JPH07238344A - 高清浄鋼およびその製造方法 - Google Patents

高清浄鋼およびその製造方法

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JPH07238344A
JPH07238344A JP2934094A JP2934094A JPH07238344A JP H07238344 A JPH07238344 A JP H07238344A JP 2934094 A JP2934094 A JP 2934094A JP 2934094 A JP2934094 A JP 2934094A JP H07238344 A JPH07238344 A JP H07238344A
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JP
Japan
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inclusions
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steel
weight
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JP2934094A
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English (en)
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Takashi Nakayama
傑 中山
Takeomi Taniyama
強臣 谷山
Hiroshi Noguchi
宏 野口
Takaaki Taketsuru
▲隆▼昭 竹鶴
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のESR法で製造した鋼よりも非金属介
在物が少なく、より清浄化されている鋼とその製造方法
を提供する。 【構成】 この高清浄鋼は、Al,Oの含有量が、それ
ぞれ、0.03重量%以下,0.0020重量%以下であ
り、ASTM−E45Dで規定する方法で測定したとき
の清浄度は、A系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以
下,B系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,C系
介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,D系介在物が
薄型で1.0等級以下かつ厚型で0等級以下であり、Al
含有量が0.03重量%以下,O含有量が0.0020重量
%以下に調整されている鋼種を消耗電極とし、酸素遮断
雰囲気下において、Al2 3 を含まないフラックスを
用いて前記消耗電極をESRすることにより製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高清浄鋼とその製造方法
に関する。
【0002】
【実施例】航空機のエンジンシャフトやガスタービンの
ブレードなどの部材に用いられる鋼種は、それら部材の
強度的信頼性を高めるために、鋼中には非金属介在物な
どを含まない清浄鋼であることが要求される。また、フ
ァインメッシュ金鋼や精密フィルタ用の材料として注目
を集めている極細線用のステンレス鋼の場合も、極細線
を断線することなく連続伸線するためには、同じく当該
ステンレス鋼に非金属介在物を含まないことが必要とさ
れている。
【0003】上記した非金属介在物は、ASTM−E4
5D法によれば、A系介在物(硫化物タイプ),B系介
在物(アルミナタイプ),C系介在物(けい酸塩タイ
プ),D系介在物(粒状酸化物タイプ)に分類されてい
る。これら非金属介在物のうち、B系介在物とD系介在
物はいずれも酸化物であり、かつ硬度も比較的高いの
で、例えばA系介在物のように後加工の段階で延伸して
微細化するという挙動を示さない。したがって、これら
介在物は、例えばステンレス鋼の極細線を伸線するとき
に、断線事故の要因となりやすい。
【0004】一般に、清浄鋼を製造するためには、ま
ず、目的とする組成の鋼種を例えばアーク炉精錬で溶製
し、その溶湯を鋳造してインゴットにする。ついで、こ
のインゴットに対し、例えば、真空アーク再溶解法,エ
レクトロスラグ再溶解法,電子ビーム再溶解法,プラズ
マ再溶解法などを適用して清浄化処理が施されている。
これらの再溶解法のうち、エレクトロスラグ再溶解法
(Electroslag Remelting Method,以下、ESR法とい
う)は、清浄化の対象である所定鋼種のインゴットを消
耗電極とし、これを例えば銅から成る水冷鋳型の中にセ
ットし、上記消耗電極と水冷鋳型の間に所定組成のフラ
ックスを介在させた状態で消耗電極と鋳型の間に通電
し、そのときのフラックスの抵抗発熱で消耗電極を順次
溶解させ、また同時にフラックス自らも溶融させ、前記
した消耗電極の融滴が前記溶融フラックスを通過する過
程で脱酸を進行させ、生成した介在物を浮上分離させ、
その精錬された融滴を水冷鋳型の中で積層凝固させ、も
って、前記した消耗電極よりも清浄な鋼塊を製造すると
いう方法である。
