JPH05163517A - 溶鋼の脱酸方法 - Google Patents

溶鋼の脱酸方法

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JPH05163517A
JPH05163517A JP35115891A JP35115891A JPH05163517A JP H05163517 A JPH05163517 A JP H05163517A JP 35115891 A JP35115891 A JP 35115891A JP 35115891 A JP35115891 A JP 35115891A JP H05163517 A JPH05163517 A JP H05163517A
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美也子 秋吉
Toshiyuki Kaneko
敏行 金子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、溶鋼中の介在物を低減させるにあ
たって、浮上分離の困難な有害となる微小介在物の生成
を抑制するための簡便な方法を提供する。 【構成】 溶鋼をアルミニウムで脱酸するにさいし、ア
ルミニウム含有量を80%以下としたアルミニウム−鉄
合金を使用することにより、微小なアルミナの生成を抑
制して、鋼中アルミナ量を低減することを特徴とする溶
鋼の脱酸法。 【効果】 浮上困難な微小介在物の生成を低減できるた
め、大幅な介在物低減となり、その工業的効果は大き
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼工程の製錬の最終
段階でアルミニウムで脱酸するにさいし、溶鋼中微小介
在物を低減させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼工程においては、酸化製錬の終了後
鋼中溶存酸素を脱酸剤を投入して除去する。このさい
(1)式に示す反応により、脱酸反応およびそれ以後の
再酸化反応により微少な酸化物が生成し、これが除去さ
れずに有害な介在物となり、製品欠陥の原因となってい
る。
【0003】 xM+(y/2)O2 →Mxy ・・・・・・・(1)
【0004】従来、鋼中の微小介在物を低減させる方法
としては、様々な要因で生成する非金属介在物の浮上分
離による除去対策が種々とられている。特にアルミニウ
ム脱酸の場合脱酸生成物は微細に分散したものになるた
め浮上分離が困難とされている。この対策として脱酸工
程において微小介在物の凝集、合体による浮上分離時間
を長く与えるために、初期にアルミニウムを投入する出
鋼脱酸法や、RH処理における強攪拌を行い、介在物の
浮上分離を促進する方法がある。また、連鋳タンディツ
ュ内に種々の堰を設けて介在物を浮上させるなどの方法
もある。
【0005】しかし、これらの方法をとっても、溶鋼か
らの5μm以下の微小介在物の浮上分離は困難であり、
清浄化が十分に達成できていないのが現状である。これ
に対し、特開平1−180466号公報に見られるよう
に、脱酸時に、脱酸剤AlとCaO、CaF2 の結合体
及び融合体を投入することにより、脱酸生成物をCaO
−Al23 組成の低融点のものとして無害化する方法
等も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、脱酸
過程においては必ず浮上の困難な微小アルミナが生成す
る。また、Ca添加を行ったとしても、生成するCaO
−Al23 がAl23 単独よりも変形能が低いため
に、製品欠陥に結びつきやすいという問題が存在する。
従って、脱酸生成物をAl23 とし、かつこれを十分
浮上分離させる手段が望まれていた。
【0007】本発明は、溶鋼中の介在物を低減させるに
あたって、浮上分離の困難な有害となる微小介在物の生
成を抑制するための簡便な方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の従
来法における問題点を解決するために、種々の試験を実
施した結果、極めて簡便な方法にて、浮上分離の困難な
微小介在物の生成を抑制する脱酸法を発明するに到っ
た。即ち、溶鋼をアルミニウムで脱酸するに際し、アル
ミニウム含有量を80%以下としたアルミニウム−鉄合
金を使用することを特徴とする溶鋼の脱酸方法である。
【0009】
【作用】本発明者らは、脱酸反応における浮上しやすい
アルミナの生成という観点からの形態制御の可能性を考
えた。そこで、水溶液における結晶成長においては、形
態を決定する因子として過飽和度が重要であることに着
眼して、過飽和度が形態に及ぼす影響を調べた。すなわ
ち実験室的に、静止浴において、純アルミニウムおよび
90%アルミニウム−鉄、80%アルミニウム−鉄、4
5%アルミニウム−鉄合金による脱酸反応でのアルミニ
ウム生成実験を行った。図2および図3は脱酸生成物の
アルミナを抽出して走査型電子顕微鏡で観察したもので
ある。図2は純アルミニウムで脱酸した場合、図3は4
5%アルミニウム−鉄合金で脱酸した場合のものである
が、脱酸剤中のAlの量が減少して、過飽和度が低くな
るにつれ、横方向に広がった形態のものが生成されるこ
とを見いだした。
