JPH07233426A - 低シリコン・低酸素鋼の製造方法 - Google Patents

低シリコン・低酸素鋼の製造方法

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JPH07233426A
JPH07233426A JP2386094A JP2386094A JPH07233426A JP H07233426 A JPH07233426 A JP H07233426A JP 2386094 A JP2386094 A JP 2386094A JP 2386094 A JP2386094 A JP 2386094A JP H07233426 A JPH07233426 A JP H07233426A
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JP
Japan
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low
concentration
oxygen
steel
atmosphere
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JP2386094A
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English (en)
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Takashi Nakayama
傑 中山
Takeomi Taniyama
強臣 谷山
Hiroshi Noguchi
宏 野口
Takaaki Taketsuru
▲隆▼昭 竹鶴
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Si濃度が低く、かつ酸素濃度も低い鋼種を
ESRで製造する方法を提供する。 【構成】 本発明方法においては、Si濃度が0.30重
量%以下に調整されている鋼種を消耗電極とし、酸素遮
断雰囲気下で前記消耗電極をエレクトロスラグ再溶解す
ることにより、Si濃度:0.30重量%以下で、かつ、
O濃度:0.002重量%以下に清浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低シリコン・低酸素鋼の
製造方法に関し、更に詳しくは、低シリコンであると同
時に、酸素濃度も極めて低い清浄鋼をエレクトロスラグ
再溶解法で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、航空機のエンジンシャフトやガ
スタービンのブレードなどに用いられる鋼種は、非金属
介在物などを含まない清浄鋼であることが必要とされて
いる。このような清浄鋼を得るためには、溶製の過程
で、非金属介在物生成の原因となる酸素や窒素などの成
分、とりわけ、酸素の濃度を極力低減しなければならな
くなる。
【0003】上記清浄鋼を製造するためには、まず、目
的とする組成の鋼種を例えばアーク炉精錬で溶製し、そ
の溶湯を鋳造してインゴットにする。ついで、このイン
ゴットに対し、例えば、真空アーク再溶解法,エレクト
ロスラグ再溶解法,電子ビー再溶解法,プラズマ再溶解
法などを適用して清浄化処理が施されている。こられの
再溶解法のうち、エレクトロスラグ再溶解法(Electros
lag Remelting Method,以下、ESR法という)は、清
浄化の対象である所定鋼種のインゴットを消耗電極と
し、これを例えば銅から成る水冷鋳型の中にセットし、
上記消耗電極と水冷鋳型の間に所定組成のスラグを介在
させた状態で消耗電極と鋳型の間に通電し、そのときの
スラグの抵抗発熱で消耗電極を順次溶解させ、また同時
にスラグ自らも溶融させ、前記した消耗電極の融滴が前
記溶融スラグを通過する過程で脱酸を進行させ、生成し
た介在物を浮上分離させ、その精錬された融滴を水冷鋳
型の中で積層凝固させ、もって、前記した消耗電極より
も清浄な鋼塊を製造するという方法である。
【0004】このESR法は、通常、大気中で行なわ
れ、またスラグとしては、通常、CaF2 ,Al
2 3 ,CaO,MgOなどの各粉粒体を所定の割合で
混合したものが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した大
気中で行うESR法には次のような問題がある。すなわ
ち、まず、大気中の水分や窒素成分が再溶解の過程で融
滴に取り込まれ、その結果、ESR後に得られた鋼塊の