【0005】このESR法は、通常、大気中で行なわ
れ、またフラックスとしては、通常、CaF2 ,Al2
3 ,CaO,MgOなどの各粉粒体を所定の割合で混
合したもの、例えば、CaO−Al2 3 −CaF2
CaO−CaF2 などが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ESRは、
溶鋼の酸素濃度と、溶鋼上の溶融フラックス中の酸素濃
度と、系内全体の酸素分圧との間で平衡関係を保持した
状態で進行する。したがって、大気中でESRを行った
場合は、系内の酸素分圧は常時大気中酸素分圧であるた
め、溶鋼中の脱酸が進んでも、同時に大気中の酸素によ
って溶鋼内には不断に酸素が供給されて酸化物が生成し
続けることになり、いわば、非金属介在物が常時溶鋼中
に補給されるような状態になる。
【0007】とくに、フラックスとして、例えば、Ca
O−Al2 3 −CaF2 を用いた場合、B系介在物や
D系介在物の除去には限界がある。一方、Al2 3
代表される非金属介在物は、溶鋼の中に、最初は微細な
粒子として生成し、その後、ESRの進行過程で溶鋼中
を拡散流動して互いに集合し合いその粒径が大きくなっ
ていくという挙動を示す。
【0008】したがって、ESR後の鋼塊中の非金属介
在物を微細化し、かつその生成個数を減少させる、すな
わち、清浄化された鋼塊を得るためには、非金属介在物
の微細な粒子の生成を抑制すればよいことになる。その
ためには、消耗電極中のAl等の成分量を減少させれば
よい。しかしながら、消耗電極の組成は、ESR後の鋼
塊がJIS規格の鋼種であることを目的とする場合、そ
の鋼種に対応する組成になるので、非金属介在物の生成
を抑制するという観点からAl等の成分を調整すること
を実操業で採用することは困難である。
【0009】本発明は、ESR法で清浄鋼を製造すると
きの上記した問題を解決し、従来の清浄鋼に比べて、非
金属介在物が微細でありかつ生成個数が少ない高清浄鋼
とその製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、Al,Oの含有量が、それ
ぞれ、0.03重量%以下,0.0020重量%以下であ
り、ASTM−E45Dで規定する方法で測定したとき
の清浄度は、A系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以
下,B系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,C系
介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,D系介在物が
薄型で1.0等級以下かつ厚型で0等級以下であることを
特徴とする高清浄鋼が提供され、また、本発明の高清浄
鋼の製造方法は、Al含有量が0.03重量%以下,O含
有量が0.0020重量%以下に調整されている鋼種を消
耗電極とし、酸素遮断雰囲気下において、Al2 3
含まないフラックスを用いて前記消耗電極をESRする
ことを特徴とする。
【0011】本発明においては、まず、Al含有量が0.
03重量%以下,O含有量が0.0020重量%以下に調
整された鋼種が出発素材として用意され、これを消耗電
極にして後述するようなESRが適用される。出発素材
として、Al含有量が0.03重量%より多く、またO含
有量が0.0020重量%より多い鋼種を用いると、B系
介在物を薄型,厚型のいずれにおいても0等級以下にす
ることが困難である。
【0012】本発明においては、上記消耗電極にESR
を行う際に、装置全体を密封構造にして系内を大気と遮
断し、もって、反応系の雰囲気を酸素遮断雰囲気にす
る。その雰囲気としては、例えば、0.1〜700Torr程
度の真空雰囲気、または、Arガスのような不活性ガス
で置換した減圧雰囲気であることが好ましい。また、本
発明で用いるフラックはAl2 3 を含まないものであ
れば何であってもよく、例えば、CaO−CaF2 系フ
ラックスを好適なものとしてあげることができる。
【0013】ESR装置の中に上記消耗電極をセット
し、装置内を例えば真空ポンプで脱気して装置内を所定
の真空度に維持し、Al2 3 を含まないフラックスを
投入し、この状態の下で、消耗電極と水冷鋳型との間に
通電する。このときの通電方式は直流通電であっても交
流通電であってもよく、格別限定されるものではない。
フラックスは溶融し、消耗電極は融滴となって溶融フラ
ックス内を通過して溶鋼となる。
【0014】このESRの進行過程で、系内には大気中
からの酸素流入はない。したがって、消耗電極に含有さ
れていた酸素成分のみが、溶鋼中で非金属介在物の生成
源として機能することになる。そして、消耗電極中の酸
素成分の量は大気中のそれに比べて超かに少ないので、
溶鋼において、Alなどと酸素との結合に基づく非金属
介在物の生成機会は非常に少なくなる。すなわち、溶鋼
中の非金属酸化物の生成個数は少なくなり、またそれが
集合して粗大化することも少なくなる。その結果、得ら
れた鋼塊は、従来に比べて著しく清浄化する。
【0015】
【発明の実施例】
実施例1 C:0.400重量%,Si:0.23重量%,Mn:0.5
9重量%,P:0.007重量%,S:0.002重量%,
Cu:0.05重量%,Ni:0.09重量%,Cr:3.3
