JPH05163610A - 芳香族ポリアミド偏平繊維 - Google Patents

芳香族ポリアミド偏平繊維

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JPH05163610A
JPH05163610A JP3353177A JP35317791A JPH05163610A JP H05163610 A JPH05163610 A JP H05163610A JP 3353177 A JP3353177 A JP 3353177A JP 35317791 A JP35317791 A JP 35317791A JP H05163610 A JPH05163610 A JP H05163610A
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denier
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治 槙野
Yukikage Matsui
亨景 松井
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    • D—TEXTILES; PAPER
    • D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01D—MECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は繊維間摩擦係数が低く、ヤー
ン撚糸時の応力歪も低く、コード強力利用率の高い芳香
族ポリアミド偏平繊維を提供することにある。 【構成】 繊維の偏平度が１．５以上５以下で、かつ単
糸繊度が１デニール以上５０デニール未満、力学特性が
下記範囲にあることを特徴とする芳香族ポリアミド偏平
繊維 強度：１８ｇ／ｄｅ以上 伸度：３．５％以上 初期モジュラス：４５０ｇ／ｄｅ以上

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は高撚り数コードを用いる
ロープ、ホース、ベルトその他工業分野一般に広く利用
できる芳香族ポリアミド繊維に関する。
【０００２】
【従来の技術】パラ配向芳香族ポリアミド繊維は優れた
力学特性により工業用繊維として各方面に用途を展開し
ているが、撚糸時の強力利用率が撚り数の増加と共に急
激に低下するという問題があり、ヤーンが高強力である
という特徴が実際に使用されるコード等の形態になると
強力利用率が低い、疲労性が良くない等、力学特性が実
用上十分反映されていないのが実状である。この原因は
十分解明されている訳ではないが、繊維物性が低伸度で
あり撚糸時の変形に対して大きな応力歪が発生しやす
い、高分子鎖が剛直であるために繊維の捻り剛性率が高
い、繊維表面特性としての繊維間摩擦が高いことなどが
要因として考えられる。
【０００３】従って、高撚数のコードを使用し、かつ耐
衝撃性の要求される用途分野に展開するために撚糸強力
利用率の高い芳香族ポリアミド繊維が望まれていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は繊維間
摩擦係数が低く、ヤーン撚糸時の応力歪も低く、コード
強力利用率の高い芳香族ポリアミド繊維を提供すること
にある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】これまでアラミド繊維の
撚糸強力向上方策としては、繊維の表面処理、油剤付
与、表面コーティング等による繊維間摩擦の低減が検討
されている。しかし油剤の組成や付与方法、付与量の検
討（特開平２―２１６２７６号公報）では撚糸強力利用
率を若干向上させることは出来るが、ゴム接着等後加工
性を含めていまだ満足の得られる品質レベルにはなって
いない。更に低摩擦の真球状粒子を繊維表面に付着させ
る方法も提案されているが（特願平３―１９１２１３号
公報）、耐久性に不安があり、表面処理による繊維間摩
擦の低減方策は現在のところ成功していない。
【０００６】我々は撚糸時の繊維の変形応力の緩和及び
分子鎖の剛直性に起因すると思われる捻り歪による強力
低下防止を図るため繊維形態の特性、即ち断面２次モー
メントの低い繊維断面とすること、併せて単繊維強度を
高く維持できる条件について鋭意検討した結果、特定の
断面形状とすることにより繊維が高強力であるという特
徴を損なうことなく、高撚糸時のコード強力利用率が高
い芳香族ポリアミド繊維が得られることを見出し本発明
に達した。
【０００７】即ち本発明は、「繊維の偏平度が１．５以
上５以下で、かつ単糸繊度が１デニール以上５０デニー
ル未満、力学特性が下記範囲にあることを特徴とする芳
香族ポリアミド偏平繊維 強度：１８ｇ／ｄｅ以上 伸度：３．５％以上 初期モジュラス：４５０ｇ／ｄｅ以上」である。
【０００８】本発明が対象とする芳香族ポリアミドは繰