水素濃度と窒素濃度が上昇し、かつその濃度ばらつきが
大きくなるということである。
【0006】一方、ESR法における脱酸は、消耗電極
の溶製時に脱酸剤として添加されたSi成分による脱酸
であるということが知られている。すなわち、ESR時
の融滴および溶融メタルと溶融スラグの接触界面におい
ては、次式:
【0007】
【数1】
【0008】で示される平衡反応が成立している。そし
て、融湯中のSi成分が周辺の酸素成分と反応してSi
2 を生成し、このSiO2 が溶融スラグに溶融するこ
とにより、(1) 式の反応は左方向に崩れて脱酸が進行し
ていくものと考えられる。今、上記(1) 式の反応系にお
いて、反応系の平衡定数をK,反応系の温度をT,融滴
内のSi濃度を〔%Si〕,その活量係数をγsi,系内
のO濃度を〔%O〕,その活量係数をγo ,生成したS
iO2 の活量をasio2とすると、次式: logK=−30110/T+11.40 …(2)
【0009】
【数2】
【0010】が成立する。そして、(2) ,(3) 式から、
次式:
【0011】
【数3】
【0012】が導かれる。したがって、〔%O〕の低
減、すなわち清浄な融滴を得るためには、(4) 式から明
らかなように、反応系の温度Tを低温にする処置、融滴
中のSi濃度を高める、すなわちSi濃度が高い消耗電
極を用いること、また溶融スラグ中のSiO 2 の活量を
低下させる処置を施せばよいことになる。
【0013】これらのファクタのうち、まず、反応系の
温度Tは、ESR操業時における投入電力によって自動
的に決定されるファクタであって、最良の温度は、用い
るスラグの溶融温度であるということからすれば、実操
業に採用することはできない。また、消耗電極中のSi
濃度は対象鋼種の成分組成によって決定されるファクタ
である。したがって、Si濃度が高い鋼種の低酸素化に
対しては採用することが可能であるが、最近要求が高ま
っている低Si濃度の鋼種の低酸素化を実現するための
ファクタとして採用することはできない。
【0014】このようなことから、Si濃度が低い鋼種
の低酸素化を実現するためには、溶融スラグ中のSiO
2 活量を低下させることが有効であるということにな
る。しかしながら、大気下のESR操業において、溶融
スラグ中のSiO2 活量を低下させると、確かに、ES
R後の鋼塊中の酸素濃度は低下するが、際立った酸素濃
度の低下効果が得られるというわけではない。
【0015】これは、ESRの過程で大気中から酸素成
分が反応系内に継続的に取り込まれるからであると考え
られる。すなわち、融滴中のSi成分は融滴内の酸素成
分を脱酸するために機能するというよりは、むしろ、反
応系に取り込まれてくる大気中の酸素成分と反応してS
iO2 になるために消費されるからである。そして、生
成したSiO2 は溶融スラグに溶融するので、その溶融
スラグにおけるSiO 2 活量が増大していき、融滴のS
i成分と酸素成分との理論平衡関係は高酸素側へ移行し
ていくからであると考えられる。
【0016】本発明は、大気下のESR操業における上
記した問題を解決し、Si濃度が低い鋼種であっても、
従来に増して低酸素化を実現して清浄化することができ
る、低シリコン・低酸素鋼の製造方法の提供を目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、Si濃度が0.30重量%以
下に調整されている鋼種を消耗電極とし、酸素遮断雰囲
気下で前記消耗電極をエレクトロスラグ再溶解すること
により、Si濃度:0.30重量%以下で、かつ、O濃
度:0.002重量%以下に清浄化することを特徴とする
低シリコン・低酸素鋼の製造方法が提供される。
【0018】本発明方法は、Si濃度が0.30重量%以
下で、かつ、O濃度が0.002重量%以下にまで清浄化
された鋼種をESR法で製造するための方法である。そ
のために、まず、消耗電極としては、溶製の段階でSi
濃度が0.30重量%以下に調整された低シリコンの鋼種
が選定される。Si濃度が0.30重量%よりも高い鋼種
の場合は、後述するESRを行っても、Si濃度が0.3
0重量%以下であり、かつO濃度が0.002重量%以下
にまで清浄化した鋼塊にすることが困難になるからであ
る。
【0019】本発明方法においては、上記消耗電極にE
SRを行う際に、装置全体を密封構造にして系内を大気
と遮断し、もって、反応系の雰囲気を酸素遮断雰囲気に
する。その雰囲気としては、例えば、0.1〜700Torr
程度の真空雰囲気、または、Arガスのような不活性ガ
スで置換した減圧雰囲気であることが好ましい。本発明