0重量%,Mo:0.98重量%,V:0.23重量%,A
l:0.004重量%,O:0.0020重量%,N:0.0
120重量%,H:0.0001重量%,残部がFeから
成る鋼種をアーク精錬炉で溶製した。
【0016】この鋼種を消耗電極(2トン)としてES
R装置にセットし、CaF2 :80モル%,CaO:2
0モル%から成るフラックスを用い、装置内をAr:1
50Torrの減圧状態にし、温度1600℃,溶融速度2
50kg/hrの条件でESRを行った。得られた鋼塊につ
き、トップ部,中間部,ボトム部における成分分析を行
い、また、ASTM−E45D法に基づいて非金属介在
物を検鏡観察した。その結果を表1に示した。
【0017】比較のために、ESRを大気中で行ったこ
と、消耗電極の溶融速度を248kg/hrに設定したこと
を除いては実施例と同様の条件で鋼塊を製造した。得ら
れた鋼塊についても、実施例と同様にして成分分析,非
金属介在物の検鏡観察を行った。その結果も表1に併記
した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2 C:0.004重量%,Si:0.25重量%,Mn:0.8
3重量%,P:0.006重量%,S:0.004重量%,
Cu:0.03重量%,Ni:9.52重量%,Cr:19.
20重量%,Al:0.003重量%,O:0.0028重
量%,N:0.0121重量%,H:0.0002重量%,
残部がFeから成るステンレス鋼をアーク精錬炉で溶製
した。
【0020】このステンレス鋼に対し、実施例1と同じ
条件で減圧下におけるESRを行った。実施例1と同様
に、得られた鋼塊の成分分析,非金属介在物の検鏡観察
を行い、その結果を表2に示した。比較のために、大気
中でESRを行い、その結果についても表2に併記し
た。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法で製造した鋼は、B系介在物は認められず、またD系
介在物は薄型で1.0等級以下であり、従来のESR法で
製造した鋼に比べて超かに清浄になっている。これは、
ESRを行うときに、酸素遮断雰囲気を採用したことが
もたらす効果である。
【0023】本発明の清浄鋼は、航空機のエンジンシャ
フトやタービンブレードなどの材料として有用であり、
また極細線を製造するときの伸線用材料として有用であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al,Oの含有量が、それぞれ、0.03
    重量%以下,0.0020重量%以下であり、ASTM−
    E45Dで規定する方法で測定したときの清浄度は、A
    系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,B系介在物
    が薄型,厚型いずれも0等級以下,C系介在物が薄型,
    厚型いずれも0等級以下,D系介在物が薄型で1.0等級
    以下かつ厚型で0等級以下であることを特徴とする高清
    浄鋼。
  2. 【請求項2】 Al含有量が0.03重量%以下,O含有
    量が0.0020重量%以下に調整されている鋼種を消耗
    電極とし、酸素遮断雰囲気下において、Al2 3 を含
    まないフラックスを用いて前記消耗電極をエレクトロス
    ラグ再溶解することにより、Al,Oの含有量が、それ
    ぞれ、0.03重量%以下,0.0020重量%以下であ
    り、ASTM−E45Dで規定する方法で測定したとき
    の清浄度は、A系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以
    下,B系介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,C系
    介在物が薄型,厚型いずれも0等級以下,D系介在物が
    薄型で1.0等級以下かつ厚型で0等級以下であることを
    特徴とする高清浄鋼の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507531A (ja) * 2009-10-12 2013-03-04 スネクマ エレクトロスラグ再溶解前のマルテンサイト系ステンレス鋼の脱気
EP3536815A1 (fr) * 2014-06-10 2019-09-11 Safran Aircraft Engines Procédé pour fabriquer un lingot d'acier faiblement allié
CN111673056A (zh) * 2020-07-30 2020-09-18 安徽工业大学 一种改善大钢锭结晶质量的电渣补缩方法
CN111774550A (zh) * 2020-07-30 2020-10-16 安徽工业大学 一种改善大钢锭结晶质量的电渣补缩装置

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CN111673056A (zh) * 2020-07-30 2020-09-18 安徽工业大学 一种改善大钢锭结晶质量的电渣补缩方法
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