【0010】さらに、これらの生成実験を溶鋼流動のあ
る状態、即ち攪拌浴で行うと、静止浴で観察された生成
時形態が分断されるが、生成時形態の特徴を維持したも
のになっており図1に示すごとく、純アルミニウムによ
る脱酸では、1〜5μmの微小酸化物が主であるのに対
して、80%以下のアルミニウムを含有する合金鉄によ
る脱酸では、少なくとも5μm以上の酸化物のみが認め
られることを見いだした。
【0011】即ち、脱酸工程において、アルミニウム−
鉄合金による脱酸を行い、アルミナ生成時の過飽和度を
下げることにより、浮上分離しやすい大型の介在物を生
成することが可能なことを見いだしたのである。図1で
みるように合金のアルミニウム含有量が90%でも効果
が見られるが、好ましくは80%以下にするのが良いこ
とがわかる。
【0012】製鋼工程において元素を添加するさい鉄と
合金にしたフェロアロイを使用することは一般的に行わ
れている。たとえばSiやMnは金属シリコンや電解マ
ンガンなどの単体の金属としても添加されるが、多くの
場合フェロシリコンやフェロマンガンが使用される。こ
れらは鋼中への溶解を容易にしたり、また原料製造上の
便宜からフェロアロイとするものである。極端な例とし
てはMo、Wは融点が著しく高いからフェロモリブデン
やフェロタングステンとして融点を低下させない限り添
加することはできない。
【0013】ところが製鋼工程においてアルミニウムを
添加する場合、従来からもつぱらアルミニウム単体が使
用されている。これはたとえばマンガンやシリコンと異
なりアルミニウムは一般用途の地金として大量に生産さ
れており、これをそのまま使用するのが最も簡便だから
である。そしてアルミニウム単体で添加しても別段不都
合はないとされてきたのである。ここにおいて本発明は
鉄と合金にすることにより微小介在物の低減に優れた効
果を生ずることを見出したのである。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例について述べる。転炉に
て吹錬した成分C:0.03〜0.05%、Si:0.
08〜0.15%、Mn:0.20〜0.50%、P:
0.007〜0.01%、S:0.007〜0.01%
の350tの溶鋼をRH処理において、まず減圧脱炭処
理を行い、所定のカーボン濃度に調整した後、Alまた
はAl−Fe合金を投入して、脱酸を行った。脱酸剤の
添加後は、9分間還流を行った。その後、湾曲型連鋳機
で鋳造して、250mm厚のスラブ鋳片を製造した。脱
酸直後とタンディッシュ(容量50t)に250t注入
時点でここから採取した試料について介在物のスライム
抽出を行った。
【0015】詳細な条件および結果を表1に示すが本発
明の実施例においては介在物の減少とこれによる欠陥の
減少がみられ、特に合金中のアルミニウムが80%以下
のとき効果が顕著であることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、少なく
とも90%以下のAl含有量合金鉄を脱酸剤として使用
することにより、浮上分離に困難な5μm以下の微小介
在物の生成を低減出来るため、大幅な介在物低減とな
り、その工業的効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】AlーFe合金中のAl含有量と脱酸生成アル
ミナの粒子径との関係を示すグラフ
【図2】脱酸反応で生ずるアルミナの形態を示す走査型
電子顕微鏡の写真で(a)は純Al、(b)は45%A
l−Fe合金によるもの

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼をアルミニウムで脱酸するに際し、
    アルミニウム含有量を80%以下としたアルミニウム−
    鉄合金を使用することを特徴とする溶鋼の脱酸方法。
JP03351158A 1991-12-13 1991-12-13 溶鋼の脱酸方法 Expired - Fee Related JP3026873B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001051675A1 (en) * 2000-01-13 2001-07-19 Chulwoo Nam Method for manufacturing composite deoxidizer of molten steel and the composite deoxidizer by using the method thereof
CN110387453A (zh) * 2019-08-14 2019-10-29 上海盛宝冶金科技有限公司 一种铝铁球及其制备和应用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001051675A1 (en) * 2000-01-13 2001-07-19 Chulwoo Nam Method for manufacturing composite deoxidizer of molten steel and the composite deoxidizer by using the method thereof
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