り返し単位の８０モル％以上、好ましくは９０モル％以
上が下記の繰り返し単位からなる芳香族ポリアミドまた
は芳香族コポリアミドである。
【０００９】
【化１】
【００１０】（ここでＡｒ1 、Ａｒ2 は、下記の群から
選ばれた同一のまたは相異なる芳香族残基である。但
し、芳香族残基の水素原子はハロゲン原子または低級ア
ルキル基で置換されていても良い。）
【００１１】
【化２】 Ｘは下記残基から選ばれる。
【００１２】
【化３】
【００１３】かかる芳香族ポリアミドの製造方法につい
ては、例えば英国特許第１５０１９４８号公報、米国特
許第３７３８９６４号公報、特開昭４９―１００５２２
号公報等に記載されている。なお、該繊維には仕上げ油
剤、紫外線吸収剤、無機・有機の顔料、その他の添加剤
を含んでいてもよい。
【００１４】繊維断面の偏平度は１．５以上、５以下で
ある。ここに偏平度とは繊維断面において直交する最長
軸と最短軸との比である。繊維断面については表面がな
めらかな偏平だけでなく、表面に複数の凹凸がある偏平
断面でもよい。偏平度が１．５未満の場合は断面２次モ
ーメントの低下効果がなく、撚糸時の強力利用率が上が
らない。５以上の場合は断面２次モーメントの低下効果
はあるが、製糸性が悪化し易いうえ強度が低下する。
【００１５】上記のポリマーの一般的な成形技術である
半乾半湿式紡糸（いわゆるドライジェット紡糸）におけ
る高偏平度繊維の紡糸ではノズルの形状と紡糸ドラフト
が重要である。即ち、高偏平度を得るには凝固や延伸工
程途中での偏平度低下をカバーするために、紡糸ノズル
の偏平度を２〜１０にすることが必要で、単純な矩形ス
リットノズルを使用すると口金直下で繊維は防錘型断面
となり両端が尖って、毛羽が生じやすく製糸性が悪化し
やすい。その上凝固、延伸の進展とともに断面の偏平度
が低下しやすいという問題がある。これを解消するには
スリットノズルの両端や途中にポリマー溜作用を持たせ
たノズル形状が好ましい。本発明では紡糸ノズルは、複
数の円をその円の直径より小さい幅のスリットで直線状
に結んだ特殊な形状のものを使用して、紡糸ドラフト
（凝固糸引き取り速度／ポリマー溶液のノズルからの出
糸速度の比）は５以下として偏平度の低下を防いでい
る。
【００１６】単糸繊度は１デニール以上、５０デニール
未満である。１デニール未満の場合は紡糸ノズルでの吐
出量が低いため、ノズル径が小さいので最適なプロフィ
ールを維持して口金ノズルを加工することが困難なうえ
製糸性も不安定である。特に高濃度のポリマー溶液や口
金部での高い剪断速度を必要とする液晶紡糸ポリマーの
場合は一層不利である。５０デニール以上の場合はノズ
ルの加工の問題はないが、凝固が不完全になりやすく、
その結果水洗や延伸工程で工程調子を乱し、物性も低下
しやすい。
【００１７】強度については１８ｇ／ｄ以上である。強
度は高い程好ましいが、偏平度を上げる程強度は低下の
傾向があるので断面２次モーメントの低下による撚糸強
力利用率は向上しても絶対強力が低下し、アラミド繊維
の特徴がなくなる。１８ｇ／ｄ未満の場合は高強度繊維
としてのアラミド繊維の特徴がなくなる。
【００１８】伸度については３．５％以上である。３．
５％未満の場合は撚糸して使用する場合に撚り歪が大き
くなり撚糸コードの強力利用率が低下する。
【００１９】初期モジュラスは４５０ｇ／ｄ以上であ
る。４５０ｇ／ｄ未満の場合は高モジュラス繊維として
の特徴がなくなる。
【００２０】
【発明の効果】本発明のアラミド繊維は高強力という特
徴を強撚されたコードにおいても高く保つことが可能で
耐衝撃性を要求される分野での性能が大幅に向上する。
【００２１】
【実施例】以下に本発明を実施例をもって説明する。な
お実施例で使用したポリマー溶液（ドープ）は次のよう
な溶液重合法で調製した。
【００２２】ドープの調製 窒素を内部にフローしている錨形攪拌翼を有する混合槽
に水分率約２０ｐｐｍのＮ―メチル―２―ピロリドン
（以降ＮＭＰと称す）２０５リットルを投入し、パラフ
ェニレンジアミン２７６４ｇと３，４′―ジアミノジフ
ェニルエーテル５１１４ｇとを精秤して投入し溶解させ
た。このジアミン溶液に温度３０℃、攪拌回転数６４回
／分の状態においてテレフタル酸クロライド１０３２０
ｇを精秤して投入した。溶液の温度が反応熱によって５
３℃まで上昇したのち６０分間加熱して８５℃とした。
８５℃でさらに１５分間攪拌を続けて溶液の粘度上昇が
終了したことをもって重合反応終了とした。
【００２３】この後水酸化カルシウム２２．５重量％を
含むＮＭＰにスラリー１６．８kgを投入し、２０分間攪
拌を続けてｐＨ５．４としたドープを目開き２０ミクロ
ンのフィルターで濾過してポリマー濃度６重量％のポリ
マー溶液（以降ドープと称す）を調製した。
【００２４】なお繊維断面の偏平度は以下の方法で測定
した。
【００２５】偏平度 繊維の断面写真を１００倍に拡大して撮り、５０単糸に
