【００１２】

【作用】

スペーサ本体を押して上下の挿入片を近付け、この状態で該挿入片をスペーサ 係合用長孔へ挿入することにより、バッテリの間に容易且つ迅速にスペーサ本体 をセットすることができる。従って着脱時の作業性が良い。又取付けた状態も見 栄えがする。更にシンプルな構造のため軽量で安価である。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１〜図３は本考案の一実施例である。

【００１５】 図２及び図３中、１はバッテリキャリアであり、該バッテリキャリア１は、背 板１ａ及び両側の側板１ｂ並に底板１ｃを備え、上面及び前面が開口した形状に 形成されている。

【００１６】 バッテリキャリア１の背板１ａの幅方向両側部は、後方へ向けて突出し、背板 １ａの幅方向中央部には、幅方向へ向けて水平に延びるスペーサ係合長孔１ｄが 穿設され、バッテリキャリア１は、背板１ａの幅方向両側突出部が車両フレーム ２にボルトを介して或いは溶接されて固定されることにより、車両フレーム２に 取付けられている。

【００１７】 バッテリキャリア１の両側板１ｂ上縁は、背板１ａから前方へ行くに従い下り 傾斜に形成され、両側板１ｂの長手方向中途部は外側に突出し、該突出部には、 背板１ａ側から前方へ行くに従い上り傾斜に形成されたフックボルト係合長孔１ ｅが穿設されている。

【００１８】 バッテリキャリア１の底板１ｃには、背板１ａ側から前方へ所定の間隔で下方 へ突出する補強用の突出部が形成され、底板１ｃ先端部の幅方向中央部には、幅 方向へ水平に延びるバッテリ押え具支持長孔１ｆが穿設されている。

【００１９】 ３はバッテリ押え具であり、該バッテリ押え具３は上部にバッテリキャリア１ の幅方向へ延びバッテリ４の先端上面縁部に対し当接し得るようにした押えビー ム３ａと、該押えビーム３ａに一体的に接続され且つバッテリ４の先端部を押え るための当板３ｂと、当板３ｂの下端に形成され且つ前記底板１ｃのバッテリ押 え具支持長孔１ｆへ挿入される挿入端部３ｃを備えている。

【００２０】 前記押えビーム３ａの両端は、バッテリキャリア１の幅方向両端外側部へ突出 し、該幅方向両端部には、フックボルト５を取付け得るようになっている。又、 当板３ｂの幅方向中央部には、幅方向へ水平に延びるスペーサ係合長孔３ｄが穿 設されている。

【００２１】 ６はバッテリ固定用スペーサであり、該バッテリ固定用スペーサ６は合成樹脂 製で、図１に示すごとくＣ型チャンネル状のスペーサ本体６ａと、該スペーサ本 体６ａの開口上下縁部に一体的に固着され且つスペーサ本体６ａから離れる方向 へ突出する板状の挿入片６ｂと、該挿入片６ｂの突出端に一体的に固着され且つ スペーサ係合長孔１ｄ，３ｄの縁部に係合し得る矢鏃状のフック６ｃを備えてい る。

【００２２】 バッテリキャリア１には、背板１ａ側から前面側へ延びる２個のバッテリ４が 、平行且つ所定の間隔７を隔ててしかも外側が側板１ｂの内側面に当接するよう 収納されており、バッテリキャリア１の前面にはバッテリ押え具３が配設され、 バッテリ押え具３の押えビーム３ａはバッテリ４の先端上面縁部を押え、当板３ ｂはバッテリ４の先端を押え、当板３ｂの下端に設けた挿入端部３ｃは、前記バ ッテリキャリア１の底板１ｃのバッテリ押え具支持長孔１ｆに挿入され、押えビ ーム３ａの両端に取付けたフックボルト５の先端は、バッテリキャリア１の側板 １ｂに設けたフックボルト係合長孔１ｅに係合されており、このようにしてバッ テリ押え具３はバッテリキャリア１にセットされている。

【００２３】 バッテリ固定用スペーサ６のうちの一つは、スペーサ本体６ａがバッテリ４間 に位置し、挿入片６ｂが背板１ａのスペーサ係合長孔１ｄを貫通し、フック６ｃ が、背板１ａからバッテリキャリア１の外側へ突出するよう、背板１ａに対し係 合されており、もう一つのバッテリ固定用スペーサ６は、スペーサ本体６ａがバ ッテリ４間に位置し、挿入片６ｂがバッテリ押え具３のスペーサ係合長孔３ｄを 貫通し、フック６ｃがバッテリ押え具３からバッテリキャリア１の外側へ突出す るよう、バッテリ押え具３の当板３ｂに対し係合されており、２個のバッテリ固 定用スペーサ６及びバッテリキャリア１の側板１ｂにより、バッテリ４はバッテ リキャリア１の幅方向への動きを規制され、背板１ａ及びバッテリ押え具３によ り、バッテリ４はバッテリキャリア１の前後方向への動きを規制されている。こ のため車両走行中にバッテリ４が動くことがなく安全性が高い。バッテリ４が大 型の場合は、間隔７は零であり、バッテリ固定用スペーサ６は不要である。

【００２４】 バッテリ固定用スペーサ６は合成樹脂性で小型であるため外観が良く、しかも 挿入片６ｂをスペーサ係合長孔１ｄ，３ｄへ挿入するだけでセットできるため、 着脱を容易且つ迅速に行うことができて作業性が良く、しかもシンプルな構造で あるから軽量で価格も安価である。

【００２５】 なお、本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱 しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２６】

【考案の効果】

本考案のバッテリ固定用スペーサは小型で外観が良く、且つ着脱を容易且つ迅 速に行うことができて作業性が良好であり、シンプルであるから軽量安価である 、等種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバッテリ固定用スペーサの一実施例の
斜視図である。

【図２】本考案のバッテリ固定用スペーサを用いてバッ
テリをバッテリキャリアへセットした状態を示す斜視図
である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ方向矢視図である。

【図４】従来のバッテリ固定用スペーサを用いてバッテ
リをキャリアへセットした状態を示す斜視図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ方向矢視図である。

【符号の説明】

１ａ 背板（被係合部材） １ｄ スペーサ係合長孔（長孔） ３ｂ 当板（被係合部材） ３ｄ スペーサ係合長孔（長孔） ６ バッテリ固定用スペーサ ６ａ スペーサ本体 ６ｂ 挿入片 ６ｃ フック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｃ型チャンネル状のスペーサ本体の開口
   両縁部に、開口両縁部から離れる方向へ突出する挿入片
   を取付け、該挿入片の突出端に、被係合部材の長孔の縁
   部に係合し得る矢鏃状のフックを取付け、且つ前記スペ
   ーサ本体及び挿入片並にフックを合成樹脂により形成し
   たことを特徴とするバッテリ固定用スペーサ。