においては、ESR装置の中に上記消耗電極をセット
し、装置内を例えば真空ポンプで脱気して装置内を所定
の真空度に維持し、この状態の下で、消耗電極と水冷鋳
型との間に通電する。このときの通電方式は直流通電で
あっても交流通電であってもよく、格別限定されるもの
ではない。
【0020】この反応系においては、大気からの酸素成
分の流入はない。したがって、融滴内のSi成分は融滴
内の酸素成分とのみ反応するので、(1) 式で示した脱酸
反応においては、当該融滴の脱酸が律速的に進むことに
なり、融滴は清浄化される。かくして、このような融滴
の積層凝固の結果得られた鋼塊は、低シリコンであり、
かつ低酸素の清浄鋼になる。
【0021】
【実施例】
実施例1 Si濃度が0.24〜0.26重量%,酸素濃度が60ppm
に調整されているSUS316Lの鋼種を用意した。こ
の鋼種を消耗電極としてESR装置にセットし、スラグ
として、CaF2 :80重量%,CaO:20重量%か
ら成る混合粉末を用い、装置内をAr:150Torrの減
圧状態にして、温度1600℃でESRを行った。
【0022】得られた鋼塊につき、Si濃度と酸素濃度
を測定した。その結果を図1に示した。また、比較のた
めに、ESRを大気中で行ったことを除いては実施例1
と同じ操業条件で鋼塊を製造し、それら鋼塊について
も、Si濃度と酸素濃度を測定した。その結果を、同じ
く図1に示した。
【0023】図中、□印はESR前の消耗電極を表し、
○印は実施例の鋼塊を表し、●印は比較例の鋼塊を表
す。図1から明らかなように、本発明方法によれば、消
耗電極の酸素濃度は60ppm から10ppm にまで低減す
る。これに反し、従来のESR法では、酸素濃度を20
ppm にまで低減することが限界であり、しかもそのとき
には、Si濃度も大幅に低減せざるを得ないということ
がわかる。
【0024】これらのことは、本発明方法では消耗電極
のSi成分は自らの酸素成分の脱酸に寄与しているが、
従来方法では、大気中から流入する酸素成分によって浪
費され、消耗電極の脱酸反応に充分有効に寄与していな
いことを推定させるものである。 実施例2 アーク精錬により、表1で示した組成の鋼種を溶製し
た。この鋼種を消耗電極とし、下記の条件で、ESRを
行った。
【0025】電流:16.5kA,電極:28V,スラグ
組成:CaF2 80重量%,CaO20重量%,真空
度:150Torr,消耗電極の溶解速度:229kg/hr,
消耗電極の重量:2030kg。得られた鋼塊につき、ボ
トム部とトップ部における成分を分析した。その結果を
表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1のデータから明らかなように、本発明
方法によれば、得られる鋼種のSi濃度を一層低くする
ことができ、しかも同時に、酸素濃度を大幅に低減する
ことができ、高清浄化を実現することができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法は、Si濃度が低い鋼種に対してもESRで酸素濃度
を大幅に低減することができ、鋼の清浄化を実現するこ
とができ、清浄鋼の製造方法として有用である。これ
は、ESRを行うときに、系内を大気と遮断することに
より、消耗電極に含まれていた酸素成分を当該消耗電極
のSi成分で脱酸させるようにしたことがもたらす効果
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ESR後に得られた鋼塊におけるSi濃度と酸
素濃度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si濃度が0.30重量%以下に調整され
    ている鋼種を消耗電極とし、酸素遮断雰囲気下で前記消
    耗電極をエレクトロスラグ再溶解することにより、Si
    濃度:0.30重量%以下で、かつ、O濃度:0.002重
    量%以下に清浄化することを特徴とする低シリコン・低
    酸素鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素遮断雰囲気が、0.1〜700To
    rrの真空雰囲気または不活性ガスで置換した減圧雰囲気
    である請求項1の低シリコン・低酸素鋼の製造方法。
JP2386094A 1994-02-22 1994-02-22 低シリコン・低酸素鋼の製造方法 Pending JPH07233426A (ja)

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