ついて直交する最長軸と最短軸との長さの比を測定しそ
の平均値を求める。この測定を１０回繰返し、その平均
値を偏平度とした。
【００２６】
【実施例１】上記に示す重合法で調製したドープを使用
して偏平繊維の製糸を行った。紡糸はドライジェット紡
糸方式で、ノズルの断面形状は幅０．０８mm、長さ０．
３mmのスリットの両端に直径０．１８mmの２つの円を有
するものでノズル数が２６７孔（２６７Ｈ）の口金を使
用し、吐出量１３５０ｇ、ドープ温度１０７℃で出糸し
たのち、５０℃、ＮＭＰ３０重量％の水溶液中で凝固さ
せ、紡糸速度４７ｍ／分で凝固浴より引出した後、水洗
熱延伸を経て５００ｍ／分で製品を巻取り１５００デニ
ールの糸を得た。このアラミド繊維の物性は以下の通り
であった。 繊維の偏平度：２．６ デニール：１５０２デニール 強度 ：２１．７ｇ／ｄ 破断伸度：３．８７％ モジュラス：６０６ｇ／ｄ
【００２７】
【実施例２】実施例１で使用したドープを用いた。ノズ
ルは直径０．１８mmの４つの円の間を幅０．０８mm、長
さ０．３mmのスリットで直線状に結んだ断面形状のもの
でノズル数は２６７Ｈとした。吐出量を１６００ｇ／分
とし、紡速３８ｍ／分、延伸倍率１０．５倍で巻取っ
た。得られたアラミド繊維の物性は以下の通りであっ
た。 繊維の偏平度：３．９ デニール：２２４８デニール 強度 ：２１．９ｇ／ｄ 破断伸度：３．６５％ モジュラス：６００ｇ／ｄ
【００２８】
【実施例３】実施例２で使用したノズル形状で孔数５０
の口金を使用し、吐出量１２００ｇ／分、紡速３０ｍ／
分、延伸倍率９．８倍で製糸した。得られた繊維の物性
は以下の通りであった。 繊維の偏平度：４．６ デニール：２２５０デニール 強度 ：１８．７ｇ／ｄ 破断伸度：３．５２％ モジュラス：６１４ｇ／ｄ
【００２９】
【実施例４】実施例１で使用したノズル断面と相似形で
２／３に縮小したノズル形状で孔数１０００の口金を使
用した。その他は実施例１と同じ条件でアラミド繊維を
製糸した。物性は以下の通りであった。 繊維の偏平度：２．１ デニール：１４９８デニール 強度 ：２５．８ｇ／ｄ 破断伸度：４．３４％ モジュラス：５９２ｇ／ｄ
【００３０】
【比較例１】実施例１で使用した口金の代わりに丸断面
のノズルで孔径０．３mm、ランド長０．４５mm、孔数２
６７の口金を使用し、他の条件は実施例１と同じ条件で
製糸した。得られた繊維の物性は以下の通りであった。 繊維の偏平度：１．１７ デニール：１５００デニール 強度 ：２７．２ｇ／ｄ 破断伸度：４．５５％ モジュラス：５９３ｇ／ｄ
【００３１】
【比較例２】実施例１で使用した口金の代わりに丸断面
のノズルで孔径０．３mm、ランド長０．４５mm、孔数１
０００の口金を使用し、他の条件は実施例１と同じ条件
で製糸した。得られた繊維の物性は以下の通りであっ
た。 繊維の偏平度：１．０５ デニール：１５０４デニール 強度 ：２８．９ｇ／ｄ 破断伸度：４．８８％ モジュラス：５９９ｇ／ｄ
【００３２】
【比較例３】実施例１で使用したノズル断面と相似形の
ノズルで孔数５０の口金を使用し、吐出量１４００ｇ／
分、紡速２７ｍ／分、延伸倍率８．８倍で製糸した。得
られた繊維の物性は以下の通りであったが凝固糸のロー
ラー巻き付きが多発して連続運転は難しい状況であっ
た。 繊維の偏平度：２．６ デニール：３１５０デニール 強度 ：１１．７ｇ／ｄ 破断伸度：２．９６％ モジュラス：６１４ｇ／ｄ
【００３３】
【比較例４】実施例１で使用したドープを用いた。ノズ
ルは直径０．１８mmの４つの円の間を幅０．０８mm、長
さ０．６mmのスリットで直線状に結んだ断面形状のもの
でノズル数は２６７Ｈとした。偏平度５以上、吐出量１
６００ｇ／分、紡速３８ｍ／分で紡糸を試みたが凝固糸
が割繊してローラー巻き付きが多発し連続運転は難しい
状況であった。
【００３４】
【実施例５】実施例１，４、比較例１〜２のアラミド繊
維について、撚係数を１〜４の範囲で変更してヤーン１
本を撚糸したときの強力利用率及び繊維間摩擦係数を測
定した。その結果を表１に示す。
【００３５】
【表１】 偏平繊維は撚糸時の強力利用率が高い。これは繊維間摩
擦係数が低いことと、断面２次モーメントが小さいこと
による捻り変形の歪が少ないことの効果と考えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 繊維の偏平度が１．５以上５以下で、か
    つ単糸繊度が１デニール以上５０デニール未満、力学特
    性が下記範囲にあることを特徴とする芳香族ポリアミド
    偏平繊維 強度：１８ｇ／ｄｅ以上 伸度：３．５％以上 初期モジュラス：４５０ｇ／ｄｅ以上。
JP3353177A 1991-12-18 1991-12-18 芳香族ポリアミド偏平繊維 Pending JPH05163610A (ja)

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